PSPゲームレビュー

デジモンアドベンチャー

「デジピース」でデジモンを強化! どうセットするかで戦闘での立ち位置が大きく変化する!

「デジピース」でデジモンを強化! どうセットするかで戦闘での立ち位置が大きく変化する!

 戦闘でEXPを獲得してレベルアップするか、「スキルパネル」に「デジピース」を装備することでデジモンを強化できる。

 「デジピース」は「ステータスアップ」、「コマンド」、「オート」、「特殊」(経験値2倍など)に分類され、それぞれピースにより形状が異なる。

 「ステータスアップ」にはHP・ATK・DEF・SP・ショックガードなどがあり、キャラクターの性能や耐性を向上させられる。「コマンド」は技を追加するもので攻撃・回復・補助とその効果は様々。「オート」はダメージを受けると一定確率でATKが上昇する「怒り」、行動開始時にHPが少し回復する「オートヒール」など、装備しているだけで自動で発動するタイプ。「コマンド」と「オート」は合わせて3つまでセットできる。「特殊」は経験値2倍など、他とは違った性能を持つタイプとなっている。

レベルアップに必要なEXPは戦闘に参加しなくても、メンバー入れ替え可能なキャラクターであれば、参加キャラクターの1/5が獲得できる。リーダーとしてキャラクターが固定されるエピソードがあるため、ある程度全員のレベルを上げるようにしておくとスムーズに進められる
2~5個のブロックで構成される「デジピース」の性能や形状は様々。無駄のないようにセットしたい。例えば「ATKブーストI」(ATK+5)なら右下に下るような2個のブロックで構成されるが、「ATKブーストII」(ATK+10)は「ATKブーストI」と全く同じ形状。同じブロック数ながら倍の攻撃力上昇効果の得られる完全上位のピースとなる
「スキルパネル」は最初は小さいが、一定レベルに達すると大きくなり、より多くの「デジピース」が装備できるようになる

 デジモンたちの固有技のほとんどは攻撃的なものなので全てのデジモンはアタッカーとして活躍できる性能を持っているが、「デジピース」により性能を変化させれば補助・回復役にもなり得るという非常に柔軟なシステムになっている。

 「デジピース」は宝箱やエピソードクリアの報酬としてだけではなく、素材から合成することもできる。素材は宝箱や敵のドロップで入手でき、合成する「デジピース」のレシピに記された分の素材を消費することで手に入る。また、デジピースは分解が可能。「DEFブーストI」であれば、合成時には「やわらかい毛皮」3個と「ふわふわな布」2個が必要だが、分解時には「やわらかい毛皮」2個と「ふわふわな布」1個が得られるように、合成時よりも素材の量は減ってしまうが上位のデジピースを作るのに素材が欲しい場合には活用していきたい。

素材から「デジピース」を合成したり、分解して素材を得ることができる。専用の合成レシピが必要になる「デジピース」も存在する。ちなみに消費アイテムも合成で作り出すことができる

最後に

 “原作の完全再現”を謳っている本作。TVアニメ本編はもちろん、劇場版、さらにはゲームオリジナルのエピソードまで収録し、「デジモンアドベンチャー」の物語をしっかり、たっぷり堪能できる。イベントシーンではキャラクターが良く喋るのも嬉しい。

 バトルは行動順を考えて「キズナコンボ」を発動させたり、「SHOCK」などで敵を止めることで味方の行動回数を増やしたりと戦略的なものに。とはいえ、それらを無理に狙わずともレベルを上げて「デジピース」で強化すれば勝利できる難易度になっているので小さな子供でも充分クリアできるはず。また、メイン/サブエピソードは1度クリアするとリトライできないが、何度も挑戦できるデジタルダンジョンを利用すれば仲間を強化できるのでレベル不足で行き詰まることもない。ちなみに「デジピース」や補助・回復タイプの技を有効に使えばデジタルダンジョンでレベル上げをしなくともゲームが進められるような調整になっている。

 ストーリー進行などで進化段階が増えることに加え、レベルアップ、パズルのようにピースをセットして強化する「デジピース」と育成・強化する楽しみも充分。特に「デジピース」は無駄なくセットすることだけでなく、何をセットするかで補助役や回復役になれたりと自分だけのデジモンを作りだせる要素になっている。

 クリア後には「デジモンアドベンチャー」の世界では登場するはずのない歴代アニメの主人公たちが集結する最終ダンジョンも用意されている。

 TVアニメ本編、劇場版、オリジナルのエピソードを収録し、「デジモンアドベンチャー」を知る人も知らない人も楽しめるよう開発された本作。子供はもちろん、大人であっても子供の頃を思い出しつつプレイしてみてはいかがだろうか。

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(木原卓)