PS3ゲームレビュー

龍が如く5 夢、叶えし者

4人の男と1人の少女、計5人の主人公! メインとなる物語とは別に用意されたキャラクター毎のアナザードラマでは、ケンカバトルとは違ったゲーム性が楽しめる!

4人の男と1人の少女、計5人の主人公! メインとなる物語とは別に用意されたキャラクター毎のアナザードラマでは、ケンカバトルとは違ったゲーム性が楽しめる!

 舞台は5つ、そして主人公も桐生一馬、冴島大河、澤村遥、秋山駿、品田辰雄の5人に。それぞれのキャラクター毎にアナザードラマ、特色あるゲームが用意されている。また、攻撃や移動モーション、敵の行動や演出など、全てを1から再設計したというケンカバトルには各主人公固有の必殺技「絶技」、ヒートゲージとは別のゲージを溜めることで使える「クライマックスヒート」という新要素が組み込まれている。

ヒートアクションのバリエーション増加、演出の強化などにより、戦闘の面白みが増している。5大都市それぞれで使えるご当地ヒートアクションも用意されている。また、街中で起こる出来事から技を閃く、天啓も健在。本作ではバトル中に技を閃くタイプの天啓も追加されている
画面左上にある龍マークを囲っているのがクライマックスゲージ。このゲージはヒートアクションを使うことで溜まっていく。クライマックスヒートは、ゲージを溜め、赤い“極”表示中に△ボタンを入力すると発動することができる。ヒートアクションの上位に位置づけされた切り札的存在だ
敵と戦い、レベルや武器熟練度を上げれば、戦闘は一気に楽になる。レベルアップ時に得られるスキルソウルを消費すれば技を習得したり、体力を上昇させたりできる。手動で習得する能力を決めることもできるが、おまかせ成長モードを利用すれば自動で強化してくれる。武器熟練度は武器種毎に設定されており、使い込むことで熟練度が上昇。より強力な武器攻撃、それまで扱えなかった武器が使えるようになる

桐生一馬

 元東城会四代目。かつて“堂島の龍”と呼ばれた伝説の極道。言わずと知れたシリーズの主人公。CVは黒田崇矢さん。

 打撃、投げの威力、扱いやすさはもちろんのこと、守勢から攻撃に転じられたり、一気に距離を離したり、詰めたりできる古牧流の技が習得できる。高いレベルでバランスが取れている攻防兼ね備えたオールラウンダーだ。

攻めだけでなく、豊富な返し技が特徴的な桐生。返し技の中には多少難しいものもあるが、「古牧流 弾き返し」は、ガード中に△ボタンを押すだけと簡単なので使えるようになっておきたい。これが使えるかどうかで強敵とのバトルの難易度は大きく変わってくる

 絶技「怒龍の気位」は、素手の時にヒート状態でR2ボタンで発動。ヒートゲージがなくなるまで、敵の攻撃を跳ね返し、強力な連続攻撃や投げ技を繰り出すことができる。

絶技「怒龍の気位」発動中は、圧倒的な攻撃を繰り出すことができる。敵の攻撃を弾き返す効果もあるため、攻撃を潰される心配もない

 現在は永洲街にある永洲タクシーの一社員である桐生。アナザードラマ「タクシードライバー」では、タクシーで永洲街を走り回ることになる。お客さんの要望を満たしつつ送迎する「送迎ミッション」、ドライブゲームのような「レースバトル」など、これまでのシリーズにはなかった全く新しいゲームになっている。

送迎ミッションではお客さんの要望を満たしつつ、目的地まで送り届ける必要がある。タクシードライバーらしく、お客さんとの会話も重要になってくる。また、信号や交通標識などに沿った運転も求められる
「レースバトル」には、ドリフトなど本格的なレースゲームの要素を備えつつも、秘儀 爆裂アクセルといった龍が如くならではの要素が組み込まれている。「デイトナUSA」や「スカッドレース」といった名作を手がけてきた名越総合監督の持つドライブゲーム制作のノウハウも活かされているのかもしれない。また、レースに勝利するには、ドライビングテクニックに加え、タクシーのチューンナップも重要。しっかりチューンナップしておけば、それほどドライブゲームが得意でなくても全てクリアできるはずだ。チューンナップは性能面だけでなく、ビジュアルやBGMもカスタマイズできる。セガのドライブゲームファンにはたまらないBGMもあるので期待してもらいたい

冴島大河

 東城会直系冴島組組長。かつて“極道18人殺し”の汚名を着せられた男。CVは小山力也さん。

 怪力を活かしたパワーファイターで、特定の攻撃を溜めることで高威力の攻撃が可能。攻撃速度はそれほど遅くなく、溜め中に敵の攻撃を受けてもひるみにくくなる能力が習得できるため、溜め中に攻撃が潰されることもあまりない。高火力で、とても扱いやすいキャラクターだ。

 □→□→△(溜め)などと、溜めることでより高い威力の攻撃(チャージフィニッシュ)が可能

 絶技「猛虎の心得」により、ヒート状態の冴島は街にある道路標識など、他のキャラクターでは扱うことのできない大きなものを武器として使うことができる。物だけでなく、人すらも武器にできてしまう。

敵を武器として扱えるほどの怪力の冴島。能力「猛虎 崩天嵐」(敵を武器のように振り回し、周囲の敵を巻き込む強烈な投げ技を繰り出す)を習得すれば、敵を武器にできる能力がさらに強くなる。「猛虎 崩天嵐」はバウンド中の相手にも有効なため、投げや打撃コンボでバウンドさせてから決めるといった使い方もできる

 とある事情により雪山で遭難してしまう冴島は、1人のマタギに命を救われる。過酷な雪山で生き残るために必要な食料を入手すべく、自身も猟師となり、雪山へと入る。冴島のアナザードラマ「狩猟と殺戮」では、雪山へと入り、猟銃や罠を駆使して、野生動物たちを狩る。動物たちは大きな音を立てたり、近づき過ぎたりすると逃げてしまうため、ケンカバトルとは違った慎重さが求められる。

野性動物に気付かれないように近づき、猟銃で仕留める。ミスしてしまえば、銃声で動物は逃げてしまう。逃げ回る獲物を撃つのは難しく、1度に装填できる銃弾も少ないため、1発で仕留めることが重要。他にも罠を特定ポイントに設置することでも動物を仕留めることができる。仕留めた獲物からは、肉や皮などが得られる。肉は食料になることに加え、これら素材の全ては換金することも可能。また、装備の強化、スキル習得といった要素も。雪山での寒さによる体力減少が抑えられたり、照準のブレが軽減されたりと様々な効果がある

澤村遥

 かつて“100億の少女”と呼ばれた奇跡の少女。CVは釘宮理恵さん。

 トップアイドルを目指す彼女は、レッスンや仕事で自分を磨き、アイドルとしての能力を高めていく。レッスンや歌や踊りのステージはリズムゲームになっている。他にもアイドルとしての仕事は握手会やテレビ番組への出演など多岐に渡る。クイズ番組やバラエティ番組では、正しい受け答えが要求される。街を探索している際に絡まれてケンカバトルになることはないが、街にいるダンサーとダンスバトルで戦うことができる。これらダンスバトルストーリーやお仕事ミッションが遥のアナザードラマ「アイドルへの道」となっている。

歌やダンスは、ボタンを音楽に合わせて、入力していくリズムゲーム。1人で歌ったり、踊ったりすることもあるが、対戦相手がいることも。ダンスバトルでは、制限時間内でのジャッジ(観客の評価)の得点で相手を上回るか、相手の体力をなくせば勝利となる。さらに遥にはヒートアクションに代わる「ダンスヒート」があり、使うことで体力を回復したり、敵の能力を下げたりすることができる
仕事をこなしていくことで、遥のアイドルとしての能力(基礎力・歌唱力・魅力・表現力)が上昇し、事務所レベルやファン数も増加する。アイドルとしての4つの能力は、バトルでの入力ボタンに対応しており、能力が高いほど、入力成功時の得点が上昇する。経験値蓄積によるレベルアップ、ソウル消費による能力強化もあり、ここでは体力増加や新たなダンスヒートが習得できる。事務所レベルが上がると、仕事が増えたり、レッスン環境が向上することで効率良く成長させられるようになる

秋山駿

 元ホームレス、神室町で街金融スカイファイナンスを営む男。CVは山寺宏一さん。

 華麗なる足技とスピードがウリの秋山。手(足)数の多さを活かし、反撃の隙を与えず、連続攻撃を叩き込むことができる。特に単体の相手に対し、強い印象だ。

 絶技「エアストライク」は、ヒート状態で△から□連打で繰り出すことができ、空中に打ち上げた相手に蹴り技を連続で叩き込む技。□→△→△や走り中△からでも発動可能と、使い勝手が良く、一気に大ダメージを与えることができる。

 なお、秋山にはアナザードラマはないが、他の主人公と同様にサブストーリーは用意されている。

豊富な足技のコンビネーションが特徴的な秋山。その素早い動きやエアストライクでの空中コンボにより、気持ち良くバトルできる

品田辰雄

 名古屋の貧乏風俗ライターであり、非業の天才バッター。CVは森川智之さん。

 品田は武器を得意とするキャラクター。他のキャラクターと比べ、武器が大幅に長持ちすることに加え、強力な武器攻撃が可能。壊れずに使い続けられる武器も存在する。どの武器を使っても強い品田だが、棒状の武器を持った場合には、さらに強力な武器攻撃が繰り出せる。

武器を使った戦いを得意とする品田。本作には多彩な武器が存在するので、どんな攻撃になるのか試してもらいたい。だが、そんな品田には“バットは人を殴るためには使わない”という野球人らしい強い信念がある。バトル中、敵が落としたバットを拾うとどうなるか試してみて欲しい

 武器の扱いが上手い品田だが、素手だと弱いかと言うとそんなことはない。パワフルな打撃技がありつつも、敵を投げ、そのまま引き起こして再度攻撃するといったことができるし、絶技「俺流 流星タックル」により、ヒート状態では打撃から敵にタックルをかまし、押し倒したり、突き飛ばしたりといったことが可能となっている。

打撃からタックルを決め、押し倒して追撃したり、突き飛ばして、さらに打撃からタックルなど、様々な戦い方が可能。武器がなくても強敵たちと渡り合えるだけの性能を備えている

 品田のアナザードラマ「一打の代償」では、元野球選手らしく、バッティングで戦う。バッティングセンターでホームランの数を競ったり、人間のピッチャー相手の勝負など、その形式は多彩。コーチからの指導を受けたり、バッティングバトルを重ねることで品田の能力は強化されていく。また、装備品により、能力をブーストすることもできる。

○/×/△/□により、ヒッティングポイントが異なる。タイミングを見極め、ボールの来る位置に応じてカーソル移動・ボタン入力をすることでボールを打ち返せる。中央寄りの範囲に捉えればホームランだ。投手の手からボールが離れて、こちらに届くまでの短い時間に判断し、操作しなければならないが、能力が強化されることでカーソルは大きくなるし、ボールをスローにできる能力も習得するため、能力さえ強化しておけば誰でもクリアは可能だ。また、危険球を避けるといった独特な要素も存在する
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(木原卓)