PS3/Xbox 360ゲームレビュー

吉田秀彦選手など国内外のトップファイター約60名が登場!
「EA SPORTS 総合格闘技」



 かつては地上波で毎週レギュラー番組があった、日本の総合格闘技(Mixed Martial Arts:以下MMA)シーン。今では年間を通じて数えるほどしか中継がなく、あとは年末の特番くらい。一方で海外に目をむけると、北米を中心にワールドワイドに展開中の「Ultimate Fighting Championship(以下:UFC)」や、本作とも関わりのある米カリフォルニアを拠点とする総合格闘技大会「Strikeforce」など、質の高い興行が定期的に催されている。

 現実のMMAシーンよろしく、数年前まではコンシューマゲームでも似たような状況が続いていた。国内ではめっきり発売されなくなったMMAゲームだが、海外では(たとえ少数であっても)コンスタントにリリースされ続け、昨今はついに数百万本という驚異的な販売本数を叩き出すMMAゲームまで出現した。ただ……ほぼ1社寡占という状況には何の変化もなく「のっかりでもいいから、複数社からMMAゲームが発売されて全体の層が厚くなるといいんだけどなぁ」という思いが常にあったのも事実だ。

 そんなとき……某月某日、某タイトルの強力なライバルになるかもしれない新作がエレクトロニック・アーツから発売されるとの情報を耳にした。初報では国内発売は未定とされていたが、現時点では読者の方々もご存知のとおり、ローカライズされた「日本語版」がきちんと用意されると聞き、筆者は思わず小躍りしたものだ。いち消費者としては、遊べるゲームは多いほうがいいに決まっている。それが大好きなMMAをテーマにしたものなら、なおさらだ。

 すでに体験版をプレイしている人も少なからずおられると思うが、ここではつたないながらも筆者なりのレビューをお届けしたい。なお、レビューにはXbox 360版を使用したので、ボタン表記やゲームモードなどもXbox 360をベースに解説してある。ゲーム内容はプレイステーション 3、Xbox 360ともに同様のため、購入の際はお好きなほうをお選びいただきたい。



■ 操作系 ~2通りの操作を用意~

 多くの格闘ゲームなどがそうであるように、本作もコントローラーのボタンをほぼすべて使用する。不慣れな人には「これ覚えるとか、マジ無理だって!」と尻込みされそうだが、そこは多用するボタンを中心に身体が覚えてくれるはずなので、なんとかがんばっていただきたい。

 操作系は、同社ボクシングゲーム「ファイトナイト」シリーズをベースにした「トータルストライクコントロール」と、打撃をボタンに割り振ったオーソドックスな「クラシック」の2通りが用意されている。共通するの左スティックと一部のボタンくらいで、他はまったく異なる点に注意してほしい。

 「トータルストライクコントロール」から説明していくと、左スティックが選手の移動、右スティックがパンチやキックといった打撃、B(PS3:○)ボタンがスプロール・ディフェンス/カウンター、Aボタン(PS3:×)がテイクダウン、Yボタン(PS3:△)がクリンチ、X(PS3:□)ボタンがサブミッション、LB(PS3:L1)がフェイク調整、LT(PS3:L2)がキック調整、RB(PS3:R1)がハイ/ロー調整、RT(PS3:R2)がブロックに対応。詳細は省くが、スタンド、クリンチ、グラウンドといった各ポジションで、一部役割が変化するボタンがある。方向キーは、上がリスペクト、下が挑発、左右でスタンス変更となっている。

 「クラシック」では、X(PS3:□)とY(PS3:△)が左右パンチ、A(PS3:×)とB(PS3:○)が左右キック。クリンチや関節など組技に関するボタンは右スティックに割り振られる。右アナログスティックで、ジャブ、フック、アッパーカット、LT(PS3:L2)同時押しでロー、ハイ、ディープのキックが使いわけられるのが「トータルストライクコントロール」の特徴。「クラシック」は、基本がジャブやローなどの牽制で、左スティックとボタンの組み合わせでフックやハイキックなど強力な打撃に変化する。このあたりの違いは「慣れ」の問題なので、ユーザー諸氏には両方使ってみてお好きなほうを選んでいただきたい。


【操作系は2通り】
上画像、上段が「トータルストライクコントロール」、下段が「クラシック」。それぞれ一長一短あるが、個人的にはコンビネーションが繰り出しやすい「クラシック」がおすすめ。「ファイトナイト」シリーズ経験者や、感覚的な操作を楽しみたい人は「トータルストライクコントロール」がいいだろう


【スタンド】
スタンドの攻防では、頭部に強烈な打撃を与えると相手がグラつき、頭部ダメージゲージを振り切るとダウンが奪える。このとき、素早く接近して1発浴びせると入力モードが変化。連打次第でTKOが狙えるが、ダメージが浅いと防御側がB(PS3:○)ボタン連打で回復することも


【クリンチ】
クリンチ状態では、パンチ、ニー、踏みつけといった打撃、テイクダウン、選手によっては固有の関節技が狙える。クリンチの能力パラメータが高い選手は、スタミナ回復だけでなく積極的に狙っていくいい


【グラウンド】
グラウンドの攻防は、ガードポジションからバックマウントまでが“一連の流れ”としてシンプルに表現されている。特にマウントは1度キープされると本当に大変。能力差が大きいと“絶望的”というほかない


【サブミッション】
サブミッションは2通りの決め方がある。ひとつは、仕掛ける側が×(PS3:□)ボタン、受ける側がB(PS3:○)ボタンをタイミングよく連打しあうもの。ただ連打すればいいというわけではなく、駆け引きも影響してくる
もうひとつは、左アナログスティックを回転させて、表示された円上を常に動き続ける“スイートスポット”を探し当て、それをキープするというもの。サブミッション能力が高いほどキープしたときの効果が高い


【“スタミナ”が重要!】
攻防すべてに影響を与える決定的なエネルギー源。少なくなるとパンチやキック、フットワークも低下。スタミナ配分は基本中の基本だ
ボブ・サップのように著しくスタミナが少ない選手は、ワンチャンスを絶対に逃さない戦い方を心がけるべし



■ ゲームモード

 ゲームモードは、「対戦」、「総合格闘技入門」、「キャリア」、「Xbox LIVE」(PS3では『オンライン』)、「ファイターシェア」、「エキストラ」といった設定がある。「エキストラ」は、ゲームの各種設定を行なうモードにつき詳細は省略する。

 「対戦」は、選手、階級、ルール、会場(リングのタイプ)、CPU難易度などを好きなように選んで対戦するモード。階級はヘビー級、ライトヘビー級、ミドル級、ウェルター級、ライト級の5種類。ルールは、ストライクフォース、統一ルール、バーリトゥード、日本式の4種類があり、ラウンド数と時間、グラウンドでのエルボー、キック、ニーの可否がそれぞれ異なる。会場はHPパビリオンなど4種類で、ルールとの組み合わせにより会場形式がヘキサゴンケージ、ボクシングリング、円形ケージが選べるようになる。CPU難易度はイージー、ミディアム、ハード、レジェンドの4段階から選べる。


【対戦】
選手などを好きに組み合わせて対戦できるモード。階級が異なる選手同士はマッチングできないが、それを差し引いても夢のカードが目白押し。後述する「キャリア」で作成した選手を使うことも可能


 「総合格闘技入門」は、実戦形式のチュートリアル。手取り足取りというわけではないが、各局面で何をすればいいか、その直前で操作指示が表示される。これは他モードでも同様だが、試合中にポーズを押せば基本操作と使用選手のスペシャルムーブ(固有技)が確認できる。後述の「キャリア」でも序盤にチュートリアルをプレイできるが、まずはここで大まかな操作に慣れておくといいだろう。


【総合格闘技入門】
実戦形式で行なわれるチュートリアル。攻防の要所で、その直前で必要とされる操作を教えてくれる。いきなり「キャリア」などをプレイするのもいいが、まずはここで全体的な操作に慣れておくことをおすすめする


 「キャリア」は、オリジナル選手を作成してチャンピオンを目指すモード。最大5人までデータが保存可能。ファイトスタイル、外見の3項目はエディット初回で固定されるが、それ以外は「携帯電話」の「ファイターを編集」メニューでいつでも変更できる。バス・ルッテンのジム生としてアマチュアからキャリアをスタートさせ、プロデビュー後は勝利を重ねて出場リーグをステップアップさせ、引退するまでをプレイする。

 本モードは、ジムで8週間(練習などコマンド8回分)のトレーニングを行なった後に試合という流れをひとつのサイクルとして進んでいく。トレーニングメニューは、「スタンド」、「クリンチ」、「グラウンド」、「サブミッション」といった能力の強化と、他のジムに出稽古にいき高度な練習を行なう「遠征」がメイン。「スカウト」は、次の対戦相手と同じファイトスタイルのトレーニングパートナーとスパーリングを行なう。技の練習や確認をする「フリートレーニング」は、コマンドを消費せず実行できるメニューだ。

 「スタンド」、「クリンチ」、「グラウンド」、「サブミッション」の各トレーニングは、スパーリングやサンドバッグを相手に実戦形式でプレイ。一定時間内に、トレーナーが提示するコマンドを順番にこなしたり、スパーリングパートナーに技を決めていく。結果によりA~Dの評価が与えられ、高いほど能力が伸びる。「えっ! これを毎回プレイするの!?」と面倒に思われるかもしれないが、2回目以降「練習をもう一度シミュレーションする」を選ぶと、以前に1番高かった評価でトレーニング結果だけを得ることもできる。練習終了後に表示されるメニューにつき、各サイクル、各トレーニングの初回だけは必ずプレイする必要があるが、それでも非常に効率のいい育成が可能になっている。

 「遠征」は、ボクシング、柔術、ムエタイなど、それぞれの出先でファイトスタイルに特化したトレーニングが行なえる。試合で獲得した賞金のなかから費用(1,000~5,000)を捻出しなければならないが、より伸び代のある高度な内容となっている。ただし、効果が高いぶんクリア条件も難しく設定されており、選手能力が低いうちは無理な背伸びはしないほうがいい。遠征先では、高度なトレーニングだけでなく、「バックハンドブロー」、「キムラロック」、「メジャーパスガード」など、そのジムでしか得られない「スペシャルムーブ」がアンロックできる。ただ……これも「スパーリングパートナーをパンチだけでKOする」など、一定条件をクリアする必要があり、選手の能力が低いと失敗してコマンドを損するだけ。このあたり、各ジムのトレーニングに余裕が出てきた頃合を目安にするといいだろう。


【キャリア】
バス・ルッテンのジム生として格闘家人生をスタートさせる。ファァイトスタイル、外見の3項目はここで決めた内容で固定されるが、それ以外の能力などは後々「携帯電話」メニューからいつでも変更できる
入門直後はチュートリアルで基本的な操作などが学べる。他モードで操作に慣れている人は、スキップして先に進んでもいい
まずはマイナーリーグからスタート。日々の練習を欠かさず、さらなる高みを目指して勝利を積み重ねていくのだ
最初のトレーニングは、自ら所属するジムで行なう。8週間=8回メニューが選べるので、目指すスタイルに沿ったものを選ぼう。ひとつのメニューをまとめて練習するときは「練習をシミュレーションする」を選ぶとプレイ不要で結果だけが得られる。Aランクを出した練習は、これで手間を省くことができる
ゲームを進めていくと、より高度な練習やスペシャルムーブが習得できる「遠征」が選べるようになる。費用は自ら試合で稼いだ賞金から捻出する
チャンピオンになり、防衛線を何度も行ない……やがて訪れる“引退”の2文字。最後の試合は、文字どおり格闘家人生の集大成だ


 「Xbox LIVE」(オンライン)は、オンラインに関するメニュー。パッケージ裏にある「オンラインパス」コードを入力しないと利用できない点に注意。対戦相手を検索してすぐに試合を始める「クイックマッチ」、フレンドを10人まで招待して対戦イベントを開催する「ファイトカード」、要注目もしくはランキング急上昇中のプレーヤーの試合が閲覧できる「ライブ中継」、本作のプロモーターのブログ、保存したリプレイの再生、ランキングなどが閲覧できる。


【Xbox LIVE】
オンライン機能の1部は、パッケージ裏にある「オンラインパス」の入力が必要。対戦、フレンドを集めてイベント、保存した試合やランキングの閲覧など。要注目プレーヤーの対戦をチェックできる「ライブ中継」もある


 「ファイターシェア」は、オリジナル選手を作成したり、アップロードまたは他ユーザーが作成したデータをダウンロードできるモード。「キャリア」で作成したデータをコピーしてアップロードすることも可能。すでに相当な力作がアップロードされており、MMAファンは思わずにやにやしてしまうこと間違いなし。写真を取り込んでファイターの顔を作成する「フォトフェイス」機能を使えば、たいていの選手はエディットできるといっても過言ではない。「あの選手がいたらなぁ……」という願望をお持ちのユーザー諸氏は、ぜひともオリジナル選手の作成にチャレンジしていただきたい。


【ファイターシェア】
作成した選手データをアップロードしたり、他のユーザーが作成した選手データをダウンロードできる。思わず「すげぇ!」と声をあげてしまう力作も多々あり、購入された方はぜひチェックしていただきたい



■ 収録ファイター

 本作には、現役からレジェンドまで、さまざまな選手が登場する。日本人選手も多数収録されるなど、MMAファンにはたまらない面々が勢ぞろい。下リストを掲載するので、好きな選手がいるかチェックしてみてはいかがだろうか。

 

    【ライト級】
  • ライル・ビアボーム、JZカルバン、ビリー・エバンゲリスタ、ジョシュ・トムソン、ビトー“シャオリン”ヒベイロ、クロン・グレイシー、ギルバート・メレンデス、エディ・アルバレス、ヨアキム・ハンセン(※)、川尻達也、青木真也(※)、鷹田瑞人、北岡悟、桜井“マッハ”速人(※)
    【ウェルター級】
  • ヨアキム・ハンセン(※)、マット・リンドランド(※)、マリウス・ザロムスキー、パット・ミレティッチ(※:選手兼トレーナー)、三崎和雄(※)、ライマン・グッド(※)、青木真也(※)、ジョー・リッグス(※)、フランク・トリッグ(※)、ロビー・ローラー、川尻達也(※)、ニック・トンプソン(※)、ニック・ディアス(※)、ジェイ・ヒエロン、桜井“マッハ”速人(※)、ジェイク・シールズ、タイロン・ウッドリー
    【ミドル級】
  • ダン・ヘンダーソン(※)、スコット・スミス(※)、ベンジー・ラダック、ゲガール・ムサシ(※)、ニンジャ・ルーア(※)、ライマン・グッド(※)、ジェイソン“メイヘム”ミラー(※)、ティム・ケネディー、マット・リンドランド(※)、カン・リー、パット・ミレティッチ(※:選手兼トレーナー)、ルーク・ロックホールド、ニック・ディアス(※)、ジェイク・シールズ、フランク・トリッグ(※)、フランク・シャムロック(※:選手兼アナウンサー)、ニック・トンプソン(※)、ジョー・リッグス(※)、ロナウド・ソーザ、メルビン・マヌーフ(※)、三崎和雄(※)、ロビー・ローラー
    【ライトヘビー級】
  • ケン・シャムロック(※)、ウラジミール・マチュシェンコ、ニンジャ・ルーア(※)、ジェイソン“メイヘム”ミラー(※)、キング・モー、マット・リンドランド(※)、バス・ルッテン(選手兼トレーナー)、スコット・スミス、ケビン・ランデルマン、ランディー・クートゥア(※:選手兼トレーナー)、ロジャー・グレイシー、ダン・ヘンダーソン(※)、レナート・ババル、メルビン・マヌーフ(※)、アリスター・オーフレイム(※)、ゲガール・ムサシ(※)、フランク・シャムロック(※:選手兼アナウンサー)
    【ヘビー級】
  • ボビー・ラシュリー、吉田秀彦、ブレット・ロジャース、ランディー・クートゥア(※:選手兼トレーナー)、アンドレイ・アルロフスキ、ボブ・サップ、エメリアーエンコ・ヒョードル、キング・モー、ジョシュ・バーネット、アリスター・オーフレイム(※)、ジェフ・モンソン、ティム・シルビア、ファブリシオ・ベウドゥム、ケン・シャムロック(※)、アンドレアス・クラニオタケス、ケビン・ランデルマン

    ※……他階級でも使用可能な選手
    (以上:敬称略)

【世界中のトップファイターが集結!】
選手のモデリングはとてもリアル。入場シーンなどは遠めに見ると実写と見間違えてしまうかも!?



■ 「ファイトナイト」ベースで総合格闘技を表現

 既に触れたとおり、本作はEAスポーツゲーム「ファイトナイト」シリーズのシステムが土台となっている。恐らく開発チームが同じと推察されるが、右スティックを使ったパンチ操作、パリーシステム、フォトフェイス機能など、流用やアレンジがあちこちに見て取れる。大雑把な表現だが、本作は「ファイトナイト」という母屋に、総合格闘技という要素を“増築”した仕様といえる。

 余談になるが、「ファイトナイト」シリーズは非常によくできたボクシングゲームで、筆者も相当熱心に遊ばせていただいた。諸手をあげてバンザイという内容ではないが、ゲームらしいアレンジが加えられた華麗なファイトが楽しめる、素晴らしい作品だと思っている。そういった意味では、母屋がしっかりしているだけに、あとは増築のフィット感と全体像という話になるのだが……。はたして開発チームが“総合格闘技”を、どれだけ貪欲に取り込もうとしたのか。これは筆者が鈍いだけかもしれないが、ゲーム本編から、その“貪欲さ”はあまり感じ取れなかった。

 総合格闘技を表現するために、足技、グラウンド、サブミッションなど、増築部分は多々ある。作り手側にしてみれば「その辺は新規なので、もはやイチから作ったも同然の完全新作ですよ」といったところだろう。だが、総合格闘技ファンは先鋭化したマニアが多いわけで、当然のように「某ライバル作品」を既に知っている。本稿は「EA SPORTS 総合格闘技」のレビューだからライバル作品の内容にはあえて触れないが……。本作はスタンドやグラウンドの表現など、軸となる部分で「総合格闘技のゲームを名乗るなら、これくらいはクリアしておくべき」というレベルを超えて“安心”してしまったかのような部分が散見される。

 サブミッションの表現など、独自性が発揮されている部分もあるが、肝心の骨子の部分、特にグラウンドの展開がシンプルすぎて「必要最低限」という印象が否めないのだ。また、スタミナという決定的な要素にもっとも影響を与えるシステムが「パリー」という点も、筆者はあまりシックリこない。相手の行動を制限した、という意味でスタミナを減らすのはいいが、それが牽制ぎみのジャブやローキック1発に対しても同様で、超反応でパリーを確定されるCPU戦では、特に鼻白んでしまうことが多い。

 本当は全体の技数やエディット項目数のムラなど、山ほど突っ込みたい部分があるのだが……それでも、完全新規ユーザー、特に「会場に足しげく通うほどではないけど、TVでやってたら必ず見ます」といったな人たちであれば、ほぼ不満は出ない仕上がり。ハードディスクにインストールしてもロードが若干長いのが難点だが、まあ許容の範疇ではないかと思う。とにもかくにも、決して豊富とはいえない総合格闘技をテーマにした作品で、水準以上のクオリティを備えているのだから、これはもう買い支えるのが総合格闘技(ゲーム)ファンの“あるべき姿”ではないだろうか。収録選手に関しても、相当な(それも一方ならぬ)苦労があったかと思われる。収録選手のファンはもちろん、総合格闘技が好きな人は、ぜひぜひ本作をチェックしていただきたい。


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(2010年11月22日)

[Reported by 豊臣和孝 ]