★オンラインゲームレビュー★

怪物を狩り、家を建て、新天地を切り開け!
ハウジング、ペット、PKによる独自のMMO世界

「アルカディアサーガ」

  • ジャンル:MMORPG
  • 運営元:ゴンゾロッソ
  • 開発元:ヘッドロック
  • 利用料金:基本プレイ無料・アイテム課金制
  • 対応OS:Windows XP/Vista
  • 発売日:12月1日(正式サービス中)

 ゴンゾロッソは、MMORPG「アルカディアサーガ」の基本プレイ無料、アイテム課金制の正式サービスを12月1日より開始した。開発は「エミル・クロニクル・オンライン」や「パンドラサーガ」などを手がけたヘッドロックが行なっている。

 「アルカディアサーガ」は、「ロードス島戦記」などで知られる作家の水野良氏を監修に、「伝説のオウガバトル」、「ファイナルファンタジーXII」などを手がけた作曲家の崎元仁氏を音楽に起用している。オークやゴブリンが住む地を力づくで開拓していく人々、という独特のファンタジー世界と重厚な音楽にも注目したい。

 さらに「アルカディアサーガ」では自分の家を持てるハウジングシステム、ペットを飼えるテイマー、アクション性のある戦闘システムなど様々なポイントがある。そしてPK(プレーヤーキラー)が存在する世界、というところもスタート時からアピールしている。これらの独自性は、本作にどんな世界をもたらしているのだろうか。



■ 亜人達と人間が争う地で動き始める陰謀。プレーヤーは冒険の一歩を踏み出す

キャラクター作成。独得の頭身と、渋めのグラフィックスが世界観に“味”をもたらしている
漂着したプレーヤーを襲うオーク。争わなくては生きていけない地なのだ

 「アルカディアサーガ」の世界では、人類はモンスターに生活を脅かされる脆弱な存在だ。人類は住むところを追われ、それでも開拓地を作り上げ、その場所を支配するモンスター達と争いながら力ずくで生活圏を作り出している。

 プレーヤーもまた家族と共に新天地を目指して船で旅する開拓者の1人だった。しかし何か恐ろしい存在に襲われ船は難破、プレーヤーはどこかの海岸に漂着する。そこは亜人と呼ばれるオークやゴブリン達と人間が争う地だった。プレーヤーはオークに襲われる寸前、開拓地のリーダー達に救われる。看護を受け、健康を取り戻したプレーヤーはぼんやりとした記憶しか持っていないことに気がつく。家族と共に開拓するために旅していたこと、何か恐ろしいことがあったことしか覚えていないのだ。

 幸い大きな怪我はなく、回復したプレーヤーは開拓者の村「ベナフィール」のリーダーからこの地方の都市「ナストリタン」に調査に行って欲しいと頼まれる。ナストリタンはこの地方の開拓の中心であるが、最近は亜人への軍事行動が目立ち、結果として開拓のための人手が足りないという。プレーヤーはリーダー達にナストリタンに冒険者として参加し、信用を得ながら内情を調査して欲しいと頼まれる。こうしてプレーヤーは冒険者としてのスタートを切ることになる。

 崎元氏が手がけた音楽も注目である。オープニング、都会であるベナフィール、荒野を進むときのBGM、戦闘時にかかる曲、曲のイメージとしては「重厚さ」を強調したような雰囲気だ。残念ながら太陽は描写されていないが、世界は刻々と朝から夜へと景色を変える。モンスターの待ち受ける荒野を旅するときにはBGMが旅情気分を掻き立て、街に着いたときは安堵したプレーヤーを街のBGMが出迎えてくれる。

 「アルカディアサーガ」ではプレーヤーは「ウォーリア」、「ウィザード」、「バード」、「テイマー」の4つのクラスから1つを選んでゲームをスタートさせる。

 ウォーリアーは様々な武器を扱う戦闘のスペシャリストだ。両手武器を装備した攻撃力重視のスタイルも、盾を装備し防御を高めたスタイルで敵を挑発し壁役になることもできる。ウィザードは特に攻撃魔法が強い。一撃が強いものから広範囲にダメージを与えるもの、パーティーのメインアタッカーとしても活躍できる。この攻撃力はPKするときにも有利なようだ。ただし、攻められると弱い。バードは補助が強い。他のキャラクターの力を増すことができるパーティー向けのクラスだ。テイマーはペットを捕獲できるクラス。2匹のペットを使うことができ、彼らと冒険することができる。またペットを他のプレーヤーに渡すことも可能だ。

 本作は「ハウジング」と「PKシステム」を大きな柱としてアピールしている。プレーヤーはたくさんの資産があれば“ハウスキット”を購入でき、空き地に家を建てることができる。村の周辺は特に人気で、プレーヤーの家が建っているために小さな開拓村が倍くらいの大きさになっているように見える。また、見晴らしの良い高台や、街道沿いに立てる人もいて、プレーヤーの家が建つことで独得の景観になっているのが楽しい。

 PKに関しては本作はレベル10から可能となる。低レベルで襲ってくる人、高レベルプレーヤーが低レベルの“街”に乱入し、そこにいるプレーヤー達を次々と倒していったりと緊迫感のある状況になっている。この「無法者」として生きることができるシステムがプレーヤー社会にどう影響していくかも興味のあるところだ。



船の難破で漂着したプレーヤーは開拓民に協力し、この地方の中心の街ナストリタンの内情を探ることに
多くの人、プレーヤーが集うナストリタン。街道が西と東、南にのびている



■ 敵との距離攻撃範囲を考えての戦闘、クエストではパーティーでの協力も必要

スペースキーを押すことで攻撃する。クリティカルが出ると派手なエフェクトになる
各街にいるクエスト受付NPC。クエストポイントの数だけ実行できる
報酬が大きい「トルトゥーガの討伐」。得た金で中級装備が揃えられる。これでお金を貯めれば家を買うことも夢ではない

 「アルカディアサーガ」の戦闘システムは少し癖のあるものになっている。スペースキーを押すことで武器を振り、範囲にいる敵を攻撃する。左クリックで敵を指定しているときは対象を常に正面に捉えて移動するため、戦闘時に後ろを見せなくてすむ。本作の場合背後からの攻撃を行なうとバックアタックとなりダメージを増やせる。

 キャラクターは左クリックで移動させるだけでなく、W、A、S、Dのキーでも移動できる。キーでの移動はキャラクターの向きに関係なく、例えばWを押すと画面上方に移動するというように画面に対しての移動になっている。また、左クリックでターゲットを指定しない場合は、範囲内の敵全てに攻撃ができるのも特徴だ。

 複数の敵に狙われた場合はキーボードで細かく移動し、敵を武器の範囲に収めてスペースキーを連打してまとめて攻撃するという方法が有効だ。中盤からはこちらの攻撃をすかすように敵が動いたりと、アクション性も増えてくる。今後は敵の攻撃をかわすために移動したりなど、戦略的な戦い方を求められそうである。

 フィールドにはアップルやオレンジ、小麦など作物が育っており、これを“攻撃”することで収穫できる。一定の範囲にランダムで生えるため、場所によっては複数攻撃を使ってまとめて刈り取ることができる。中には範囲魔法や、槍や杖など攻撃範囲が広い方法でまとめて刈り取る人達もいた。

 経験値やゲーム内通貨をたくさん得ることができるのが「クエスト」である。中心の町ナストリタンには東、南、西地区にそれぞれクエスト受付のNPCがいて彼らに話しかけることで受けられる。クエストはモンスターを倒すもの、アイテムを収集するものの2タイプで極めてシンプルである。このほかクエスト受付のNPCは各街に存在する。プレーヤーはレベルに合わせてホームタウンを変え、クエストをこなしてレベルアップしていくのだ。

 クエストは「クエストポイント」があるだけ受けることができる。クエストポイントは上限が30で、現実の時間で毎日0時になると5ポイント補給される。クエストは短期間で大量の経験値を得たいときに便利だ。クエストで面白かったのは「トルトゥーガの討伐」というもの。巨大な亀のモンスターが出てくるためソロプレイで倒すのは難しいが、他のクエストに比べてゲーム内マネーであるゴールドの報酬が桁違いに多いため、人気のクエストになっている。

 「アルカディアサーガ」の現在のレベルキャップは25レベル。「トルトゥーガの討伐」はレベル10から挑戦できるが、レベル10前後の初級から中級者にかけてはとにかくお金が足りなくなる。このクエストは中級者へ向かうための大きな助けとなってくれる。コアタイムにはこのクエストに挑戦するための募集が盛んに行なわれているほどだ。

 本作はかなりソロプレイで進められるバランスになっている。筆者はこのクエストが初めてのパーティープレイの体験となった。このクエストはインスタンスフィールドで展開するのが大きな特徴だ。NPCに話しかけるとワープする。専用の戦場と言うことで気持ちが盛り上がったのだが、実際のインスタンスフィールドは狭い1ブロックの空間だけで、奥行きや階層、謎解きなどはなく、そこにモンスターが出るだけのシンプルなものだった。それでも複数のプレーヤーが協力するのはやはり楽しかった。

 クエストにはもう1つ「ストーリークエスト」が用意されている。ナストリタンの亜人達への攻撃の激しさ、開拓民の人手不足、他の開拓村の思惑、そして政治を独占しようとする評議会議長など、不穏な動きが描かれる。また亜人達の攻撃も激しくなっておりこの世界で何が起きているか、興味がそそられる。ストーリークエストの一部もパーティー推奨のインスタンスフィールドになっているが、「トルトゥーガの討伐」と同じ1ブロックのみで、凝ったインスタンスダンジョンなどはまだ体験できてない。パーティーで挑戦するダンジョンなどはあるのだろうか、もう少しバリエーションを見せてもらいたいところだ。



左は攻撃範囲。ここにターゲットを2つ入れれば同時に攻撃できる。中央はペットの力をませるテイマーのスキルだ。ペットにもそれぞれスキルが用意されている
開拓者の村ベナフィールで挑戦できる「トルトゥーガの討伐」。フィールドとしては面白みがないが、インスタンスフィールド、パーティープレイと本作の可能性を感じさせられるクエストだ
ベナフィールのあるホルトゥーン。広大な平原だ
木が茂り朽ちた砦のあるホーリーウッド。魔法使い達の住む街がある



■ モンスターを飼い慣らし、共に戦い成長できる「テイマー」を体験

テイマーのスキル「ラヴィッチ」でハイウルフを捕獲。失敗するとアイテムが壊れ、大きな損害に……

 ペットの専門家という役割を与えられた職業「テイマー」は昨今のMMORPGではあまり見られなくなった職業だ。開拓村のNPCキュネーレがライオンを連れ歩いている姿がかっこよかったというのも大きく、今回筆者はテイマーでプレイしてみた。テイマーはスキルの取り方で、ペットを壁とした弓士としても、盾を装備しペットを攻撃の補助にする戦い方もできる。筆者は盾役として攻撃を引き受け、ペットにはアタッカーとして攻撃させるという戦い方を選択してみた。

 ペットは、自分と同じレベルのものまで使役できる。ペットの捕獲はキャラクターがレベル5になると習得できるスキル「ラヴィッチ」を使う。捕獲するための道具は「チープケージ」という小さな檻のアイテム。モンスターの体力を減らしてからラヴィッチを使うと捕獲できる。チープケージは駆け出しの冒険者にはかなり高価で、失敗すると壊れてしまう。リスクは大きいが、モンスターペットとして捕まえたときの達成感は大きい。

 ペットは捕まえた直後はこちらの言うことを聞いてくれない。しばらく時間をおくとペットはプレーヤーが持つえさを自動的に食べ、親密度が上がる。いくつかのえさを食べ親密度が一定に達すると、ペットは攻撃に参加するようになり、最終的にこちらの命令を聞いてくれる。ペットは攻撃用の特別スキルや支援スキルも持っており、テイマーを助けてくれる大事な存在だ。ペットにはエサの好みがある。エサはチープゲージと同じで街のペット屋から購入できる。エサは「フルーツ」、「ミート」、「キノコ」、「ベジタブル」など様々なものがある。

 ペットはモンスターを倒し、経験値を積むことでレベルアップするが、プレーヤーと違ってクエストの報酬の経験値が得られないため成長はプレーヤーに比べるとどうしても遅めだ。またレベルアップしても徐々に非力さを感じてくる。最初のペットにした「マッドインセクト」はレベル5からレベル8まで育て上げたのだが、いまはレベル10で捕獲できた「ハイウルフ」を使っている。他のプレーヤーを見ても低レベルのペットを育て上げるというプレーヤーはあまり見かけなかった。どんどん使うペットを変えていくというのがテイマーのスタイルのようだ。

 レベル15になると「馬」が捕獲できる。現在のところ、親密度が上がることでプレーヤーが乗ることができる唯一の存在だ。馬に乗れば移動速度が大きく上昇するので1番人気のペットである。他の職業のプレーヤーも最も求めるペットであり、露店などでの取引も盛んだ。

 連れているペットによってテイマーの個性が見えるのも面白い。リザードやウルフなど強そうなペットを連れている人もいれば、ニワトリやタートルなど見た目がかわいらしいペットを選ぶ人もいる。ペットの名前を変えることもできるのだが、手数料が取られる。その金額はかけ出し冒険者にはかなり高価だが、それでも低いレベルから変えているプレーヤーも多く、ペットへの愛情を感じさせられる。



テイマーはペット共に冒険する。テイマーは2匹のペットを同時に使役し戦うことができる。最初はえさ代がきつかったが、稼げるようになってからは2匹で戦うことを考えていきたい



■ 他のプレーヤーの助けにもなる「ハウジング」。定番のラインナップを揃えた課金アイテム

街の近くはたくさんの家がひしめくように建てられている
生産スキル。熟練度を上げることで多彩なものが作れるようになる
アイテムがランダムで当たる「ラブコッコ」

 「アルカディアサーガ」で大きくアピールされているのがハウジングだ。現在集落近くにはたくさんの家が建てられている。家を持つメリットとしてわかりやすいのが、「ポータル」だ。各家には緑色の奇妙な紋章を乗せた石柱がある。これがポータルと呼ばれるもので、自分の「ポータルリスト」に登録しておけばナストリタンの大きなポータルを経由して他の場所に一瞬でテレポートできるという非常に便利である。

 「アルカディアサーガ」のフィールドはプレーヤーの歩行速度と比べて広く、それが冒険の雰囲気を出しているのだが、移動に手間がかかる。このためポータルは非常に便利だ。ポータルは使用にあたり手数料が設定できるが、無料に設定している家主も多く、無料の移動手段として広く利用されている。ユーザー同士の善意で成立している移動手段である。ただ、この家のポータル機能は、ゲーム内ではまったく情報の提供が行なわれていない。家の所有の有無にかかわらず、全ユーザーが助かる機能だけに、「アルカディアサーガ」の基本移動手段のひとつとして、チュートリアルレベルからしっかり告知しても良いと思う。

 家はナストリタンの家具屋で購入できる。数タイプが用意されていて、スモールハウスから大型の家まで用意されているが、どれも高価で筆者は購入できなかった。現在のプレーヤーの使い方を見ているとポータルと生産拠点、そして「店」として活用している人が多いようだ。「アルカディアサーガ」では生産はサブスキルという扱いで、今は冒険に手一杯の筆者にとっては次の目標だと感じた。例えばレベルキャップに達するなど、資金も経験も潤沢になってから目指すような感じになっている。

 自分の家を店として使うためには、販売用のNPCを置き、プレーヤーが家の中に入りNPCをクリックすることで購入可能となる。販売NPCは黒猫の姿をしていてとてもかわいらしい。家はテーブルや花瓶など様々な家具を置くことができ、生産用の施設を置くこともできる。生産はナストリタンの施設を使うこともできるが、家の中に配置できる調度品を利用すれば高度な生産ができる。

 生産には採取スキルのほか、「調理」、「薬品作成」、「布製品作成」、「革製品作成」、「金属製品作成」、「木材精製」などのスキルがあり、様々なアイテムが作れる。家具には家の外に置けるアイテムも用意されており、武器・防具屋を示す看板などもある。上級プレーヤー達は中級者達のための装備をNPCより安く販売してくれるため、かなり助かった。この他に武器を強化する「鍛錬」や「付与」といった要素もある。こちらも現時点での最強装備を使うようになってから、という感じだ。

 次に、課金アイテムを紹介したい。「アルカディアサーガ」の課金アイテムは経験値増加、能力増加、ペットの強化など定番が揃っている。「フロンティアポイント(FP)」を購入し、このポイントを使ってアイテムを買う。1FPが1円にあたる。他のゲームと違うところはマーケットボタンでいつでも購入できるのだが、アイテムそのものは街にいる「マハルマーケット」の店員からしかもらえないというところだ。この他、他のゲームではガチャやランダムボックスなどと呼ばれるくじ「ラブコッコ」が300FPで購入できる。

 アイテムの値段としては経験値、敵のアイテムドロップ率が30%上がる「プレミアム3日券」が300FP、30日券が1,500FP、さらにこれらの券のドロップ率と取得経験値を50%にアップさせる「プレミアム強化チケット」が1,980FPで販売されている。プレミアム強化チケットは1枚のプレミアムチケットのみに対応しており、例えば3日間を強化した場合は、プレミアチケットが切れた時点で強化チケットの効果も切れてしまう。このため強化チケットを使うのは30日券の使用が前提になるだろう。

 便利だと感じたのは速度を加速させるポーションだ。ポーションは2種類あり、俊足ポーションが20個で150FP、それより更に早く走れるのが20個で300FPだ。効果時間は30分だが、PKに追いかけられたときにも逃げられる。馬に乗っているときにはペット用の「ペットドリンク」が用意されている。

 この他にも倉庫拡張やインベントリ拡張、能力値リセットなど定番のものが揃っている。レベル23向けの武器も発売しており、こちらは各種1,480FP。PKに倒されたときにドロップしない武器なので保険として有効というところだろうか。最初から付与による強化ができるところも魅力的だ。



街の広場では資源などの取引も盛んだ。生産者は家にベンダーを置いて商売もできる
課金アイテム。定番のラインナップといえる


■ プレーヤーがプレーヤーを襲う緊張感のある世界

突然襲われる。改めて本作の特徴を感じた瞬間だ
下がりきったカルマを回復させるクエスト。カルマが下がると家にも入れなくなる。PKのまま暮らせるシステムはまだ無いようだ

 「アルカディアサーガ」のもう1つ大きなアピールポイントがPK(プレーヤーキラー)の存在だ。本作は開発当初からPKの実装をアピールしており、PKが存在する世界でのプレーヤー達の繋がりを目指していた。

 本作のPKはレベル10から解禁となる。CtrlとTABキーを同時に押すことでプレーヤーを攻撃できるようになり、また攻撃されるようになる。PKに成功すれば相手の所持金やアイテムをランダムで奪うことができ、PKされるとランダムで失うことになる。有料アイテムの一部はPKによる収奪から保護され、収奪されることを防ぐ有料アイテムも存在するが、いずれにしても「アルカディアサーガ」では、レベル10以降はPKに襲われることを覚悟しなくてはならない。

 PKは人を倒すとカルマが下がり、名前が紫色に変わる。一定時間で複数の人を殺すと赤色に変わる。筆者は「アルカディアサーガ」で、ゲームを始めてしばらくPKを見かけなかった。PKができるといってもそれほどの頻度ではないのかな、と思っていた。あるとき1人で狩りをしていると、楽しそうに2人で狩りをしているパーティーがあり、近付いてきたので「経験値稼ぎですか? パーティーに入れてもらえますか」と頼んでみた。そうしたら、いきなり襲われたのだ。倒されたとき改めて「そういえばPKオッケーなゲームだったな」、と思い起こした。

 そのPK達はカルマを回復するクエストで赤ネームから白ネームに戻して再びPKを繰り返す、ということをやっているようで、こちらの名前を覚えているのか、ソロの冒険者を狙っているのか、こちらを見かけると追いかけてくる、というのが何度かあった。筆者は俊足ポーションを使っていたため逃げ切れた。レベルを見ると筆者とほとんど変わらない。逆襲できそうだが、相手は白ネームである上に2人で行動しているためきりがないと考えて逃げに徹した。

 筆者が狩りをしていたホーリーウッドという場所は駆け出しPKの多発地帯のようで、赤ネームの単独PKが他のプレーヤーを襲っているところにも遭遇した。そのときは体力が減ったPKに攻撃を加え倒すこともできた。ホーリーウッドではPKを警戒してかパーティーで狩る人達も多く、独特の緊張感の中、狩りを続けた。常に周りを見て、怪しいプレーヤーを見かけたら逃げるという、独得の緊張感が体験できた。PKを殺すロールプレイPKKらしき人達もいたようだ。

 「アルカディアサーガ」ではPKKを行ないたければ家のポータルを使うことで現場近くに急行できる。反対にPKは街を経由するポータルは使えず、さらにカルマが下がった状態では家の中に入って隠れることもできないため、PKKが有利なバランスになっていると感じた。PKKへのゲーム内で通報システムがあっても良いかなと思うが、PKプレーヤーに悪用される恐れもあるため、どんなシステムが良いかは考えさせられた。

 この他今回のプレイで見かけたPKは小さな街の中に入り、露店プレーヤーやクエストで待ち合わせをしているプレーヤーを狙う、というものだ。街には衛兵がいて、赤ネームを倒してくれるはずなのだが、PKはたくみに巡回ルートを避けているのか、無事だった。PKはレベル24という高レベルで、10レベル前後のプレーヤーを次々と狩っていった。「アルカディアサーガ」はレベル制のゲームなだけに10レベル前後の冒険者が集まるこの地域に他に高レベルプレーヤーはいないため、まさにやられ放題という感じだった。

 PKの仕様に関して運営に問い合わせてみたのだが、「アルカディアサーガ」ではPKに倒されたプレーヤーはランダムで装備品を含む所持品、所持金の一部を落とす。しかしその確率は高くなく、PKが自分より高レベルのキャラクターを倒すことができた場合に確率が上がるという。筆者の場合は2回倒されても何も失うことはなかった。現在の仕様では、高レベルプレーヤーの装備を狙って、低レベルのPKが狙うという方法ならば利益は生まれる可能性があるが、実際のところ愉快犯的なPKが多いようだ。

 PKが導入されたMMORPGの元祖「ウルティマオンライン(UO)」では鉱山の入口などで戦闘力のないプレーヤーが価値のある鉱石を運んでいたり、敵がたくさん金をドロップする狩場があったりと、PKが襲うことで多くの資産を手に入れられる場所があった。PKは倒した者のアイテムや装備を根こそぎ奪うことができた。生産者側は鉱山の近くに家を造ったり、PKKの支援が得やすいように連絡網などを工夫したり攻防があった。

 利益のためにPKするプレーヤー、自分の利益を守るために結束して自衛するプレーヤーの対立が初期の「UO」ではこれまでのゲームには全くなかったリアルな世界を生んでいた。「アルカディアサーガ」ではプレーヤーがドロップするアイテムはランダムで、「利益のためにPKを行なう」という行動は難しそうだ。

 赤ネームになると家には入れず、街にも入りにくくなる。現在はまだPK用の街はない。逆にカルマを回復させるNPCがいるところからも、「PKを試しに体験して普通人に戻る」というプレイしかできないように感じた。街の中にまでPKが入ってくるなどシステム的な不備も感じる。枷をはめないカオスな雰囲気は演出できているが、ここから「アルカディアサーガ」ならではのPKとプレーヤー達という関係にどういうビジョンが提示されるのか、今後を待ちたいところである。

 「アルカディアサーガ」は速いテンポでアップデートを繰り返している。12月18日にはレベルキャップが20レベルから25レベルに引き上げられ、新地域が増えた。この後1月、2月にもアップデートを計画しているということでどう世界が広がり、ゲームシステムが詰められていくか期待したい。



徐々に世界の怪しい動きが見えてくるストーリークエスト。この世界に生きる人々はどうなっていくのか、ストーリーに引き込まれる

(C)2009 GONZO ROSSO K.K./GOLDSKY

(2009年 12月 24日)

[Reported by 勝田哲也 ]