2018年10月22日 17:22
マルチプレイ専用のFPSとして大きく舵を振り切った 「コール オブ デューティ ブラックオプス4」。徐々にセールス情報なども明らかになり、かなり好調な滑り出しをしている。筆者もがっつり楽しんでいる。
本作では、「CoD」シリーズ定番の対戦モード「マルチプレイ」、新しい挑戦のバトルロイヤル「BLACKOUT」、そしてこちらもおなじみになった協力型のモード「ゾンビモード」の3モードがプレイできる。前回では「マルチプレイ」と「BLACKOUT」の魅力をお伝えしたが、2回目のレビューとなる今回は、“ゾンビ編”として、「ゾンビモード」を掘り下げていく。
様々なストリー、多彩なシチュエーションが盛り込まれたゾンビモード
今回のゾンビモードでは4つのマップ(1つはBlack Opsパスが必要)がある。「Voyage of Despair」と、タイタニック号を舞台にしたアルカトラズ島を舞台にした「Blood of the Dead」、果ては古代ローマの闘技場を舞台とした「IX」とバラエティ豊かで「ゾンビならなんでもありか!」と突っ込んでしまうほど。古代のローマの闘技場でアサルトライフルやショットガンをぶっ放しているのはもはやシュールというか笑えてしまう部分でもある。
「Voyage of Despair」と「IX」は「スカーレット・ローズ」というキャラクターが謎の失踪を遂げた父親を探すというストーリー。甘いマスクで数多の女性を虜にする華麗なるスパイ「ディエゴ・カネリ」、化学の天才「スタントン・ショー」、元ギャングで外人部隊にも所属していた怪力男「ブルーノ・デラクロワ」が謎だらけの奇々怪々な現象に巻き込まれていく。
「Blood of the Dead」の主人公は「リヒトーフェン」、「テンプシー」、「ニコライ」、「武雄」の4人。彼らは「CoD:BO」のゾンビモードからのメンバーでストーリーはすべて関連しているという。ただちょっと問題としては、本作だけを切り取ると、ちょっと感情移入しにくい。簡単なダイジェストムービーでもあればより感情移入できるのだが……。
さて、個々のマップに触れていく前に、まずは今作のゾンビモードに共通したところから紹介していく。今作のゾンビモードでは事前にキャラクターをカスタマイズできることが大きなポイントだ。クールダウンがあるものの特殊な効果を持つエリクサー(基本的には消耗品)、様々な効果を持つPerk(事前に設定してゲーム内で購入する必要がある)、ゲージが溜まると使用できる強力な特殊武器などをカスタマイズが可能だ。この辺りはマルチプレイのカスタムクラスと似たようなイメージだ。
またここでは初期装備やグレネードなどについてもカスタムできる。ここでゲーム内でゲージを溜めると超強力な「特殊武器」をセレクトできる。ハンマーやビームを出す杖など4パターンがあり、それぞれで戦い方が異なるのと、ユニークなのはゲーム内で特殊武器が成長していくことだ。そのゲーム内に限りだが、特殊武器を使って敵を倒していくと特殊武器のレベルが上っていき、攻撃の幅が増えていくのだ。
各マップでは、チュートリアルも実装されており、ステージの難易度はルーキー、レギュラー、ハードコア、リアルと4段階が用意されているので、筆者のような初心者でも安心だ。最大4人までで協力プレイが可能で、フレンドはもちろん、見知らぬ誰かとマッチングしたり、ソロでBOTを入れてプレイすることができる。
ゲームが始まってしまえば基本的なルールはシンプル。襲ってくるゾンビ達を殲滅して長く生き残れば良い。ゾンビを倒すとポイントが入手できるので、このポイントを使って武器や弾薬、Perkを購入していく。
「CoD」シリーズのゾンビモードとしては相変わらずの謎解き要素や、イースターエッグ(隠し要素)などがあり、クリアという概念もあるのだという。だがこれらがとにかく難しい&小ネタが多い。ステージ上に配置されているアイテム(これがまた見つけにくい!)を拾ったり、文字通り謎を解いたりなどで相変わらずの難しさがあり、発売されてから1週間程度経ちようやく攻略に成功したグループも登場してきたようだが、まだまだ新たなイースターエッグが発見されている状況だ。
かくいう筆者もクリアできていないのだが極一部ネタバレを含んでいる。完全にノーヒントでクリアしたいという方は注意していただきたい。
豪華客船で起きる謎の現象、「Voyage of Despair」
スカーレットとその一味は彼女の父親の失踪に関連すると思われる“神器”をタイタニック号から盗み出す。まんまと盗み出しに成功したかと思いきや、敵対する謎の人物が現われスカーレットのペンダントと神器を奪い取り、2つを組み合わせると……。神器が砕け散る。そしてこの謎の人物から発生した謎の瘴気で豪華客船の乗客乗員がなぜかゾンビと化し、サバイバルが始まるのだ。
このマップでは文字通りの豪華客船に乗っているようなセレブ達が皮肉にもゾンビと化してしまうというマップだ。
まずはポイントを集めて武器やPERKを集めつつ、ドアを開けて船を進んでいく。だが所々のドアは何かの力で封印されており「神器を入手する必要がある」と表示される。まずはこの「神器」入手するのが最初のステップとなる。高級そうな絨毯やふかふかのソファーがゾンビ達の血に塗れてしまうのは皮肉としか言いようがない。
船尾にある神器のところまではほぼ一本道で、デッキなどは比較的障害物が少なく立ち回りやすいのだが、室内は障害物で ゴミゴミしており ゾンビに囲まれるとかなり厳しい。立ち回りには慎重に行きたい。
そして船尾にある神器に触れるとストーリーが先に進む。マップの各所の封印されていたドアが開くのだ。このドアを開けていくと4つの台座があり、それぞれを起動していくと最後の台座が「パックアパンチマシーン」になる。このマシーンはポイントを支払うことで武器をより強力なものにアップグレードできるのだ。謎解きの有無はともかく、ウェーブが進むにつれ強力になっていくゾンビたちに対抗するためにはアップグレードは必須になるだろう。
そして他にも意味深なアイテムなどを拾ったりしたのだが、筆者は自力ではあえなくこれ以上の謎解きを攻略することはできなかった。攻略に成功しているグループもあるとのことで、YouTubeにも攻略動画などがアップロードされてきているようだが、筆者はもう少し自力でプレイしたいと思う。
舞台は古代ローマの闘技場が舞台!?「IX」
こちらも登場するキャラクター達は「Voyage of Despair」と同じでスカーレット達になる。預言者に怪しい煙を嗅がされた一行の意識は気がつくと時空を越えてローマの闘技場に。
黄金の仮面を被った男(恐らく。仮面を被っているため性別は不明確)が掲げるのは「Voyage of Despair」にも登場した神器。こちらも神器を手に持ったアクセサリーのようなものを組み合わせると砕け散り、あたりに瘴気が漂い奴隷と思わしき人間たちがゾンビになってしまう。こちらでは主人公たちはまるで見世物になっているかのようだ。
円形の闘技場からスタートし、周りに立つ塔を順番に攻略していくことになる。巨大な鐘を鳴らすと大柄な剣闘士のようなゾンビが出現し、倒すと心臓のようなものを落とす。これらを集めると先に進めるという展開のようだ。
塔は地下でつながっており、中には棺桶や古代文字が描かれた壁など、オカルト心をくすぐるオブジェクトが多数配置されている。また塔によって内装も異なっていてなかなかのこだわりを感じる。
筆者もここはクリアまではたどり着けていないのだが、これらの心臓と、円形の闘技場にある松明には何か関係がありそうだ。「まだチャレンジを受託していません」という意味深な文言が表示されたのだが、4つの松明と4つの塔。このマップはこの辺りが鍵になりそうだ。
アルカトラズ島の下は怪しい研究所?「Blood of the Dead」
こちらの主人公たちはリードでも紹介したようにリヒトーフェン達になる。アルカトラズ島の地下にある研究所に呼び出された主人公だが騙されてしまい、島からの脱出も絶たれた状況からスタートする。
ロケーションはアルカトラズ島という通り監獄が舞台になっているので、ゾンビ達も看守や囚人達がゾンビ化したようなビジュアルだ。謎の金属片が刺さっているのが気になる。研究所からあることからも何かしらの研究をしていた結果だろうか。
こちらはかなり序盤に監獄全体に行くことができる。まずは電源盤から電源をいれることができるのだが、この作業により監獄の多くのドアやトラップのスイッチを入れることができる。監獄というだけあって独房がズラッと並ぶエリアがあるのはもちろんだが、不気味な手術器具が並ぶ診察室、地下深くまで続く砦など意味深なエリアが多い。とにかくマップ全体が広いのと、独房が並ぶエリアは似通っておりマップを覚えるまでがかなり大変な印象だ。
こちらの謎解きなのだが、正直筆者はお手上げだった。意味深なメーターや、炎の犬が登場したりと様々な前振りはあるのだが……。正直クリアへのきっかけのような物すら掴めなかった。強いて言えば何らかの鍵のようなものを手に入れて、これで電気メーターのような箱を開けられたのだが……。
といった具合で非常に謎解きの難易度が高く「やりこんで状況をお伝えしたい」と言いながらクリアにたどり着けなかった、不甲斐ない……。ただこの難易度の高さこそ「CoD」シリーズのゾンビモードだよな、と再認識した次第だ。とはいえ謎は解けなくてもゾンビ相手になぎ倒すのは楽しいし、気分転換にはちょうど良い。
気分転換にはちょうど良い……のだが、いささかプレイ時間が長くなるのは気になる。前編で紹介した「マルチプレイ」、「BLACKOUT」はそれぞれテンポよくスピーディな展開が楽しめるので、比較すると「ゾンビモード」は重く感じる。特に謎解きの答えもわからず同じエリアを「あーでもない、こーでもない」とグルグルと回り続けるのは冗長さを感じた。
ウェーブが進むごとにゾンビは強くなるので、いつかはゲームオーバーになってしまうのだが、「頼む、そろそろ終わってくれ!」と思ってしまったときもあった。ステージクリアのような明確な目標があればまた印象は異なるのだろうが、こちらは謎の解き方が一般に認知されてきてからだろうか。
ちなみにここまではすべて1人モードにBOTを3体追加してプレイしている。もちろん野良パーティでもマッチングする。ただやはり謎解き要素もあるので、ボイスチャットでの連携は欲しいのだが、筆者がプレイしているPC版だとやはり海外のプレーヤーが多いので、日本語で連携を取る……というのは難しかった。
またゾンビモードでのプレーヤーレベルが低いとメンバーに嫌がられてルームを解散されてしまうこともあり、野良だと厳しいかなというのが正直な印象だ。まだ完全に攻略しているプレーヤーがそれほど多くないので完璧な動きを求められることは少ない印象だが、今後攻略方法が確立されると予習前提のゲームになってしまうと思われるし、それはそれで悩ましいところだ。
幸いなことにBOTの性能がかなり良いので、まずはBOTを入れてストーリーやギミックを予習してから本番に挑むのが良いだろう。もしフレンドがいれば一切の予習なしに突っ込むのも楽しめるかもしれない。筆者もフレンドを見つけて一緒に「あーでもない、こーでもない」と言いながらプレイしたいと思う。
というのも前編とも関連するのだが、本作の魅力は「この1作品だけで3モードが遊べる」ことにある。「マルチプレイ」で一緒に戦った戦友とフレンドになれば、「BLACKOUT」で一緒にバトルロイヤルに興じることもできるし、「ゾンビモード」でサバイバルの世界に飛び込むこともできる。とにかく「『CoD:BO4』を買って、フレンドを作ればFPSの醍醐味が大体楽しめる」というのは非常に大きい。そのため開発元もフレンドとプレイすることを前提にした味付けにしている印象だ。
そんなわけで現時点では攻略も不十分だが、筆者はまだまだ「ゾンビモード」に挑戦したいし、「マルチプレイ」の腕も磨きたいし、「BLACKOUT」でも勝利をもぎ取りたい。「CoD」シリーズと言えば毎年発売されるフランチャイズだが、これらを遊んでいると余裕で次回作が発売されるまで遊べてしまいそうなボリュームだ。
FPSファンなら買って間違いはない作品だし、フレンドにも自信を持って勧められる作品だ。ぜひ多くの戦友達を誘ってプレイしてみてほしい。