「HI-METAL R VE-1エリントシーカー」レビュー

HI-METAL R VE-1エリントシーカー

巨大なレドームがトレードマークのマニアックな機体を手にする喜び

ジャンル:
  • アクションフィギュア
発売元:
  • バンダイ
開発元:
  • バンダイ
価格:
9,720円(税込)
発売日:
2018年1月27日

 バンダイは「HI-METAL R」シリーズの最新作となる「VE-1エリントシーカー」を、1月27日に発売した。同シリーズでは数多く商品展開されている「マクロス」シリーズから、劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」に登場したVE-1エリントシーカーがラインナップ。非常にマニアックな機体ながら、一部のファンの間で根強い人気を誇る早期警戒機だ。

 VE-1エリントシーカーはかなり異色の機体だ。戦闘機ではなく、偵察や管制、あるいは電子戦を任務にする。映画の中ではほんの数カットしか映らないが、筆者はこの機体がお気に入りなのである。これまでリリースされたVF-1シリーズの素体をベースに、多くの新規パーツを加えて独特のシルエットを再現したこの機体の製品版をレビューしていこう。

下から煽った機体イラストが大迫力のパッケージ。イラストは天神英貴氏が手掛けている
パッケージ内のブリスターパックは2つに分けられている。パーツの多さが目を引く

映画に数秒登場するだけのマニアックな偵察/電子戦機の完全変形フィギュア

 「マクロス」シリーズに登場した可変翼戦闘機の中でも、かなり異色の機体として存在感を見せているのがこのエリントシーカーだ。複座型の機体に索敵/空中管制用パックを装備し、偵察や管制、あるいは電子戦の任務に就いていたという設定があり、劇場版の「愛・おぼえていますか」でその姿を見ることができる。といっても、画面に映るのは約2時間の映画の中で3秒程度。活躍どころかやられシーンでもない、ファイター形態のバックショット1カットのみで、当時劇場で映画を観た筆者もその存在に気付いたのは、後に観たビデオでのことだった。

 こういうマニアックな存在は今も昔も、その作品のファンであれば目ざとく見つけて注目したくなるもので、このエリントシーカーも1984年の劇場版公開後にVFシリーズのバリエーションとして人気が集まり、翌年には「HI-METAL R」の前身であるバンダイの「ハイメタル」シリーズで発売され、劇中では見られなかったバトロイドとガウォークに変形するという、異例の出世(!?)を遂げている。

 筆者も前述の劇場版での顛末をきっかけに、この機体を気に入ってしまい、2003年にやまとから発売された差し替え変形可能なエリントシーカーを購入した記憶がある。やまとはその後完全変形版も発売し、さらにハセガワからはファイター形態のプラモデルが発売されるなど、過去に立体化された機会は意外に多く、人気の高さが伺える。「魂ネイション2015」での「HI-METAL R」シリーズの商品化希望アンケートでこのエリントシーカーは、6位だったそうである。

パーツ未装着のバトロイド。頭部がシンプルなのでパーツを装備しないとなんとなく物足りない
主翼は一体型のものと可動式のものが付属。バトロイド時は一体型のものがスマートだ
胸部ディティールアップパーツ。胸部の上側に取り付けることで空いた部分に蓋ができる
レドームとバックパック。レドームのアームは伸縮する
ブースターとアンテナ。ノズルの付け根はボールジョイントで可動
センサーブロック。右側はジョイントにより可動。パーツが細いので取扱注意
プロペラントタンク。スーパーバルキリーのものとは若干形状が異なっている
全てを装着してバトロイドの完成。右手に穴があるが、持たせる武器はない
頭部センサーにはメタリックシールを採用。クリアパーツがあればさらによかった
バックショットはかなりブースターなどがあるため、想像以上にゴツい印象だ
交換用手首は右手用が1種、左手用が3種付属する

 VF-1バルキリーの戦闘機然としたスマートな格好良さに、ある意味不釣り合いなレドームやセンサーブロックが、偵察機としての特徴を引き立てている。複座型でバルキリーとは頭部や主翼先端の形状が違っていて、もちろんこの「HI-METAL R」版エリントシーカーもそれらを再現している。

 製品はこれまでのシリーズのバルキリーを素体として、形状が異なる頭部とコクピット、主翼は新規造形となる。レドーム、センサーブロック、ブースター、プロペラントタンク、バックパック、アンテナなどがパーツとして付属するため、パッケージ内のブリスターは2つに分けられていた。なお戦闘を想定しない機体ということもあり、武装はなくバルキリーの基本装備となるガンポッドも付属しない。

 筆者は今回初めてこのシリーズを購入したのだが、変形のプロセスはかなり複雑だと感じられた。変形させるときは、パーツが動く方向を説明書などで確認しながら確実に動かすようにしたい。そしてこの機体ならではのセンサーブロックやアンテナは一部が非常に細いので注意が必要だ。筆者も取り付ける際にアンテナが指にぶつかってしまい、危うく折ってしまいそうになった。

【変形】
変形時はブースターとセンサーブロックは外しておく。背中のパーツを開け、180度回転させた頭部を収納
機首を起こして胸部パーツのロックを外し、後方へスライドさせて固定する
中央のアームを機首側に倒しながら、脚部の付け根フレームを反対側へ回転させる
インテーク裏のダボを、頭部左右に見えるダボ穴にはめ込む
パイロットフィギュアは2人付属。キャノピーカバーを外してキャノピーを取り付ける
腕を前に出して取り外したパーツを着け直してガウォークの完成
腕のカバーを開けて手首を収納する。交換用手首だと収納ができない
腕部のジョイントを外し、軸に沿って後方へとスライドさせる
両腕部内側へと折り畳んで収納し、脚部を後方へと伸ばす
左手に取り付けるセンサーブロックはこの形に変形させておく
センサーブロックを取り付けた上にディスプレイ用ジョイントパーツを取り付ける
ファイター状態の完成。この状態で飾るには別売りのスタンドが必要となる
ボーナスパーツとして付属する、シャッターが開いたエアインテークを取り付けた状態
着陸脚は差し替えパーツだ。機体下部センサーは後方へ畳んでおく

 他のシリーズ同様、ガウォークやバトロイドにも変形が可能だが、やはり見栄えがするのは劇中の姿を再現したファイター形態だろう。ファイターになることで、この機体ならではのレドームやアンテナの存在感が引き立ち、ディスプレイする価値も大きく上がる。

 ただし本製品にはスタンドが付属していないため、製品単体の購入ではファイター飛行状態でのディスプレイは物理的に不可能だ。スタンドが別売りなのはこのシリーズの仕様であり、着陸状態にするためのパーツも付属するものの、この機体に限っては最低限のスタンドだけでも欲しかった気もする。なお本稿では「魂STAGE ACT5 forMechanics」を使用している。

 「HI-METAL R」で数多く展開されている「マクロス」シリーズにこのエリントシーカーが加わったことで、コレクション的にもかなり充実してきた観がある。この流れからすると当然、VT-1オストリッチなども今後ラインナップされるであろうと思われ、そちらにも期待がかかるところだ。

 また商品化はされたものの、決してたくさん売れるようなものではなく、再生産はあまり期待できないので、市場にある今のうちに手に入れておくことをオススメする。

【ポーズ集】