先行レビュー

この“冒険感”がやみつきに!大空の島々を旅する探索アドベンチャー「ATMOSFAR」先行プレビュー

キャンプギアの拡張などサバイバルクラフトの醍醐味を感じられる新作

【ATMOSFAR】
10月30日 早期アクセス開始予定
価格:2,980円

 集英社ゲームズは、Steam用空島探索アドベンチャー「ATMOSFAR」の早期アクセスを10月30に開始する。価格は2980円。

 本作は、プレイヤーが広大な天空のオープンワールドで無数の島々を冒険し、神秘の惑星「タイコス」に秘められた真実を解き明かしていくアドベンチャーゲームだ。惑星の資源を活用したクラフトシステムでライフラインを整えたり、空を移動する小型飛行艇「ワスプ」を強化して自分だけのマシンを開発したりと、様々な楽しみ方が用意されている。最大4人でのマルチプレイにも対応しており、探索・建築・サバイバルといったゲーム体験を味わう事ができるのだ。

 開発はスウェーデンに拠点を置く「Apog Labs」が担当する。パブリッシャーの集英社ゲームズはデバッグやローカライズ、マーケティング、さらには制作のプロデュースという立場で本作に携わる。

 今回はそんな本作を一足早くプレイできたので、ゲーム序盤のプレイで感じた本作の魅力を紹介しよう。

【ATMOSFAR 早期アクセスアナウンストレーラー】

過酷な労働生活から大いなる冒険の空へ

 ゲームが開始してまずプレイヤーを待ち受けているのは惑星「タイコス」の「パール島」で労働を強いられている主人公の姿だ。本作のチュートリアルで、世界観の雰囲気や基礎的なアクションとなる「抽出ツール」を用いた資源リソースの回収などを体験していく。

 動きは少しモッサリしている印象はあるが、壁を登ったり隙間をしゃがんで移動したりと、意外とアグレッシブに動き回れる印象だ。

 主人公は話したりせず大枠のストーリー部分もしっかり説明されないため雰囲気や世界観からプレイヤー自身が考察していく事になるが、プレイヤーの目的は常に右上の「ジャーナル」に表示されるので迷子になる事が無いのはありがたかった。

労働施設のような場所で目覚める主人公
【抽出ツール】
後のサバイバルクラフトでも大活躍する「抽出ツール」での資源リソース回収。フィールドのオブジェクトにビームを当てる事で対応する資源アイテムへ分解できる

 そんな中、突如異常気象に襲われ主人公達を管理している「ドローン」が機能停止する事態が発生する。劣悪な労働環境から逃げ出すチャンスを得た主人公は飛行艇「ワスプ」を強奪し脱出を図る。

 今後旅を共にする「ワスプ」の操作感はかなり独特な仕様となっており、慣れていないとフラフラと蛇行してしまうレベルだ。ドックから飛び立つ際も「エンジンの起動」「着陸装置の格納」という2ステップの入力を踏んでからの発進だったりと、全体的にリアリティのある操作感にこだわりを感じる。

 なんとか島から脱出した際の大空のグラフィックは圧巻で、そこからタイトルが表示された際のワクワク感は凄まじいものとなっていた。

赤雷の異常気象に襲われる「パール島」。普段主人公を管理していたドローンからもリソースを抽出できるので有難くもらっていこう
【ワスプ】
本作の冒険で最も重要な役割を持つ飛行艇「ワスプ」。様々な種類が存在するが、最初に主人公が乗り込む機体は最もベーシックな性能で「キャンプ」を持ち運べる「汎用型ワスプ」となっている
チュートリアルが終わった際にタイトルロゴが出る演出大好き

本格的にサバイバルクラフト開始!

 「パール島」を脱出し「モークネスト群島」に辿り着いた主人公の次の目標は大きく2つ用意されている。

 1つは脱出の際に無線を繋いできた正体不明の「ヴァガボンド」を探す事。2つ目は脱出の際に破損してしまった「ワスプ」を修理して飛行可能にする事だ。

 ここから「モークネスト群島」を舞台に、「正体不明のヴァガボンド」の痕跡と「ワスプ」を修理するための様々な資材を確保する冒険が幕を開ける。行動の選択肢も一気に増えてプレイの自由度も一気に拡張されるので本格的なサバイバルクラフトの幕開けと言ってよいだろう。

 とりあえず島を歩き回り自然や放棄された施設の残骸から資源リソースを回収し、自分の足で様々なロケーションを楽しむ事となる。ここからはプレイヤーを襲ってくる敵エネミーも登場し、高所からの飛び降りなど意図せぬアクション事故で体力を失う事もあるので緊張感のある探索を楽しめた。

 本作は体力が尽きてもゲームオーバーにはならず特定のリスポーン地点から復活できる仕様となっているが、その際に手持ちの資源の20%をランダムにロストするので注意が必要となる。

【モークネスト群島】
自然的なロケーションと、廃棄された人工物が共存する本作独自の世界観が早速お出迎え

 ここで入手する「溶接ツール」と「キャンプ」&「クラフトテーブル」によって本格的にクラフト要素が解放される。

 「溶接ツール」は「抽出ツール」と同じように対象にビームを当てると手持ちの資材を使用して様々なオブジェクトを修理できるアイテムだ。

 「ワスプ」の修理もこの「溶接ツール」を用いて行うのだが、他にも島々に放棄された施設の鍵やエレベーターを修理して使用可能にしたりと、探索でも重宝するアイテムとなっている。「抽出ツール」で資材を収集、「溶接ツール」で修理を行うというアクションが本作では最も基本的なアクションだ。

【溶接ツール】
資材を入手しエレベーターを修理して探索エリアを広げるなど、修理アクションは冒険でも必須のスキルだ

 そしてプレイヤーの拠点となる「キャンプ」では「クラフトテーブル」を用いて修理に必要な資材を資源リソースを消費しクラフトする事が可能となっている。

 他にもキャンプの機能自体をアップグレードさせる「キャンプギア」の制作も可能で、料理ができるようになる「料理ステーション」や時間を経過させる「テント」など機能の拡張は多岐にわたる。

 資源リソースを資材に変換し、その資材を用いて冒険のインフラを整える作業が「サバイバルクラフトやってんなぁ~!」と強く感じられる要素となっており、ストーリーの展開が気になりながらもインフラ整備が楽しすぎて筆者はかなりの時間を費やしてしまった。

【キャンプ】
キャンプギアが充実していくさまが快感で……! 冒険の自由度が拡張されていく感覚はサバイバルクラフトの醍醐味と言って良いだろう
【クラフトテーブル】
他にも体力回復や各種ツールを使用する際のリソースである「電力」を回復する消費アイテムなどもクラフトが可能。将来的には「ワスプ」の改造も行えるので夢は無限大だ

 島々でリソースアイテム&ストーリーを進める手がかりを回収し、クラフトでゲームの進行に必要なアイテムと自身の設備を拡充していくという本作の基本的な流れはこの島で一通り体験できる。

 「ワスプ」の修理に成功した主人公は大空を自由に飛び回る手段を得た事で、ここから移動範囲が莫大に広がった“大冒険”が始まる。

 「ワスプ」には主人公の拠点となる「キャンプ」を詰め込む事ができるので、行く先々で拠点を作りながら新たなストーリーとクラフトを楽しむ圧倒的“冒険感”が本作の醍醐味と言って良いだろう。

 ここから先は島の中を移動する際にも「ワスプ」を活用する事でより広大な範囲の冒険が可能になるので、本作の本格的なスタートはここからだ。目安として、筆者はこの時点に辿り着くまでに既に8時間以上は本作をプレイしているので、かなりのボリューム感が期待できるタイトルだと感じている。

未知なる島に辿り着き、自分の拠点をベースに島を開拓していく

 島々の移動をサポートする「ジェットリング」の修理などを経て辿り着く次なる島「スクリーチャーピーク」ではまだまだ新たな要素が待ち受けている。

 廃棄された施設を再駆動させるクラフト、より危険度の高い敵エネミーとの遭遇や対抗手段の確保、そしてプレイヤーの本格的な拠点となる「クラウドクルーザー」の登場など……様々な要素が待ち受けている。この先の冒険はぜひ自身の手で開拓してほしい。

 今回実際にプレイする事はできなかったが、本作は4人でのマルチプレイにも対応しているタイトルだ。フレンドと共に未知の島々を冒険する体験はより一層面白さに磨きがかかる事が予想されるので、気になる人はぜひそちらもチェックしてほしい。

徒歩では辿り着けない場所への冒険、より高度なクラフト要素などゲームの奥行きはまだまだ用意されている……!
基本的に序盤は逃げるしか無かった敵エネミーにも対抗手段が…! 将来的には敵を圧倒できるマシンの開発もできそうだ

自由度の高い冒険が大きな魅力! 注意点も合わせて紹介

 最後に本作をプレイした筆者の所感と注意点をまとめておこうと思う。まず魅力は何と言っても広大過ぎる探索範囲で繰り広げられる自由度の高い冒険だ。

 「空に浮かぶ島々」というロケーションの想像通り、空を旅しながら未知のエリアを見つけていく“冒険感”は本作の面白さに直結している部分だろう。

 拠点も持ち運びながら移動できるので自分が気になった場所に降りて冒険し、資源収集や周囲の探索をして、再び拠点を収納して空の旅へ……といったサイクルが非常に快適でワクワクできる内容となっていた。

「ワスプ」を修理して飛行が可能になってからはドンドン開拓が進むので冒険感はピカイチ!

 「サバイバルクラフト」としてリソースの確保が重要であり、様々な方法で生き延びる術を見出せるのは良かったと感じている。

 基本的には各種ツールを動かす「電力」、「ワスプ」や一部ギミックを動かす際に必要な「燃料」、そして主人公の「体力」の3つを意識する事になるのだが、クラフト要素で回復アイテムを用意できつつフィールド内にお助けアイテムやスポットもそこそこ確認できたので初心者でも比較的安全に冒険ができるように感じる。

フィールドで青いエネルギーに触れている時は「電力」が回復しているので「ツール」が使用不可になる事は少ない

 逆に気になった部分としては日本語のローカライズとストーリーの曖昧さによって世界観の把握が難しい点だ。あくまでサバイバルクラフトがメインであり、詳細にストーリーを語られるタイプの作品ではないと思いつつも、冒険の中で発見できるアーカイブから世界観を断片的に知ることができる。しかし、やや曖昧な内容が多く、物語が気になるプレイヤーには少し不親切な部分が見受けられるかもしれない。

 また広大な冒険範囲に対して筆者がプレイした範囲ではマップの類が用意されていない事も気になった。“未知のエリアを冒険する”というゲームであり、地図が無くても違和感はないが、純粋に行動範囲がとても広い作品なので自分の中でマッピングが上手くできないと方向感覚が狂う事も多かった印象だ。

 こちらに関しては目的地や「ワスプ」の方向には画面上部にマーカーがついていたり、特定の場所に「ビーコン」を置くなど試行錯誤で対処する手段もあったが、探索の際には注意してほしいポイントだ。

全体的に“翻訳された文章”のように見受けられる部分があるので、気になる人はいるかもしれない。引き続きアップデートが行なわれる予定だ

 とは言え未知のエリアを探索するサバイバルクラフトゲームとして非常に楽しめるタイトルとなっており、インディーゲームらしい挑戦的な冒険要素も多く見受けられる作品だと筆者は感じている。

 今後もアーリーアクセス版からアップデート等が行われる事も告知されており、発売後の展開にも期待できる。ぜひ気になった人は膨大過ぎる空の島々を舞台に自由度満載のゲーム体験をぜひ味わってみてほしい。