先行レビュー

4つの魂から“本物”を選ぶ……精神を蝕む恐怖を描くADV「UN:Me」先行プレイ【TGS2026】

選択の先は正解か不正解か最後の最後まで見えない恐怖と不安を体験

【UN:Me】
2026年 発売予定
価格:未定

 集英社ゲームズとヒストリアは、プレイステーション 5/Nintendo Switch 2/PC用アドベンチャー「UN:Me(アンミー)」を発表した。発売時期は未定。企画・シナリオを手掛けるのは「Caligula -カリギュラ-(フリュー)」シリーズなどで知られる山中拓也氏だ。

 本作のジャンルはソウル・トリアージ アドベンチャーゲームと銘打たれており、文字通り魂を救い出す物語となっている。精神の迷宮のような不気味な世界を舞台に、重厚な心理描写とスリリングな探索が展開される。

【UN:Me - Platform Announcement Trailer】

 主人公は精神の迷宮のような不気味な世界で目覚めた1人の少女。その肉体には記憶を失った4つの「魂」が宿っており、それぞれが「自分こそが本物の身体の持ち主だ」と主張している。プレーヤーは対話や探索を通して「本当の身体の持ち主」を導き出し、残す魂と消去する魂を選び取っていくことになる。

 今回は東京ゲームショウ2026に本作が出展されるにあたり、事前に本作をプレイする機会を得た。そこで感じた本作の感触をお伝えしたい。

4つの魂が宿る少女と、不気味な精神世界を探索

 本作の主人公は4つの魂をもつ少女だ。これは個別の人格を持っており、この少女の中にある魂たちは自分こそが本物であることを主張している。プレーヤーは少女となって本物の魂を見つけるべく、不気味で不思議な精神の世界を探索する。

 本作では4つの魂の中から本物の魂と思われる1つを見つけることが目的となっている。

主人公の少女

 精神世界の探索ではそれぞれの魂と対話するためのキーとなるアイテムを探すことになる。扉を開けるごとに世界が変わる異空間を探索しアイテムを探すというのはかなり怖い。探索ではロッカーを探したり、大勢の人がいる中に置かれているアイテムを取りに行ったりと、フィールドをぐるぐると探索する。

探索では様々な場所を探し回る
アイテムを見つけると該当の魂と対話できる

 また、本作では探索中もころころと勝手に4つの魂が入れ替わる。精神世界の中には、それぞれの魂がトラウマとするものや人などが組み込まれている。この魂とトラウマが邂逅した瞬間に少女はそのトラウマに囚われゲームオーバーになってしまう。

 そもそも最初の段階では「何がトラウマなのか」が不明で、うまくトラウマから逃れながらの探索はかなり難しいと感じた。プレーヤーが能動的に魂を入れ替えることは可能だが、ステージによって回数制限があったりするので、使いどころが重要だという印象を受けた。

 トラウマの演出にはかなり怖いと感じるものもあり、少しだけドキッとすることもある。何より探索する精神世界自体が、プレーヤーに恐怖や不快感などを感じさせる世界となっているため、単純なホラーというよりサイコロジカルホラーに近い気がした。

トラウマのシーンは一瞬ではあるが呼吸が止まるほどびっくりするものもある

 トラウマそのものに襲われるというよりもプレーヤーの精神に訴えかけてくるような世界で、探索していると少しずつ気力を奪われていくような不思議な体験だった。実際に制服を着た人の頭が花束になっていたり、看護師たちの顔がマネキンのように固定されていたり、壁に大量の片目の絵が描かれていたりと、目の当たりにするとドキッとするような世界を探索していくので、プレーヤー個人の苦手なものがあってもおかしくない。実際、筆者はマネキンのように固まった表情が苦手なため、探索中に出会った看護師にものすごくびっくりした。

魂のトラウマだけでなく、プレーヤーによっては間接的に精神的なダメージを受けるであろう場所もある

1つ1つの選択でプレーヤーも悩む。魂たちとの対話

 前述したように探索でアイテムを見つけると、そのアイテムに関連する魂と1つのテーマについて話すことができる。

 それぞれの魂は様々な過去や秘密を持ち、性格も大きく異なる。会話の内容を選びながら対話を通じて本当の魂を見極める。対話の時は少女に向かい合うカメラワークとなり、まるでカウンセリングのように、丁寧に会話を紡いでいく。会話のテーマに対して、選択肢の中からより聞きたいものや聞きやすいものを選んで会話をするが、中には魂を抉ってしまうような選択肢もある。筆者は会話で傷つけまいと無難な質問を選択したつもりでいたが、それでも少女がダメージを受けてしまうこともあり、かなり繊細なパートだと感じた。

 しかし、それぞれの魂は嘘をつくこともあるため、対話で聞いた言葉をうのみにはできない。対話を続ける中で真実を話している本当の魂を見極めていく。

対話の画面では右上にゲージが表示され、会話の内容によってはダメージを受けてゲージが減少する
対話ではそれぞれの選択肢を選びながら慎重に進める

 各パートで決められた探索と対話が完了すると、プレーヤーは魂の選別を行うことになる。ここではそれぞれ別のエレベーターの中に閉じ込められた魂たちの中から、消したい魂を選ぶ。選ばれた魂のエレベーターは中に火が点き、そのまま魂ごと燃えてしまうというもので、ここがかなり厳しい選択を迫られるシーンとなっていると感じた。

 衝撃的な魂の消え方に絶句してしまうが、少女の中に存在していた1つの魂が消えてしまうと考えるとそれだけ重い選択をしていると実感できるものになっている。

物語が進むと扉の奥でどの魂を消すかの選択を迫られる

 今回のデモ版ではここで終了となったが、製品版では最後の1つの魂になるまで続き、残った魂が少女の本当の魂だったかはその瞬間になるまでわからないという。

 プレーヤーの選択が正解だったのか最後の最後までわからないというのも、ずっと心の中にもやもやした気持ちを抱えたままになり、精神的にくるものがあると感じた。

 ホラーとも違う、精神を脅かすような怖さを感じられる本作は東京ゲームショウ2026の集英社ゲームズブースにて試遊可能となっている。気になった方はぜひ足を運んでみてほしい。