先行レビュー

”変えれる新要素”と”変わらぬ面白さ”で蘇る永遠の名作「テイルズ オブ エターニア リマスター」先行プレビュー!

本作P・玉越氏「今も昔も変わらない感動を味わって頂けたら」

【テイルズ オブ エターニア リマスター】
10月15日 発売予定(Steam版は10月16日発売予定)
価格:
3,960円(通常版)
11,110円(特装版)
6,930円(デラックスエディション)

 バンダイナムコエンターテインメントは、プレイステーション5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam)用永遠と絆のRPG「テイルズ オブ エターニア リマスター(以下、エターニア リマスター)」を2026年10月15日に発売する。

 「テイルズ オブ エターニア」は2000年に発売された「テイルズ」シリーズ第三作目にあたる作品。「エターニア リマスター」は2005年発売のPlayStation Portable版「テイルズ オブ エターニア」をベースとしたタイトルとなり、「テイルズ」シリーズリマスタープロジェクト初の2D作品から復活となる。

 「テイルズ オブ エターニア」は今も尚シリーズ最高傑作とする根強いファンも多く、「テイルズ」シリーズの中でもトップクラスの人気タイトル。シンプルながら奥深いバトルシステムは2D「テイルズ」の金字塔でありながら完成形とも評価する呼び声も高く、ストーリー部分では「テイルズ」シリーズらしい人種・世界・価値観を超えた友情と愛情を描いた胸打つ物語に、多くのプレーヤーの脳が焼かれた事だろう。本作のジャンル名「永遠と絆のRPG」に相応しい、永遠に記憶に残る冒険を体験する事ができる名作なのだ。

 今回「テイルズ オブ エターニア」のリマスタータイトルとして発売される「エターニア リマスター」ではオリジナルの感動とゲーム体験はそのままに、ユーザビリティを向上させる様々な新要素が追加されている。本記事ではそんな「エターニア リマスター」を少しだけ試遊することができたほか、本作のプロデューサーを務めた玉越修平氏へのインタビューもできたので、その内容を紹介しよう。

【「テイルズ オブ エターニア リマスター」アナウンスメントトレーラー】

色褪せないバトルシステム&ストーリー

 まず初めにリメイク元となる「テイルズ オブ エターニア」について軽く紹介したい。本作は2つの世界が空を挟んで向かい合う対面世界「エターニア」を舞台に、辺境の村で暮らしていた主人公「リッド」と「ファラ」が謎の少女「メルディ」と出会う事で物語が幕を開ける。

 言葉が通じないメルディだったが幼馴染の「キール」の力を借りる事で意思疎通を行うと、「エターニア」世界を滅ぼしてしまう現象「グランドフォール」が迫っている事を教えられる。両世界の危機を阻止するため、4人は2つの世界を行き来しながら冒険を繰り広げる事になるのだ。

 キャラクターデザインは今ではシリーズでお馴染みとなった「いのまたむつみ」氏、OP主題歌は「GARNET CROW」の「flying」と時代を象徴する豪華な面々が務めている。本作のキャッチコピー「変われる強さ、変わらぬ想い。」というワードと共に、往年のRPGの良さが凝縮されたようなゲーム体験を楽しむ事ができるだろう。

【OP映像】
今見ても全く色褪せないキャラクターデザイン&アニメーション
主題歌と共に鮮烈に脳に焼きついているプレーヤーも多いだろう
【リッド】
平凡な生活を望む穏やかな主人公「リッド」。当時としてはこの”フワッとした”空気感の主人公はかなり珍しかった印象だ
【ファラ】
持ち前の明るさでパーティーを引っ張ってくれる「ファラ」。口癖の「イケる、イケる!」は彼女を象徴するワードだ
【メルディ】
最初は意思疎通もできない状態の少女「メルディ」。彼女と出会った事で世界の命運をかけた戦いに巻き込まれていく事になる
【キール】
リッドとファラの幼馴染にしてパーティーのブレインとなるのが「キール」。最初はいけ好かない態度だが、ゲームをクリアする頃には”可愛くて仕方ない”と思ってしまうプレーヤーも多かった人気キャラクターだ

 バトルシステムは最初期のシリーズ作品ではお馴染みの「リニアモーションバトルシステム」。本システムは敵と味方が1直線上に並び、リアルタイムで戦闘を行う「テイルズ」シリーズ独特の戦闘システムで、初期の2Dバトルの中でも1つの完成形とも言えるほどに、高いゲームテンポと爽快感が評価されている。シンプルながらも細かい部分まで作戦変更ができるバトル設定や、特別な演出が入る大技の数々、後年のタイトルではお馴染みとなった「秘奥義」などシリーズの礎となるシステムが数多く本作から生み出されている。

 特技や奥義のコンボ性を楽しんだり、「フリンジ」システムでどのような晶霊術を生み出すかなど、本作独自のビルド要素も多く完成度の高いバトルを楽しむ事ができる。ほかにも冒険中に発生する多くのサブクエストやクリア後コンテンツによる膨大なやり込み要素も必見で、中には「過去作品キャラのゲスト参戦」が初めて行われたりなど印象的なイベントも多い。

 広大な世界を冒険しながらメインとなる4人の掛け合いを楽しみつつ、RPG作品として求められている要素を全て網羅していると言っても良いほどに、本作は非常に完成度の高い作品となっている。

【バトルシステム】
現代では珍しい2Dバトルだが、本作でしか味わえない独自の爽快感と面白さがある。あくまで筆者個人の感覚だが「テイルズ」シリーズにやってほしい事の大体は「エターニア」がベースになっている節があるほどだ
【秘奥義などの大技】

新要素を体験しながら「ウンディーネ」とバトル!

 今回の先行プレイでは物語最初の転換期となる「水晶霊の河」の探索と、ボス「ウンディーネ」とのバトルを体験する事ができた。加えてリマスターから追加される新要素に関しても実際に確認する事ができたので、実際のプレイ感と合わせて紹介していこう。

 ゲーム開始時にまず気付くのがグラフィック質感の変化だ。今回のリマスターではオリジナル版よりも解像度がハッキリしたモードでプレイする事が可能となっている。全体の”ジャギ感”が無くなり背景などもより鮮明に感じられるので、近年の2Dゲームの質感に近い雰囲気だ。

 このグラフィックに関しては設定から「オリジナル」と「リマスター」でいつでも切り替える事が可能なので、昔の雰囲気のままで遊びたいプレーヤーも安心なのが嬉しい。自然表現が多い本作ではこの変化を大きく感じられるロケーションも多いので、適宜切り替えながら遊んでみるのも面白いだろう。

【グラフィックモード:オリジナル】
【グラフィックモード:リマスター】

 グラフィックの変更を行えるカスタム画面では他にもオリジナルには無かった様々な追加設定の変更が可能となっている。例えば新たに追加されたSEのオリジナル/リマスターの切り替え、キャラクターの音声の日本語/英語の選択など、ゲームの印象に深く関わる部分の選定がプレーヤーの好みで変更可能だ。

 加えて「テイルズ」シリーズではお馴染みの「スキット」をいつでも閲覧できる「スキットプレイヤー」もカスタム画面から起動する事ができる。「テイルズ オブ エターニア」には350種類以上のスキットが存在し、キャラクターによる楽しい掛け合いやストーリーに関わる深堀なども「スキット」で行われる重要な要素なので、いつでも見返せるのはファンとしては非常に嬉しいシステムだ。また今回のリマスター版からはスキットのスキップやポーズが可能となり、字幕が追加されたりなど新要素も見受けられるのでぜひ注目して欲しい。

【カスタムモード一覧】
【スキットプレイヤー】

 次に眼を惹くのが今回の新要素の中で最も注目のシステム「ブースト機能」だ。こちらはプレーヤーのスタイルに合わせて様々なお助け機能を追加できるシステムとなり、冒険のプレイフィールを細かく調整する事が可能となっている。例えば「獲得経験値を4倍にする」を解禁すればレベリングの効率を高める事ができたり、「獲得ガルドを4倍にする」を解禁すれば金策もできたりと、解禁内容によってはゲーム攻略を一気に楽にすることもできるだろう。

 他にも「術技消費TP減少」やアイテム所持数拡張といったゲーム体験自体を大きく変更する項目も存在している。お互いのダメージを上昇させる設定で「5倍」を選択すれば逆に通常よりもスリリングな難易度にする事ができたりと、非常に遊び方を拡張させるシステムとなっていた。

【ブースト機能】
経験値と獲得ガルドをブーストした状態のリザルト画面がこちら。序盤のダンジョンからサクサク進みたい場合や、レベルのカンストを目指す際などに非常に有効だろう

もう1点注目の要素として上げられているのが「戦闘時の高速モード」だ。バトル設定が全て「AUTO」の場合にいつでも発動できるシステムで、バトルスピードを一気に高速化してくれる。全てCPUの操作になるのでプレーヤーは見ているだけになるが、雑魚敵との戦闘は実質ショートカットして進む事ができるので便利なシステムとなっている。

強敵の場合は「AUTO」設定だと普通に事故る可能性もあるので油断できないが、実際に試した感じはある程度同じレベルのダンジョンであれば早々全滅は起こらない印象なので安心して欲しい。上記で取り上げた「ブースト機能」と合わせて使用してみたが、殆ど自動で高速レベリングする事が可能だったりもしたので様々なプレイスタイルで遊びつくす事ができそうだ。

【高速モード】
「AUTO」に設定すればバトル中ワンボタンですぐに高速モードを発動/停止できるのは実際かなり便利。高速モード中は画面右上にマークができるので分かりやすい

 そんな様々な新モードを試しながら「テイルズ オブ エターニア」を遊ばせて貰ったが、やはり今プレイしても全く面白さに遜色が無い事も確認できた。筆者は「エターニア」のダイレクト世代では無いものの2005年に発売されたPSP版で遊んで以来のリッド達との再会なので感慨深いものもあるが、純粋にゲームとして完成度が高い。

 ストーリーラインやキャラクター性もこの時代特有の温かみを感じつつ独特の内容だったり、バトルシステムもシンプルながらもテンポが良く非常に快適だ。仲間と連携してコンボを繋いだり、新しい術技を覚えるためにバトルの立ち回りを変えたりなど、エターニアらしい面白さは現代でも全く変わる事のない面白さとして通用するレベルだと感じた。

特有のSEやバトルテンポが相まって、味方と連携しながらゴリゴリ相手を削っていくアクションが気持ちい~!
試遊範囲内でも独特のリッド節を垣間見る事ができる。現実的な目線を持つリッドにも様々なバックボーンがあり…

 今回の試遊プレイの華とも言える「ウンディーネ」戦もしっかり楽しませて貰った。初めての大晶霊戦となる「ウンディーネ」はゲームの中でも記憶に残りやすいボス戦で、強力な晶術を攻撃に織り交ぜながら自身はバリアで守られているタイミングもあったりと最初の壁としても印象的な存在だ。上手く仲間とコンボを繋げないと一気に押し返される事もあり、難易度によっては即全滅もあり得るので油断ならない相手となっていた。

【ウンディーネ戦】

 「ウンディーネ」撃破後は本作独自のシステムである「フリンジ」が解放され、キールとメルディの晶術ビルドが加速度的に面白くなっていく。使用できる晶術の威力や演出も一気に派手になり、ここからの冒険とバトルがさらに面白くなる事を予感させた所で今回の試遊は終了となった。

【フリンジ&新しい晶術】

 「テイルズ オブ エターニア」というゲームが現代でも全然面白い事が再確認できたことに加え、新システムの使い心地もゲーム体験を”自由”に変更できる拡張性の広いシステムに留まっていた事が非常にグッドだった。

 ほかにも次の目的地までの案内マーカーが追加されていたり、時限サブイベントを管理できたり等、”エターニアを遊びつくせる方向性”でユーザビリティに優しいシステムが数多く用意されているのも好印象だ。再び本作を遊びたいプレーヤーにも、初めて今作に触れるプレーヤーにもお勧めできるリマスタータイトルとなっていたので、気になる人はぜひ今後の情報も追ってみてほしい。

本作のプロデューサー玉越氏にインタビュー!

 最後に本作のプロデューサーを務めた玉越修平氏に短い時間だがインタビューを行い、リマスタープロジェクトで初の2D「テイルズ」となる本作がなぜ選ばれたのか、などを聞いてきたのでご紹介しよう。

プロデューサーの玉越修平氏

――本日はよろしくお願いいたします!まずは本作をリマスターした経緯などをお伺いしたいです。

玉越氏:過去にシリーズ公式から発信している、“「テイルズ オブ」リマスタープロジェクト"の方針を繰り返すようなお答えにはなってしまうのですが、数多く存在している「テイルズ オブ」シリーズの作品を現行機でも遊べるような形で皆さんにお届けしたいという方針で動いていますので、今回の「エターニア」もその準備が整ったので発売させて頂く流れとなった形になります。

――「エクシリア」や「ベルセリア」など3D「テイルズ」のリマスターが続いていましたが、今回2D「テイルズ」がリマスターする流れとなったのはどのような経緯があったのでしょうか?

玉越氏:リマスタープロジェクトでは、完成の見通しの立ったタイトルから順に発表・発売するという方針となっており、今回初めて2D時代の作品「エターニア」のリマスターをお届けできることになりました。

――「エターニア」はシリーズの中でも根強いファンが多い作品ですが、リマスターにあたりプレッシャーなどはありましたか?

玉越氏:プレッシャーに関しては凄く感じていましたね(笑)。本作はとても素晴らしい作品でしてオリジナル版が発売してから25年以上経過した今でも熱量の高いファンの皆様が多いタイトルでもありますので、その想いをしっかり受け止めた上でご満足頂ける完成度でリリースできるように務めました。

――多くの魅力が存在している「エターニア」ですが、玉越さんが思う「エターニア」の魅力とはなんでしょうか?

玉越氏:私も皆さんと同じく「エターニア」が大好きなプレーヤーの一員としてこの質問にお答えさせて頂くと、個人の意見にはなってしまうのですがキャラクター・物語・バトルシステムなど1つ1つの要素がバランスよく調和されているのが魅力の1つだなと感じています。

 なので特定の部分というよりは「エターニア」という作品全体を推せるといった印象が私の中にはありますね。あと個人的には「キール」というキャラクターがとても好きなので、彼の活躍にも注目して欲しいポイントになります(笑)。

【キール】

――システム的な部分もお伺いできればと思います。今回様々な新機能が追加されていますが実装が難航した物などはありますか?

玉越氏:個別の機能で難しかったという部分はあまり無いのですが、実装するにあたりゲーム全体のバランスは凄く注意した部分になりますね。

 オリジナルが「プレイステーション」で発売された作品となりますので、時代的にも説明書やインターネットの限られた情報を元に手探りで攻略を進めていく楽しさも存在していた作品だったとも思っています。

 なので”オリジナル版らしさ”と、リマスターから追加される新規プレーヤー向けのシステムとでバランスが取れている必要があると強く思っていましたので、開発チームとしては時間をかけて調整した部分になります。

――ストーリーなどの表現で時代に合わせて変化を加えた箇所などはあるのでしょうか?

玉越氏:今回のリマスターはキャラクターの発言やストーリーの大枠などに関しては”一切手を加えておらず”オリジナル版に準拠した形でリマスターをさせて頂きました。一部アイテムやエフェクトのデザインを修正した箇所などはありますが、物語に関しては「エターニア」本来の面白さをしっかり遊べる形にしております。

――オリジナル版に存在していたバグ等に関しては全てリマスターに当たり修正されたのでしょうか?

玉越氏:バグと言っても様々なタイプがあると思うのですが、フラグに関わったり誰が見ても遊びを阻害しているようなタイプのバグに関しては今回のリマスターに際し修正をさせて頂きました。

――他のリマスタータイトルと比べると本作はかなりお手頃価格ですが、こちらの意図はなんでしょうか?

玉越氏:過去に発売されたリマスタータイトルや本作のオリジナル版と比べると今回はかなりお手に取りやすい価格になっているかと思います。今回初の2Dテイルズのリマスターという事で、グラフィック部分の変化などを総合的に判断して、より多くの人に触って頂きたいという想いからこちらの値段とさせて頂きました。

――今回のリマスターで初めて本作に触るプレーヤーへ向けてオススメポイントをお願いします!

玉越氏:まず今回のリマスターから「テイルズ オブ」シリーズに興味を持っていただけるプレーヤーの方がいたら凄く喜ばしいことだと感じています。オススメポイントとしては「テイルズ オブ」シリーズが大事にしてきたステキなキャラクターとの出会い・冒険・ドラマといったプレイ体験に関しては一世代前のタイトルとなる本作であっても変わらずに存在している部分になりますので、ぜひ「テイルズ オブ エターニア」の冒険物語で今も昔も変わらない感動を味わって頂けたらなと思っています。

――逆に当時遊んでいた既存ファンに向けて本作ならではのオススメポイントなどがあればお願いします!

玉越氏:オリジナル版を遊んでいただけているお客様の中にも、25年以上の月日が流れてますのでその期間に様々なゲーム体験を積み重ねて来たプレーヤーも多いかと思われます。

 その中で今回追加させて頂きました新機能は、一部を除き基本的にはプレイヤーが任意で切り替えられるシステムとなっていますので、例えば当時の環境・雰囲気で遊びたいというプレーヤーの方は設定をオリジナル準拠にして頂き、逆に多くのゲームを体験してある程度RPGはサクサク進めたいという方針のプレーヤーの皆さんには新機能を存分に使って頂く事も可能なので、色んなタイプのプレイフィールで「エターニア」の冒険を味わえる形に仕上げています。

 ぜひ本作の感動を今一度味わって頂けたらなと思います。

――ありがとうございました!