先行レビュー

クリーチャーの恐ろしさはシリーズ随一! 「SILENT HILL: Townfall」先行プレイレポート

一人称視点で展開される全く新しい「SILENT HILL」を体験

【SILENT HILL: Townfall】
9月24日 発売予定
価格:
7,480円(スタンダードエディション)
8,580円(デラックスエディション)
「SILENT HILL: Townfall」

 コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は、プレイステーション 5/PC用サイコロジカルホラー「SILENT HILL: Townfall(サイレントヒル タウンフォール)」を9月24日に発売する。価格は7,480円より。

 「SILENT HILL: Townfall」は2022年に発表されて以降、長らく情報が無かった作品。今年の2月に公開されたプレイ映像で「SILENT HILL: The Short Message(サイレントヒル: ザ ショートメッセージ)」以来の一人称視点であることが判明し話題を呼んだ。

 今回は「SILENT HILL(以下、サイレントヒル)」シリーズの外伝作にあたる「SILENT HILL: Townfall」を一足先にプレイする機会を得た。これまでのシリーズと比べてどのような新しさがあるのか、気になるプレイフィールをお届けしよう。

 なお、今回試遊したのはプレイステーション 5版で、ゲーム内容は製品版ではなく、体験会向けのデモ版となっている。

【SILENT HILL: Townfall | 発売日発表トレーラー】

新アイテム「CRTV」が新たなゲーム性を生み出す

 本作の舞台はイギリスのスコットランド。主人公の「サイモン・オーデル」が深い霧に包まれた孤島・セントアメリアに漂着するシーンから唐突にゲームが始まる。

 サイモンの素性や目的は一切不明で、右手には自身の名前が記された医療用リストバンドを身に着け、左手は輸液の点滴が打たれているという姿で謎が多い。

 どこからか聞こえてくる声に「状況を正す」よう迫られており、その声に従って不気味なセントアメリアを探索していくことになる。

海からセントアメリアに流れ着いてきたサイモン。どこからやってきたのだろうか

 一人称視点のゲームはそれほど珍しいものではないが、本作は「シネマスコープ」と呼ばれる2.35:1の特殊な比率のゲーム画面になっている(設定から変更も可能)。視界は横に広く、画面の上下は黒帯が敷いてあり、この“嫌な圧迫感”がサイコロジカルホラーゲームというジャンルと非常にマッチしている。

珍しい横長の画面でゲームが展開していく

 これまでのシリーズも映像力は高かったが、一人称視点になったことでグラフィックスの美しさがより顕著に感じられた。1990年代のスコットランドの港町をリアルに描いており、霧に包まれている町並みの表現は湿度すら感じさせる深い没入体験を味わうことができた。

「サイレントヒル」らしい霧の町がリアルに表現されている

 シリーズ定番アイテムとなるラジオが廃止され、代わりに「CRTV」というポケットテレビが登場し、このアイテムこそが本作のゲーム部分の根幹を担っている。

 これまでのラジオと同じく、周囲にクリーチャーがいることをプレーヤーに知らせてくれるという点は同じだが、CRTVでは不安定なアナログ信号を手動でチューニングしてキャッチすることで、クリーチャーのいる方向や姿がCRTVのモニターに映し出されるのだ。

 ラジオはノイズが発生して、今いるエリアのどこかにクリーチャーが潜んでいる程度の漠然とした情報しか得られなかったが、本作では得られる情報量が増えたのでクリーチャーの対処が格段に楽になる――と最初は思っていた。次項で詳しく触れるが、このCRTVの要素が歯ごたえのある戦略的なゲーム性を生み出している。

ラジオに代わる新アイテムCRTV
壁越しであっても近くにいる敵を感知してくれる

 CRTVはクリーチャーを索敵するだけではなく、ゲームを進めるためのヒントを得ることもできる。

 作中ではサイモンに次の目的を示してくれるキャラクターなどはおらず、特定の場所でアナログ信号を保存することでCRTVに次に向かうべき場所の映像が映し出され、それを頼りに探索を進めていく。

まずはチューニングで信号を保存。すると次に行く場所のヒントが映像として流れる

 「サイレントヒル」シリーズには欠かせない謎解き要素でもCRTVが活躍する。

 本作では断続的に映し出される映像からヒントを得て謎を解いていくのだが、映像から意味を汲み取るのがなかなかに難しく、これまでのように文章から謎を読み解くよりも歯ごたえがあるように感じられた。

 ほぼ答えが直接映し出されるものもあれば、映像から連想して答えを導かねばならない難易度の高い謎解きもあり、一筋縄ではいかないバランスになっている。ゲームが進むにつれてどんな謎が待っているのか楽しみな部分だ。

チューニングも謎解きの難易度もどんどん上昇していく

正面から戦うだけじゃない。判断力が試される戦略的なステルス要素も

 ここからは、シリーズの恐怖の象徴ともいえるクリーチャーについて触れていこう。

 試遊版で確認できたクリーチャーは人型で両腕がベルトで縛られて拘束されているという不気味なビジュアル。サイモンを発見するとものすごいスピードでこちらに迫り、どこまで逃げても追いかけてくる非常に厄介な敵である。

「サイレントヒル」らしい嫌悪感を前面に出したクリーチャー

 試遊版でのサイモンのメイン武器は木材で、攻撃とガードの2つのアクションを駆使して戦っていく。

 これまでの「サイレントヒル」は、発見したクリーチャーは倒して進んでいくのが定石であったが、今作のクリーチャーはかなり手強く、こちらの攻撃を食らいながら反撃をしてくるので正面から殴り合っているだけではまず勝てない。

 上手くガードを使えばダメージを防げるが、本作は「SILENT HILL f(サイレントヒル エフ)」と同じく武器に耐久度が設定されており、攻撃とガードをし過ぎると耐久度がなくなり武器が壊れてしまうという硬派なゲームバランスになっている。

近年の作品のように回避系のアクションは無いので、攻撃とガードをうまく使い分ける必要がある
1度攻撃を食らっただけでもかなり痛い

 本作はクリーチャーをただなぎ倒して進んでいくだけではなく、これまでの作品にはなかったステルス要素がゲーム攻略のカギを握っている。

 安全な物陰に隠れてCRTVでクリーチャーの動きを観察し、配置や徘徊パターンを覚えることで敵の視界を掻い潜って戦闘を回避して進むことができる。

 こうして文字にすると簡単そうに感じるかもしれないが、クリーチャーは常に忙しなく走り回っており、発見されることは死を意味するので、物陰から物陰へ少し移動するにもかなりの緊張感が走る。

 シーンによっては、目の前まで巡回しに来るクリーチャーから身を隠して進まなければならない場面もあり、バレないように物陰から様子を伺う「覗き込み」や、姿勢を低くして発見されないようにする「屈む」といったアクションは特に重要になってくる。

 瓶を投げてあえて音を出すことで注意を引き付けたり、チェイス状態になったら鍵のある部屋に逃げ込んで施錠するなど、クリーチャーに対してさまざまな対処法が用意されており、プレーヤーごとに異なる正解を導き出せる自由度の高さは本作の魅力といえるだろう。

フィールドには身を隠すポイントなども用意されているので、あらゆる手を使ってクリーチャーの手から逃れるのだ

 別の試遊パートでは、「サイレントヒル」といえばおなじみの“裏世界”も確認することができた。灰色だったセントアメリアの町並みは赤一色に染まり、狂気の世界に足を踏み入れた感覚をプレーヤーにダイレクトに与えてくる。

ピストルを手にすると、サイモンの世界が突然赤色に染まりだす

 このシーンでは木材の他にピストルを使うことができ、プレイステーション 5版はジャイロ機能を使った照準操作で直感的な射撃を行うことができ、さらにアダプティブトリガーによる引き金を引く重さをリアルに体験できたりと、DualSenseの機能をフル活用している。

 銃が手に入ればクリーチャーの相手も余裕と思っていたが、裏世界に登場する敵は表の世界よりも格段に厄介なものになっており、遠くからピストルで蜂の巣にしてやろうと狙いを定めていたら唐突にビームのような「管(くだ)」を発射されたのには驚いた。

 木材に比べてピストルは強力だがもちろん弾数制限があり、試遊版の範囲では弾もそれほど多くは手に入らない様子だったので、裏世界でもステルス行動や近接での戦闘がメインになりそうだ。

裏世界では新たなクリーチャーが登場
アダプティブトリガーの重さがより没入感を高めていく
ステルスアクションは避けて通れなさそうだ

新しい要素を存分に取り入れた外伝作品

 今回はじっくり4時間ほど試遊をし、CRTVを使った謎解きとステルスアクション、一人称視点でのクリーチャーとの戦闘など、本作の新しい要素となる部分を存分に体験することができた。

 ステルスアクションと戦闘は、最初こそ上手くいかず何度もゲームオーバーになっていたが、プレイしているうちに段々と慣れてきて躓きが減っていく感覚は、非常にやり甲斐のあるゲームバランスだと感じられた。

 ホラーの部分に関しては、今回の試遊はマップのほぼ屋外の探索ということもありそれほどの恐怖は無かったが、ヘッドホンを着用してのプレイは3D音響が非常に立体的に響き渡り、クリーチャーのうめき声がリアルで自分の後方から聞こえたと錯覚するほどで正直鳥肌ものであった。

 ストーリーの概要は今回のプレイではほぼ分からなかったが、全くの他人の家にサイモンの写真が飾られていたり、ジャケットが脱ぎ捨ててあったりと、「サイレントヒル」シリーズ特有の不気味で謎に包まれている空気感は健在であった。ストーリーはマルチエンディング制になっているようなので、サイモンの行き着く結末がどんなものなのか気になるところである。