先行レビュー
「エルデンリング ナイトレイン TRPG」先行レポート! 世界観・テンポをうまく落とし込んだTRPG
ランダム性が癖になる魅力。夜渡りの美麗イラスト収録
2026年6月19日 00:00
- 【ELDEN RING NIGHTREIGN TRPG】
- 6月19日 発売
- 価格:4,950円(税込)
協力型サバイバルアクション「ELDEN RING NIGHTREIGN」(以下ナイトレイン)は、強大な敵を倒す歴代作の達成感を、短いゲームサイクルの中で協力する仲間と味わえるようにしたフロム・ソフトウェアの意欲作だ。
マルチプレイでの共闘を前提として、ハックアンドスラッシュがゲームシステムの軸となっている。従来のいわゆる“ソウルシリーズ”とは異なるアプローチのタイトルとして人気を博している。
そんな「ナイトレイン」をテーブルトークRPG(TRPG)として再現したのが、6月19日に発売される「ELDEN RING NIGHTREIGN TRPG」(ナイトレインTRPG)だ。本作ではTRPGとしての要素を含みつつも、「ナイトレイン」の世界観やテンポがうまく表現されている。
本稿では、本作の先行体験会で感じた印象を、TRPG「ELDEN RING TRPG」や「TRPG ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」も担当していた著者のグループSNE・加藤ヒロノリ氏に伺った話も交えつつお届けする。「ナイトレイン」ファンによるオフ会や友人同士で集まった際に遊ぶのにもよさそうなので、興味が湧いたらぜひ手に取ってみてほしい。
「ナイトレイン」の雰囲気をDLC含めTRPGで表現したゲームシステム
「ナイトレインTRPG」は、前述した通りテーブルトークRPGだ。シナリオの流れは「ナイトレイン」と同様で、「『夜の王』を倒すことを目的に夜渡り(プレイヤーキャラクター)達が集い出撃する」というものになっている。
ゲームサイクルとしては、「用意された夜渡り10人20通りからプレイヤーキャラクターを選択して出撃→探索・戦闘をして帰還する」というもの。ゲームシステムは「ナイトレイン」に慣れ親しんだプレイヤーが実際にプレイすると、ゲームと同じように判断して遊べるほどに再現度が高い。
というのも、探索でのランダム性を確保しつつも、戦闘では戦技・魔術・祈祷を使って戦えるし、戦闘も雑魚敵は1ターンで決着がつくほどテンポがいい。しかしながら、ボス戦では数ターン必要になる歯ごたえがあるので達成感も味わえる。
また、ボス戦後の「潜在する力」ドロップ時には、付帯効果でキャラクターを強化するか武器の獲得を選べる。付帯効果は原作ゲームでは武器についていたものだが、キャラクターに直接付けることで武器毎に付帯効果を都度抽選する手間を減らし、ゲームのテンポを損なわないような工夫も施されている。
また、武器の獲得についてもランダムなので、「手に入れた武器・力でやりくりする」という「ナイトレイン」ならではの楽しさも味わえる。
加えて、キャラクターシートについては、キャラクターに応じてあらかじめ細かくみっちりと書き込まれている。自分で能力やパラメーターを決めるとなると相応の時間がかかるが、本作では決められた設定に従うだけでいいので、これも短縮につながる。
ほかにも戦闘時はダイスを先振りすることで思考時間を減らすなど、随所にスピード感を保つこだわりが詰め込まれている。「ナイトレイン」といえばスピード感とランダム性のある探索・戦闘なのでそこを大切にして開発されているようだ。
また、ゲームでは描かれていなかった出撃前の細かいやり取りとして、原作のゲームではマッチングで集合していた部分が、本作では「希望者を募る」というような文言でシステムが補完されているのが個人的に嬉しかった。さらに言えば、各キャラクターのストーリーを体験できるジャーナルも全て収録されているので、資料としての価値も高く感じた。
プレイにはトランプとダイスが必要であり、ダイスは1人7個ほどあれば問題ないと思う。最大プレイ人数はゲームマスター含め2人~5人となっている。トランプはマップの高低差や各エリアの表現するためのもの。ダイスはスタミナダイスとして戦闘で使ったり、高低差や付帯効果の選択などの各種行動で使用する。
マップでは、トランプの柄で「高さ」が設定されており、霊脈などで頻繁に上下移動する「ナイトレイン」らしく高低差のほか、雨による範囲の縮小なども表現されている。本作では3×3枚で並べたトランプをフィールドに見立てて探索を行なうのだが、移動や戦闘、武器の確保、能力上昇などを繰り返すことで、「ナイトレイン」のプレイ感が頭の中に広がってくるところが面白い。
戦闘は「アクションフェイズ」(プレイヤーのターン)、「EX エクストラフェイズ」(体勢を崩した場合の追加ターン)、「ディフェンスフェイズ」(敵のターン)、「エンドフェイズ」に分けられるターン制で進行する。
アクションフェイズでは、先に振っておいたスタミナダイスを用いて出た目のポイントから行動を選択し戦える。ダイスの出た目によって前衛・後衛がかわるほか、「敵視」とよばれる敵から狙われやすくなる。前衛・後衛の立ち位置については、「ナイトレイン」で不意に敵に遭遇した際の慌ただしさや持っている武器に合わせた立ち回りも表現されている。スタミナダイスを使えばも前後の立ち位置を入れ替えられるのも臨場感があっていい。
詳しいルールについては分かりやすく解説してくれるマンガも収録されているので、TRPG初心者でもとっつきやすいはずだ。本稿ではその一部も掲載しているのでルールについてはそちらを参考にしていただきたい。
また、敵拠点から次の敵拠点などへの移動、祝福の使用などの行動を行なうと時間が経過し、スタート地点から順に雨に飲まれるようになっている。雨に濡れてしまうとダメージを受けるのは原作ゲームと同じため、なるべく素早く次の行動を起こす必要に駆られるのも「ナイトレイン」ならではな動き方なので、ゲームをプレイしたことのない人は中々判断が難しいかもしれない。
プレイ時間に関しては原作である「ナイトレイン」は1マッチ(3日目のボス撃破まで)が40分ほどであるのに対して、TRPGである本作では3日目のボスまで倒そうとすると7~8時間ほどかかるようだ。ただし、“時間のない人向けフローチャート”も用意されているので、2日目を短縮することもできる。体験会では実際に2日目を短縮してプレイしたところ3時間半で3日目のボスまで倒せた。
なお、慣れてくるまでは全編通しでプレイするとかなり長くなってしまう可能性が高いので、1日目や2日目などで区切って遊ぶとよさそうだ。
戦闘に関しては、前述したように戦闘前にスタミナダイスとしてダイスを振っておくことで時間を節約しつつも、戦技、魔法、祈祷も使えるようになっている。さらに、体勢崩しや属性蓄積といった要素も再現されているので脳内では本編さながらの戦闘を味わえる。
また、体験会では雑魚敵は一瞬で片が付きつつも、ボス戦ではしっかり苦戦する場面もあったのでゲームバランスも問題なさそうだった。筆者のいた卓は「ナイトレイン」をやり込んだメディアが集まっていて、追跡者、無頼漢、鉄の目(筆者)のパーティーで安定した攻略ができたが、ボスである「グラディウス(三つ首の獣)」では無頼漢が一度倒れるなどゲーム発売日を思い出す光景になっていた。
本作著者の加藤ヒロノリ氏いわく筆者たちのパーティーは“上振れ”だそうで、かなりスムーズにプレイできていたようだ。ボス戦でもグラディウス以外では誰もダウンしなかった。GMを務めた加藤氏の悔しそうな楽しそうな顔が印象的だった。
余談だが、筆者は「ナイトレイン」で頻繁に鉄の目を使っている。その筆者目線で述べると鉄の目のスキル「マーキング」はTRPGでも強かった。攻撃にも使えるうえ、ゲームと同じく移動や回避にも使えるので本当にゲームと同じように立ち回れた。
夜渡り総勢10名各2種ずつ実装! オリジナルイラストがカッコイイ
「ナイトレイン」といえば魅力的な「夜渡り」たちだ。TRPGとなる本作でも全員が登場するだけでなく、オリジナルイラストで描かれた姿が収録されている。
各キャラ通常のスキンに加えて、「暗黒」もしくは「黎明」のスキンも収録。各キャラクターのイラストは模様や武器の持つ向き・厚みなど、かなり細かい部分までこだわりぬいて描かれている。カッコイイだけでなく資料的価値も高い。
また、「ナイトレイン」の高難易度モードである「深き夜」に対応するためのパラメータが設定されたシートも収録。スキンによって各パラメーターが若干異なるほか、「深き夜」にも対応できるシートでは各キャラクターに付けられる付帯効果も3つから6つに増えている。
「ナイトレイン」をTRPGで! ランダム性が癖になる楽しさ
本作を体験してみての総評は「ランダム性が楽しい」というもの。原作「ナイトレイン」の世界観、ゲーム性、テンポを大切にしつつも各要素がうまくTRPGとして落とし込まれている点も見逃せない。
今回鉄の目でプレイした筆者の場合は、弓が中々出ずに歯がゆい思いをしたが、追跡者と無頼漢(今回はマジカル無頼漢になっていた)得意武器を出していて素直に羨んでしまった。それでも割と得意な技量補正の付いた武器が出ていたので十分に立ち回れたし、後半ようやく弓が出た時は大当たりを引いたような気分になりかなり高ぶった。
付帯効果も多数用意されているし、プレイごとに異なった攻略方法で楽しめる奥深さと魅力があると思う。
ただし、本作は「ナイトレイン」のように遺物を集める要素はない。そのため、プレイの度に1からのスタートとなる。毎回新鮮な気持ちで遊べる分、恒常的な強化は用意されていない。もし遺物の様な恒常的な強化をしたければ自分ルールとしてキャラクターに付いた付帯効果を次の夜に持ちこしてもいいかもしれないと個人的には思った。
骨子が固まっていつつもある程度遊びのある設計が見事だと思う。各々の楽しみ方ができそうだ。「ナイトレイン」のファン必見の出来栄えなので、ぜひ手に取ってみてほしい。
(c)Bandai Namco Entertainment Inc. / (c)FromSoftware, Inc.
カバーイラスト:末弥純
漫画:zunta
イラスト:NIRA



























































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