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「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!」はヴァンサバライクの「ゴルシちゃんの大冒険II」がヤバい! 奥の深さを感じる競技の数々はマルチプレイが盛り上がる
2024年8月13日 15:00
これだけで出してほしいレベルの最高傑作「ゴルシちゃんの大冒険II」
ミニゲームとして単体で遊べる「ゴルシちゃんの大冒険II」についても触れよう。なお、「ゴルシちゃんの大冒険II」は最初はロック状態となっており、部室のカスタマイズで家具の「家庭用ゲーム機」を設置すればプレイできるようになる。のだが、ともかく本作はかなりヤバい。何がヤバいかを一言で言うなら本作は「ヴァンサバライク」なのだ。
ヴァンサバとは2021年に発売されたゲーム「Vampire Survivors」を指し、無数の敵を倒して経験値を稼ぎ、武器を強化しながら30分生き残るのを目指すカジュアルアクションゲームだ。1プレイでどんなにレベルを上げても次のプレイからまたレベル1からやり直しとなるローグライクな仕組みのため、どんな武器を選んで強化するかが重要になる戦略性もあり、敵を倒す様子が爽快なところから大ヒットし、各社から「ヴァンサバライク」と呼ばれるジャンルのゲームが多く発売されたことでも知られる。
「ゴルシちゃんの大冒険II」については、ビジュアルは全てファミコン風で、ゲーム内容的には「メトロクロス」 のテイストにヴァンサバ要素を追加して無限に遊べるようにした1本となっており、これが正直めちゃくちゃハマる。正直なところ、これ1本のためだけに「ハチャウマ」を買ってもいいほどだ。
ファミコン風味のビジュアルについては、タイトルやデモ画面など全てでフォントのちょっとギザギザした雰囲気が再現されており、懐かしい気分になる。デモ画面のゴルシちゃんも解像度低めなファミコンテイストが溢れる。ゲーム画面内のドット絵も色数が52色くらいかなと思えるくらいには控えめだ。
実際にプレイを開始すると、ドット絵が際立つ横スクロールアクションゲームが始まる。ゴルシちゃんは自動で前進を続けるが、上下移動や減速するといった操作は可能。本作ではライフと残り時間が設定されており、いずれかがなくなるとゲームオーバーとなる。ゴルシちゃんはウォーターショットを標準装備しており、これらは自動で発射されるので、特に発射操作などは不要だ。
フィールド上に落ちているアイテムの中で、クリスタルのような「経験値」を取り続けているとレベルが上がり、そこでウィンドウが開き、新たに追加可能な武器が表示される。最大6個まで武器を追加でき、同じ武器を選ぶことでレベルが上がり、さらに強力になる。言ってしまえば横スクロールアクションに「Vampire Survivors」の要素を追加したような形と言えるだろうか。
追加武器もかなり豊富に用意されており、しかもどれもいい感じに強い。最初のうちは弱そうに見える武器もレベルを上げる事で後半欠かせない存在になる可能性も秘めているし、とにかくこれはやり込まなければ深くは語れないと感じさせるくらいには完成度が高い印象だ。
難易度については1~4と無限大の5種類があり、1~4についてはそれぞれ目標の距離数が設定されており、この距離を到達するとゲームクリアとなる。ただし最後の無限大については、エンドレスと書かれており、とにかく体力と時間が残っている限りは無限に続けることができるので、ひたすら距離を稼ぐのが目標となる。しかもオンラインで走行距離のランキングが同期される仕組みも備える。
筆者は今回の体験会で2度ほど本作をプレイして以降は、あえて本作に触れない事にした。オリジナルの「Vampire Survivors」も購入後、しばらくはずっと遊び続けていた経緯もあったので、体験会中ずっと遊び続けてしまう自信があったからだ。
なお、本作のエンドレスモードでは、ステージを進めていくと、武器禁止(一切の攻撃を行なわなくなる)区間などもあり、本作ならではの仕掛けも多く用意されているようなので、こちらは製品購入後にじっくりと遊んでいきたい。
やっぱりマルチプレイが最高に盛り上がる
会場では他メディアやCygamesの開発者と4人でのマルチプレイも体験してきた。メニューの「ローカル対戦」から「ハチャメチャGP」を使い、チームはそれぞれ早い者勝ちで4チームの中からチョイス。筆者はチーム「リリィ」を選んで他メディアの記者たちとのバトルを楽しんだ。
結論から言えば、筆者は最下位だった。ストーリーモードをのんびりと遊んでいたため、4競技についての解像度が低いタイミングで他プレーヤーと対戦することになったためだ。バスケはスティールをうまく使い、多少は善戦したものの、シュートやスキルのタイミングなどがうまくいかず、圧倒的敗北。一部では善戦を見せるもトータルでは及ばず。顔見知りの記者であっても、ゲーム内ではみんな人が変わったかのうように容赦してはくれない。
言い訳はともかくとして、プレイは盛り上がったので、マルチで遊ぶのにも適した1本というのは間違いない。今回は練度不足で4位となったが、他プレーヤーの動きから得る物も多かったし、バスケやドッジなどでは、厳しい攻めに気軽にツッコミも入れられる。また、淡々と相手の動きを観察して、バスケなどでうまくスティールしてポイントをゲットできた時は最高に気持ちよく、対人のマルチ対戦ならではの魅力も感じられた。
キャラクター毎のスキルや能力などについて、細かくチェックし、自分にとって最適のチーム編成ができた時にこそ、再度みんなで遊んでみたいと感じるローカル対戦のマルチプレイだった。
4競技とも奥が深いがソロプレイは「ゴルシちゃんの大冒険II」がとにかくおススメ!
以上、「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!」のメディア向け体験会での様子についてまとめた。育成ゲームの「ウマ娘」と比較すると、ゲーム性が全く異なり、それでいて親しみやすいカジュアルなアクションに仕上がっている印象だ。
ルール自体は非常にシンプルなので、すぐに理解でき、カジュアルさも感じる一方で、操作のクセやスキル、特にスキルはキャラクター毎に異なる上に、競技に向き不向きのスキルなどもあるため、この辺りをチェックした上で競技に参加させなければならない点は注意が必要なところだろう。操作のクセについてもキャッチのタイミングなど奥の深さも感じられるなど、ガッツリやり込みたい人も楽しめる1本となっている。
一方で初心者がやり込んだ人を相手にした時に、どうしてもその壁が越えられない展開になる面も多々あり、この辺りはもう少し、初心者向けの救済措置があってもいいように感じた。一応競技内では特殊なボールなど、大逆転の要素があるが、本作の場合、それすらやり込んだ人に持っていかれてしまう厳しさがあるからだ。
やり込みの観点から言うと、各競技それぞれ深みがある事に加えて、ミニゲーム「ゴルシちゃんの大冒険II」はおまけとは思えない完成度の高さで、これのエンドレスモードで飛距離を伸ばすやり込みは相当盛り上がる事が予想されるし、筆者も購入後はやり込みたいと考えている。
「ハチャウマ」は多くのウマ娘のドット絵を堪能したり、競技の奥深さとミニゲームの魅力など、ゲーム機で遊べる「ウマ娘」コンテンツとして非常に完成度の高い1本に仕上がっている。育成シミュレーションゲームの「ウマ娘」が今後どのような展開を見せるのかは未知数だが、「ハチャウマ」は間違いなく今年1番盛り上がる「ウマ娘」コンテンツの1つになる事は間違いない。従来の「ウマ娘」ファンだけでなく、ヴァンサバライクが好きな人や、カジュアルゲーム好きなど、広くおススメできる1本だ。
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