ニュース

「THE KING OF FIGHTERS XIV」プロデューサー小田泰之氏インタビュー

草薙京のデザインやレオナの名前に違和感あり!? 熱気ムンムンの討論会に

1月28日開催



会場:台北世貿一館

 SNKの代表作「THE KING OF FIGHTERS」が、PS4向けにナンバリング初の3Dグラフィックスを採用して帰ってくる! SNKプレイモアがPS4向けに開発している最新作「THE KING OF FIGHTERS XIV」は、発表の段階で繁体字版と簡体字版のローカライズが発表され、「KOF」の牙城といわれる中華圏ではすこぶる高い期待を集めているタイトルのひとつだ。

 Taipei Game Showで実施されたSNKプレイモア 小田泰之氏へのプロデューサーインタビューでは、台湾、香港に加え、中国からも多数のメディアが参加し、質問する前にまずは“俺の「KOF」”を語るのが先、といった感じの“ディープなファンの集い”となっていた。さっそくホットなやりとりをお届けしたい。

【THE KING OF FIGHTERS XIV 5th Teaser Trailer】
最新トレーラー

「THE KING OF FIGHTERS XIV」プロデューサー小田泰之氏
草薙京(右)に違和感があるようだ
SCETブースの試遊台には女性のプレーヤーが目立った
現在公開されているのは6キャラ。50キャラクターまで増えるようだ

――ナンバリングではじめて3Dグラフィックスを採用した理由を教えて下さい。

小田氏:SNKは「KOFXIII」のリリース後に、ゲーム開発をしばらく休んでいましたが、この度、新たにまたゲーム開発をやっていくことになりました。今回3Dグラフィックスを採用したのは、新たな気持ちでスタートするチャレンジという意味を込めています。心機一転PS4で、チャレンジという意味です。

――これまでのシリーズは2Dグラフィックスでしたが、3Dグラフィックスでどのように2Dの感覚を保っていくつもりですか?

小田氏:触った瞬間に「KOFだ」と思ってもらうことが重要で、操作感に気をつけて作ってます。3Dになったからといって別のゲームを覚えるようなことにならないようにしています。

――昔の「KOF」開発メンバーが戻ってきたと聞いていますが、現在のチーム構成は?

小田氏:1990年代にSNKで格ゲーを作っていたメンバー、「KOF」でいうと、「KOF2002」とか「KOF2003」あたりのスタッフもいます。「KOFXIII」を作っていたスタッフもいます。割合は同じぐらいで、みんなで協力して作っています。

――公開されているキャラの中には、知っているキャラクターはほとんど前と同じイメージですが、今回のメインキャラである草薙京はかなり印象が違う。変えた理由を教えて欲しい。

小田氏:草薙京に関しては色んなイメージをもっていると思いますが、ナンバリングが進むに従って少しずつマッチョになっていた。草薙京はもともとスラッとしたイメージで登場して、それがインパクトがあった。それを現代に蘇らせてみようというのが今回のデザイン変更の基本コンセプトです。

――ストーリーに関して3作セットで、「KOFXIII」でひとまず終了ということは、「KOFXIV」ではまた新たなストーリーが始まると考えて良いですか?

小田氏:はい、そうです。「KOFXIV」では新たなストーリーが展開されます。新章の幕開けという位置づけになります。

――「KOFXIV」のバトルシステムはこれまでと違うと思いますが、新要素にはどういったものがありますか?

小田氏:バトルシステムは新しいシステムを入れる前に、すべての「KOF」のシステムを考え直しました。たとえば、本当にジャンプが4つもいるのかとか、Maxモードはこれでいいのか、どの作品が一番ユーザーに支持されているのか、いらないシステムになっているものはないかなどを考え直しました。

 その上で、それぞれのシステムをブラッシュアップして新しさを出そうとしました。そこにいままでの作品で超必殺技の数がバラバラだったり、EX超必殺技があったりなかったりしたので、そこを体系的にまとめました。あとは家庭用ということで、ラッシュと呼ばれる連打のコンボシステムを入れたり、バトル中に少しチャレンジできる遊びが欲しいと言うことで、ジャストディフェンスを調整しています。

――新しいストーリーやキャラクターについて何か話せることはありますか?

小田氏:数はまだ言えませんが、まったく新しいキャラクターとか、出ていないSNKキャラも含めると、それなりの数になるかなと思っています。そこそこいます(笑)。

――「KOFXIV」には50キャラクターが登場するということですが、ゲームバランスはどのように取るつもりですか?

小田氏:キャラクターの数が多いので、すべてのバランスを取るのは難しいが、そこは歯を食いしばって頑張るしかないところです。

――「KOFXIV」が3Dグラフィックスを採用したということは今後SNKタイトルはすべて3Dグラフィックスになりますか?

小田氏:そうなるかは決まっていません。ただ、かつてのSNKタイトルが今後3D化されて出てくることはあると思います。

――ナンバリングでは初の3Dグラフィックス採用ですが、ユーザーからどのようなフィードバックが来ていますか?

小田氏:見た目の拒否反応も結構来てるので、そこは随時ブラッシュアップ中です。完成までに皆さんに喜んでいただけるものになると思います。

――格闘ゲームが対戦がメインなのは理解していますが、今回PS4でリリースするにあたって、バトル以外の要素、たとえばミニゲームなどを導入する予定はありますか?

小田氏:ミニゲームはありませんが、SNKには今までのアートワークが膨大にあって、それらをまとめたギャラリーモードを用意して、コレクターズアイテムとしても楽しめるものにしたいと考えています。

――キャラクター毎にストーリーは用意されていますか?

小田氏:ストーリーモードはしっかりしたものを用意するつもりです。

――「KOFXIII」のカットシーンでは、2Dのアニメーションを使っていましたが、今回、ストーリー表現は3Dになりますか?

小田氏:そこはぜひ製品版をお待ち下さい(笑)。

――e-Sportsが世界的に盛り上がっていますが「KOFXIV」では公式大会、大会イベントなどを行なう予定はありますか?

小田氏:今はまだ明確に回答できませんが、やろうとしています

――「KOF」は中華圏では人気が高いです。中華圏向けのキャラクターを入れる予定はありますか?

小田氏:まず、繁体字、簡体字に対応します。中国を舞台にしたステージやキャラクターも登場しますのでぜひご期待下さい。

――中文版の発売が決まりましたが、中国名の決め方を教えて欲しい。レオナの漢字はどうやって決まっているんですか?

小田氏:そこは逆に聞きたいんですが、キャラクター名はアルファベットのままがいいですか?

――アルファベットではなく中国語で表記して欲しい。ただ、シリーズが長くて、非公式の翻訳や、昔と今で表現が違っていたり、中国と台湾で違う表記になっていますが、どういう基準で決めていますか?

命名規則にこだわる台湾・中国メディアにたじたじになる小田氏。中華圏のゲームファンにとっては非常に思い入れの強いフランチャイズのようだ

小田氏:今付けている名前は、SNKの中国向けのオフィシャルの書き方をそのまま使っているだけです。そのオフィシャルの漢字がいまいちということであれば、声をあげていただければ、社内でザワザワしますので(笑)。

――レオナだと、現在使われている名前と、台湾で馴染みのある漢字名が違うので違和感があります。一瞬誰のことか迷ってしまいます。

小田氏:「KOF」はモバイルアプリになったり、他社にライセンスアウトしてコラボレーションしたりなど、様々な事業展開をしていて、その中で決まった表示です。それがズレてたのかもしれません。ちなみに繁体字版は香港での呼び方を基準にしています。レオナに関しては明日日本に帰って会議します(笑)。

――台湾のコミュニティで使われている名前はほとんど非公式の名前になっている。非公式で使われている名前を公式にできないのでしょうか?

小田氏:そうすると香港の人に怒られませんか?(笑)

――名前を決める前に、各地域でどういう風に呼ばれているのか、ヒアリングをしてから選んでいただきたいと思います。

小田氏:ご意見ありがとうございます。

――中華圏での命名の仕方で有名なのはガンダムの名前です。ガンダムは香港、中国、台湾ではそれぞれ呼び方も、使っている漢字も違っていて、ガンダムだけでなくモビルスーツの名前も違うので、「KOF」をローカライズするときも同じような対応をしてほしい。あるいは、逆にユーザーの意見を募って決めて欲しいです。

小田氏:ガンダムはRX-78でいいじゃない(笑)。でも、わかりました。ご意見ありがとうございます。

(中村聖司)