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大注目のFPS「バトルフィールド ハードライン」オープンβレポート

濃密なハイスピードバトルは本家「BF」以上。バカゲー要素もアリ!?

2月4日~9日オープンβテスト開催



2015年3月19日 発売予定



価格:
8,964円(税込、パッケージ デラックス・エディション)
7,884円(税込、パッケージ通常版)
7,600円(税込、Originデジタルデラックス)
6,600円(税込、Origin通常版)
これまでにない「BF」が、完成に近づいてきた

 2月4日から9日にかけて、PC/PS4版「バトルフィールド ハードライン(以下『BFH』)」のオープンβテストが行なわれた。無条件にプレイできるということもあって、延べ参加人数は600万人以上という盛況ぶり。延べ460万人を集めた「Destiny」のβテストを超える、過去最大規模のβテストとなった。

 日本ではエレクトロニック・アーツが3月19日に発売を予定している本作は、これが発売前にプレイできる最後の機会。今回のオープンβ版では製品版に搭載される予定の様々なゲームモードをはじめ、各種のバランス調整が行なわれており、昨年6月に実施されたクローズドβテストでのバージョンからさらに「BFH」らしさが出ていたといっていいだろう。製品版への期待がさらに高まる出来栄えだった。

 特に注目したい点は、今回のオープンβテストでプレイできた各種モードにおける接近戦重視でスピーディなゲーム性だ。昨年のクローズドβでは本家「バトルフィールド」シリーズとの差別化が充分ではなかった感もある本作だが、ここにきてしっかりと「BFH」だからこそ味わえるユニークな手応えが強くにじみ出るようになってきている。本稿ではそのあたりを中心にインプレッションをお届けしていこう。

本家「BF」を超える、タクティカルシューターとしての濃密感とスピード感

「コンクエスト」。開幕こそ車両で展開するが、バトルは徒歩が中心
壁1枚の向こう側に敵グループ。本作で多いシチュエーション
人と車両が入り乱れてのバトル
室内での遭遇戦。近接戦闘が本作の醍醐味だ

 今回のオープンβテストでは、「コンクエスト(Conquest)」、「ハイスト(Heist)」、「ホットワイヤー(Hot wire)」の3モードがプレイできことに加え、本家「BF4」ではコマンダー役にあたる「ハッカー」という新ロールもプレイすることができた。昨年のクローズドβでプレイできた「ブラッドマネー(Blood Money)」モードを含めれば、これまでのβ参加者は製品版に搭載予定の大半の遊びを体験できたと言えるかもしれない。

 特に「BFH」らしさを感じられたのは、本家シリーズでも伝統的に搭載されている「コンクエスト」モードでのプレイだ。最大64人参加の広大なマップで陣取り合戦を繰り広げるゲームモードだが、「BF4」等の本家系マップに比べると各拠点がずっと近くに配置されていて、徒歩で動きまわるだけでも全拠点を無理なく巡回できるという規模感だ。

 このため戦場の人口密度が非常に高く、拠点の奪い合いや銃撃戦も極めてハイペースで進展していく。各拠点周辺の建物もかなり込み入った構造になっていて、様々な方向から侵入が可能。いきおい、出会い頭の遭遇戦やグループ単位での接近戦が発生しやすく、ラウンドを通して心地よい緊張感が続く。本作ならではのガジェットである「ジップライン」を使えば拠点から拠点へスイーっと高速移動できることもあり、ラウンド中は1秒だって気を抜けないのだ。

 武装車両やヘリコプターといった搭乗兵器も多数登場し、戦力を素早く展開させるという重要な役割を担うが、ゲームの流れを支配するほどの存在感はない。最強の火力といってもせいぜい車載のマシンガンや、ひとり1発だけ持てるハンドグレネード程度。ヘリ対策用に携帯型スティンガーミサイルが拾えるようになっているが、それも用途は限定的。警察VS犯罪者というテーマに基づき、ギリギリのラインで“軍隊”にならないレベルの装備でドンパチを楽しめるというわけである。

 逆に言えば、「BF4」のように砲弾・爆弾・ミサイル・ロケット弾が飛び交い、戦車の前では徒歩の兵士はゴミ同然で、建物は次々に倒壊し、大爆発とともにそこらじゅうが更地になっていく……という無闇矢鱈な派手さは、本作にはない。そのかわり本作では、敵とのハイテンポな遭遇、息つく間もない銃撃戦、複雑な建物の構造を活かした素早い立ち回りの工夫といったものを、非常に濃密に味わうことができる。キャラクターの足の速さ(前回のβから10%高速化されている)も含め、ゲーム全体に漂うスピーディ感は「Counter-Strike」のような系統の、クローズクォーターで戦うスポーツ系FPSのテイストを強く感じられる。

コンクエストのマップ「ダストボウル」。本拠地から前線までは距離があるが、各拠点は徒歩圏内に配置
倒し倒されのペースが速いので、なるべく大きなグループでの行動が拠点占領のカギだ
接近戦で理不尽な強さを発揮するショットガン。本作のハマり武器筆頭
オープンな拠点ではアサルトライフルやスナイパーライフルが活躍

 そんな中で筆者のお気に入りは、「エンフォーサー」クラスのショットガン装備。屋内での遭遇戦が多い本作では、近距離ならば1発で敵を沈められるショットガンが非常に効果的で、攻撃が決まると痛快だ。立ち止まって照準のブレを抑えるといった行動も不要なので、入り組んだ屋内をノンストップで走り回りながらドカン、ドカンと蹴散らしていく。中~遠距離からの不意打ちさえ喰らわなければ、怖いのは自分のミスだけ。瞬時の反応と正確な照準を維持するため極度の集中が必要である。拠点の奪取と防衛に走り回り、ますますプレイに熱がこもっていく。

 これがあまりに強かったせいかテスト最終日のアップデートではショットガンの射程に若干の弱体化が入ったようだが、近距離で1発という威力が維持されるのなら、筆者としては製品版でもファーストチョイスの装備になりそうだ。ほかにも「エンジニア(製品版ではガジェットマスターに改称される予定)」クラスのサブマシンガンも、近距離のちょこまかとした立ち回りが多い本作では大いに威力を発揮できる。もちろん、アサルトライフルやスナイパーライフルも、拠点と拠点を挟んだロングレンジのシチュエーションでは支配的。適材適所で戦うことが大切で、無駄なクラスは存在しないのだ。

 というわけで本作の「コンクエスト」モードは、小銃中心の戦いという点では本家「BF」よりも濃密で、近接戦が大好きな筆者は延々とこのモードばかりプレイしてしまった。本家シリーズのプレーヤーを奪ってしまうのではと心配してしまう面もあるが、試みに「BF4」を改めてやってみるとやっぱり全然別のゲームだったので安心した(個人的に戦車を好んで使っているせいもあるが)。むしろ「BFH」は本家とは少し違ったユーザー層、特に「Counter-Strike」や「Alliance of Valiant Arms」といったスポーツ系FPSを好むプレーヤーにより強く訴求しそうである。

たくさんの乗り物がアクセントを加えてくれるが、本作のバトルは歩兵が中心。正確なエイミングと立ち回りを磨きたい
「BF」ゆずりの“Levolution”要素として、このマップでは終盤に砂嵐が発生。視界が悪くなりさらに接近戦志向へ
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(佐藤カフジ)