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PS4/Xbox One「Grand Theft Auto V」プレビュー

もう戻れない! FPS視点を得て、革命的に変わる世界に感嘆せよ!

12月11日発売予定(PS4/Xbox One)

2015年1月27日発売予定(Windows PC)

価格:7,400円(税別)

 ロックスターは12月11日発売予定のプレイステーション 4/Xbox One版「Grand Theft Auto V(以下、「GTAV」)」版を使ったメディア向けイベントを開催し、デモプレイを行なった。ロスサントスの街や郊外の風景、そして1つのミッション「フリーフォール」を見ることができた。

 次世代版「GTAV」の“衝撃”はPS3/Xbox 360版をプレイした人こそ大きいかもしれない。視界の外を流れる風景、空気感、丘の上から街を見おろす感じ……全てが違うのだ。街と郊外を美しい3Dグラフィックスで再現し、地域によって道行く人々や車まで変わる“生きている街”を現出させた「GTAV」だが、次世代機版はより緻密で幅広く、そして実在感を増した世界を作り上げている。ただ車で走っているだけでも歓声を上げてしまう、より素晴らしい世界が作り出されているのである。

 今回の記事で紹介できるスクリーンショットは2点のみだが、弊誌でも紹介しているように北米では大量のスクリーンショットやムービーが公開されている。こちらこちらこちらの記事、下記過去記事なども参照して欲しい。

遙か彼方まで描写される世界、車内まで作り込まれた車……FPS視点で新要素がさらに楽しく

今回公開可能なスクリーンショットは2点のみ。1点はヘリコプターのコクピットビュー。各種メーターもきちんと動く。コクピットビューは今回の目玉だ

 PS4/Xbox One版「GTAV」は1080P/30FPSで世界を再現している。PC版は4K出力を可能にするという。注意したい点は本作は「HDリマスター」といったグラフィックスのみを向上させた作品ではない、ということだ。開発スタジオのロックスター・ノースは全て“手作業”でゲーム全体の改良と再構築を行なったという。描画距離は2倍となり、これによりより遠くの景色でもきちんと人や車が動いているように、AIも改良されている。

 デモプレイで最初に見ることができたのが、フランクリンが丘の上からスーパーカー「ペガッシ ゼントーノ」に乗って街に向かうところだ。丘の上から見る夜景は、近くの車や人が行き交うのが見えるだけでなく、遠くでも車のヘッドライトがチラチラと動いているのが見える。ビルの壁面を照らすライトや、建物の明かりなどの空気感も違う。比べてみれば従来の「GTAV」でぼやけて表示されていた街の遠景が、はっきりとした実在感を持って描写されているのが実感できる。車の交通量も増しており、それに合わせてAIも強化されているという。

 そしてフランクリンの周りにある植物も全く異なる。よりリアルになっており、葉や茎などがはっきりわかるものとなっているだけでなく、風に揺れている。植物をはじめとした自然の描写もよりリアルになっているという。そして車に乗って走るところでも大きく違う。路面を照らすヘッドライト、アスファルトの上で回転するタイヤ、夜の街を走るスーパーカー、さらに街の風景も大きく異なる。看板や、店のデザイン、照明、壁のテクスチャも全てがアップグレードされているのだ。デモプレイを見ながら、「違う、本当に違うよなあ、凄いなあ」とひたすら同じ言葉をつぶやいてしまった。

 次世代機版で目玉となるのが「FPS視点」だ。視点を切り替えることで、銃を構えた手が映る1人称視点になる。この視点でのゲームプレイは中々新鮮だ。この新しい視点のために銃のモデリングやリロードのモーションなども新たに加えられたという。さらに1人称視点は乗り物に乗ったときに「コクピットビュー」になるところに注目である。車の内装は車種によって全く違う。飛行機、船などはもちろん、バイクや自転車用のグラフィックスも用意されている。

 楽しかったのはやはり「スーパーカーの内装」だ。本当に高級感に溢れている。レースゲームに勝るとも劣らないコクピットビューは、高級車を手に入れる楽しさを大きく増してくれると感じた。もちろん“ボロ車”の内装にも期待したい。ちなみに「通常は3人称で、車に乗ったときはコクピット視点」という感じで、デフォルトの視点設定機能も用意されているという。1人称視点では、乗り込む際のアニメーションにも注目したいところだ。次世代「GTAV」の大きな魅力は「FPS視点」視点にあると断言しよう。

 自然描写、天候描写もパワーアップし、よりリアルな天候表現が可能になってる。雨が降ると路面やキャラクターの服も濡れていく。風でキャラクターの服も揺れる。天候では、稲妻なども美しく、従来以上に天候変化が楽しい。広い場所では水たまりが残り、砂場ではぬかるみが生まれる。

 そして郊外にはたくさんの野生動物がいる。牧場があって、牛の群れが見られたりするのだ。次世代機版は、マップの構成などは変わらないが、野生動物との出会いや牧場などの存在で、郊外のドライブの感触を大きく変えてくれそうだ。海にはイルカやシャチ、ハンマーヘッドシャークなども登場するという。野生動物のハンティングや、写真に収めるミッションも新たに追加されるとのことだ。

煙を吹き出す旅客機を追う! 大迫力ミッション「フリーフォール」がさらに楽しく

もう1点は遠景。遙か遠くまで描画されているのが確認できる。

 次に見ることができたのはフランクリンとトレバーが活躍する「フリーフォール」というミッション。このミッションはフランクリンがバンの後部に設置した強力な銃で旅客機のエンジンを狙撃し、墜落する飛行機をトレバーが追うという、かなり派手で見応えのあるものだ。

 このミッションでは次世代版ならではのパワーを確かに感じることができた。依頼人のマフィアのボス・マドラッゾの豪華な自宅はさらに実在感が増しており、マイケルが飛行機を狙うために待ちかまえる丘の上は植物の描写、眼下に広がる街の景色、そして飛んでくる飛行機の太陽に照らされる表面の処理など、全てが違う。そして、マイケルに撃ち抜かれ黒煙と炎を吹き出すエンジンの描写にもとても力が入っている。

 そしてこのミッションのクライマックスとなるトレバーの追跡だ。フランクリンに狙撃されエンジンから黒煙を吹きながら徐々に高度を下げる旅客機を追って、バイクでロスサントス郊外を走るのだが、山を駆け下りる際の砂埃、田舎の町の表現、そして黒煙を吹きながら空を飛んでいく旅客機……。そして旅客機を追うために走ってる列車を飛び越すシーンまで用意されている。

 迫力あるシーンにプレイしていたときも大いに興奮させられたミッションだが、次世代機版ではさらにスゴイ。ただでさえ「GTAV」のミッションは繰り返しプレイしたくなる派手なものが多いが、次世代機版はより強烈に引き込まれた。他のミッションもやってみたくなってしまう。

 このほか細かい点も明らかになった。PS4はコントローラーのタッチパッドを押し込むことで視点を変えることができる。またPS4のコントローラーにはLEDが仕込まれている「ライトバー」があるが、マイケル、フランクリン、トレバーの誰を操作しているかで色が変わり、さらに警察に追われるとライトバーが点滅する。警察無線はコントローラーから声が聞こえるようになっている。一方、Xbox One版は“振動”で幅広い表現を可能にしている「リアルトリガー」に対応しており、ここが注目ポイントとのことだ。

 ゲームの進行、キャラクターデータに関しては、「GTA Online」のデータのみ1度だけ移行が可能で、「GTA V」のシングルプレイキャンペーンのデータ、進行状況は反映されない。「GTA Online」のデータは正確には“移行”ではなく“コピー”となる。つまり、移行前のPS3/Xbox 360のデータはそのまま残る。このため、「PS4に移行したからPS3のキャラクターやフレンドリストは利用できなくなった」ということはなく、その後はそれぞれ別のデータとして扱われる。

 次世代機版「GTA Online」の最大の特徴はこれまで最大16人だった“ジョブ”が30人+観戦者2人でプレイ可能になったこと。これにより新しい体験が期待できる。30人が街を共有できるところでも新しいドラマが生まれそうだ。従来のジョブは全て次世代版でもプレイ可能になる予定で、さらに30人ならではの新ジョブにも期待したい。まだ明かせない大きな変化も予定されているという。

 今回見ることができた次世代機版では、「すごい、凄いなあ」とつぶやき続けてしまった。グラフィックスの実在感と、作り込みが、本当に世界そのものへの大きな変化をもたらしている。もう一度「GTAV」のストーリーミッションをやりたくなってしまった。正直プレイできるようになったら、現世代機には戻れないんじゃないだろうかと思ってしまった。発売が待ち遠しい。

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(勝田哲也)