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サバイバルホラー、「サイコブレイク」プレビュー

おぞましさに圧倒される恐怖の描写。逃れられない悪夢を体験!

5月収録



2014年発売予定



価格:未定

 ベセスダ・ソフトワークスが北米で8月26日に発売を予定しているプレイステーション 3/プレイステーション 4/Xbox 360/Xbox One用サバイバルホラー「サイコブレイク(PsychoBreak:欧米では「The Evil Within」)」。日本での発売時期はまだ決定していないが、E3での目玉ソフトの1本である。

 今回、E3に先がけ、先行体験会が開催され、2時間たっぷりプレイすることができた。これだけボリュームのある体験プレイは欧米メディアでもBethesdaのプライベートショウの「BFG 2014」のみだという。E3でも体験できたバージョンの英語版が出展されるが、メディアは割り当てられた数十分でのプレイに限られる。

 本作はいくつものチャプターにわかれており、今回体験できたのは「チャプター4」と、「チャプター8」。どちらもショッキングで、恐ろしいシーン満載であり、思わず逃げ出したくなるような恐怖に満ちたゲームプレイだった。それでいながらゲームとしてのやり込み要素や、“もっとうまくなりたい、もっときちんと戦えるようになりたい”と思わせるところもしっかりあり、“恐ろしいのに、楽しい”という本作ならではの体験ができた。その残虐描写、恐怖に満ちたプレイは人を選ぶところがあるが、ホラーファン、ゲームファン必見の作品である。

思わずコントローラーを投げ出したくなるような恐怖と残酷描写。生き残るために戦え

ドクターとホスピスに向かう
動く死体そのものの怪物達は、そこかしこでセバスチャンを待ち受けている
敵は本気でセバスチャンを殺しにくる。その圧倒的な描写も見所だ

 「サイコブレイク」の主人公はセバスチャンという刑事。彼は大量殺人が起きた精神病院に向かい、その凄惨な現場でフードを被った奇妙な男に会った瞬間、不気味な世界へ突然迷い込んでしまう。意識を失い、気がついた時、彼は脚を上につり下げられ、不気味な大男が目の前で死体を切り刻んでいる。そこから何とか逃げ出したセバスチャンは、再び周りの世界が変わっていることを知る。こうしてセバスチャンは、謎だらけの陰惨な世界をさまよい、生き残るための戦いを繰り広げて行くこととなる……。

 基本的な操作法も明らかになった。左アナログスティックでキャラクター移動、右アナログスティックでカメラと照準移動、武器を構え、発射するというTPS・FPSでおなじみの操作が基本で、左ボタンを押しながら移動するとダッシュ、右ボタン+移動でスニーキングとなる。本作にでてくる敵は基本的にタフで、入手できる弾は少な目でありスニーキング、そして気がつかれない状態からの近接攻撃が有効だという。

 右のアナログスティックを押し込むと武器選択画面となり、拳銃の他、ナイフ、ショットガン、さらに「アガニ」という巨大なクロスボウを使える。このクロスボウは様々な特殊な矢を使うことで、強力な攻撃が可能だ。ゲームは難易度が設定でき、簡単な順に「カジュアル」、「サバイバル」、「ナイトメア」そして本当に難しい「悪夢」がある。最初はサバイバルまでしか選べない。難易度で敵の耐久力、弾の入手量、そして敵のAIも変わってくるとのことだ。

 今回体験できたチャプター4は、ゲームでいえば前半部、チャプター8はゲーム中盤から後半にかかるところだという。チャプター4ではセバスチャンは医者であり、“ドクター”と呼ばれる“マルセロ”とともに、彼の患者である“レスリー”という少年を追ってドクターと、彼の弟が管理している「ホスピス」に向かう。

 ホスピスはとても怪しい雰囲気だ。周りにいくつか人影があるが、とても生きている人間には見えず、近付くと危なそうだ。ドアに近付き、アクションボタンを押すことでゆっくりドアを開けて入ることができる。アクションボタンを2回素早く押すと、セバスチャンはドアを蹴り開けることができる。ただし、蹴り開けると大きな物音がして余計な注意を引きかねない。

 ドアを開けホスピスの中に入ると、もう何だかとてもいやな声が聞こえる。「きれいにむいてあげる」、「さあ、全部見せてごらん……」。その声に誘われるように部屋に入ると……こちらに背を向けた男が横たわった人間に向かって何かしているのが見える。背を向けた男は、横たわった人間の胸から腹までを割き、中に手を入れ、内臓をかき出していたのだ! そしてこちらに振り返った男の顔は半分がぐしゃぐしゃになっていた。彼こそがドクターの弟バレリオの変わり果てた姿だったのである。

 ここからゆっくり近付いてくるバレリオと戦うことになる。変わり果てたバレリオの耐久力は高く、近接攻撃やナイフでは太刀打ちできない。銃では“頭部”を狙う必要があるのだが、バレリオのおぞましさで冷静に操作しにくい上、近づかれてしまうとかなり簡単に倒されてしまう。弾も少なく、無駄撃ちはかなり損失が大きい。ここを切り抜けても次でうまくいかない、という感じで、最初サバイバルでプレイしていたが、カジュアルに切り替えてプレイを進めることにした。カジュアルでは照準補正が入り、ヘッドショットをしやすくなる。

 バレリオを撃退した後、セバスチャンはバレリオがもてあそんでいた死体の割かれた胸に手を突っ込んでバレリオが隠していた鍵を取り出すことになる。まず、ナイフで胸から腹までを割き、そして手を突っ込むというのをコントローラでやることになる。プレイしているだけで背筋が寒くなる、かなりエグイ仕掛けだ。

 この後ホスピス内を探索していくと、地下に続く部屋でかなり怯えてまともに会話もできなくなっているレスリーを発見する。「出られない、出られない、逃げられない、逃げられない」とつぶやき続けるレスリー。3人で建物の地下を進んでいくと、突然背後が壁に変わってしまう。セバスチャンが何度か体験した、いきなりいる場所が変化してしまう現象が再び起きたのだ。そして現われるフードをかぶった半身が崩れた謎の男。セバスチャンは彼を追い……そしてドクター達ともはぐれてしまう。

罠だらけの部屋で、たくさんの怪物に囲まれる……ピンチをチャンスに活かせ!

敵に囲まれる状況はできれば避けたい。ナイフは正面からだと弱い武器だ
巨大な怪物。とても戦えそうもない敵もたくさんでてくる
箱をかぶった男。こちらの常識が歪み、壊れてしまいそうな異常な世界観だ

 迷い込んだのは血のような液体がたまった部屋。周りにもいくつか部屋があるのだが……この周辺はトラップだらけだ。ワイヤー感知型のトラップや、近づくと一定時間で爆発するセンサートラップ、レバーを引くと上から槍のようなものが墜ちてくるトラップや、油の缶が落ちてくる仕掛けもある。

 ワイヤー感知型やセンサートラップはスニーク移動で近づけば解除できる。センサートラップの解除はメーターが表示されタイミング良くメーターの針を安全ポイントで止めれば良い。センサートラップを解除するとクロスボウのアガニのボルトが作れる。ワイヤー感知型トラップは張り直すことも可能だ。

 なぜこの部屋の周辺にたくさんのトラップが集中しているのか? それは脱出しようとドアの前に行くと明らかになる。フードの男が再び現われ、血だまりからゾンビのような怪物達を呼び出すのだ。この怪物は動きは鈍いが、確実にセバスチャンを追い詰める。セバスチャンはダッシュで距離を取り、トラップを活用して彼らを撃退していくこととなる。

 今回のプレイでは、怪物が怖くて、トラップの位置も曖昧で、ただ力業で切り抜けてしまった。ここのシーンはもっともっと工夫することで、怪物達をうまく罠にはめ、次々と倒せたはずだ。「うまくなるほど楽しい」と感じさせられるシーンだった。最初は、血だまりの部屋で、たくさんの怪物という絶望的な状況に、コントローラを投げ出したくなる状況だったのだが、コツがわかってくると、もっとうまく立ち回りたくなってくる。

 部屋を脱出したセバスチャンは、ムービーなどで紹介されている長い髪とたくさんの手を持った怪物に追われる。この怪物は銃を当ててもダメージがあるようには見えない上、一瞬身体を“血の霧”に変えて攻撃を無効化までして追ってくる。セバスチャンは逃げることしかできない。ワイヤー感知型トラップを仕掛けなおしたりなどもしてみたのだが、これもかわされてしまう。

 この時は、何度も追いつかれて殺された。「サイコブレイク」ではセバスチャンは様々な死に方を見せる。食い殺されたり、巨大な鈍器で頭をつぶされたり、トラップに巻き込まれたり……。手のたくさんある怪物でも何パターンかの殺され方をされ、特にショッキングだったのは、のしかかられて何度も何度も巨大な手を頭に振り下ろされてつぶされるというシーンだった。宇宙を舞台としたホラーゲーム「Dead Space」では主人公の“様々な死に方”が見所だったが、本作もかなりバリエーション豊かな、陰惨で恐ろしいシーンが見られそうだ。

 「チャプター4」はこの怪物から逃げるところで終了となる。続いて体験した「チャプター8」では、また違ったゲーム要素、そして恐怖が待っているのである。

(勝田哲也)