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コーエーテクモホールディングス、4期連続で増益
今期下期にも「ゼルダ無双」級のコラボタイトルが控えている?
(2014/5/7 14:13)
コーエーテクモホールディングスは2014年3月期の連結決算を発表した。売上高は375億7,600万円で前年比8.5%増、純利益が69億3,600万円で前年比22.6%増となっている。4期連続の増益で過去最高の業績となっている。
東京証券取引所において行なわれた記者会見では、販売本数などの情報が公開されたほか、襟川陽一代表取締役社長による経営戦略も発表された。これによると、プレイステーション 3/PlayStation Vita「戦国無双4」が日本とアジアで34万本、Windows/PS4/PS3「信長の野望・創造」が同じく日本とアジアで22万本、新規IP「討鬼伝」が55万本となっている。販売本数は国内が373万本で前年比3.8%増、海外は279万5,000本で6万5,000本減。全体では652万5,000本で0.9%減となる。
2014年については、新規IPの「討鬼伝」でしっかりと結果を出せ立ち上げが成功したことや、「信長の野望・創造」が好調で「強さを証明することができた」といったことを挙げ、2015年も新規IPの創出やコラボタイトルの成功など積極的に進めていきたいとしている。
襟川社長は、「討鬼伝」については新規IPとして成功したことから次の展開として、iOS/Android用クイズRPG「クイズバトル討鬼伝」をPS Vita用「討鬼伝 極」と同時期にリリースしより広い層へと認知向上を図り、同時に「討鬼伝 極」とゲーム的に連動させることで発展させていきたいとしている。また、「討鬼伝」に限らずアニメに注目しており、アニメに展開することでゲームユーザー以外の層にも自社IPをアピールしていきたいという。
また、スマートフォン用タイトルの現状の市場規模におけるコーエーテクモゲームスの状況には「満足するレベルに達していない」と語り、今年は「スマートフォン用タイトルで大ヒットを目指す」とし、開発にも力を入れていくという。
5タイトル以上のサービス開始を見込んでいるが、「ソーシャルゲームは、運営でお客さんに満足してもらい課金してもらって伸ばすもので、そのノウハウがまだ当社では蓄積されておらず、慎重になっている。『年間10億を超えるタイトル』という社内基準を超えなければリリースできない。そのレベルに達するまでゲームに磨きを掛けるので、何タイトルサービスを開始できるかはわからない」と慎重な姿勢を崩していない。一方で襟川社長は「『パズル&ドラゴンズ』で年間1,000億なので、市場としては魅力的」と攻めの姿勢でいきたいという。
スマートフォン用タイトルの強化とともに襟川社長が挙げたのが、新規大型コラボレーションの推進と成功だ。この夏、「ゼルダ無双」がWii U用タイトルとして発売される。襟川社長は具体的なタイトルは発表しなかったが「下半期においても他大型コラボレーションを準備している」とコメントしている。
大型IPとのコラボレーションについては海外でも予定しており、スマートフォンアプリなどについてこれまでの「ガンダム」や「ワンピース」などをアジア展開後に欧米市場でも展開してきたが、欧米発のIPとのコラボで展開していくという。こちらについても具体的なタイトル名については言及を避けた。
襟川氏は市場関係者からの質問に答え、PS4/Xbox Oneでの展開について「市場は急速にPS4/Xbox Oneにシフトしている」とし、その一例として「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」が失敗した理由の1つとして「(欧米での)売り場の80%~90%がPS4/Xbox Oneで占められるようになっておりPS3/Xbox 360用タイトルとして苦戦した」としている(ただ、「根本的に欧米のユーザーに受け入れられなかった。この点には開発は反省しており次に活かす」とも襟川氏は語っている)。
このほかの情報としては、「信長の野望・創造」の今後の展開についても触れられた。2年から3年のスパンで「パワーアップキット」の発売、また関連タイトルの発売を見込んでいるという。また「三國志」については、2015年に30周年を迎えるということから準備しており、盛り上げていきたいとしている。Xbox Oneについては、中国展開も含めて対応していくとコメントしている。ただし、「Microsoftからサービス形態について聞いておらず、具体的には未定で、今期は予定していないが、ビジネスチャンスだと判断すれば総力を挙げていく」とコメントしている。