ニュース

短編オムニバス映画「SHORT PEACE」製作発表会開催

9年ぶりにアニメ監督を務めた大友克洋氏登場! 過去、そして未来のストーリーで紡ぐ「日本」

3月22日 開催

 漫画家であり映画監督の大友克洋氏が9年ぶりにアニメーション作品の監督を務める短編オムニバス映画「SHORT PEACE」の製作発表会が3月22日、アニメフェア「東京国際アニメフェア2013」の中で開催された。

【「SHORT PEACE」特報】

制作陣がズラリと登壇した
「SHORT PEACE」で、「火要鎮」の監督・脚本を務めた大友克洋氏

 「SHORT PEACE」は、オープニングアニメーションと短編4作品から構成されるオムニバス形式のアニメーション作品。作品によって監督が異なり、江戸時代に起こった火事を描く「火要鎮(ひのようじん)」の監督・脚本は大友克洋氏、白熊と鬼が素手で戦う「GAMBO」の監督は「鉄コン筋クリート」演出の安藤裕章氏が務める。

 このほか、「FREEDOM」OVA版監督の森田修平氏が監督・脚本を務める「九十九」、「機動戦士ガンダム」シリーズ メカデザインのカトキハジメ氏が監督・脚本を務める「武器よさらば」といった作品がラインナップされている。またオープニングアニメーションは、「アニマトリックス」監督の森本晃司氏が担当している。

 会見には、各作品の監督をはじめ、「九十九」ストーリー原案・コンセプトデザインの岸啓介氏、「GAMBO」原作脚本・クリエイティブディレクターの石井克人氏、「武器よさらば」キャラクターデザインの田中達之氏が登壇した。

 作品それぞれに共通するテーマは、ズバリ「日本」。過去や時代劇、さらには未来といった時代を超えた舞台を変遷しながら、それぞれの作家が考える「日本」を感じられるようになっている。また各作品の監督がほかの作品では原作や演出を務めていたりと、全体として作家性が入り混じるような制作過程となっているのも興味深い。

 なぜテーマが「日本」かと言うと、大友氏によれば「前々から日本はテーマにしたいと思っていた。過去から未来までの日本というものを、新しい若い作家に作ってもらおうというのが今回のコンセプト」だという。

 会場から「東日本大震災の影響は?」と質問が出ると、「震災の前から企画があったので、実際は関係ない。ただ、作っていく中でそれぞれの思い入れというのは入っている」と答えた。また今回は短編だが、長編アニメの製作については「企画は出しているが、震災の影響で劇場に関する資金集めが厳しく、企画が通らない時期が続いた。今は少しずつ回復してきているので、そろそろ動き出すのではないか。僕も動き出して欲しい」と、意欲を覗かせていた。

 大友氏は最後に、「僕らなりの人間や作家が、日本について思っていること、見てきたものを発表する機会をいただいた。一生懸命作ったので、ぜひ見ていただきたい」とアピールした。

 「SHORT PEACE」は、7月20日よりロードショー。

会見では、タイトルボードに登壇者それぞれが直筆の絵とサインを入れた

(安田俊亮)