KONAMI、PS3「METAL GEAR RISING REVENGEANCE」

TGSバージョン体験版ファーストインプレッション
これぞメタルギアのシリーズ最新作! 斬って爽快感を楽しめる硬派なアクション


開催期間:9月20日~9月23日 開催(20日、21日はビジネスデー)

11月22日 発売予定

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:前売1,000円/当日1,200円(一般)
    無料(小学生以下)
    前売3,000円(TGS サポーターズクラブ)



コナミブース「MGR」試遊台

 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は、プレイステーション 3用アクション「METAL GEAR RISING REVENGEANCE(以下:MGR)」を2013年2月21日に発売する。価格は未定。

 本作の体験版プレイアブル出展は、E3出展バージョンがSCEJおよびKONAMIブース、TGS出展バージョンがKONAMIブースのみとなっている。ここではコナミブースに出展されているTGSバージョン体験版のファーストインプレッションをお届けする。なお、体験版は難易度「イージー」、「ノーマル」2通りが選択可能。後述するが、会場でプレイされる方々には「初見ならイージーがおすすめ」とあらかじめお伝えしておく。

 TGS出展バージョンの体験版は“VRミッション”と呼ばれるチュートリアルからスタート。まずは、目前にある正方形の立方体オブジェクトを“斬撃モード”で斬ることから始まる。斬撃モードは、L1ボタンを押すと発動し、ホールドしている時間だけ持続されるモード。ホールドしている間、主人公の雷電が使う高周波ブレードの“軌跡”が表示され、右スティックで狙いをつけて入力すると軌跡のラインどおりに範囲内の敵をズバッと斬ることが可能。

 斬撃モードは、画面左上にある青色の“FUELゲージ”がある間だけ使える。L1ボタンをホールドしていると少しずつ減っていき、なくなると使えなくなる。FUELゲージは△ボタンの弱攻撃、□ボタンの強攻撃で敵に攻撃をヒットさせると回復する。

 立方体の次は、開けたVR空間が展開。訓練用の人型ターゲットを斬撃モードで一定数斬るとクリアになる。立方体との違いは、ターゲット各所に“印”がついており、これを狙って斬る必要があること。人質をとっている格好のターゲットは、人質まで切りつけるとミスになってしまう。立方体ではおおまかな操作、ここではより精密な操作を学ぶという段取りだ。

 VR空間には、訓練用ターゲット以外にもさまざまなオブジェクトが配置されている。斬撃モードの特徴として“ステージ内にあるオブジェクトを自由自在に斬り刻める”というものがあり、当然これらも好きな用に斬りまくれる。柱や車のほか“スイカ”なども配置されており、どれくらいキレイに斬れるか試してみるのも面白い。コツとしては、軌跡を定めたら右スティックを素早く弾く(あるいは離す)ようにするといいだろう。

 訓練が終わると、いよいよ本編に突入。自動操縦のステルス機から、潜入目的地の海岸に射出される雷電。アクション部分が大きく取りざたされる本作ではあるが、導入部の各キャラクターのやりとり、潜入後の無線会話、さらには従来作品をプレイしていると思わずニヤリとさせられるシーンなど、あちこちに“らしい”演出がほどこされており、あらためて「これも『METAL GEAR』シリーズなんだなぁ」と実感させられる。

 腕慣らしに斬撃モードで海岸のオブジェクトを気持ちよくスパスパとなます斬りにしつつ先に進むと、敵サイボーグ兵士が出現。弱攻撃と強攻撃の連打でコンボ攻撃など、爽快だが“ズシリ!”とした質感をともなう非常に心地よいアクションが堪能できる。サイボーグ兵士複数体による敵の攻撃も熾烈だが、実は本作“防御(ガード)”という概念がないかわりに「シノギ」が用意されている。

 シノギは、左スティックを敵側に入れたまま□ボタンを押す。この状態で攻撃を受けると、相手に“隙”を作ることができる。一般にこうしたアクションゲームは「相手の攻撃をしっかり防御して、その隙にカウンター」というのがセオリーだが、「MGR」は“攻撃的防御”あるいは“積極的防御”ともいうべき仕組みで、立ち回りは当然ながら“敵の攻撃パターンをしっかり見切ること”が大切になってくる。

 減少した体力ゲージの回復は、敵が落とす回復アイテムのほか“斬奪モード”による回復がある。FUELが半分以上残された状態での斬撃モード中、ある程度ダメージを与えた敵には「赤いボックス型のターゲット」が表示される。ここを狙って斬りつけると、コントローラー右側のボタンいずれかを素早く押すようインフォメーションが表示される。入力に成功すると、敵体内から雷電のエネルギー源となる体力回復アイテムが奪える。


【斬奪モード】
FUELゲージが50パーセント以上残されている状態で、一定以上のダメージを与えた敵を斬撃モードで狙うと体内に四角いボックス型のターゲットが表示される。ここを狙って斬ると斬奪モードとなり、表示された○△×□ボタンいずれかを素早く押す。成功すると体力ゲージが大幅に回復する

 特殊行動としては、R1ボタンの「SINOBI RUN」と「ステルスキル」がある。「SHINOBI RUN」は一見すると普通のダッシュに見えるが、実行中は通常ジャンプ(×ボタン)では届かない場所にいけるほか、△ボタンでスライディング攻撃など多彩なアクションが可能。マシンガンなど敵の銃弾を弾く特殊効果もあるので、正面から突っ込むときは普通に歩み寄るよりも断然有利だ。「ステルスキル」は、従来シリーズをほうふつとさせるもの。敵に気づかれないよう上空または死角から接近に成功すると、ワンボタンで敵を倒すことが可能だ。

 先に進むと、敵兵が市民に危害を加えているシーンに遭遇。ここで十字ボタン上を押すと「オーグメントモード」になり、敵が赤でハッキリ表示されるようになる。ここで建物上でロケットランチャーを持った敵の存在に気づかなかった筆者は、市民を救うべく直行したものの側面から砲撃を浴びまくってあっさりゲームオーバー。コンティニューで「今度はじっくりいこう」と慎重に戦っていたら、市民を救えず悲しい結末に……。ちょっとしたことではあるが、こうした「遊び方次第で状況が変化する」要素は、アクションゲーマーの心を熱く刺激してくれる。


「SHINOBI RUN」中は敵の銃弾を弾ける。正面から突っ込むときはこれだ方向キー上でオーグメントモードに移行。周囲の敵の位置などが確認できる

 再三のコンティニューで先に進むと、ついに敵メタルギアが出現。サイズはもちろん、火力も高く非常に手ごわいが臆することなくコンボを叩き込んでいく。こうした巨大な敵にも斬撃モードは有効なので、立ち回りやゲージなどの兼ね合いを見てチャンスがあればザクザク斬り込むべし。周辺オブジェクトよろしくザクザクと切り刻まれ崩れ落ちていくさまは、本当にたまらないものがある。

 TGSバージョン体験版の最終ボスは、トレーラームービーでおなじみのLQ84-I。チェーンソーを装備した尻尾が凶悪な人工知能搭載兵器は、見た目をはるかに上回る壮絶な戦闘力を発揮。「まぁ体験版でしょ。いけるっしょ!」と難易度ノーマルでプレイを始めた筆者だが、数回のコンティニューでなんとかここまでたどりつくといった有様で、正直初見でやるにはちょっと敷居が高すぎた模様。「シノギ」のタイミングを覚える前にダメージの累積で何度もやられてしまい、あえなく体験プレイの時間切れと相成ってしまった。アクションゲームが得意な人も、まずは難易度イージーで「シノギ」のタイミングをしっかり身体に覚えさせたほうがよろしいかと思われる。

 ケレン味あふれるトレーラーなど事前情報から、従来シリーズのファンに「らしくない作品になってしまったのでは?」という先入観を抱かれる人も少なくなさそうな「MGR」だが、濃密かつ行き届いた演出など、実際プレイされれば「なるほど、これは『METAL GEAR』シリーズだ!」とすぐに納得していただけると思う。アクション部分はこれ以上ないくらい硬派で、回復手段や「シノギ」などプレーヤーの積極的姿勢を促すシステムが奏効し“攻めの姿勢でグイグイ突き進む”独自性あふれる作風となっている。爽快かつアグレッシヴな本作を発売前に体験したい人は、KONAMIブースまたはSCEJブースの各試遊台までぜひ足をお運びいただきたい。


従来シリーズの重厚さと、アクションゲームらしい爽快かつダイナミックな動きが合わさった新たな「METAL GEAR」の潮流。この機会に、なるべく多くの人に体験していただきたい

(C)(C)Konami Digital Entertainment

(2012年 9月 20日)

[Reported by 豊臣孝和]