笑えるアプリの祭典「おばかアプリ選手権 2012 夏」開催
ハイジ風に踊れるアプリからEXILE競技まで幅広い“おばか”な挑戦
食事をしながらアプリを審査。おばかを肴に審査員も酒が進む |
アイティメディア株式会社は8月4日、ニフティ株式会社が運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」において、「おばかアプリ選手権 2012 夏」を開催した。入場料は2,500円。
「おばかアプリ選手権」は、スマートフォンやウェブなど全ての「アプリ」と呼ばれるものの中でも“おばか”なものを寄せ集め、徹底的にふざけながら「おばかアプリ」の頂点を競う選手権大会。今回のイベントでは、全171のアプリから選りすぐり、会場では8つのアプリを制作者自らが直接プレゼンテーションを行なった。
選手権大会と言っても会場は飲食のオーダーが可能で、会場に集まった観覧客や審査員全員が酒や料理を囲み、終始和やかな雰囲気のままプレゼンテーションや審査が進められていった。審査員は、イラストレーターでアートディラクターの安斎肇氏、株式会社paperboy&co.創業者の家入一真氏、有限会社ザリガニワークスの武笠太郎氏と坂本嘉種氏、日本大学芸術学部講師の布目幹人氏、そして女優の池澤あやかさんの6名。
アプリには、一発ネタから、ゲームと呼べるようなものまで、制作者それぞれのアイディアで「おばか」さを発揮していた。この記事では、この中から未来のゲームを探っていくという視点で、ゲームらしいものを中心に本選手権の模様をお伝えする。厳かな発表会では絶対に紹介されない、下らないけど笑えるラインナップを楽しんでいただきたい。
会場では、それぞれのプレゼンテーションの前に、応募作品がダイジェストで紹介された。アプリには、メールを勝手に返信してしまうものから、フリスクの取り出しをゲームにしたもの、貧乏ゆすりを戒めるもの、血液型で争うソーシャルゲーム、セミの鳴き声シミュレーターなど、興味深いものが揃っていた | ||
審査員は、左上から順に安斎肇氏、家入一真氏、池澤あやかさん、布目幹人氏、武笠太郎氏、坂本嘉種氏 |
■ “ハイジ”のように回りながら踊れる「アルプスの丘で」
「ねぇ、回ろう?」と呼びかけてくる少女。真っ直ぐ見つめてくる視線がなんだか怖い |
まずご紹介するのは、中澤綾香氏とJohn氏による「アルプスの丘で」という1本。iPhone用アプリとなっており、「アルプスの少女ハイジ」のハイジとペーターのように“両手を取り合って回りながら踊りたい”という思いから制作されたものだ。
アプリを起動すると、丘の上に膝を抱えて座る少女がいる。実際に声を出して呼びかけると、こちらに近づいきて、「ねぇ、回らない?」と声をかけてくる。そこで少女と手をつなぐように両手の親指で画面の端に触れつつ、iPhoneを両手でかざすように持ち、操作者自らiPhoneの中の少女と回りながら踊る。
回れば少女は画面の中で体が空中に浮き、「アハハ」、「ウフフ」と奇妙な笑い声を上げながら喜ぶ。さらに回り続けると少女が画面の奥へと飛んでいき、プレーヤーがどれだけ回ったかによってレベルが1から5までの間で判定され、結果が表示される。その結果も「夕食に間に合った」や、「アルプス越え」など、シュールな笑いを誘うものが揃っている。結果が表示されたあとは丘の上に少女が座る画面に戻り、再び少女と踊れる。
少女の表情や演出、奇妙な笑い声に至るまで実に変だが、何よりも“おばか”なのは、iPhoneを見つめながらスキップするように回りながら踊るプレーヤー自身のその姿だ。プレイを実演した坂本氏は、「見た目では『やらないよ、こんなの』と思ったが、やってみると少女が喜ぶ姿にキュンときて、意外と素直に嬉しかった」とコメント。その姿を見た安斎氏には「やっている誰かが楽しそうにしているのが楽しい」と高評価を得た。「アルプスの丘で」は、現在App Storeで審査中。
こちらは同じチームが制作した「クレイジーナイト・タイム」。iPhoneのイヤホンと充電ジャックにミラーボールを設置し、画面に何かを置くとディスコのような雰囲気が演出できるというもの。しかしミラーボールは回らない |
■ オリンピックシーズンに最適! スマホで競技ができる「その場で金メダル」
紹介スライドにも気合を感じる |
「その場で金メダル」は、iPhoneで体力勝負の競技ができるスポーツアプリ。iPhone4台とPCを連動させて、個人戦や2対2のチーム戦が楽しめる。制作は日本大学芸術学部布目ゼミ生とアプリ制作チームのシャコガレージ。
今回紹介された競技は2種目。第1種目の「100mm走」は、選手それぞれがiPhoneを振って競争ができるというもの。iPhoneを振ればPC側と関連付けたキャラクターがトラックを走り、ここでゴールまでの速さを競う。勝負はスタートしてから数秒で決着する。
第2種目は、ベルトに付けたiPhoneを頭に巻いて2対2の対抗戦となる、その名も「チューチュー大回転」。競技者は前後に並び、音楽が流れている間はEXILEが「Choo Choo TRAIN」で見せる回転振り付けさながらの動きを行なって、回転数を競う。PC側では回転数が独自のポイント「Xile(ザイル)」で判定され、より多くのポイントを獲得したチームの勝利となる。
競技をする姿や競技そのものの発想はおばかだが、、iPhoneのみで終わるのではなく、PCと連動させることで競技者と観覧者のどちら側に回っても競技が楽しめるところが画期的な作品となる。坂本氏は、ドット絵のような「100mm走」のデザインが「秀逸でよかった」と評価した。配信は未定。
「100mm走」は、iPhoneを振って争う。右がPC側の映像で、トコトコと走るアニメーションは見ていて面白い |
「チューチュー大回転」は、EXILEの“あの”踊りを競わせるチーム対抗戦。回転数が独自の単位「Xile」が集計される。なお、頭につけたベルトの制作費は200円だという | ||
「チューチュー大回転」には審査員も挑戦 |
■ 最新技術をおばかに使う。必殺技が出現する「さじ投げ」
さじを投げたら必殺技を思い付いて大逆転! という安易な妄想を実現したアプリ |
株式会社モビカ制作の「さじ投げ」は、企画会議で「さじを投げた」ところから発想された無料のGoogle Playアプリ。端末を振ると、「たて斬り」、「よこ斬り」、「天空落とし」などの“必殺技”がアニメーションで表示され、音とバイブレーションによってアイディアを「ひらめく」瞬間の気持ちよさを再現している。加速度センサーで振り方のジェスチャーを判定し、それによって出現する必殺技が変わる。
なお制作にはAdobeのAIRを使用しており、iPhoneへの対応も予定している。さらにAIRでカバーしきれないバイブ機能などをAIRの拡張システムANE(ActionScript Native Extensions)によって追加しているという。「ANEを、世界で1番おばかに使っている」ことが評価につながり、見事「ADC(Adobe Developer Connection)賞」を受賞した。現在は技が9種類しかないが、今後は「少年心をくすぐるような」技や、隠し機能を追加していきたいそうだ。
さじを投げるように端末を振って必殺技を出現させていく | ||
内容はシンプルだが、「Adobe AIR」とその拡張システムまで使いこなして制作されている。その使い方も含めておばか |
【Nishimaki-Race】 | ||
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株式会社ヘッドウォーターズの西間木将矢氏による「Nishimaki-Race」は、制作者自らが出演するアプリ。内容は画面を両親指で連打して、水の上を走る「にしまき」をゴールまで導き、その秒数を計るというもの。Google Playにて無料で配信中 |
【フォトボケ】 | ||
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「フォトボケ」は、お題の写真に対して、面白い一言(ボケ)を投稿していくという株式会社エムフロによるSNSアプリ。自らボケを投稿することもできれば、すでに投稿されたボケに対して評価を付けることもできる。iPhoneに無料で対応し、現在App Storeで審査中 |
【寿司カメラ】 | ||
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タカマツ ハルオ氏による「寿司カメラ」は、寿司ネタを人物の画像に当てはめる無料のiPhoneアプリ。現在配信中で、タイ映画から使用オファーが来るなどグローバルに人気のあるアプリ。姉妹アプリの「トンカツカメラ」はタイで100万人が利用するほど大人気だという |
【いいにゃ!】 | ||
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株式会社鳥人間は、Facebookの「いいね!」ボタンを「いいにゃ!」ボタンに変えられる、猫好きのためのChrome拡張アプリをプレゼン。「いいにゃ!」ボタンを押せば猫の鳴き声も流れる |
(2012年 8月 6日)