「LOLLIPOP CHAINSAW」発売直前! 撮影会&インタビュー

須田剛一氏に公認「ジュリエット」+ジェームス・ガン氏が登場


6月5日~7日開催(現地時間)



ワーナーのブースには「LOLLIPOP CHAINSAW」がプレイアブル出展。日本版とはロゴが違っている

 日本では6月14日に発売を控えたプレイステーション 3/Xbox 360用ハッピー・ゾンビエンターテインメント「LOLLIPOP CHAINSAW(ロリポップチェーンソー)」。E3の会場では、北米での発売元となる米Warner Bros. Interactive Entertainment(ワーナー)のブースでもプレイアブル出展されている。

 会場近くの駐車場では、「LOLLIPOP CHAINSAW」仕様のバス、オフィシャル「ジュリエット」のジェシカ・ニグリさん、そしてグラスホッパー・マニファクチュア代表取締役で「LOLLIPOP CHAINSAW」クリエイティブディレクターの須田剛一氏が登場し、発売直前の撮影会とインタビューを行なった。

 またこれとは別に、「LOLLIPOP CHAINSAW」の脚本を担当した映画監督ジェームス・ガン氏にもインタビューをする機会を得たので、こちらも併せてお伝えする。


【撮影会の様子】
撮影はバスの外と中、両方で行なわれた
長いプロモーション活動もE3でフィナーレ!


■ 日本から世界へ。発売への手応えばっちりの2人に車内インタビュー

左から、須田剛一氏とジェシカ・ニグリさん。2人はすっかり意気投合している

――E3会場での「LOLLIPOP CHAINSAW」の反応はいかがでしょうか?

須田剛一氏:海外の方も、日本の方と同じように笑ってくれたりしていて、とても反応はいいですよ。

――日米を股にかけたプロモーション活動はE3が締めくくりとなりました。最初からE3が最後になると予想していましたか?

須田氏:全くそんなことはなかったです。最後はワーナーさんのおかげですね。盛り上げを止めないように活動してくれて、日米だけでなく世界各国で盛り上げられたと思います。

 10日にはカナダのトロントでインストアイベントをやるのですが、そこにジョージ・A・ロメロ師匠(元祖ゾンビ映画監督)が来るんですよ! そこでジェシカとロメロが審査員として「ジュリエットコンテスト」をやると聞いています。ワーナーさん、本気です(笑)。

――このバスも目立ちますよね。

須田氏:このバスは本当は会場の中に入れる予定だったのですが、事情が変わってこの駐車場に停めることになりました。それはそれで、2カ所を使ってプロモーションできるのでよかったと思います。

――「LOLLIPOP CHAINSAW」は映画との関係も深く、この前はある映画雑誌に須田さんのインタビューが載っているのをお見かけしました。ゲーム業界以外からの反応はいかがですか?

須田氏:海外からはそういった反応が多く感じられましたね。特にゾンビ業界からは熱い注目をいただいています(笑)。

――映画業界の方がゲーム業界で仕事をすることについてはいかがでしょうか?

須田氏:今は何でもボーダーレスの時代になってきているので、それは逆にいいことだと思います。特にアメリカのエンターテイメントは繋がっているので、そこから面白いことが生まれるはずです。

――では逆に、「LOLLIPOP CHAINSAW」が映画化されたら、それに関わりたいという思いはありますか?

須田氏:脚本はジェームス(・ガン氏)にやってもらって、監督はピーター・ジャクソンにお願いしたい! で、自分はエグゼクティブシニアバイスプレジデントなんとかみたいな、何もしないけどものすごい偉そうな名前で参加したいです(笑)。

――長いプロモーション活動も終わりに近づいていますが、ジェシカさんとのコンビはいかがでしたか?

須田氏:ジェシカはいつも人気者でした。とてもいい子で、疲れていてもいつも笑顔でファンの人を大事にしてくれていました。そうすることで、新しいファンも生まれていったと思います。

ジェシカ・ニグリさん:みんな「ジュリエット」が好きですが、須田さんの方がもっと人気がありますよ(笑)。

須田氏:「LOLLIPOP CHAINSAW 2」をやる機会があれば、ぜひまたこのコンビでやりたいです。

――今回は日本から世界に出て行ったタイトルとなりましたが、こういった取り組みは今後も続けられますか?

須田氏:新規IPを世界に届けるというのは、一定のサイクルで続けたいですね。ナンバリングもしっかりやりたいですが、元々は企画屋なので、新しいことにもチャレンジしたいです。

――では最後に、発売に向けての意気込みをお聞かせください。

ジェシカさん:須田さんの他の作品も大好きですが、間違いなくグラスホッパー・マニファクチュアの中で一番になると思います。長く遊んでもらえる作品です。

須田氏:ジェシカも言ってくれたとおり、グラスホッパー・マニファクチュアの大成功になるだろうタイトルです。ルーキータイトルというのはなかなか少なくなっていますが、それらを先導するタイトルにしたいと思います。ぜひ応援してください。

――ありがとうございました。



■ 「LOLLIPOP CHAINSAW」脚本のお茶目過ぎる映画監督、ジェームス・ガン氏が登場!

映画監督で「LOLLIPOP CHAINSAW」脚本のジェームス・ガン氏

――発売の直前となってしまいましたが、「LOLLIPOP CHAINSAW」に関わったきっかけは何でしょうか?

ジェームス・ガン氏:2年前に須田さんとワーナーから見せたいものがあると言われたんだ。それで暗い部屋に連れて行かれて、ボコボコにされて……。

 これは冗談(笑)。そこで見たのが、「LOLLIPOP CHAINSAW」のテストプレイだった。それを見てブッ飛んだよ! ビジュアルもいいし、血しぶきはゴールドや虹になっている。これは大好きだと思った。

 須田さんと私はとても似ているなと思った。制作への参加を頼まれたのが嬉しくて、何でもするからぜひ参加させてくれと頼んだんだ。ストーリー、キャラクター作成、声優の起用も担当した。素晴らしい経験になったよ。

――脚本はどのように作っていったのですか?

ガン氏:チームプレイでサッカーのように構成していったんだ。本当のコラボレーションといった感じだね。沢山ミーティングを重ねて、時にはアメリカ人3人と日本人18人が、ゲームのほんの些細なことのためにビデオチャットでお互いをなんとか理解しようとしたこともあった。考え方やライフスタイル、ビジネスも違うから、本当になかなかできない面白い経験だった。

 欧米での脚本はシーンとシーンを1つずつきっちり決めて繋いでいくんだけど、アジアや日本はもっと詩的な感じになる。そこが上手く融合しているところを見てほしいね。

――ゾンビでジェームス・ガンと言えば「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本も担当していますが、その影響は「LOLLIPOP CHAINSAW」にありましたか?

ガン氏:同じゾンビだけど、どちらかというと「バタリアン」にインスピレーションを受けている。ゾンビが話したりして、面白い感じになっているんだ。

――ガンさんはゲームはやられますか?

ガン氏:すごくやる。ゲームをしている方が映画を見ているより長いかもしれない。

――ゲームから影響を受けていることはありますか?

ガン氏:最初にやった「MYST」。あれは本当に驚いたね。色々な部分で影響を受けていると思う。

 あと「BIOSHOCK」。あれは全世界で、ゲームだけじゃなくてストーリーテリングの部分で影響を与えている。

――今後もゲームとのコラボレーションは考えていますか?

ガン氏:ワーナーとも、次どうしようかと話していた所だよ。

――須田さんとは?

ガン氏:もちろん! すぐにでもやる。ホラー映画監督ばかりが集まる「マスター・オブ・ホラー」という夕食会があるから、そこに須田さんを呼ぶよ。というのも、これまでまだゲームディレクターが「マスター・オブ・ホラー」に出たことはないんだ。その最初の1人として招待したいと思う。

最後までお茶目なガン氏だった

――それでは最後になりますが、日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

ガン氏:日本のゲームファンに? えっと……(カタコトで)「ボクハバカガイジンデス」!

――……突然何を言い出すんですか?!

(ケタケタ笑うガン氏。通訳の方が「もっと真面目に!」と怒る。一悶着の後)

ガン氏:……私と須田さんは本当に心を込めて努力しながら作ったので、この作品をとても気に入っている。みなさんもきっと気に入ってくれ、また愛してくれると思う。

 それともう1つ、日本人はアメリカ人よりもベターだということも付け加えておくよ!

――お茶目過ぎます! ありがとうございました!


(2012年 6月 7日)

[Reported by 安田俊亮]