ネクソン、「マビノギ」アップデート「G15」先行体験レポート
新地域「ベルファスト島」と「交易システム」を独占ムービーで紹介
株式会社ネクソンは9月28日、Windows用MMORPG「マビノギ」において、大型アップデート「ジェネレーション15 The First Contract(「G15」)」を実装する。「G15」では新しい地域「ベルファスト島」が登場、これまで無かった「交易システム」が実装され、さらにシェイクスピアの「ヴェニスの商人」をモチーフにしたメインストリームが実装される。
ベルファスト島は貿易の富を感じさせる美しい街。さらにこれまでは敵対するのみだった魔族との交流も描かれる。交易商人プレイができる「交易システム」も注目だ。これまで「マビノギ」は、“探険”や“錬金術”など新しい要素を盛りこんできた。今回の貿易も、新たな楽しさをもたらしてくれるだろう。
今回はアップデートに先がけ開発中のベルファスト島を歩き、交易システムを先行体験することができた。取材の際に収録したスクリーンショット、ムービーと共に特徴を紹介していきたい。
【G15プロモーションムービー】 |
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交易を題材にした公式ムービー。一念発起した青年が富を築く |
■ 富を感じさせる美しいベルファスト島。魔族との共存など新時代の幕開けが
ベルファスト島の地図。これから様々な場所が増えてきそうだ |
人間と共存することを選んだ魔族達。新たな歴史が始まりそうだ |
オーウェン提督。メインストリームでどんな役割を果たすのだろうか |
今回新実装される「ベルファスト島」は大海に浮かぶ島で、現在のところ港しか実装されていない。マップを見ると島は大きいようで、今後のアップデートで地域が増えていくようだ。タルティーンやタラのような以前実装された新地域に比べて小さいものの、港には様々な施設があり、巨大な石の門のある市場など、これまでの街と違った雰囲気がある。
ベルファスト島に行くには8月に実装された港「カブ港」から向かう。ベルファスト島はウルラ大陸と新大陸であるイリア大陸の間に位置する。イリア大陸へ移動する際に乗る船は小舟だったが、ベルファスト島に向かう船は大きくて立派だ。作りも細かくチェックするのも楽しい。ちなみに今回の実装に合わせ、カブ港からイリア大陸のケルラ港にも行けるようになった。
カブ港からベルファスト島につき港を進んでいくと目の前に見えてくるのが「交易所」だ。これは後述する「交易システム」の拠点となるところで、魔族達が貿易品を取り扱っている。今回のアップデートで魔族と人間達の社会に大きな変化が起こる。一部の魔族が改心し、人と共に暮らしはじめた。彼等は貿易で中心的な役割を果たす。この交易所は従来の世界各地に登場し、そこには魔族の交易商がいる。
また、ベルファスト島では港の様々な場所で魔族を見ることができる。彼等と会話すると、「人間の女性に恋して、ダイエットのため肉を我慢してる」など、人間に受けいられようと涙ぐましい努力をしているモンスターもいて、彼等に協力するクエストもある。彼等の言動はユーモラスで、魔族の新たな一面を見せてくれる。
交易所を越えると、大きな石づくりの門が目にはいる。ここは「市場」で武器屋と雑貨屋、そして酒場がある。正面は大きな銀行で、市場の隣には大きな「庭園」がある。噴水があり、花が咲いていて美しい場所だ。ここではメインストリームに登場するNPCもいる。市場では新しいアルバイトもできるようだ。
庭園から立派な階段を上ると「裁判所」がある。厳めしい雰囲気の建物で、メインストリームで重要な場所となりそうだ。さらに奥に進むと「提督官邸」がある。ここには「オーウェン提督」という人物がいる。また近くには「聖堂」と「墓地」がある。墓地は他の地域にもあるがベルファスト島に墓地は非常に立派で大きかった。
全体的にベルファスト島は、建物に細かい装飾が施されていたり作りが立派で、これまでの地域より文化的にも洗練されているように見えた。貿易がこの島に大きな富をもたらしているのが感じられる。今回は体験できなかったが、この地でプレーヤーはシェイクスピアの「ヴェニスの商人」をモチーフにしたメインストリームを体験することができる。裕福な商人を巡るストーリーは、どんなものか、期待したい。
これまでマビノギでは「ハムレット」と「ロミオとジュリエット」の2つのシェイクスピアの作品をモチーフとしたメインストリームが展開した。これらは原典に比較的忠実で逆を言えばあまり「マビノギ」らしくないストーリーだった。以前行なったインタビューによると、今回のメインストリームはより「マビノギ」らしくなり、これまでメインストリームに登場した神々も登場し、原典を大胆にアレンジするという。
G15のメインストリームのタイトルは「ベルファストの商人」で、3つのストーリーラインで構成されるという。1つめのストーリーラインが「ヴェニスの商人」をモチーフにした内容で、正義感が強い貿易商人“アントーニオ”と強欲な金貸し“シャイロック”の葛藤、アントーニオと友人“バサーニオ”の友情、そしてシャイロックの娘“ポーシャ”とバサーニオのラブストーリーが軸となる。
2つめのラインは謎めいた詩人であり作家のシェークスピアの過去を体験しながらこの世界のへの来訪者であるプレーヤー達“ミレシアン”の由来に迫っていく。そして3つめのラインがプレーヤーにはおなじみの神々、“モリアン”と“キホール”が親しく、純粋だった時代からソウルストリームを形成するようになる内容を見るという。「マビノギ」ファン注目必至のストーリーだ。
またメインストリームを進めているプレーヤーにとっては、「灯台守アスコン」のストーリーも気になるだろう。彼の悲劇的な人生の最後に幸福が訪れるのか、とても気になる。メインストリームはプレーヤーにとって大きな楽しみだ。それと共にベルファスト島が追加されることで「マビノギ」の世界がどう広がっていくかも楽しみなところだ。
【ベルファスト島】 |
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開発中の新マップを港から提督官邸まで歩いてみた。BGMはベルファスト島のものを収録した |
■ 商品を遠くに運び富を得る「交易システム」。各地の特産品や、キャラバンなど交易ならではの楽しさも
カブ港で商品を買う。各地の特産品が面白い |
背負い箱をしょった姿は、「行商人」という表現がぴったりだ |
「G15」でのもう1つの大きな目玉が「交易システム」だ。今回のアップデートでプレーヤーは貿易が可能になる。各街の特産品を購入し、他の街で売ることで富を稼ぐことができるのだ。貿易では「ドゥカート」と言う新しい単位の通貨が用いられる。プレーヤーには最初少額のドゥカートが与えられ、これを元手に増やしていくのだ。
ベルファスト島だけでなく、カブ港や、ダンバートン、タラ、コール村など世界の各地に魔族達が経営する「交易所」が登場する。プレーヤー達はドゥカートを使って交易品を購入した後、その交易品を持って他の街へと旅立つ。
交易所で買える品物は「マビノギ」の世界をさらに豊かにしてくれる。カブ港では海苔や牡蠣、フカヒレなどの海産物が買えるし、ダンバートンでは蜘蛛の糸のグローブや、羊毛のブーツなどの手工芸品が買える。イメンマハでは野生動物の薫製やトリュフパスタなどの料理だ。各街に新しいイメージを加えてくれるのが面白い。商品には「現在の相場」が表示されており、どこに持って行けばどれだけ儲かるかもわかるようになっている。
輸送方法は最初は「背負い箱」、引いて運ぶ「手車」、2頭だての「馬車」、そして大きな「象」がある。これらを使用するにもドゥカートがかかるため、最初はあまり物が運べない背負い箱を使い、徐々に大きな物を運べる乗り物を使っていくことになる。象を購入するまでには数百万ドゥカートが必要になるので、より効率的な交易をするために、先ずはコツコツとドゥカート貯めていく。馬車や象はこれまで「マビノギ」にはなかった乗り物で、新鮮だ。
背負い箱や手車を持ったキャラクターの姿も楽しい。輸送は街から街まで徒歩や乗り物で移動する。背負い箱や手車だとキャラクターが走る移動速度で、馬車は標準的な騎乗ペットと同じくらい、象はそれよりちょっと遅めだと感じた。
移動中は「略奪団」が現われることがある。警告が表示され、フィールドにモンスターのシンボルが登場する。このシンボルは「木の看板」を装備したモンスターで、擬態している姿がかわいらしい。このシンボルの近くを通ると略奪団のモンスターが現われ、荷物を奪いはじめる。このときキャラクターは強制的に荷物から離された状態になり、モンスターを倒さないと先へ進めない。シンボル状態のモンスターは大きく回避することで戦闘を避けることができた。略奪団の強さや数は交易品の価値や交易距離によって変わるという。
略奪団の襲撃をのりきり、目的の街の交易所につくと、運んでいた品物を売ることができる交易を成功させると品物を売ったドゥカートの他、ゴールドや経験値も得られる。貿易に成功すると、商品を購入した街の評価が上がる。評価が上がるとさらに高価な商品を購入できるようになり、より大きな儲けのチャンスとなる。
ドゥカートはこれまでの通貨であるゴールドと交換はできないが、交易所でドゥカートでしか買えない商品を購入できる。通常の武器より性能の良い「魔族印の武器」や、これまで特定の方法でしか手に入らなかった「ファリアスの宝物」や、「改造石」なども入手できる。また「限定商品」として特別な武器やエンチャントも入手可能だ。この他、略奪団が落とす「略奪団の証」というアイテムを集めることで様々な報酬を得られるクエストも購入可能だ。交易システムが実装されることでドゥカートによる新たな経済が動いていくことになる。今回追加された報酬などで、「マビノギ」の世界のアイテムの価値も変わっていくだろう。
公式ムービーでは商人を目指すプレーヤーが他のプレーヤーを護衛として雇うシーンもある。パーティーを組むことで報酬が分けられるかなどはまだ検証中とのことだ。護衛を雇わなくても友人達とキャラバンを組んで進んでいくのは楽しそうだ。システムが実装されたときの「マビノギ」の“風景”も楽しみだ。現在のマビノギは効率重視になっていて、ミッションを受けられる場所や特定の街には人が集まるが、フィールドを行き交う人はあまり多くない。貿易によってこれが活発になりそうで楽しみである。
【馬車でタルティーンまで】 |
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交易品を積んだ馬車でタルティーンまで移動。途中略奪団に襲われることも。こちらもBGMはベルファスト島のものを使っている |
カブ港近くのダンバートンまで商品を運ぶ。移動中はインプが色々話しかけてくる。差額のドゥカートだけでなく、ゴールドや経験値も得られる | ||
ダンバートンから切り立った崖の道を象で進みイメンマハへ。途中出てきた略奪団を撃退して進む。これまで乗れなかった象に乗れるのも楽しい | ||
ドゥカートで得られる報酬。これまで入手困難なアイテムや、強力な新アイテムも。報酬を求めて各街を行き来する人が爆発的に増えそうだ |
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※画面、仕様は開発中のものです
(2011年 9月 14日)