カプコンと信州渋温泉がコラボ、「モンハン 3rd」を楽しめる仕組みがいっぱい

「モンスターハンターポータブル 3rd × 信州渋温泉 ユクモノ気分で狩り放題!」


2010年12月23日~2011年1月10日 開催

渋温泉



渋温泉組合長を務める関 氏。「コラボでお土産やフード関係なども充実しているので楽しんでいって欲しい」とアピール
取材時の夜。雲間から月が見え隠れした中でライトアップされた温泉街は、ユクモ村そのまま!ジンオウガなどのモンスターがのそりと姿を現わしても何の不思議もない風景だった

 株式会社カプコンは長野県にある信州渋温泉とコラボレーションを行ない、2010年12月23日から2011年1月10日までイベント「モンスターハンターポータブル 3rd × 信州渋温泉 ユクモノ気分で狩り放題!」を実施する。

 渋温泉は、電車であれば長野駅から長野電鉄・長野線の終点「湯田中」まで乗り、特急で約1時間。湯田中から渋温泉入口まではタクシーやバスを利用することになるが、それほど時間はかからない。車であれば上信越道・信州中野ICより約15分。志賀中野有料道路からR292オリンピック道路を経て戸狩湯田中ICから専用駐車場に向かうことになる。専用駐車場は日帰りのお客さん用だが、渋温泉から少し離れている。しかし、渋温泉から専用駐車場まではバスが直通運転しており、これを利用すれば難なくたどり着ける。

 今回のコラボレーションは、カプコンが「モンスターハンターポータブル 3rd」の世界観の広がりをどのように広げアピールできるかをゲームの制作時から探っており、和風の温泉地が舞台となったことから、日本全国の温泉地の組合に連絡を取り候補地を絞っていき、作品世界にぴったりと言うこともあり、この渋温泉とコラボレーションを行なうことが決定した。一瀬泰範ディレクターによれば、「世界観などをゲーム以外のイベントなどでも盛り上げて行ければと思った。渋温泉は古い建物があり、温泉地で北国にあるなどユクモ村との共通点がある。スタッフやユーザーの方と盛り上げていきたい」と抱負を語っている。

 実際に取材したところ、会場となる温泉街そのもの全てを巻き込み、非常に細かいところまで作り込まれており、ハンターであれば存分に楽しめる雰囲気作りがなされている。

 協力として参加している長野電鉄では、このイベントのための特別特急「モンハン特急ゆけむり号」が1日に数本走っている。ホームでは「モンスターハンターポータブル 3rd」のBGMが流れており、さらに出発の合図も狩りに出発するときのものとなっているという凝りようだ。ハンターやモンスターがラッピングされた車両に乗り込み、ひと狩りしている内に湯田中に到着。ここからちょっと行けば渋温泉だ。


カプコンの一瀬泰範ディレクターも出席。渋温泉について「古い建物も多くユクモ村と共通点も多いので、盛り上げていけたら」と挨拶アシスタントプロデューサーの小嶋慎太郎氏。取材陣と温泉街を巡りながらアピールしたUstreamで流されている「ハギーのとこトンやってみよう!」でもおなじみ、パブリシティ企画推進室 室長の荻原良輔氏も挨拶し盛り上げた




【モンハン特急ゆけむり号】
長野電鉄の長野駅から長野線の終点駅となる湯田中まで走っているモンハン特急ゆけむり号。先頭車両は見晴らしも良く、人気が高いのですぐに埋まってしまうヘッドマークにも独特な温泉マークが描かれている「モンハン特急ゆけむり号」の記念往復乗車券。紙ではなく木でできていて、独特ないい香りがする。価格は2,700円
列車には勇壮なハンターや可愛らしいアイルーなどがラッピングされている
ジンオウガやアオアシラらモンスターの威容も描かれている湯田中駅の改札前。構内では「モンスターハンターポータブル 3rd」の音楽が流れ、発車のベルも狩り前の合図の音になっているなど、非常に細かく作り込まれている




 渋温泉では街中の家や旅館やホテル、お店の至る所に「モンスターハンターポータブル 3rd」の赤いのれんなどが垂れ下がっており、渋温泉全体がさながらユクモ村のように装飾されている。自動販売機ではドデカミングレートが販売され、街角の床屋さんには「モンハン 狩っとこ屋」とパネルが張り出され、「狩り上げで狩りが上手になるカモ」なんてシャレも。

 お店では関連グッズのお土産物や、「モンハン」に関連したお食事を食べることができる。それらは店頭に掲げてあるし、マップをもらえばすぐに辿り着くことができるだろう。今回のイベントのポイントは3つあり、1つは温泉を巡る「九頭巡りスタンプラリークエスト」。9つある温泉を巡り、その入り口にあるスタンプを押していき、全てそろえるとクエストクリアのストラップを加工してもらえる。このストラップはなかなか貴重なものなので、ぜひともリタイアせずにクリアを目指していただきたい。

 2つめはリアル集会所。期間限定の場所もあるが、街のあちこちに電源も完備された集会所が用意されている。こういったところでプレイして遊びに来た他のハンターと友好を深めるのも良いだろう。もっとも中心となるリアル集会所は「臨仙閣」だが、ここではなんと温泉にまで入れてしまう。一風呂浴びてのんびりして狩りに出るのも良いだろう。

 3つめは充実したお土産だろう。例えば名産のリンゴとタイアップして、アイルーがデザインされたリンゴなども販売されている。これはリンゴの実がなる頃からデザインを決め、半年がかりで育てることになるため、非常に時間のかかる内容だ。こういったところからも地元の方の協力や意気込み、そしてスタッフの想いを感じずにはいられない。

【ユクモパス】
宿泊用のユクモパス(左)と日帰り用のユクモパス(中央)ではデザインが違う。これがあると集会所で「モンハン」をプレイできたり、九頭巡りスタンプラリークエストなどに参加できる。ハンター必須のパス。モンハン屋台村(右)などで引き替えることができる。まず最初にこのパスをゲットしたい




【ハンター集会所】
ハンター集会所のメインとも言えるのが川沿いにある、独特のデザインの「臨仙閣」こちらは夜の入り口。赤をベースにライトアップされており、不思議な雰囲気を演出している混雑時には待ち時間なども表示される
地下には雰囲気たっぷりにデザインされた部屋があり、その奥には畳の上でじっくりとプレイできる場所がある
地下の奥には秘湯があり、これも利用できる。通常は入ることができない(実は臨仙閣自体が通常は営業していない)なかなか入ることのできない温泉なのだとか。写真中央が男性用で、写真右が女性用
集会所には期間限定の場所もある。こちらもその1つの温泉寺。お寺の境内が集会所となっている。狩りは「常に高みを目指す」という点で、修行のひとつ?街中にはあちらこちらにリアル集会所があるので、少ないところを狙って巡るというのもアリだ




【九頭巡りスタンプラリークエスト】
リアル集会所と並んで目玉となるのが「九頭巡りスタンプラリークエスト」。9つの温泉を巡りスタンプを押していくというスタンプラリー。できれば入っていきたいところだが、1日で回るとちょっとのぼせてしまうかも。9つスタンプを押して最後にこの階段を駆け上って渋高薬師(写真左)で最後のスタンプを押せばクエストクリアとなる
クエストをクリアすると加工屋さんでクエストクリアのストラップを加工してもらえる。1つ1つ手作りなので、貴重なものだアオアシラ(青くないですが……)の上にストラップが置かれ、展示されている。少し、怖いかも
九頭巡りのひとつ渋大湯。渋温泉の中心的存在。ここはジンオウガ街のあちこちにこのような温泉がある。入り口にスタンプがおいてあるので、押していくといい。ちなみに入るためには鍵が必要なところもあり、その鍵は泊まる温泉の方に言えばもらうことができるだろう
初日の朝早くからハンターが訪れ、スタンプを押す姿が見られたそれぞれモンスターが設定されており、グラフィックスも掲げられているこちらはスタンプラリーの温泉ではなく、足湯だが、歩き回って疲れたらここで暖まって一休みするのも良いかもしれない




 渋温泉の関 組合長さんによると、はじめは「モンスターハンター」どころか「カプコン」の社名すら知らなかったという。奈良時代に始まったという由緒正しい温泉街であるため、ゲームとのタイアップという最先端とのコラボに不安もあり、温泉街で議論になったという。しかし、温泉街の青年組合や関 氏の息子さんから「『モンハン』の話がくるなんてスゴイ」という話があり、挑戦することになったのだとか。

 「モンスターハンター」シリーズに長く関わっているアシスタントプロデューサーの小嶋慎太郎氏は、長らく全国で「モンスターハンター」をプレイできる場を作りたかったのだという。プレイする場がありそうでないというのはハンターなら痛感しているところだろう。そこで企画されたのがシダックスとのコラボで、全国にある程度プレイできる環境を作り上げることができた。

 そして世界観の深まりやプレイできる環境をと言うことの表われの1つが今回のコラボと言える。渋温泉に作り込まれた「モンスターハンターポータブル 3rd」の世界観は素晴らしく、本当に細かく作り込まれている。何度も何度も制作過程での写真などでやり取りを行ない一緒になって作り上げていったのだという。

 取材時の夜に温泉街を歩いていると、赤い暖簾がはためき暖かみのある色彩で古い町並みがライトアップされていた。時折、流れる雲に月明かりが遮られている通りを眺めていると、通りの角からジンオウガがのそりと姿を表わしそうな雰囲気を味わえた。まさに「モンスターハンターポータブル 3rd」の世界を体感できるコラボに仕上がっている。

 最後に1つだけ。ハンターの方にはキチンと決まりを守って楽しんでいただきたい。街の方達には取材時にも暖かく対応していただき、それだけ期待感を持ってこのコラボレーション企画に取り組んでいらっしゃると言うことだ。また、観光業に携わっていない、この地に住んでいる方もいらっしゃる。ゲームファンとして節度ある態度で迷惑をかけず、心ゆくまで「モンスターハンターポータブル 3rd」の世界観を楽しんでいただきたい。

ライトアップされた「モンハン屋台村」。「モンハン」に関連したユニークな食事やお土産が販売されている。焚き火も用意されており、暖を取りながら食事をとることができるテントもあるゲームでは村長さんの後ろにある「ニャン泉岩」を再現。本物の川であるため、せき止めて設置するわけにいかず、ずぶ濡れになりながら設置作業を行なったのだとか。右写真はライトアップされた「ニャン泉岩」
室内に置かれた等身大ジンオウガ。発売日に新宿にて展示されていたものと同じジンオウガ。通常は演出のため薄暗くなっており、その迫力には驚かされるそのジンオウガの前で記念撮影を行なった一瀬ディレクター少し離れたところにある専用駐車場と渋温泉の中心地とを結ぶバスが用意されているので、車で来た人は利用していただきたい
狩猟祈願神社。まずは狩りが成功するように神様にお願い。二礼二拍手をして、神様にお願い事をし、最後に一礼をするのが正式な参り方中心に川が流れているがそこに架かる橋の上に顔出しの撮影ポイントが用意されている。車に気をつけて撮影していただきたい。そして、ここでも一瀬ディレクターが対応していただいた
リアル集会所にタマゴが飾ってあった。このように細かに作り込まれていて面白い「ドデカミングレート」がズラリと並ぶ自動販売機。風景と違和感ないように木目っぽくラッピングされているチェーンソウだけで豪快に作り上げられたアイルー暖かい仕上がりとなっている
映画のモチーフなどにも使用される古くて雰囲気たっぷりの旅館「歴史の宿 金具屋」。撮影ポイントなので、いつも多くの人が写真を撮っているカップルの宿泊プランにおけるクリスマス特別サプライズで登場するケーキも披露された。地元のパティシエさんが作り上げたが、非常に良くできていて可愛らしい。ちなみにこのクリスマスプランはアッという間に完売したと言うことだ「モンハン屋台村」などでライトアップされている行灯。キャラクター達がデザインされている
床屋さんの前には、こんな茶目っ気たっぷりの看板も。温泉街のあちこちがこのように飾り付けされている店頭に「狩りOK」のポスターが貼られているところも射的屋さん。ポイントを貯めるとモンハングッズと取り替えてくれる。1回当たると10ポイント。高額商品ともなると3,000ポイントなんてのも。ちなみに期間中はポイントを貯めていくことができると言うことで、ぜひとも通っていただきたい
指定の旅館には、旅館の入り口にわかりやすいように掲げられている開幕した23日の早朝は雨から雪に変わっていき、あっという間に山肌を白く染めた。南から来るハンターの皆さんは暖かくして来た方が良いだろう




【食事などフード関係】
幸鮨さんでは「にゃん次郎まっしぐらギルドちらし」を楽しめる。お肉なども乗っていて、ボリュームたっぷり
徳味さんでは「逆鱗餃子」が楽しめる。色はすごいが、オーソドックスなお味
たまりや酒店さんで販売されている、現地の酒造メーカーとタイアップしたお酒がたくさん売られている
もりやそばさんでは「轟竜ぶっこみうどん」と「山菜ジジイの山菜たっぷりそば」を食べることができる
福庵さんの「アイルーin温泉アイス」。デザインがとにかく可愛らしい
あちこちのお店で温泉まんじゅうが販売されているが、お店によって焼きごてが変えられており、デザインが違うようだ
松田屋さんでは下駄が販売されている。お土産にぜひどうぞ

【お土産など】
コラボポストカードから、Tシャツ、湯飲みなど多数のコラボお土産が用意されている。例えばグラフィックスなどが描かれたリンゴは、実がなるところから企画しなくてはならず、夏頃から企画が進められていたという。そういった意味でも作り込みがハンパなく、気合いの入ったモノとなっている

(C)CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.

(2010年 12月 24日)

[Reported by 船津稔]