「AOU2010」KONAMIブースレポート
世界的人気を誇る「メタルギア」、ついにアーケードゲーム化!
音楽ゲームの新バージョンも続々登場


2月19日、20日 開催(19日は会員招待日)

会場:幕張メッセ

開場時間:10時~17時

入場料:当日券 大人、中高生1,000円(小学生以下、60才以上は無料)
    (特別割引券持参の場合)当日券 大人、中高生700円


 日本はもとより、世界中のプレーヤーを魅了し続けるステルスアクションゲーム、「メタルギア」シリーズでは初となるアーケード用タイトル、「メタルギア アーケード」が登場して多くの来場者を集めていたKONAMIブース。ほかにも筐体デザインを一新させた定番の音楽ゲームのシリーズ最新作をズラリとプレイアブル出展しており、初日のビジネスデーからかなりにぎわっていた印象だ。

 また一部の出展タイトルでは、昨年より試験運用を開始している電子マネーシステム「PASELI」(パセリ)を使用した新サービスの内容も見ることができたので、こちらの状況も併せてお伝えしよう。


● 「METAL GEAR ARCADE」(メタルギア アーケード)

視覚と聴覚から立体的に働きかける筐体の背面には、3Dの文字が誇らしげに配置されていた
試遊スペースのそばには、3D立体映像を体験できるコーナーも用意。試遊する時間がない人は、こちらでも立体映像を体験することができる

 「METAL GEAR ARCADE(メタルギア アーケード)」は、全世界で2,770万本以上を売り上げている大人気シリーズ「メタルギア」を題材にした、タクティカルオンラインアクションゲーム。現在PS3で稼動中のオンラインゲーム「METAL GEAR ONLINE」をベースに、アーケードならではの機能を満載した内容となっているので、その詳細を紹介していこう

 まずは、その筐体から見ていこう。プレーヤーがどっしりと腰掛けられる筐体の正面には、グラフィックスを3Dで表示できる大型モニターを装備。さらに、5.1chサラウンドも搭載することで、メタルギアの世界を視覚と聴覚の両方で、立体的かつ臨場感たっぷりに再現している。

 さらに、もっともアーケード的といえるのが、座席の左側に設置されているヘッドコントローラーだろう。このヘッドコントローラーを装着することで、はじめて3Dの立体的な画面を感じることができる。また、ヘッドコントローラーに付属しているセンサーにより、プレーヤーが動かす頭の向きに連動して、画面の向きを上下左右に直感的に動かすことが可能だ。

 実際に動かしてみると、画面上に頭の位置を表すHカーソルが表示され、頭の向きを変えて画面の端に動かすことで、その方向に画面の向きを動かすことができる。Hカーソルを画面中央付近に戻すと、画面の向きは変わらないため、向きたい方向へ頭を動かしてから戻すことで、画面の向きを変更できる仕組みとなっている。

 そして、座席の右側に設置されたガンコントローラーがもうひとつの操作デバイス。従来のガンシューティングゲームのように、ガンコントローラーで狙いをつけた場所に銃弾を発射できるほかに、さまざまな機能が搭載されている。

 ガンコントローラーを支える左手にはキャラクターを移動させるためのスティックと、押している間はしゃがみ状態になる姿勢変更ボタン、押している間は視点が固定され、狙いがつけやすくなる視点固定ボタンが用意されている。移動中に姿勢変更ボタンをダブルクリックすることで、ローリングやバックステップなどのアクションも可能になっており、左手だけで移動やアクションの操作がすべて可能だ。

 右手部分には装備した武器で攻撃するためのトリガーのほか、トリガーの下には武器を変更するための武器変更ボタン、好きなタイミングで武器の弾薬を補充するためのリロードボタンを用意。右手には攻撃に関する操作を集めた形となっている。

 さらに、ガンコントローラーの上部には、店内の仲間とのコミュニケーションを可能とするチャットボタン、右側面には、「メタルギア」シリーズでおなじみのダンボール箱や20秒間姿を見えなくするステルスなどのアイテムを使用するためのアイテムボタンも用意されており、プレイの幅と広げる際の役に立つことだろう。

 ゲームをスタートすると、チュートリアルからスタート。チュートリアルでは、ヘッドコントローラーを使った画面の向き調整のほか、ガンコントローラーを使った移動や攻撃まで、ひと通りの操作を学ぶことが可能となっている。

 ルールは最大4人対4人で対戦できる全国対戦のほか、店内の仲間で対戦できる店内対戦、1人はもちろん仲間と協力して得意の敵を制限時間に倒すことを目指すミッションの3つ。今回のショーでは、4人対4人の全国対戦をプレイできたので、その内容を紹介していこう。

 全国対戦では、4人1組のチーム同士の戦闘が展開され、4分間の制限時間内に、より多くの敵を倒して高いチームスコアを獲得したチームの勝利となっていた。「METAL GEAR ONLINE」にも搭載されている、味方の位置を壁越しに確認できるSOPシステムなど、「メタルギア」らしさを楽しめる内容となっている(試遊版では最初から味方の位置が表示されており、敵の情報を奪うことはできなかった)。

 全国対戦終了後には、リザルト画面が表示され、獲得した経験値による階級の昇格や、装身具などと交換できるチケットを入手できた。階級は二等兵からスタートする17階級、装身具も80種類を超える数が用意されており、繰り返しプレイするモチベーションにつながと訴求していた。

 プレイした感想としては、3Dで画面から浮き上がって見える自分のキャラクターや奥行きのある背景、迫力ある5.1chサラウンドによって、「METAL GEAR ONLINE」を格段に上回る戦場の臨場感を味わうことができた。また、画面の向きを合わせるという3Dシューティングが苦手な人がもっとも困難な操作も、ヘッドコントローラーによる直感的な操作により、理解しやすいのではないかと感じられた。

 ガンコントローラーに関しては、照準を合わせてトリガーで攻撃するという、基本的な操作のほかに、キャラクターの移動やアクション、武器の切り替えやリロードなど6つものボタンがあると、さすがに1度で覚えるのは大変に思える。ただし、弾切れになれば武器は自動でリロードされるし、しゃがみやローリングを行なう姿勢変更ボタンは、それらのアクションを行なわなくとも最初は問題はなく、視点固定ボタンも、画面中央にヘッドコントローラーを合わせておけば問題はなさそうなので、いきなりすべてのボタンを使いこなす必要はない。絶対に必要となる操作はスティックによる移動と、ヘッドコントローラーによる画面の向きの変更、ガンコントローラーによる攻撃だけなので、それさえわかってしまえば以外と楽に操作できるのではないだろうか。

 何よりも、アーケードならではの設備と操作デバイスを用意することで、今までにはない臨場感と、直感的に操作できる操作系を再現していることを評価したい。アーケードシーンはもちろん、コンシューマーを含めても体験したことのないプレイ感覚を味わえるタイトルといえるだろう。「METAL GEAR ONLINE」にあった、「CQC」などがどうなるのかはわからないが、今後の調整しだいといえそうだ。

 会場には8台の試遊台が用意されており、そのうち4台が一般向けに開放されている。大人気シリーズをモチーフにした初めてのアーケード向けタイトルということもあって、会員招待日でも常に100分を超える待ち時間となっていた。あらゆる意味で今回のAOU2010最大の注目作といえるタイトルの上、可動時期は未定となっており、この機会を逃すと次にいつプレイできるかわからないので、プレイを希望する人は早めにKONAMIブースを訪れることをおすすめしたい。

ガンコントローラーのイメージ画像。トリガーのほかにもさまざまな機能を持った赤いボタンが用意されている武器で攻撃する際は、ガンコントローラーで直接狙ってトリガーを引けばいい。画面上の自分のキャラクターも自動的にそちらの方向を向いて攻撃を行なうようになっていた3D表示と、頭の向きと画面の向きを連動させる機能を持つヘッドコントローラー。3D表示が苦手な人は、スタートボタンを押すことで、2D表示でプレイすることもできる



(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「GuitarFreaksXG」(ギーターフリークスエックスジー)

 ギター型のコントローラーを、曲のリズムに合わせて操作する音楽ゲーム、「GuitarFreaks」シリーズの最新作。シリーズ第1作目の誕生から10年目を迎えた本作品の総収録曲は何と600曲以上もあり、今回からは「気まぐれロマンティック」、「空色デイズ」「GO-ON」などといった曲が新たに追加されている。

 最大の特徴は、ギターコントローラーの仕様および筐体デザインが前作から大きく変更されたところにある。ギターコントローラーのネックボタンが従来の3個から5個に増え、さらにギターを上下左右に動かすことで演奏する仕様が追加された。たとえば「SHAKE」(シェイク)と書かれたマーカーが出現したときは、対応するボタンを押しつつギターを揺り動かすという新しいテクニックを使用して演奏することになる。またフットスイッチおよびペダル式のエフェクターも追加されているので、腕に自身のあるプレーヤーはこちらも利用することで、さらに自分オリジナルの「魅せる」プレイスタイル作りに役立つことだろう。

 筐体には以前にも増してイルミネーション(照明)がとにかく派手になり、遠目からでも非常によく目立つ。そして筆者が特に驚かされたのが、筐体の左右に置かれたスピーカーのサイズ。写真を見ていただければ明らかだがとにかくデカイ。プレイしている最中は、左右8個のスピーカーと2つのウーファーから間断なくパワフルな音が出力されるので、これまで以上に音楽スタジオやライブハウスで演奏しているかのような臨場感が満喫できるようになっていた。稼働開始は3月の予定。


ギターコントローラーのネックボタンが5個に増加。巨大なスピーカーを導入したことで、さらに爽快および臨場感をアップさせている

(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「DrumManiaXG」(ドラムマニア エックスジー)

 ドラム演奏が気軽に楽しめる、おなじみの音楽ゲーム最新作。こちらも「GuitarFreaksXG」と同様に600曲以上を収録し、ドラムの数および筐体デザインが一新されている。

 ドラムは新たにレフトシンバル、フロアタム、レフトペダルが追加され、合計7つパッドと2つのペダルを使用するようになった。新筐体における最大の目玉ポイントは、ステージ(床)部分にバスシェーカーを内蔵したこと。これによって、プレー中は低音が体の芯にまでズンズン響くようになり、プレーヤーはより本格的なドラム演奏が楽しめる。  筆者のような初心者は、まず「PRACTICE」(練習)モードを選択して、スネアドラムやシンバルの位置を覚えるところからスタートするのが必須となるだろう。

 なお、今回の出展された筐体では「ギタフリXG」とのセッションはできなかったが、製品版ではもちろん実装される。


バスシェーカー内蔵筐体は実にゴージャスなデザインに大変身。合計9本のラインに出現するマーカーの動きを追いつつ、ドラムを叩いたりペダルを踏むことが必要

(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「DanceDanceRevolution X2」(ダンスダンスレボリューション エックス2)

 「~きっと踊れる、足はモット動く~」というキャッチコピーがついた「DDR」シリーズの最新作。音楽のリズムに合わせて、タイミングよくマーカーが表示されるタイミングに合わせて、上下左右の各パネルを足で踏みながらダンスをするという基本的な遊び方は従来どおりだ。

 今回の「DDR X2」の特徴は、プレーヤーの実力に合わせて「HAPPY」と「PRO」という2種類のモードから選んでプレイできるシステムを新たに追加したこと。「HAPPY」では有名な曲ばかりが登場し、なおかつマーカーが出現するパターン(譜面)が比較的易しい初心者向けのモードとなっているので、筆者のような「DDR」初心者にも選曲に迷わないような配慮を施している。一方「PRO」は文字通り上級者向けのモードで、譜面がより難しくなくなったり、2人分のパネルを1人で使用する「DOUBLE」方式などを選択して遊ぶこともできる。稼働開始は6月の予定。

こちらもLEDによる演出が実にきらびやかな「DDR X2」。ちなみに「HAPPY」モードプレイ時は、途中で失敗しても規定曲数が終了するまではゲームオーバーにならない初心者救済システムも導入している

(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「jubeat knit」(ユビート ニット)

 現在稼動中の「jubeat ripples」に続く、「jubeat」シリーズの最新作。プレーヤーは合計16個のパネルを、曲のリズムおよびパネル内に表示されるマーカーの動きに合わせてタイミングよくタッチして遊ぶ音楽ゲームである。

 こちらは基本操作やボタンの数こそ変わらないが、前作に比べてゲームシステムが大きく変更された。店内対戦でマッチングした2人の合計をスコアで大会にエントリーできる「タッグエントリー」をはじめ、異なるゲーム難易度を選択しているプレーヤー同士でも選曲が同じであればマッチングできる「難度違いマッチング」などの新要素を追加。今回でシリーズ第3弾となる「jubeat knit」は他のプレーヤーと実力を競うだけでなく、いっしょに協力しながら遊ぶことでより楽しさが増すという方向性が明確に打ち出されたようだ。2010年夏稼働開始予定。

操作方法は従来どおり。ゲーム開始時には、プレーヤーの実力に応じたおすすめの曲を教えてくれる「コンシェルジュ」(キャラクター)が登場する仕様も追加されている

(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「クイズマジックアカデミーVII」

 ネットワーク対戦が楽しめる定番クイズゲームのシリーズ最新作。今回は過去のシリーズには存在しなかった新キャラクターが多数登場するとともに、おなじみの全国対戦モードおよび検定試験モードに加えプレーヤー同士で力を合わせてダンジョンを攻略していく「協力プレイ」モードと、新しい出題形式のクイズが多数追加されているのが特徴だ。

 今回出展された筐体では、電子マネーシステム「PASELI」を使用した状態で最大4人までが参加できる「協力プレイ」モードが遊べるようになっていた。この「協力プレイ」モードは、通常は地下2階のフロアまでしかプレイすることができないが、実は「PASELI」を使用できるように設定した「e-AMUSEMENT PASS」(※対応製品のプレイデータを記録するためのICカード)を使ってプレイすると、さらに地下3階以降のフロアも引き続き遊べるという特典が付加されるようになっている。よって、ゲームをとことんまで極めたいというプレーヤーは、今後は「PASELI」が使えるカードを持つことがもはや必須であると言えるだろう。

 なお筆者が確認した限りでは、新形式のクイズには以下のものが搭載されていた。

・「○×多数決クイズ」:プレーヤー全員の選択した答えのうち、意見の多かった方の答えが合っていれば正解となるクイズ
・「協力文字パネルクイズ」:各プレーヤーが、正解となる単語を1文字ずつ入力して解答する
・「多答クイズ」:プレーヤーが1人ずつ順番に、8つの選択肢の中から正解と思われる項目を選び、全員の答えが合っていれば正解となるクイズ

 もうひとつ、本作品において筆者が特に注目したポイントは、PASELIを使って「協力プレーモード」を遊ぶと、前のフロアまでの成績に応じて次のフロアへのコンティニューに必要なPASELIが変動すること。このように、PASELIならこれまでのコインプレーではできなかったゲーム内容とプレー料金が連動した幅広い遊びが実現する。この仕様は後述する「麻雀格闘倶楽部 我龍転生」にも搭載されており、どうやら将来的には全てのKONAMI製品において同様のシステムが定着することになりそうだ。稼働開始は3月の予定。

他のプレーヤーと協力して、クイズに答えつつダンジョンの敵を倒していく「協力プレイ」モードがシリーズ史上初めての追加となった

【ハルト】【アイコ】【メディア】【ミュー】

(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「天下一将棋会」

 今年1月から稼動を開始した、アーケードゲームでは初となるオンライン対戦将棋ゲーム。「麻雀格闘倶楽部」シリーズと同タイプの筐体を使用することにより、タッチパネルによる簡単操作を実現するとともに、対戦の成績などに応じて段位やプレーヤーのランキングが変動するシステムを採用している。

 今回出展されていたバージョンも基本的なゲーム内容は現行のものとまったく同じであった。異なっていたのはビジュアルによる演出で、CPUが局面の形勢を判断して、プレーヤーに「優勢」、「勝勢」などと教えてくれる仕様が追加されていた。また、筐体とは別に設置されたモニターでは、プロ棋士の渡辺明竜王がプレイしている様子などを収めた特別動画も公開されていた。

囲いを完成させたり、プレーヤーが良い手を指すとCPUが褒めてくれる演出も存在するのが「天下一将棋会」ならではの特徴

(C)2010 Konami Digital Entertainment

● 「麻雀格闘倶楽部 我龍転生」

 昨年から稼動している定番のオンライン対戦麻雀ゲーム。今回の出展バージョンでは「PASELI」を使用すると遊べる新モード、「協力!トレージャーハンティング」が遊べるようになっていた。

 このモードでは、対局中にプレーヤーが対局者に手をアガると画面内に表示された宝箱の鍵にダメージを与え、一定のダメージ量に達すると箱が開いて「ファイトオーブ」(※集めると段位がアップするアイテムのこと)などのお宝がもらえるという内容。ただし、宝箱には制限時間が設定されているため、お宝を獲得するには時間内に速攻でアガるために工夫した手役作りが必要となる。また、失敗すると保持している「ファイトオーブ」を没収されてしまうペナルティも存在するため、これまでのシリーズにはなかったハイリスク・ハイリターンなイベントとなりそうだ。なお、「PASELI」による各種サービスは今春開始となる予定。

麻雀の勝負と並行してお宝を狙う「協力!トレジャーハンティング」モードを追加。また会場ではプロ雀士が来場者と対局できるサービスも実施しており、筆者は幸運にも黒沢咲プロ(写真)とお手合わせしていただくことができた

(C)2009 Konami Digital Entertainment

(2010年 2月 19日)

[Reported by 鴫原盛之]