ゲームヤロウ、オンライン対戦アクション「鉄鬼」先行体験レポート
格闘戦、狙撃型、支援型など各機体の個性が楽しい対戦型ロボットアクションシューティング
ゲームヤロウ株式会社は、11月25日~29日までオンライン対戦アクションゲーム「鉄鬼」のクローズドβテストにあたる「模擬訓練」を開催する。今回、テストに先がけてゲームヤロウ社内で体験プレイができたので、ゲームの基本要素と、実際にプレイしてみた感触をレポートしたい。
「鉄鬼」は最大16対16の戦いが楽しめるロボットアクションシューティング。本作の特徴は、接近戦型や狙撃型、索敵型など登場する8種類のロボットの個性・役割がはっきり決まっていること。どのロボットを使い、どう戦うか、個人のプレースキルとチームの戦略が重要になるゲームだ。模擬訓練で実装される機体は4種類。今回はこれらの機体を中心に、チュートリアルモード、対戦モードをプレイしてみた。
■ 各機体の役割を学べるチュートリアルモード。ストーリー要素にも期待
基本的な操作はFPS経験者になじみ深いもの。ガシャガシャと小気味よく動くロボットの挙動が楽しい |
格納庫で機体をカスタマイズ。射程や装弾数などプレイスタイルに合わせた武器を選ぶ |
模擬訓練でプレイできる機体は軽量型の「VANGUARD」、ダッシュで敵に近付き接近攻撃を加える「DUAL」、4本のカニのような足で移動し狙撃を行なう「BLITZ」、そして仲間を回復できる「VELOX」の4機種だ。
今回最初にチュートリアルモードをプレイしてみた。チュートリアルモードは4機体それぞれに対応しており、プレイすることで各機種の特徴をつかむことができる。本作は、Wで前進、Sで後退、AとDで左右に進み、進行方向はマウスで操作する。基本的には左クリックで射撃、右クリックでズーム。数字キーの1~3で武器を切り替え、左シフトでブースト、左ctrlキーでしゃがみ、スペースキーでジャンプ、Rがリロードである。
チュートリアルは基地の中のような狭い通路での戦闘になる。ターゲットをレティクルに入れて武器を発射して撃退していく。面白いのは、各機体によって全く戦い方が変わることだ。VANGUARDはオーソドックスに敵の攻撃をAとDでスライドでかわしながらマシンガンで撃つという感じだが、DUALはまず右クリックで両側の装甲版を前面でつなぎ合わせてシールドとして構え、その防御力を活かして前進、敵の懐に飛び込んだらシールドを再び両側に跳ね上げ、手につけた回転ノコギリで切り裂くのだ。
BLITZは左クリックでズームすると遠くの敵を撃つことができる。非常に強力な射撃ができるが、単発で装弾数が少なく、リロード時に隙ができる。VELOXのメインの攻撃方法は自動で敵を攻撃する砲台の設置なのだ。VELOXのチュートリアルは特にユニークで、敵の進行方向に砲台を設置したり、味方を修理して進む。VELOXの場合、オーソドックスな攻撃用にサブウエポンを使うという感じだ。メインウエポンはそれぞれ個性的だが、サブウエポンは共有の武器で、プレーヤーの考え方で選択は変わってくる。ミサイルや弾の少ない攻撃力の高い武器を選ぶのも良いし、連射に優れたもの、遠距離に強いもの、自分の期待の弱点を補強するものがいいだろう。
チュートリアルは出てくる敵を撃退し、ボスと戦うというシンプルなものだが、ボスが強力で意外に難しい。特にスピードには優れているがシールドを跳ね上げていると一番耐久力が低いDUALは難しかった。敵の懐に飛び込み攻撃を加えるDUALはダメージを受ける危険も高い。体力が低くなったとき、修理を要請するチュートリアルがあってもいいのかなと思った。
格納庫では機体のカスタマイズが行なえる。メイン武器、サブウエポン、装甲やブースターの特性などもカスタマイズできる。パイロットもカスタマイズできるが、今のところ特性などは付与されないようだ。パイロット部分がどのように発展していくかも注目だろう。機体に関しては基本的な機体以外にも、ゲーム内に登場するNPCのイメージを反映した特別な機体が存在するという。
先日行なわれたプレスカンファレンスではメカデザイナーの明貴美加氏と石垣純哉氏のデザインする機体が登場することがアナウンスされた。これらの特別な機体は基本の8機体と同じ能力を持つが、デザイン以外にも体力などのパラメーターで性能が変わると言うことで、詳細の発表を期待したいところだ。
■ 多くの機体が入り乱れる対戦モード。役割を意識しながら戦場を駆け回れ
Z、X、Cキーを押すことで用意されたメッセージをチームに送信できるラジオチャットができる。使いこなせば対戦が有利に |
再出撃が可能なルールの場合は、その都度機体が選べる。相手の戦い方やチームのバランスを考えて選ぼう |
今回体験したモードは「サドンデスモード」、「デスマッチモード」、「占領モード」の3つ。体験会では多数のゲームヤロウスタッフが参加してくれて、20人近くの対戦を体験することができた。
サドンデスは1度やられると復活できないシビアなモード。デスマッチは制限時間なら何度でも復帰でき、150という撃破数を達成した方が勝ちというモード。占領モードは設定された地点を巡って争う。どれも赤と青の2チームにわかれて戦うものだ。
マップも数種類楽しむことができた。「鉄鬼」のマップは壊された都市や基地などで、高低差があったりトンネルが設定されていたりする。対戦型FPSはマップの特性を覚えるところからゲームがスタートするが、「鉄鬼」のマップもまた狙撃ポイント、侵攻ポイントを見つけていく楽しさがある。特に本作の場合はVELOXが拠点とする回復拠点をどう置くかも攻略しがいがありそうだ。
VELOXの固定砲台は防衛に使うのも良いが、敵の侵攻ポイントに置くことで罠としても活用できる。キャンプして敵の隙をうかがう味方プレーヤーの援護といった使い方もできそうだ。VELOXはチームにおける「割合」が特に重要だ。多すぎてはいけないが、2~3体あると明らかにチームそのものの耐久力が増す。再復帰できるルールでの対戦では復帰時に機体を選ぶことができる。VELOXが少ないと感じたら、支援に回ることでチームの力を底上げできると感じた。「鉄鬼」は1種類の機体にこだわるのも良いが、マップの特性や戦況に合わせて機体を変える、数機種を育てていくゲームなのかな、と感じた。
今回のプレイではオーソドックスなVANGUARDでのプレイがやりやすかった。VANGUARDはブースターも持続時間が長いため、高速で動き回り両腕につけられたガトリングでバリバリと敵を撃てる。実際のプレイでも主力機となる機体ではないだろうか。サブウエポンとしては装弾数が少ないながらも一撃必殺の遠距離武器が合っているように感じた。 プレイのしやすさではVANGUARDに劣るが、個人的にお気に入りなのがDUALだ。シールドを前面に構え、敵に突撃し、接近戦でダメージを与える。今回は回転ノコギリと火炎放射器の2つの武器を試したが、射程の長い火炎放射器が使いやすかった。DUALのブースターは短距離をダッシュするタイプで連続使用ができない。物陰から物陰に動くときなどに使った。 VANGUARDとDUALは敵の後ろに回り込む、というプレイが楽しかった。主戦場をあえて選ばず、もう1本の道を進んだり、地下を進み、狙撃に夢中になっているBLITZや修理中のVELOXを襲う。一撃必殺の武器ではないため連続して攻撃を当てなくてはいけないが、うまくいくと連続で敵が倒せる。一方、敵に接近されたときは、ジャンプして逃げ回るというFPSの戦術が本作でも有効だ。敵の意表をつくルートを探す、逆にそれを警戒して罠を張る、といった駆け引きが特に面白かった。BLITZは狙撃ポイントを見つけるのが楽しい。敵をねらうときはこちらも物陰から出る必要があるため、そこを敵のBLITZに狙われたりする。スナイパーならではの戦い方が楽しい一方、効果的な狙撃ポイントを見つけるには練習が必要だと感じた。体験会では、うまいBLITZのプレーヤーがいて、こちらが接近しても狙撃用の武器を至近距離でもたくみにつかい倒されてしまうこともあった。
戦場ではVELOXの存在が頼もしかった。無謀に突っ込みやられてしまうことが多かったが、運良く生き残ったとき、味方が多くいるところでVELOXに修理してもらう。そうすることで戦場に長く留まることができる。リスポンできないサドンデスモードでは特にVELOXが心強く感じた。
1度倒されると終わりのサドンデスモード。生き残るためにはVELOXとの連携が重要だ | ||
拠点を巡って争う占領モード。主戦場をあえて避け、回り込んでの攻撃が楽しかった | ||
20分の制限時間内に、敵を150体破壊すれば勝ちのデスマッチモード。実力が拮抗し、制限時間で決着がついた。時間ぎりぎりの撃破数を巡る戦いが特に熱かった |
■ 今後実装される残り4機体も先行体験。より特徴的な機体により変わる「鉄鬼」の戦場
FORBIDDENの偵察ポッド。敵を発見しチームに報告することができる |
「鉄鬼」ではオープンベータテストにあたる「機動演習」を12月中旬に予定している。この機動演習では全8機体すべてを使うことができるようになる。体験会では、機動演習で使用可能になる4機体も見ることができた。
重装型の「VINCE」は他の機体と比べると体力が高く、武器が強力だが、機動力が低めという機体。前線で火力の中心として活躍してくれそうな機体だ。VANGUARDとの1vs1でも勝てるだけの力がある一方で、スピードが遅いため敵に囲まれやすい。VANGUARDと同じくチームの中核となりそうな機体だ。
「RAMPART」は主武装が移動不可能な「砲撃モード」に変形しないと使えないという、思い切ったデザインの機体だ。固定砲台として拠点防御に使うだけでなく、乱戦時に大量に弾をたたき込む、といった戦いもできそうだ。工兵型の「IMPULS」は地雷を設置し、さらに壁として使える四角いバリアーを展開できる。VELOXやBLITZに近付こうとする敵を足止めさせられる機体だ。
「FORBIDDEN」は索敵・観測型の機体だ。レーダーで敵を探し出し、味方のマップに表示させられる。索敵は機体を動かすだけでなく、偵察ポッドを射出することができる。ポッドを操作中は本体が動けなくなるので、夢中で索敵していたら倒される、ということもある。敵はポッドを攻撃可能だが、ポッド自体が小さいために狙いにくいようだ。また、ポッドは敵のそばで自爆させることもできる。この機体が1機チームにいるかいないかで戦いのバランスは大きく変わってくるだろう。
今回、筆者ははじめて「鉄鬼」を触ることができたが、個性的なロボットを操り戦う感覚に魅力を感じた。特に機体ならではの特性を活かして戦う感触が楽しかった。DUALの早いが効果の短いブーストは使い勝手が難しいだけに、うまく戦えるようになればかなり気持ちが良さそうだ。回復役に徹するVELOXも魅力だ。チームの縁の下の力持ちとして専門でプレイするプレーヤーもいるだろう。早くたくさんのプレーヤーと遊んでみたいと思った。
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(2009年 11月 20日)