東京ゲームショウ2009レポート

ゴンゾロッソ「アルカディアサーガ」、ゲームヤロウ「鉄鬼」がTGSに初登場!
水野良氏、崎元仁氏らがゲストのステージイベントや体験プレイなど


9月24日~27日 開催(24日、25日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 「ロードス島戦記」の作者 水野良氏をスーパーバイザーに、ゴンゾロッソが開発している純国産MMORPG「アルカディアサーガ」のトークイベントが、25日にTGSのメインホールで行なわれた。また、イベントと同時に第2回クローズドβテスト(以下、CBT)の予定も発表された。このCBTではハウジングや亜人の侵攻、騎乗に関するテストが予定されている。期間は10月15日(木)から10月17日(土)の3日間。応募期間や応募方法は後日発表される。

 また、7月に予定されていたOBTが延期されていた、韓国発の対戦ロボットアクション「鉄鬼」が、NTTコミュニケーションのブースで体験プレイを開催した。出展されたのは、最近韓国でも追加された新要素の「トレーニングモード」。4台用意されたPCで、プレーヤーはソロで行なう訓練を体験できた。今年から来年にかけて正式サービス開始が予定されている、2つの注目オンラインタイトルの最新動向をレポートする。


純国産の新作MMORPG「アルカディアサーガ」TGSで新公開された「鉄鬼」のイラスト


■ 「アルカディアサーガ」のステージイベントに5人のゲストが登場

重厚な剣と魔法の世界で遊べる本格派RPG
キャラクターのモデリングも国産らしからぬ雰囲気

 ゴンゾロッソが開発、運営を手がける純国産MMORPG「アルカディアサーガ」はブースの出展はなかったが、イベントステージでトークイベントを行なった。トークイベントには、ゴンゾロッソのプロデューサー 大瀧道華氏や、「ロードス島戦記」などで知られる作家の水野良氏、音楽を担当したベイシスケイプ・インターナショナル 崎元仁氏に、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの上席執行役員 越智政人氏、NHN Japanの取締役 田代克行氏らが参加して行なわれた。

 「アルカディアサーガ」は、遠い未来の地球を舞台にした、ファンタジー色の濃いMMORPG。プレーヤーたちは、古来より伝承される「アルカディアプロジェクト」に関わり、世界の歴史や謎を紐解いていく。「ロードス島戦記」などの小説で、日本にファンタジーRPGブームを巻き起こした作家の水野良氏がスーパーバイザーとなり、世界観の設定や考証などを担当している。

 トークイベントは、ニコニコ動画の実況中継でも有名なえどさん&ふみいちの両氏が司会進行で進められた。最初にゴンゾロッソの運営するオンラインゲームのラインナップが紹介された後、ゲストが登場。プロデューサーの大瀧氏は「アルカディアサーガ」のコンセプトとして「オンラインゲームの黎明期にあった緊張感や、世界を旅するワクワク感を再現したい」と語った。本作は初期のウルティマオンラインのように街中でのPK行為が可能だ。すぐ横で戦闘が始まるかもしれない、その戦闘に自分が巻き込まれるかもしれないという状況を作ることで、常に緊張感を味わえるようにしたいと、大瀧氏。

 音楽を担当している崎元氏は、「伝説のオウガバトル」や「ファイナルファンタジーXII」の音楽も手がけたサウンドクリエイター。今回の話は、ゴンゾロッソが関わるアニメーションの音楽を手がけたことが縁になって、引き受けることになったのだとか。「アルカディアサーガ」のBGMはチェコで収録したふるオーケストラの重厚な音楽。オーケストラにこだわった理由として、崎元氏は「オーケストラの音は逆に一番味付けがないと思うのです。民族調やテクノ調など、最初の段階から雰囲気を限定したくなかった」からだと語った。

 スーパーバイザーの水野良氏は、これまでもTRPGやネットワークゲームの世界観設定を手がけてきたが、MORPGはこれが初めての体験となる。このゲームでは、世界設定、考証、ストーリーに関するチェックや提案に関わっている。MMORPGというジャンルについては「オンラインゲームは長くプレイする種類のゲームですね。僕も某ゲームでプレイ時間が年を超えてまして。それだけ長くいる場所だから、気持ちのいい世界を構築したいです。だから今回協力させていただいたものには大変満足しています」と自信のコアゲーマーぶりもちらりとのぞかせながら語った。

 作品を紹介するムービーの後、「生産」と「戦闘」が密接に関わっているシステムとはどんなものなのか、という質問があった。大瀧氏によると、生産では武器や服を作ることができる。その材料は採集で集めたり、倒したモンスターから皮や肉を手にいれることになる。その際、生産者が戦闘クラスに身を守ってもらったり、モンスターを倒してもらったりすることで、戦闘と生産が関わり合う事になる。そうやって生産者が作った装備を手にいれることで、戦闘クラスはより強い敵と戦うことができるようになるわけだ。

 第2回CBTで導入される「ハウジングシステム」は、そんな生産や戦闘を支援する意味合いがある。大瀧氏が説明によると、例えば、生産のための工房として使ったり、棚に商品を陳列してショップとして活用することもできる。また町の中から家へ移動することができるので、モンスターの棲家に建てて前線基地として利用することもできるのだそうだ。


ゴンゾロッソのプロデューサー 大瀧道華氏作家の水野良氏はスーパーバイザーとしてゲームに参加音楽を担当したベイシスケイプ・インターナショナル 崎元仁氏
NHN Japanの取締役 田代克行氏ガンホー・オンライン・エンターテイメントの上席執行役員 越智政人氏司会進行を勤めたえどさん&ふみいち両氏

 第2回CBTでは、「ハウジングシステム」の他にも、「家」に亜人が攻めてくる亜人襲撃や、騎乗に関するテストが予定されている。また、前回のCBTで集めた意見を元に、現在の固定視点から視点が回転できるようにしたり、モンスターの挙動を見直すといった修正も加えられる。

 正式サービスは本年末の予定だが、その際ガンホーとハンゲームで同時にサービスされることになる。こういった形でガンホーとハンゲームが組むのはこれが2作品目となる。ゲストとして登場したNHNの田代氏は「オンラインゲームは運営が大変重要なコンテンツ。お客様の声を開発側にしっかりと伝えて、アルカディアサーガを成功させたい」と語った。

 最後に全員が一言ずつコメントを残した。ガンホーの越智氏は「いままでの実績を生かしてユーザーに楽しんでもらえるゲームにしていきたい」、NHN Japanの田代氏は「アルカディアの成功に寄与していきたい」と運営サイドからの豊富を述べた。開発サイドの3人は、「製作者でもありますが、プレーヤーとしてゲームに入っているので、見かけたらよろしくお願いします」(水野氏)、「近日中に第2回CBTの応募を始める予定です。CBT1に参加していただいた方だけではく、多くの方に独自の戦闘や世界観を味わっていただきたいです」(大瀧氏)と三様の感想を語った。

 イベントには、かなりたくさんのメディアが集まっており、国産タイトルにかける期待の大きさが伺えた。いまはまだ未完成な部分も多いが、スタッフのやる気が今後ゲームをどう変化させていくかが楽しみだ。

第2回CBTでテストされるハウジングシステム。フィールドのどこにでも自由に家を建てることができる
建てた家に亜人が攻め込んでくる「亜人侵攻」も次回のCBTでテストされる

【スクリーンショット】
常に変化していく世界で、自分だけの生き方を見つけよう



■ 「トレーニングモード」を体験できる「鉄鬼」の試遊台を設置

TGS会場の外に展示してあった巨大な「鉄鬼」の機体
ブースで質問に答えてくれた、プロデューサーの小野寺崇氏

 TGSの会場の入り口付近に巨大なオブジェを展示して会場へ向かう人の耳目を集めていた「鉄鬼」は、ゲームヤロウが運営を行なう、韓国産の対戦型オンラインゲームだ。2009年度中の正式サービスを目指して、現在クローズドβテストの準備が進められている。「鉄鬼」は8種類の異なる機体から1体を選び、対人や対NPC戦を戦うオンラインゲーム。16対16で最大32人が入り乱れる対人戦を行なうことができる。

 TGSでは「新兵適正テストと新兵スカウト」と銘打って、4台の試遊台が用意された。プレーヤーは好きなマシンを選んで「トレーニングモード」を体験することができた。「トレーニングモード」は韓国でも最近実装されたばかりの新要素で、通常のMAPではなく、専用の「トレーニングルーム」を使って行なわれる。トレーニングの種類は「初級訓練」、「中級訓練」、「上級訓練」の3種類があり、それぞれ以下のような特徴を持つ。

・「初級訓練」…装備の特徴を把握し、基本操作や各種装備の違いを学ぶ
・「中級訓練」…敵機からの攻撃を避けるなど、パイロットに必要な状況対処能力を養う
・「上級訓練」…実際の任務で現われる強力な敵機と戦闘を行ない、実践の厳しさを体験する

 「トレーニングモード」では、まず格納庫に入っている機体から好きなものを選ぶ。トレーニングのレベルなど各種の設定が終わると、自動的に「トレーニングルーム」に移動する。「トレーニングルーム」は様々な障害物が置かれた狭い部屋で、そこで機体の操り方や攻撃方法を練習することができる。「トレーニングモード」はソロコンテンツなので、残念ながら今回は強力プレイや対人戦については、試してみる事ができなかった。


様々な設定で敵と戦うことができる「トレーニングモード」

 当初、7月に予定されていたCBTが延期になった理由について、プロデューサーの小野寺崇氏は、韓国から上がってきたものをプレイしてみて、日本人用にもっとチュートリアルの部分を充実させたほうがいいと判断したからなのだと説明してくれた。8種類の機体それぞれの役割を理解して、機体の特製を見極めてから戦場に出られるように、韓国側に要望して日本用のチュートリアルを作ってもらっているのだとか。

 また、プレーヤーがゲーム世界に入っていくきっかけになるよう、ストーリー的なものを作ったり、4人が部隊を組んで協力して敵を倒すPvE要素を拡充して新たな敵を追加するなど、遊び易さやわかり易さに重点を置いて日本独自仕様の構築に力をいれている。

 気になる課金形態とサービスの時期だが、課金は基本料無料のアイテム課金で、経験値アップやゲーム内で手に入るポイントを増やすブースとアイテムなどが販売されるようだ。CBTは年内じゅうに行なう予定で、正式サービスは2010年になりそうだ。

【今回が初公開となる新機体のCG】
BLITZDUAL
FORBIDDENIMPULS
RAMPARTVANGUARD
VELOXVINCERE


【スクリーンショット】
自機を鍛えて、最強の機体を作り出そう


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(2009年 9月 25日)

[Reported by 石井聡]