神奈川県、CESAらとタイアップイベントを開催
家庭用ゲームソフトの年齢別レーティング制度をアピール
イベントは川崎の駅からほど近い地下街「アゼリア」の真ん中にあるサンライト広場で開催された |
神奈川県と社団法人コンピュータエンターテインメント協会 (CESA)、NPO法人 コンピュータエンターテインメントレーティング機構 (CERO)、日本テレビゲーム商業組合は去る7月18日に川崎地下街アゼリア「サンライト広場」において、年齢別レーティング制度に関するタイアップイベントを開催した。
神奈川県と家庭用ゲーム関係団体のタイアップイベントとして企画された「家庭用ゲームソフトの年齢別レーティング制度をご存じですか?」は、現在運営されている「年齢別レーティング制度」の啓蒙活動の一環として神奈川県が企画し開催されたイベント。ハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカーの協力の下、試遊台などが出展されたほか、各種啓蒙活動が1日にわたって行なわれた。
その中核として企画されたのが1日に4回ほど開催されたミニ講座。CESAの担当者が講師となりテキストも用意された本格的な内容で、質疑応答も含め各回10分から15分ほどの構成となっていた。講義内容はCESAの概要、活動内容の説明に始まり、家庭用ゲームが発売されるにあたってレーティング制度を受ける必要があり、中立的な機関であるCEROがレーティングシステムを運営していることが解説された。さらにレーティングマークの意匠とマークがパッケージのどこに貼られているかも図と共に説明された。
同時に神奈川県としてどのような対応が行なわれているかについても「『神奈川県青少年保護育成条例』を改正し、2008年10月からZ区分のゲームソフトを18歳未満の青少年に売ったり、貸したり、見せたりしてはいけない」こととしている旨を改めて強調した。一方でゲームの活用の方向として、教育や学習、リハビリなどの現場で活用されていることも紹介された。
前述の通り試遊台などもおかれたが、ゲームをプレイするのを待っている人や通りすがりの方にチラシ、ティッシュなどを配り、興味を持った人には「年齢別レーティング制度」の説明を行なうなど積極的にアピールしていった。
神奈川県の担当者によれば、昨年の神奈川県青少年保護育成条例の改正によりZ区分のゲームソフトを18歳未満の青少年に与えてはいけない仕組みを作ったが、制度の根幹となるレーティングシステムを多くの人に知っておいてもらわなければならない必然性を感じていたという。その機会として今回のイベントが企画され、家庭用ゲーム関連機関との協力の下、7月18日という夏休み前のこの時期に実現した。
報道を担当している我々にしてみれば当然のCEROのレーティングだが、一般への浸透度は思ったより低いようだ。神奈川県の担当者によればレーティングのことを知っていた人はいないと言い、パッケージのどこを見ればいいのかもわからない人ばかりだったという。結局、ゲームを購入するのは孫のいるおじいさんやおばあさん、子供のいるゲームをプレイしない大人だったりするので、まごや子供に『買って!』と言われたら買い与えてしまうという現状の中で、今回はそういった層にアピールしレーティングについて知ってもらった上で「気をつけようと多くの方に言っていただいた」という。
神奈川県としては業界団体には引き続き自助努力を行なってもらう一方で、「これだけ成長したゲーム業界に対し、我々だけでは限界があるため協力してやっていきたい」方針だという。こういった啓蒙活動は継続して行なうことが重要だが、同県としても「今後も続けていきたい」としている。
□神奈川県のホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□CEROのホームページ
http://www.cero.gr.jp/
(2009年 7月 21日)