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気分は江戸時代。太秦映画村の「360°リアルタイムドラマ」で白無垢の花嫁行列や新選組の殺陣に感動!

【太秦映画村】
3月28日リニューアルオープン

 東映太秦映画村は、開業50周年を機に行なっている施設フルリニューアルの第1弾を3月28日にオープンする。3月19日にはメディア向けの内覧会が開催され、この日が初公開となる新たな看板ショー「360°リアルタイムドラマ『花嫁道中 桜の宴』」が初めて披露された。2027年春第2期オープンまでの映画村入村券料金は1DAYで大人(中学生)が2,800円、子ども(3歳~小学生)が1,600円。17時以降のナイトタイムは大人2,000円、子ども1,300円。

新たなエントランスがお目見え

外国人や大人が楽しめるテーマパークとしてリニューアル

東映太秦映画村代表取締役の鎌田裕也氏

 内覧会の開催前には、新設されたエントランス前で東映太秦映画村代表取締役の鎌田裕也氏が集まったメディアに挨拶した。「2年前に着工して、予定通り3月28日にオープンということになりました。これまでの映画村とは違う、インバウンドの方も大人の方も来ていただけるような施設に作り変えたつもりです。撮影所の隣にあるテーマパークなので、360°リアルタイムドラマでも強みである東映の役者たちに活躍していただいて、皆さんに楽しんでいただきたい」と鎌田氏。

 新たな施設は、名称をこれまでの「東映太秦映画村」から「太秦映画村」へと改め、江戸時代の京へ、迷い込む」という新たなコンセプトのもと、20・30代を中心とした大人の来場者も楽しめる「大人の没入体験パーク」として生まれ変わる。

瓦版屋が配っている紙、実は……!

 このリニューアルに合わせて登場する新たな看板となるのが、前述した「360°リアルタイムドラマ『花嫁道中 桜の宴』」だ。桜と入っているように、今回は春がテーマの花嫁道中となっている。

 位置づけとしてはテーマパークのパレードのような存在だが、単に練り歩くだけではなく、町全体を舞台に見立て、まるで来場者の周りで実際に事件が起きているかのように、 少しずつ物語の舞台が整っていく。

 筆者たちが最初に見かけたのは、武家の娘が嫁ぐための花嫁行列が行われることを、辻で解説している瓦版売りだ。瓦版売りは、口上を述べながら、手にしている瓦版を道行く人に配っていく。瓦版の表面には花嫁行列について書かれており、裏側は館内マップになっている。つまり瓦版屋は物語のプロローグを紡ぐ語り部であると同時に、テーマパークの案内役でもある。

瓦版屋
もらった瓦版には花嫁行列の話題が書かれていた

 さらに、通りには来場者に混じって、江戸装束に身を包んだ人たちが行き交っている。彼らはそこで生活しているかのようにふるまっているが、来場者とも交流してくれる。

クライマックスは花嫁行列と新選組の殺陣

 花嫁が長州の不逞浪人に狙われているという噂が広がり、新選組の土方歳三と沖田総司が花嫁の護衛に当たることになる。園内のいろいろな場所で同時に物語が進んでいき、物語のクライマックスとして花嫁道中が行なわれる。

 今回は物語が進行していく部分はカットして、クライマックスの一部だけが披露された。大勢がカメラを構える前に、白無垢綿帽子の花嫁が現れ、介添え人の母親が白無垢の意味を1つずつ説明していく。

母親に付き添われて白無垢の花嫁が現れる。母親は、1つずつ持ち物の説明をしながら、娘に手渡していく

 その後は園内をぐるりとまわるように練り歩く。手にした鈴の音に合わせてゆっくりと進んでいく花嫁行列の後ろには、いつの間にか瓦版屋や園内にいた江戸装束の人たちも物珍しげな様子で付き従っている。行列はそのままステージのある大手門広場まで練り歩く。そこには花婿が待っており、花嫁がステージに到着すると、事態は急転する。

しずしずと行進する花嫁行列。綿帽子や笠で顔が見えないため、幻想的な雰囲気を醸し出している。
3人が持つ鈴の音に合わせて進んでいく
いつの間にか、町人たちも行列に加わっている
花婿の待つステージに到着すると、ストーリーが進展する

 婚礼の儀式のさなか、その中止を目論む浪人たちが邪魔に入ってくる。そこに入ってくるのは沖田総司と土方歳三。優雅な婚礼は一転、殺陣満載のチャンバラ劇へとなだれ込んでいく。浪人一味と新選組の戦いでは途中、結核の咳が止まらず沖田がピンチになったり、体術を使う忍者との殺陣があったりと迫力満点。東映の誇る役者陣が、チャンバラの魅力を余すところなく披露してくれる。

不逞浪人が現れる
チャンバラが始まる
沖田総司と土方歳三が敵をなぎ倒していく

 事件が一段落すると、最後は花婿と花嫁一行が謡曲「高砂」を吟じる。日本の結婚にまつわる伝統的な慣習や作法がそこかしこに散りばめられており、懐かしいと感じる人もいれば、新鮮さに驚く人もいるだろう。

 太秦映画村ではこの演目を通じて日本の文化を発信していくことも目標の1つとして目指しているそうで、古くて新しい花嫁行列は他では見ることができないアトラクションとして、来場者を楽しませそうだ。

全員で「高砂」を吟じる
舞台終了後の出演者の挨拶でショーは終了する

実際の映画セットを作る美術によって再現された江戸の町並み

 太秦映画村の隣にある京都撮影所は、2月に公開した時代劇「木挽町の仇討ち」の撮影に使用されている。リニューアルされた太秦映画村には、実際の映画のセットと同様に、美術部スタッフのテクニックが使用されており、考証にもこだわった作りになっている。

 そんなセットに、ベテランの役者さんたちの演技力が加わることで、江戸時代にタイムスリップしたような気分が味わえる。まだ第1弾のリニューアルが終わったばかりで、すべてが公開されるのは2028年とまだ少し先の話になる。今後の改修では2027年に遊郭ゾーン、2028年に芝居小屋がオープンする予定となっている。

 「2029年には年間100万人を達成できるはず」と鎌田氏は今回のリニューアルの結果に自信を見せていた。筆者としてもこの最新の非日常体験は多くの人におすすめしたいクオリティだった。新しくなった太秦映画村をぜひその目で確かめてほしい。