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「World of Tanks Blitz」に日本戦車ツリー登場決定!

2016年はモバイルに注力! Wargamingアジアプロデューサーインタビュー

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 すでにお伝えした「World of Warships」のインタビューに引き続き、本稿では「World of Blitz」(Blitz)をはじめとしたWargaming.netのモバイル展開についてのインタビューをお届けする。

 インタビューに応じてくれたのは、ウォーゲーミングアジア プロデューサーのコチョール・オザン氏。「Blitz」の最新情報から実は「Blitz」をプレイしている人が最も多いという話、また2016年のモバイル展開についても話を伺うことができた。

「Blitz」に日本戦車ツリー登場決定! 「ガルパン」のカスタム戦車は?

右がウォーゲーミングアジア プロデューサーのコチョール・オザン氏。左は同席した「World of Tanks Blitz」プロダクトマネージャーのRoman Bui氏
日本戦車ツリー登場! アジア地域の中では最初の登場となる

 現在、Wargamingにおけるモバイル展開で主軸となっているのはAndroid/iOS用「Blitz」だ。配信から約1年半が経過しているが、世界で2,500万人ほどのプレーヤーがいる。

 「Blitz」における大きなトピックとしては、日本戦車ツリーがついに実装される。実装時期は12月をターゲットとして、まずは軽戦車と中戦車が13車輌登場することとなる。Windows版ではアジアでは中国が最初に導入されたが、日本の市場状況が良いということで、アジアの中でも日本が優先されたそうだ。

 また最近ではWindows版とは異なる企画も実施されており、例えばサーバー対抗戦「Rise of Continents」が9月28日から10月25日まで実施される。

 「Rise of Continents」は北米、欧州、ロシア、アジアサーバーの対抗戦で、所属地域が総合1位を獲得すればプレミアムアカウント14日間と500ゴールドがゲーム内褒章として地域の全ユーザーに与えられるほか、最優秀成績を納めればゼンハイザー提供の 高品質ヘッドセットがプレゼントされる。

【World of Tanks Blitz: Rise of Continents】

 こうした取り組みはWindows版でも行なっていないものになるが、イベントについてはWargaming社内でも各地域のプロデューサーが対抗意識を燃やしているという。オザン氏も「アジアにぜひ勝ってほしい」と意気込んでおり、特に日本は品質の高いプレーヤーが多いので、モチベーションを高くして参加してほしいそうだ。ちなみにオザン氏も期間中はフォーラムに積極的に投稿するという。

 またアジアのみの報酬も用意しているそうで、まだスポンサー名は明かせないそうだが、日本のプレーヤーをサポートすることを目的として何かを用意しているそうだ。詳細は9月24日に公開される予定。

 他にもプレミアム戦車に「Type 3 Chi-Nu Kai(三式中戦車 チヌ改) "Shinobi"」が9月17日より販売されている。こちらは初めての日本戦車となるが、黒塗りに赤い筋が入り、手裏剣や「忍」の文字も描かれている、なかなか派手で目立つ装飾だ。「Blitz」では今後、こうした「遊び心のある」カスタム戦車を積極的に投入していくという。価格は9.99ドルからで、販売は10月2日まで。

【「Type 3 Chi-Nu Kai "Shinobi"」トレーラー】

 さらに10月にも「あり得ない」カスタム戦車が登場する。こちらは入手方法にも特徴があるそうで、「Blitz」独自の仕掛けによって獲得できるようになる、とした。

 今後、例えば「ガールズ&パンツァー」のカスタム戦車が入ることはあるのかと聞いたところ、「『ガルパン』かどうかは伝えられませんが、年内に日本の会社とのコラボを発表します。以前映画『フューリー』とのコラボを展開しましたが、同じようにグローバルで展開するものになります」という。はぐらかされてしまったが、この点は何が起こるか期待しておきたいところだ。

 このほかにも、クラン周りの機能の充実や、さらにe-Sportsを意識した機能の追加も考えているという。

 なお「World of Warships」のモバイル展開は、現時点では予定がないという。ただ技術的には可能なので、まずはWindows版の成功を見守ってから動き出すのでは、とした。

2016年はモバイルに注力! 地域のニーズにあわせて配信

Windows版とは違う方向性進み始めた「Blitz」。他のモバイルタイトルも楽しみだ

 日本のプレーヤーの動向としては、マネタイズ面では売上3位を記録しており、プレーヤー数はアジアの中でトップとなっている。オザン氏は「日本のプレーヤーが好き」であるそうで、日本は誠実なプレーヤーが多く、また運営面や内容に関してはっきりと意見してくれるのがありがたいという。

 モバイル版が登場するとWindows版のユーザーが減ってしまうのが通常の傾向だが、「World of Tanks」の場合はWindows版のユーザー数に特に影響はなかったという。これはモバイルで「World of Tanks」をプレイしたいユーザーが潜在的に多かった結果だと、オザン氏は分析している。

 またWargamingのイベントがある時などは、参加者には「Blitz」のプレーヤーが非常に多いほか、Wargamingの世界に触れるのは「Blitz」が初めてとなる人も多くいる。内訳を聞くと、Windows版とモバイル版を両方プレイしている人は全体の25%で、実は「Blitz」のみのプレーヤーが最も多くなっている。

 こうしたことも鑑みて、特に2016年は、モバイルにも力を注いでいく計画がある。年内には戦略カードゲーム「World of Tanks Generals」を配信予定となっているが、この他にもモバイル用タイトルは開発が進められている。

 モバイル展開でのポイントは、1つのタイトルを全世界へ届けるのではなく、地域ごとに適したタイトルの配信を検討しているということ。グローバルで展開するかもしれないし、アジア地域、また日本のみ配信といったように、配信地域を限定する可能性もある。こうした戦略は、モバイル市場は各地域によって状況がまったく異なることが背景にある、とした。

 まだ具体的なゲーム内容は明かせないが、「Blitz」のようにフランチャイズを活かしたタイトルもあり得るし、まったく新規の展開もあり得るという。「ゲームジャンルは?」と聞くと、いきなりカジュアルパズルが登場する可能性は低いが、アクションストラテジーものは可能性が高いとした。

 この辺りは市場にあわせて幅広く捉えていく考えがあるほか、「Blitz」がゲームとしてはハードなものになるので、少し柔らかめのミッドコアタイトルも提供していきたいという。具体的なプランは明かされなかったが、今後のWargamingのモバイル展開には注目しておくと面白いかもしれない。

(安田俊亮)