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「FFXIVファンフェス」1日目ステージイベントでポロリネタ多数!

ミニオン同盟の秘密、「吉Pに物申す」ではパッチ2.5の先出情報も

12月20日発表

イベント会場中央のステージでは1日中さまざまなステージイベントが開催された。写真は「吉Pに物申す!」に登壇中の「新生FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティチームの室内俊夫氏

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)」の大規模なオフラインイベント「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル TOKYO 2014」が東京ビックサイトで開催されている。

開発スタッフが総力をあげてファンをもてなすこのイベントには、多彩なゲストを招いた数々のステージイベントが用意されている。このレポートでは初日に開催された「開発者パネル Part1」と「吉Pに物申す!」の様子をお伝えしたい。

 「開発者パネル Part1」では、アイテム班チームリーダーの林洋介氏が、ゲーム内に実装される装備などの開発過程を紹介。さらに時々プロデューサーレターLIVEで話題になるミニオン同盟の謎も明らかになった。

 「吉Pに物申す!」のコーナーでは、参加者の中から吉田氏に直接質問したいというつわものが、制限時間の中で吉田にさまざまな質問をぶつけた。

アラガン装備はどういう過程で生まれたのか

コミュニティチームの望月一善氏と、アイテム班チームリーダーの林洋介氏
アイテムができるまで

 初日の「開発者パネル Part1」はアイテム班リーダーのプランナー、林洋介氏をゲストに、コミュニティチームの望月一善氏が話を聞いた。大勢のファンを前にかなり緊張しつつも、コーナーの前半には「新生FFXIV」の中に登場するアイテムが作られる過程を、「大迷宮バハムート:邂逅編」の装備を例に紹介した。

 アイテム作成の第一歩はバージョンアップの予定を知ること。何がどこで実装されるかというロードマップを頼りに、その予定の中で報酬としてアイテムが必要になるコンテンツがいつ実装されるのかを確認する。

 次に、実際の武器や防具のモデルを作るデザイナーのコストを確保するために、どのコンテンツにどんなアイテムを入れるかを決定する。例えば真イフリートなら武器、大迷宮バハムートなら装備一式が必要になる。「すべてのコンテンツに固有のグラフィックスがあるのが理想だけど、デザイナーのコストは無限ではないので、エンドからライトなコンテンツまでなるべくたくさんの場所に新しいグラフィックスがいきわたるように、ここでは白魔導士と黒魔道士は同じモデルの色替えでいこうとか、そんな感じで限られたコストの中でやり取りを考えます」(林氏)。

 デザイナーサイドでは、1つのパッチになるべく多くのモデルを実装できるよう、作業を極限まで最適化したり、他のタイトルから流用できるものを探したりといった工夫で、「旧FFXIV」から比べると3~4倍のアイテムが作成されているという。

【アイテムができるまで】
アイテム作成の流れ
2.0から2.5まで1年半分のロードマップ。これよりももう少し詳細なロードマップがアイテム作成の手がかりとなる
真イフリート武器
「大迷宮バハムート:真成編」の報酬
「邂逅編」のコンセプトは古代アラグの建築様式
最初にデザインされた頭装備
アラガントームストーンのデザインがダンジョンに盛り込まれた
ダンジョンのデザインが武器のデザインにフィードバックされた
「真成編」のバハムート武器
アイテムが出来上がると、さまざまな情報が追加される

 スケジュールが決まったら、いよいよアイテムのデザインに入っていく。アラガン装備の場合は「大迷宮バハムート」は衛星ダラガブの内部にあるというざっくりとした設定から始まり、ダラガブ内部でバハムートを封印している拘束具を古代アラグ帝国の建築様式であると捉え、そのイメージでデザインを起こしていった。そして頭装備と、アラガントームストーンのデザインをダンジョンのデザインに盛り込んでもらった。

 古代アラグ様式で作られたダンジョンの基本的な構造、立方体に青い模様があるというデザインが固まったので、それを生かして今度は武器が作られた。こういった形でダンジョンがデザインされていくのは珍しいパターンなのだそうだ。「真成編」では、バハムートをイメージした武器のデザインが先行して作られている。

 アラガントームストーン:戦記で交換できる、いわゆる戦記装備は林氏によれば、元スーパークラフターのゲロルトがもしオリジナルの装備品を作ったらどうなるだろうというコンセプトで描いてもらったのだそうだ。

 望月氏が、竜騎士の戦記頭装備の飾りが左右非対称なのが気に入らないと林氏に告げると、あれはゲロルトが好むオリジナリティなのかもと返答。「羽根がシンメトリーになっているものが欲しいという意見も確かにいただくので、アート班の髙橋和哉さんといつかそういうものもいれたいねという話はしています」(林氏)とわりと期待が持てそうな返答。ただし、それを作るのはたぶんゲロルトではないだろうということだ。

 前もって何を作るかの予定を立ててはいるが、日々状況が変わってくるので基本的には作らなければならないアイテムは増えていく。スケジュールについても、例えば「蒼天のイシュガルド」で登場する新しいアーティファクト装備が、今回の基調講演で発表されたムービーに登場している。本来は拡張パックの実装に合わせて作ればいいのだが、こういった発表などのために先行して必要になるという形で、1つずつ対応している。

 そんな林氏に、望月氏はコミュニティイベント用の新しいおしゃれ装備が欲しいとさりげなく欲求。どこの装備が欲しいか、会場と生放送の視聴者にアンケートをとったところ、頭装備とミニオンが同じくらいの人気だった。

 その後、アイテムの性能と名前を決める。性能は権代氏らバトルチームからの指示で決まっていく。名前は仮のものを作った後、前廣氏ら世界設定班に伺いを立てる。最初に日本語と英語が決まって、それをドイツ語、フランス語、中国語に翻訳する。

 アイテムの名前で苦労するのは、例えば「クリアプリズム」のように「なんだか不思議な力で、何か不思議なことが起こる」といったアイテムを世界観の中になじませていくのが大変なのだそうだ。

 そしてアイテムのアイコンと独自のSEを作る。アイコンは毎パッチごとに400程必要になり、UIデザイナーが苦心する。汎用マークで行こうかというアイデアもあったが「旧FFXIV」からダウングレードするわけにはいかないという皆川氏の決断で今に至る。SEは祖堅氏らサウンドチームのこだわりで作られる。エフェクトを付けることもある。ゾディアックウェポンは1つのモデルに色々なエフェクトを付けるので大変そうだったそうだ。

 最後に、パッチ2.5で実装される最新のバニーガール装備が発表された。バニーの種類は2種類で、プレーヤーキャラが装備しているスクリーンショットと、ショートカットの新髪型もサプライズ発表された。

【アイテム周りの新情報】
庭具として実装される予定のバナナの木
パッチ2.5で実装されるバニーガール装備
プレーヤーキャラが装備できるバニーガール装備のスクリーンショット

謎の社内組織「ミニオン同盟」の秘密が明らかに!

吉田氏すらタッチできない、ミニオンを愛する謎集団「ミニオン同盟」
NPCの中でも特に人気の高いナナモのミニオンだけにこだわりもすごい
マーケットでも高額で取引されているファットキャット
パッチ2.5で実装される事件屋ミニオン

 「新生FFXIV」の開発チームの中には、チームの枠を超えてミニオン好きが集まった謎の集団「ミニオン同盟」があることは知られている。実は林氏は同盟の一員であり、今回もミニオンにまつわるネタを「あ」から「ん」まで50も用意してきた。

 ミニオン同盟は正式に承認された組織ではないが、専用のメーリングリストは持っている。何人かのメンバーは業務外の仕事としてミニオン作りに関わっている。同盟員の中にはコアメンバーもいるそうだ。「新生FFXIV」で開発されたものはどんな細かいものでもすべて吉田氏が実際にプレイして確認をとる。しかしミニオン同盟だけは、一切確認をとらない。

 吉田氏がとても悲しそうな顔で「ミニオン同盟がミーティングやってたから、入ろうとしたら一斉に煙たそうな顔で見てくるから、こっちに来てタバコ吸うしかないじゃん」とタバコ部屋に逃げてきたエピソードを望月氏が話すと、林氏は「確かにそういう態度をとったかも」と苦笑した。

「俺たちのコリブリ」
パッチ2.4で実装されたコリブリのミニオンは実は2.2で完成していたが、ハードサスタシャの報酬に欲しいからということで実装が2パッチ遅れた。

「エンキドゥがあんなに活躍するなんて…」
ギルガメッシュと一緒に登場するエンキドゥは、そのままミニオンとして実装することが可能だった。最初は緑色のニワトリを見せられて「ミニオンで使えるよ」と言われたが、誰もいらないだろうと思って見送った。しかしギルガメッシュ戦のバトルで予想以上に活躍しているのを見て、後で入れればよかったと後悔した。エンキドゥは今後実装される予定だ。

「ガチで怒られたこと」
スクエニのあるタイトルのキャラクターがそのままミニオンで使えると分かり、これで使い放題だと偉い人に言いに行ったら、コラボもしていないゲームのキャラを簡単に使おうとするなとガチで怒られた。

「コアメンバーにあきれられる」
開発ブースの席順で、あるコアメンバーを挟んで林氏とミニオン同盟のあるプログラマーが並んでいる。そのプログラマーはバトル関係の重要なプログラムを担当していて、林氏らが肩に乗ったときゃっきゃと喜んでいると呆れられた。

「ズーの使い道がいまだに決まらない」
「シリウス大灯台」に出てくるボス、ズーのひなはミニオン化できるのだが、いまいち使い道がなくて困っている。2.5辺りで実装される予定だ。

「手帳の実装を知らなかった」
ミニオンリストは開発時点では手帳と呼ばれていた。これを作ったのはUI班で、ほとんどの同盟メンバーはパッチ公開までミニオンリストの存在を知らなかった。

「ナナモの首の長さへのこだわり」
いかにナナモがかわいく見えるかを熱くぶつけ合っていて、首の長さを1ミリ単位で議論し、最終的に決まるまで3日くらいかかった。

「ネコとイヌの話」
ウフルパップとタイニークァールはβのころからクエスト報酬にすることが決まっていた。それとはまったく関係なく、気が付いたら喧嘩するようになっていた。そのことをストーリーにも盛り込んでもらえるようにシナリオにも頼んだ結果、2つのクエストができた。

「フンコロガシを実装したがっているスタッフ」
ミニオンはFFシリーズのキャラやゲーム内のNPC、モンスターをモデルにしているが、もう1つの方向性としてまったくそういったものとは関係ないものを増やしていきたいと思っている。ブルーバードやクッションやタイニーバクなど。フンコロガシも一時期あるスタッフが強烈にプッシュしていた。

「本当はプードルを入れたいらしい」
ファットキャットはあるデザイナーが強力にプッシュして、デブチョコボもいるし、太った猫が世界にいてもいいじゃないかということで実装された。太った猫がいるんだし、プードルがいてもいいじゃないかと。

「んー、このミニオン」
パッチ2.5で実装されるらしい、事件屋のミニオン。2人で1組だ。

(石井聡)