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「FFXIV ファンフェスティバル 2014 東京」に数千人のファンが集結
お台場がエオルゼアに。コスプレから熱狂ライブまで「FFXIV」づくしの2日間
(2014/12/22 01:56)
スクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)の大規模オフラインイベント「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル TOKYO 2014」を2日間にわたって東京ビックサイトで開催した。初日はあいにくの雨模様だったが、プラチナチケットを入手できた数千人のファンが会場を埋め尽くした。
これまでラスベガスとロンドンで開催されてきたファンフェスティバル。最後を飾る東京はこれまでで最大の参加人数のビッグイベントとなった。寒空の下集まった数千人のファンが会場を埋め尽くし、朝から晩まで続く長丁場のイベントにも関わらず会場にはずっと人混みと行列が絶えなかった。
イベントの目玉は、春に発売される初の拡張パック「蒼天のイシュガルド」の新情報が明らかになる基調講演。プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏による発表は有料のストリーミングで生放送され、新種族「アウラ」や新ジョブ「占星術師」、「機工士」が発表された。詳しい内容は基調講演レポートを参照して欲しい。
2日目には「パッチ2.5」の新情報が盛りだくさんの「プロデューサーレターLIVE」が開催された。こちらもPLLレポートがあるので、参照して欲しい。
基調講演の後に行なわれたオープニングには、スクウェア・エニックス代表取締役社長松田洋祐氏、スクウェア・エニックス・ホールディングス専務執行役員の橋本真司氏らが挨拶を行ない、「新生FFXIV」がスクエニにとって重要なタイトルに成長したことを感じさせた。
他にも、蛮神オーディンと戦うバトルチャレンジ、コスプレ大会のようなステージショーを始め、来場者が参加できるアクティビティや、スポンサー企業による展示、物販コーナーなど多彩なブースがあり、朝から晩までゲームの世界にどっぷり浸ってたっぷり楽しめる内容になっていた。
2日目のクロージングセレモニーには、最後のあいさつでリードデザイナーの河本信昭氏が号泣。吉田氏も後ろを向いて涙をこらえる一幕もあった。ファンにとっても開発スタッフにとっても、思い出に残るイベントになったのではないだろうか。
このレポートでは、両日にわたって行なわれたイベント会場の熱気あふれる様子をお届けしたい。開幕後の片付けに追われる会場で、吉田氏から話を聞く機会を得たので、そこでのコメントも同時にお届けしたい。
会場はもうエオルゼア。丸1日ゲームの世界にどっぷり浸れる
会場は中央奥に3つの巨大モニターが設置されたステージが作られ、その右側にバトルチャレンジコーナーとスポンサー企業のブース。左にアクティビティコーナーや物販、ステージの正面には秋葉原で開催中の「ファイナルファンタジー エオルゼアカフェ」の出張版が、ゲームにちなんだメニューを提供した。
バトルチャレンジは「闘神オーディン討滅戦」と蛮神ルーレットの2種類。「闘神オーディン」はパッチ2.5で実装される新討滅戦を会場で一足早く体験できるというもの。ただし今回のオーディンはイベント用に調整されたものなので、ゲーム内に実装されるときには難易度が調整される。
蛮神ルーレットはコンテンツファインダーの討滅戦ルーレットのリアル版。大きなルーレットを回して戦う蛮神を決める。海外の開場では蛮神を選ぶルーレットだけだったが、日本ではさらに“全員1人称視点”とか“アクション4個限定”、“全員ウォーキング”などルールを指定するルーレットが追加された。どちらも戦闘に勝利するとパーティメンバー全体にオーディンのイラストが入ったTシャツがプレゼントされた。
「新生FFXIV」がパセラリゾーツとコラボして秋葉原で開催中の「エオルゼアカフェ」が出張してきた「出張エオルゼアカフェ」では、「水神リヴァイアサンの冷やし大海嘯麺」や「龍神バハムートのギガフレアカレー」、「錬金術師のクラフトレシピ」など、カフェで提供しているメニューを食べることができた。
筆者もリヴァイアサンの冷やしラーメンとエクスポーションを注文してみた。普通というと語弊があるが、ショッキングな青色を克服すればおいしいシーフード冷やしラーメンを食べることができた。エクスポーションはピンク色の炭酸飲料。毎日のようにゲーム内で飲んでいるだけに、味わいも感慨ひとしおだった。
会場の左奥には各種アクティビティと物販のコーナーが設けられた。無料で遊べるアクティビティには、カーリングをランドスライドに見立てて、落とした冒険者の数で点数を競う「落とせ冒険者!ランドスライド!」や、おもちゃのボウガンでモンスターを狙う射的ふうの「目指せコンプリート!討伐手帳!」、モーグリの顔が描かれたグローブを付けて、制限時間内に何回標的を叩けるかを競う「疾風迅雷の如く」、制限時間内になるべく多くの魚を釣る「太公望への道」など、バトルやギャザラーをイメージした8種類のミニゲームを体験することができた。また、クリスタルをイメージしたペンダントチャームでオリジナルのアクセサリーを作る彫金師ギルドや、トートバッグにキャラを配置して熱転写する(マテリアの禁断という設定)錬金術師ギルドと言った有料のアクティビティもあった。
アクティビティは遊ぶとスタンプが1付もらえる。スタンプを集めると、オリジナルネックストラップ、オリジナルステッカー、PCやプレイステーション4が当たる抽選会に参加するための抽選権などがもらえた。
アイデア勝負から数か月かかった力作まで勢ぞろいしたコスプレコンテスト
数多くのステージイベントが開催される中、初日にはプレーヤーが参加するコスプレコンテストが開催された。コンテストには48名が参加し、事前の1次審査に通過した15名による最終審査がステージ上で行なわれた。アシスタンドディレクターの高井浩氏、イベント統括の前廣和豊氏、UI担当の皆川裕史氏、リードテクニカルアーティストの鈴木健夫氏の4名による真剣な審査の結果、当日の朝3時まで作っていたというヒーラーのアラガン装備コスプレをした女性が最優秀賞に選ばれた。惜しくも1次審査で落ちてしまったが、クリスタルのコスプレや、室内氏のコスプレなどアイデアが光る個性的なコスプレが会場の笑いを誘っていた。
審査員特別賞は、チョコボの着ぐるみ。何を聞かれても「クエ」としか答えない可愛さが祖堅氏に刺さったらしい。LEDで光る詩学の弓装備、アコライト装備、蛮神シヴァのコスプレをした人は優秀賞を受賞した。
コスプレで参加すると専用シートが用意されいたりとメリットがあるため、会場にはコンテスト出場者以外にもコスプレをしている人をかなり目にした。アメリカではナイトが、ロンドンでは白魔道士のコスプレが多かったが、日本ではとにかくミコッテが多いというゲーム内と同じ現象のほかは実に多様なコスプレを楽しむことができた。アウラが発表された翌日には、スタッフとしてアウラの男性と女性の種族装備を着たコンパニオンもいて、記念撮影でにぎわっていた。
各日のフィナーレには、祖堅氏によるライブが開催された。1日目は祖堅氏とともに発売されたばかりのアレンジサウンドトラック「From Astral to Umbral ~FINAL FANTASY XIV: BAND & PIANO Arrangement Album~」のピアノアレンジを担当したKeikoさんによるピアノライブで、3国の街とフィールドの曲を優雅に演奏した。途中、祖堅氏が段ボールを足で蹴りながらグランドピアノと小さなおもちゃのピアノを弾き分ける「アムダプール市街」の演奏もあった。2日目は、蛮神の曲だけを演奏する祖堅氏を中心としたTHE PRIMALSのライブで熱く盛り上がった。
クロージング直後の会場で吉田氏に感想を聞いた
イベントが終了して片付けに入ろうとしている会場の片隅で、大きな仕事を終えたばかりの吉田氏に話を聞く機会を得た。ファンからプレゼントされたトンベリのマスコットをぽけっとに忍ばせつつ、イベントの感想や今後の目標などを語ってもらった。
――14の年の瀬がやってきました。このイベントが今年の締めくくりになると思いますが、いかがでしたか?
吉田氏: 今はもう単純にやりきれたなということだけです。開発みんなそうだと思いますが、改めてプレーヤーの方の支えというか、声援を割とストレートに受け取らせていただいたファンフェスになったなと思っています。その点は、むしろ僕らが感謝しています。
――今回集まってくれたファンの方は熱量が高いというか、ストレートに表現することが多かったように思うのですが、そのあたりはどうでしょうか?
吉田氏: 今日この空間のこの場所は「新生FFXIV」のことを知らない人は誰もいないので、思い切り「新生FFXIV」の話ができて「新生FFXIV」のちょっとしたネタでも盛り上がれるし、いくら濃い話をしたところで何言ってるんだろうこの人? みたいなことがありません。そういう意味で、やりたかった通りの「新生FFXIV」づくしの2日間がやれたので、皆さんもストレートな気持ちを出していただけたのではないかと思います。
――終わったばかりですが、今までの海外のファンフェスと東京を比べて違いは感じましたか?
吉田氏: 改めてですが、変わらないんだなと。ゲームが好きでいてくださる方って国籍はあまり関係ないと、すごく思いました。ライブに関しては、日本人気質もあるし、なかなかノリづらいかなと思っていたのですが、むしろ世界で一番THE PRIMALSのライブを盛り上げていただいたので、皆さんストレートに楽しんでくださったかなと思います。
――吉田さんは実は感動やなんですよと今回のイベントのどこかでもどなたかが言われてましたが
吉田氏: そうですね、僕結構もろいんですよ。映画でもぼろ泣きする方で。
――この1年間の苦労が浄化された感じだったのですか?
吉田氏: きついときは確かにきついですからね。強い方だとは思いますが人間ではあるので、やはりネットを見ているときついこともないといえば嘘になります。ただ本当に皆さんにパワーをもらっているのだなと改めて感じました。今日会場に来ている皆さんもそうなのですが、この2日間はイベントが多くてそんなにたくさんの人とコミュニケーションをとる時間はとれなかったのですが、会場にいる人はもちろんですが放送の向こう。吉田弾幕がへんな刺さり方をしちゃって。普通に考えると幸せなんだなと、それで、来ちゃいましたね。思い出すと危ないのでやめましょう(笑)。
――これで3国をファンフェスで回られましたが、またやられますか?
吉田氏: そうですね、わりと宣伝もそうですが、しんどいねファンフェスってと言ってたのですが、やりきってしまうとまたやりたいの方が強くなって(笑)。今回初めてこういったゲームのイベントに来られたという方もたくさんいらして、特に「FF」のイベントも初めてですという方も多くて、ぜひまたやってくださいという声をたくさんいただきましたので。それこそ、今日会場が小さかったので来られなかったという皆さんからも恨みをたくさんいただいているので、もっと大きい、バンドみたいでアレですが、もっと大きいハコでもっとたくさんの人と「FFXIV」を楽しめればと思っています。ゲームだけではなくイベントも盛り上げていきたいかなと思います。
――今回のイベントで抽選会など喜びや幸せをみなさんに与えてましたが、もうすぐクリスマスですが吉田さんが一番欲しいものはなんですか?
吉田氏: 僕は今1つ上げるとしたら時間です。誰もくれないと思いますし、全員平等なので。でもやりたいことがいっぱいあって。それは開発もそうですし、高井浩も言ってましたが詩学が集まってないのですよ。バハムートも行きたいし、まだ上げ足りないジョブのアイテムレベルがあったりするし、(リアルでは)とにかくスノーボードに行きたいですよ。ここ数年で久しぶりに11月に滑りにいけなかったので行きたいですし。後は本当に、もっと詰め込んだ3.0をお届けしたいので、何が一番欲しいですかと聞かれたら、欲張りなので時間さえあればなんとか。寝ないで稼ごうと思います(笑)。
――「蒼天のイシュガルド」の新情報が発表されて、ネットの反応なども見られていると思いますが、予想通りだったこと予想外だったことなどがありますか?
吉田氏: 新ジョブ関しては皆さんの予想を外していたところがあったと思います。ポジティブに「楽しみだわ」という声をたくさんいただいていて、僕自身が楽しみにしつつ作っているのでよかった点です。アウラについては、確かにヴィエラを想像していた方もいたと思います。僕らも1回設定まではしてみたのですが、ミコッテがいる以上ここをかぶらせてどうするのだろうと。ヴィエラって女性のヒールの高さが特徴ですが、あれも出しにくいですし、ウサ耳がついた男もなあ、というのもあって、やはりないなと。今ある5種族の中にいなくて刺さるところはどこだろうと、本当に悩んでデザインもたくさんしたうえで決めていったのですが、結構好き嫌いは出るかなと思っていました。ミコッテの戦化粧ですら外してほしいというリクエストをたくさんいただいていて、そんな中で芯を持ったユニークなキャラを作っていくのはなかなか大変なのです。だからアウラも賛否がはっきりするかなと思っていたのですが、アウラいけてるんじゃない?という声をかなりいただいていたのはすごく嬉しかったです。
――今回発表内容としても「蒼天のイシュガルド」と「パッチ2.5 希望の灯火」と、これまでに比べてもかなりボリュームのある発表内容だったと思います。それらを含めて来年は「FFXIV」にとってどんな年になりますか?
吉田氏: 今回、2日間で色々なことを発表させていただいたので、まずはそれを1つ1つ皆さんの期待にお応えできるような形にしてお届けすることが、僕らが春までにやらなければならないことなので、まずはそこに向かって着々と進めるのが1つ。それを越えたら、今回の拡張パックは単純にMMOの拡張という考えではなくて、改めて「FFXIV」という新しいゲームが出ますというPRを大きく世界中にさせていただいて、まだ経験されたことがないかたにもプレイしていただきたいです。オンラインの「FF」は「FF」ではないと言ってはばからない方もまだまだいらっしゃいます。そういった人たちに「FF」らしさをお届けするいい機会なので、リリースした後はそれをしっかりお伝えしていって、1人でもたくさんの人に遊んでもらえる2015年にしたいです。それが次の目標です。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
吉田氏: 本当にお恥ずかしいところをお見せしてしまいました。さっきプレーヤーの方にも「いつ泣いてもいいんじゃぞ」と言われてしまって(笑)。でも、河本も言っていましたが、僕らって結局自分たちだけでゲームを作っているわけではないということを、本当に心の底から改めて感じさせてもらったし、そういうお客様に恵まれてこんなに幸せなことはないと本当に思ったイベントでした。嘘偽りなく、これからも皆さんとキャッチボールをして一緒に作っていく「FFXIV」でありたいと思っています。「3.0」やその先に向けて作り続けていくことしか僕らがやれることはないので、その過程の中で、今回のようなイベントを定期的に開催して、皆さんと直接お話しをしながら、楽しみつつ開発を続けたいと思います。皆さんも言いたいことがあれば、ぜひゲームの中で「吉田ああああ!」と言って、イベントに来て、また叫びたいときには叫んでいただいて、一緒にゲームを作っていきたいなと思います。良いクリスマスと年末をお過ごしいただいて、年が明けたら怒涛の勢いで2.5が来ます。2.0シリーズの終焉がエオルゼアで待っていますので、そのラストに希望の灯火となってまた戦いを続けていただきたいと思います。
――ありがとうございました!
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