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PS4ファーストインプレッション~セットアップからSSHDの載せ換えなどを試してみました~
HDDをSSHDに交換してみました
(2014/2/23 23:50)
HDDをSSHDに交換してみました
PS3のときも内蔵HDDを標準のものから高速・大容量のものに交換してみたが、今回もHDDを交換することにしてみた。理由は、標準の500GBでは、ダウンロード版やオンライン専用タイトルもソフトの容量が大きめになってきていることもあり、後々交換するハメになるだろうという予想、そして、初期段階で交換すれば、バックアップする手間がいらない、ということからだ。PS4に搭載できるのは、厚さ9.5mmの2.5インチ、つまりノートPCなどに使われている小型のHDDになる。ただし、すべてのHDDに交換できるかどうかは保障されていない点は注意してもらいたい。
○ HDD交換にはシステムソフトウェアの再インストールが必要
これは重要なことなので、先に書いておくと、PS4ではHDDを交換した後、本体を「セーフモード」で起動後、別途USBメモリなどUSBストレージにコピーしておいたシステムソフトウェアを再インストールする必要がある(ハードディスクを交換する前に使っていたシステムソフトウェアよりも古いバージョンのアップデートファイルは、再インストールできない)。現状、再インストールに使うUSBストレージには900MB以上の空き容量が必要。つまり、アップデータが現状400MB前後なので、2GB以上のUSBフラッシュメモリなどを用意して、アップデーターをPCでコピーしておくことが必要となる。
システムソフトウェア自体は公式サイトからダウンロードする形になるが、通常のアップデーターと違い、再インストール用のアップデートファイルがこちらに用意されているので、これをダウンロードしておこう。2月23日現在、システムソフトウェアのバージョンは1.61(2月18日更新)。アップデートファイル(再インストール用)をインストールすると、すべてのユーザーとデータが消去されるため、もし、すでにPS4を利用していて、これからHDDを交換する、という方は、あらかじめUSBストレージにセーブデータのバックアップを作っておくこと。
PSPやPS VitaなどのアップデートをPC経由で行なったことのある人ならおわかりかと思うが、ダウンロードしたアップデートファイルを「PS4UPDATE.PUP」というファイル名で保存(そのまま保存すれば大丈夫だろう)、USBストレージ機器に「PS4」という名前のフォルダーを作成し、その中に「UPDATE」という名前のフォルダーを作って、そのフォルダの中に「PS4UPDATE.PUP」をコピーする。ちなみに、フォルダー名やファイル名は半角の大文字にすること。
コピーしたUSBストレージを電源をOFFにしたPS4(電源ボタンに7秒以上触れてOFFにする)にセットし、電源ボタンに7秒以上触れて起動させると、PS4がセーフモードで起動する。セーフモードの7番「PS4を初期化する(システムソフトウェアを再インストールする)」を選び、あとは画面の指示に従って操作すれば、再インストールが行なわれ、交換したHDDが使えるようになる。なお、新品のHDDを接続して起動すると、起動シーケンスが途中で停止し、PS4が再起動、そのままシステムソフトウェアの再インストールを求められるので、USBメモリにコピーした再インストール用アップデーターを選んで、あとは手順に従えば作業は終了となる。
○ HDDにする? SSDにする? SSHDにする?
初代PS3時代は、内蔵HDDをより大容量のものにするか、高速なものにするかしかほぼ選択肢はなかったが、時代は流れ、NANDフラッシュメモリを使い高速にデータを読み書きできるSSD、そしてHDDにNANDフラッシュメモリを加えたハイブリッドHDD=SSHDが登場している。PS3にSSDやSSHDを交換して搭載しているユーザーの方もいるので、今回PS4にも……と思ったのだが、SSDは容量の割にまだまだ高価で、750GBぐらいでももう1台PS4が買えてしまうほどのお値段のご様子。かといって、高速化を狙っても、500GBより少ないものに交換するのはあまりうまくない。
現状の選択肢としては、HDDでより大容量のものにするか、SSHDでちょっと高速化を狙いつつ大容量のものにするかの2つが考えられるので、今回はSSHDにしてみた。
用意したのはSeagateの「ST1000LM024」。5,400回転のキャッシュ64MB、フラッシュメモリ部は8GBのMLCというモデルだ。MLCより長寿命といわれるSLCフラッシュメモリを使ったモデルとしては、東芝のMQ01ABD100Hがあるが、都合で入手できなかった。
○ 交換作業はポイントを押さえれば楽
さていよいよ交換だが、「セーフティーガイド」のとおりに進めれば問題ない。電源を完全にOFF(電源ボタンを7秒以上押し続けるか、PSボタンを1秒以上押したままにして表示された画面で[PS4の電源を切る]を選ぶ)にしてから、電源ケーブルを外しておこう。
PS4のロゴがある光沢部分のパネル(ベイカバー)は取り外しできる。PS4を寝かせて、ベイカバーを少し押し、上にずらすようにすれば、まず1cmぐらいパネルをずらすことができるだろう。その後、ずらしたパネルと本体との間に横に指を入れ、さらに押し上げるようにするとパネルがずれて外れる。
HDDは正面側に向けてスロットが設置されており、4つのネジでアタッチメントに固定されている。アタッチメントは1カ所のみ○、×、△、□の刻印されたネジで固定されているので、このネジをはずせば、後は軽く引っ張るだけでアタッチメントごとHDDが取り出せる。4つのネジをはずしてHDDを入れ替え、逆の手順で元に戻せばOK。アタッチメントにはめ込まれているゴムが外れた場合は、先に戻してからネジを締めること。
HDDからSSHDに交換してみて、いくつかの条件でスピードアップしたのかをチェックしてみた。手動のストップウォッチで何回か試しての平均値を掲載する。誤差があるのはご了承いただきたい。
同梱HDD | SSHD |
---|---|
【電源ONからPSロゴ→注意書き表示まで】 | |
17秒 | 15秒 |
【「RESOGUN」起動からロゴ表示まで】 | |
26秒 | 24秒 |
【「ストライダー飛竜」体験版起動からロゴ表示まで】 | |
15秒 | 15秒 |
【「龍が如く 維新!」体験版起動からロゴ表示まで】 | |
27秒 | 27秒 |
【Doki-Doki- Universe起動からロゴ表示まで】 | |
24秒 | 24秒 |
ソフトの起動の場合、ロゴ表示などは規定されている時間は表示しなくてはならないなどの理由があるだろうから、それほど差がつかないだろうと思いつつ計測してみたが、HDDとSSHDでほとんど速度差は出なかったといえる。HDD部の回転速度が同じなので、フラッシュメモリの使われ方次第だと思われるが、今後大容量のデータの転送などができるようであれば、速度差が出てくるのかもしれない。
そういった意味では、より大容量のHDDに換装するのが最もコストパフォーマンスに優れているといえる。2.5インチHDDとなると、1,5TB~1TBあたりが選択肢と考えられるだろう。
また、通常使用においては、スタンバイモードを利用することとなるので、起動/スタンバイモードへの移行は完全な電源OFFよりは早くなる。スタンバイモード中はファイルをダウンロードしたり、USB端子からコントローラーの充電が可能(設定で変更できる)。
よりネットワークと結びついたホーム画面
さて、実際にPS4を使ってみる。どんなことができるのか、といったあたりは公式サイトの「PlayStation 4 ユーザーズガイド」に項目別に整理されているので、こちらを参照いただきたい。
すでにSony Entertainment NetworkのアカウントをPS3やPS Vitaなどで作成している場合は、ホーム画面左上の「PSN」ロゴからアカウントを入力することで、すぐにPSNにログインすることができる。1つ入力を求められるのが、「名前とプロフィール写真」の入力。PS4では実名とプロフィール写真をフレンドに公開することができるようになっているので、その入力を初回時求められることになる。今までどおりアカウント名とアバター表示を選ぶことも可能だ。
PS4のホーム画面は「PlayStation Dynamic Menu」と呼ばれる新たに開発されたメニュー画面となっている。コンテンツを選んで○ボタンで起動し、PSボタンを押せば、ホーム画面に戻ることができる(この状態では起動したコンテンツは終了していない)。コンテンツを終了したいときはPSボタンを長押しして、メニューから「アプリケーションを終了する」を選んで○ボタンを押す。
このとき表示されるメニューでは、周辺機器の設定や、PS4からのログアウト、スタンバイモードや電源を切ることもできる。このあたりはPS3に似ている。
ただ、ディスク版のソフトの場合、初回ディスク挿入時、まず起動準備としてインストールが始まる(アイコンの下に進行度が表示される)。1度インストールが終了すれば、それ以降はこの動作はなくなるが、コンテンツエリアにきちんとそのタイトルが残り、起動しようとすると、ディスクを要求されるようになっている。すべてのディスクタイトルがそうなるのかどうかはわからないが、今回試したディスクタイトルはすべてこのような動きをとっていた。
PS3と違い、ホーム画面が横画面にあわせて並んでいて、最初は戸惑うかもしれないが、それ以外は大きな違いはあまりないといっていいだろう。細かいところを見ていくと、ホーム画面の根本的な考え方はPS Vitaのものにも似ていると感じられる。
基本的にネットワークとの連携をメニュー表示などにも活かしていて、ネットに接続していれば、コンテンツの情報などもわかりやすく表示され、単にソフトを遊ぶだけでなく、その周辺情報や、SHAREした/された動画などもメニューに表示される点は、PS4ならではだな、と思える部分だ。ネット回線がある程度高速であれば快適、かつ便利に使えるホーム画面だが、なんらかの理由でネットにつながらないような状況では、この情報たちがさっくり表示されなくなってさびしい思いをすることになる。ちなみにサポート情報にオフラインでできることがまとめられている。
まだそれほどじっくりと本体を使ってきてはいないのだが、本誌でも今までいろいろ語られてきた、PS Vita/Vita TVによるリモートプレイ、SHAREボタンによるFacebookやTwitterへの投稿、そしてPlayStation Appと、やはりネットワークを使っての友達や知り合いを中心としたコミュニケーションの基幹として、PS4は据え置きプラットフォームでありながら、外にいるときはコミュニケーションや情報伝達を別のプラットフォームを使って行なえ、さらに本体から離れた場所でのリモートプレイなどを組み込むことで、できるだけPlayStationの世界に浸る時間を作り出そう、その世界の密度を上げて、広げていこう、という考えに基づいて作られているのだな、とは感じられた。
ただ、本体機能に関しては、基本的に押さえなければならないポイントは押さえていると思われるが、それ以外は制限をかけているというか……写真や音楽を楽しむといったことをはじめ、メディアサーバーのクライアント機能やDLNA、nasneへの対応など「PS3でできていたことがPS4でできない」ということが多い気がする(音楽はSENで楽しめるが、PS4はCDに対応していないので取り込んで楽しむことは現状できない)。また、周知のことではあるが、PS3との互換性に関しては、PS3のディスクゲームをプレイする手段は用意されていない。
また、「ゲームグッズ研究所」でも報告されていたが、USB接続によるPS3で使えていた周辺機器がほぼ使えていないのも、「できない」のか「させていない」のかがわからない。「ニコニコ動画」の対応など、今後、機能のアップデートも行なわれていくが、PS3でできていたことがどれだけできるようになっていくのか、そのあたりは特に気になる。注目していきたいところだ。