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「シーフ」プロデューサーStephane Roy氏が語る作品の魅力

Roy氏インタビュー。超ハードコアプレイも可能。多彩な遊び方ができる作品に

Roy氏インタビュー。超ハードコアプレイも可能。多彩な遊び方ができる作品に

Roy氏は身振り手振りを加えてゲームの説明をする
「シティ」のイラスト。いくつもの区画に分かれている。ストーリーに合わせていける区画が増えていく

――現在のゲームの完成度を教えてください。それとRoyさんのゲームに対する現在の感想を。

Roy氏: 現在は完成間近で、最後のバクチェックの段階です。今はその問題への対処、不具合の発見に追われていますね。ゲームに関しては今触っていただいて、あなたが感じたことがゲームへの感想、そのままなんじゃないでしょうか。

――過去作に加わっているメンバーがいないとのことですが、過去人気であった「シーフ」のリブートをRoyさんが任されたときの気持は、どんなものだったでしょうか?

Roy氏:話が来た時はとても興奮しました。同時に過去の人気作に対してのプレッシャーもありました。「『シーフ』はこうでなくては」というこれまでのファンの期待に応えるため、タイトルを分析しました。同時に新規のお客さんに対しても魅力的なタイトルになるようにも作っています。

――「シティ(THE CITY)」では権力者と、革命を望む勢力の対立があるということはアナウンスされていましたが、プレーヤーの選択でゲームのストーリーは変化するのでしょうか?

Roy氏: 今回体験していただいた部分ではストーリー要素は少なめでしたが、ここから自分の状況を知るためのギャレットの活動や、そこから明らかになっていく街の対立など、ストーリーは加速していきます。ストーリーに分岐要素はありませんが非常に凝っており、自信を持っています。楽しみにして欲しいですね。

 ストーリーはひとつですが、自由度は、どんなルートを進むか、お宝に対してどんなアプローチをしていくかといったところで持たせています。ストーリーを進めるだけでなく、フィールドを自由に探索することも可能です。

――フィールドを探索できるタイミングは?

Roy氏:ミッションとミッションの間に自由に探索できるインターミッションが用意されていて、ここで街の探索ができます。ゲームが進むと挑戦できるサイドミッションが増えてくる形になります。ストーリークリア後では自由に全てのサイドミッションに挑戦できるようになります。ちなみに、革命が進むと街にプロパガンダのポスターが貼られるなどの変化があるので、探索時に街の見た目の変化も楽しめます。

――フォーカス以外にギャレットは特殊能力に目覚めたりするのでしょうか?

Roy氏: 魔法を使う、といった要素はありません。フォーカスをアップグレードすることで、ピッキングで鍵の内部構造がわかったり、色々なスキルを習得することができます。フォーカス時にスローモーションになる能力も後に習得するスキルです。

 スキルのアップグレードにはゴールドを使います。武器などのアップグレードも同じで、このためステージ内でできるだけお金を稼ぐ必要があります。ちなみにフォーカスのアップグレードある女性にお金を払うことでできます。武器などはお店ですね。

 ゴールドを得るためのオブジェクトは光っているので気づきやすいですが、実はオプションで光らなくすることもできるんですよ。

――光らないと気づきにくいですよね。ライトジェムを消すなど、「シーフ」はオプションで様々な制約を設けることができるとのことですが、難しくするメリットは何でしょうか?

Roy氏: 「シーフ」はプレーヤーが設定することで様々な情報を制限し、よりリアリティのあるプレイができるようになっています。敵や鳥に姿が見つかった瞬間、ゲームオーバーとなりステージの最初からプレイしなくてはならないといった設定もできます。

 難易度「カスタム」ではこのように詳細に設定できますので、例えば終盤までゲームを進めていても敵に見つかった瞬間、ゲームの最初に戻されるといった設定も可能です

 こういった要素を入れたのはオリジナルの「シーフ」を遊んでいたハードコアプレーヤーのためです。「最近のゲームはぬるい」という人向けの要素で、ものすごく難しいゲームとしても楽しめるように作りました。もちろんそういったことを気にせずカジュアルにストーリーを楽しみながらプレイすることも可能です。

――本作は自由度という所に力を入れているように感じました。1つのゲーム性、1つの面白さにフォーカスしテーマ性を強くするのではなく、プレーヤーそれぞれの楽しみ方を見つけていくようなゲームデザインというものは、難しいのではないでしょうか?

Roy氏: 欧米のファンはまず自由度を求めるので、ゲームプレイを限定するというデザインは考えなかったです。こちらの思いに対して「俺はこう遊びたい」と意見をぶつけてくるのが欧米のゲームプレーヤーだからです。あえて遊び方のオススメという意味ならば、敵を倒しまくるプレイよりは、徹底的に人から見つからないようなプレイを心がけ、街の住人がどんな生活をしているか、どんな会話をしているかを観察することで街のバックグラウンドが楽しめると思います。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

Roy氏: プレーヤーの皆さんに、「シーフ」の面白さを見つけてもらいたいと思います。様々な楽しさを見つけてもらえるように作り込みました。今回、初めて「シーフ」が日本語にローカライズされます。どうして欧米で人気を得たのか、その理由を知り、“泥棒になる”という本作ならではの楽しさを感じて欲しいと思います。

【コンセプトアート】
石造りの陰鬱そうな「シティ」

(勝田哲也)