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【特別企画】君は「ウォーターライン」シリーズを知っているか!?(後編)
アオシマ艦船モデル担当者飯島秀実氏に聞く、艦船モデルの作り方と楽しみ方
(2013/11/14 00:00)
「ウォーターライン」シリーズの魅力に迫る特別企画後編では、「ウォーターライン」シリーズのラインナップにフォーカスを当てた前編から、さらに艦船モデルの深い部分にまで踏み込んでいきたい。
艦船プラモデルメーカーで、「艦隊これくしょん -艦これ-」にいち早く反応したメーカーが“アオシマ”の名で親しまれている老舗 青島文化教材社だ。アオシマは「アオシマ鎮守府」というページを作り、艦これグッズを積極的に展開している。
アオシマは「ウォーターライン」シリーズもグッズ戦略に組み込んでいる。「ウォーターライン」シリーズに「艦これ」仕様の特別パッケージに、エッチングネームプレート、専用デカールなどを同梱したセットの販売を10月から始めており、タミヤやハセガワの「ウォーターライン」シリーズでも特別パッケージで展開していく予定である。まずはアオシマの取り組みを取り上げていきたい。
さらに「ウォーターライン」シリーズをはじめとして、艦船プラモデルを手がけるアオシマ企画開発部の飯塚秀実氏にインタビューを行なった。独特の魅力を持った艦船のプラモデル。プラモデルそのものにも歴史があり、独自の進化を遂げている。制作者達はどのような想いを持って、製品を作っているのだろうか。また、現在の「艦これ」ブームで、軍艦に注目が集まっていることをどう思っているのだろうか?
艦船プラモデル初心者に向けてのアドバイスも聞いてみた。特に軍艦のプラモデルはガンプラなどの接着剤を使わないスナップフィットのプラモデルとも、車や飛行機などのスケールモデルとも異なる細かさと、独特のテクニックが必要となる。艦船モデルの魅力、作り方を聞いてみた。
ブームに乗り積極的に展開していくアオシマの「艦これ」プラモデル・グッズ
インタビューに入る前に少しだけアオシマについて説明しておきたい。アオシマは戦前から動力付き飛行機模型を販売している筋金入りの老舗模型メーカーである。1950年からプラモデルを開発し、スケールモデルや、SFメカのプラモデルを販売して人気を博していった。1970年代はロボットやSFメカを独自解釈で分割し、合体遊びが楽しめる「合体シリーズ」を展開。接着剤を使わないスナップフィット方式を採用し、他のシリーズとも合体できる自由度の高さから大きなヒットとなった。
ガンプラブームの時にはアニメ「伝説巨神イデオン」のメカを同一スケールで再現するシリーズなども展開した。「トラック野郎」の流行に合わせて販売を開始したデコトラシリーズのプラモデルは現在でも人気だ。最近は“痛車”のプラモデルを手がけたり、フィギュアを出したりと様々な挑戦を行なっているメーカーである。
「艦これ」でアオシマは「ウォーターライン」シリーズにゲームキャラクターのエッチングネームプレートや、カードを入れ特別パッケージでの販売も行なっていく。第1弾が「長門」であり、第2弾が11月末に販売される「愛宕」だ。説明書にも「艦これ」のイラストを盛り込み、模型初心者を意識している。付属のデカールを船に張れば、「痛軍艦」を作ることも可能だろう。
アオシマはさらにタミヤ、ハセガワとも協力し、それぞれのメーカーから出しているウォーターラインシリーズも同じように特別パッケージと、ネームプレートなどをセットにして販売していく予定だ。さらにアオシマが得意な痛車プラモデルでも、「艦これ」キャラクターを使っていく。
細かく精密な飾り付けを可能にしたのは、「トラック野郎」の“デコトラ”のプラモデルで培われた技術である。その技術を応用して痛車のプラモデルでキャラクターイラストをデカールで再現するということを実現した。今回の「艦これ」のデカールはその技術を応用したのだ。
エッチングの技術は艦船プラモデルでのものだし、デカールの印刷技術と組み合わせ、金属パーツでありながらイラストの細かいタッチを再現したネームプレートを作り出している。また、アオシマはフィギュアも製作しており、先日開催された全日本模型ホビーショウでは艦娘の「雪風」のフィギュアが展示されていた。
今後もフィギュアに関しても積極的に取り込んでいくという。美少女フィギュアとしてのこだわりはもちろん、艦娘達が身体につけている砲塔や艦橋といった原型の艦船を思わせるパーツには、老舗のプラモデルメーカーならではのこだわりを活かすという。アオシマのプラモデル技術が活かされるフィギュアはどのようなものになるだろうか。