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バンダイ、静岡ホビーショーで「MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0」を出展
「1/72 VF-1 A/S バルキリー 一条輝機」は河森氏の構想を30年越しに再現
(2013/5/17 17:40)
バンダイは、5月16日から19日まで開催されている「第52回静岡ホビーショウ」において、タミヤ(記事はこちら)に次ぐ規模で出展を行なっていた。バンダイホビー事業部のプラモデルで、“ガンプラ”を中心に様々なキャラクターの新作プラモデルが出展されていた。
中でも注目を集めていたのが「MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0」である。この他にも「マクロス」シリーズ30周年を記念して製作された「1/72 VF-1 A/S バルキリー 一条輝機」、さらに「ダンボール戦機」や「宇宙戦艦ヤマト2199」のプラモデルなども多数出展されていた。
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム」は可動と装甲のスライドに力を入れたモデルに
「MG(マスターグレード)」は1995年に発売された「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム」からスタートしたシリーズだ。“当時の最高の技術を結集してモビルスーツを表現する”というテーマで、内部構造などを再現するといったところに特徴を持っており、サイズも大きく、人気のシリーズだ。
RX-78-2 ガンダムはMGで最も多く取り上げられたモビルスーツだ。1995年のシリーズ第1弾を皮切りに、「ver1.5」が2000年、メカデザイナーのカトキハジメ氏によるデザインの「Ver.Ka」が2002年、「Ver.ONE YEAR WAR 0079」が2005年、そして「Ver2.0」が2008年に発売されている。
それぞれのプラモデルにはテーマがあり、特に「Ver2.0」は“原点回帰”を目指し、アニメでの「ガンダム」を思わせるシンプルなデザインでありながら可動域が増えており、コアファイターの収納表現に注力するといった「アニメ設定の再現」を目指した。それまでMGのガンダムは装甲の継ぎ目などアニメ版から情報量を増やし、実際にガンダムが現実にあったらどのようなメカになるか、という方向性だっただけに、異色といえる方向だった。
そして8月に発売される「MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0」は、全身に細かいモールドが施され、アニメ版から情報量を増やした従来のMGの方向性を継承する形での造形となった。今作の最大の挑戦は可動域であり、「Ver2.0」以上の自由度の高いポージングを可能にした。会場では深く腰を落とした形での膝立ちポーズでの展示もされていて、その関節の自由度をアピールしていた。
この可動に合わせて装甲がスライドするというのも本作のセールスポイントだ。特に足は、折り曲げると腿の部分など複数の装甲がスライドする。内部機構を露出させない、戦闘機械としての表現を目指したという。
装甲のスライドに関しては、「RG(リアルグレード)」の影響も感じさせた。RGが1/144だったのに対し、「MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0」は1/100であり、大きいサイズのロボットの関節が動き、なめらかに装甲がスライドするのは、よりインパクトが大きい。
この他、武器の保持に関してもより安定性を増すなどさまざまな改良点が盛り込まれているという。可動を確保しながらコアファイターの収納も実現している。ガンダムは常にバンダイのプラモデルの最新技術が投入されて作られる。「MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0」が指し示す方向性は、今後のガンプラに影響を与えていくだろう。
これまでのMGでは豊富な武器の付属も魅力だったが、今作では目を光らせるLEDユニットや、ガンダム・ハンマー、ハイパー・バズーカなどの装備を「拡張セット」として別売りにするようだ。同梱版などは登場するのか、今後の情報を待ちたい。
30年の時を経て“腰”のギミックを実現した「1/72 VF-1 A/S バルキリー 一条輝機」
6月29日に発売される「1/72 VF-1 A/S バルキリー 一条輝機」も注目を集めていた。「マクロス」30周年を記念し、劇場版の「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」に登場した「VF-1 A/S バルキリー」を立体化している。
バルキリーは機種により頭部が異なっており、劇中主人公の一条輝は「VF-1 A」と「VF-1 S」に搭乗する。キットには2つの頭部が付属しており、差し替えでどちらも再現可能となる。「マクロス F」のプラモデルで培われた技術を活かした「最高のVF-1 バルキリー」を目指して製作されたという。
このキットの最大の特徴は“腰”にある。これまで「VF-1」は様々な立体化が行なわれてきたが、ファイター形態では機体中部に接続されていた脚部が、バトロイド形態では機首ブロックに接続されるという変形部分の再現が、特に難しいとされていた。この部分を部品差し替えで再現するモデルも少なくなかった。
今回のプラモデルでは足の移動用に専用のアクチュエーター機構がデザインされており、このメカニズムが機首ブロックへ足を接続するというプロセスを可能にした。また機首部分は引き出すことで関節が出てくる設計になっており、これにより腰をひねるなどのポーズも可能となった。
このアイディアそのものは、メカデザイナーの河森正治氏が30年前からすでに考えていたが、今回改めて機構そのものの考察も行なわれた。この腰の変形プロセスは最も力の入った部分となっている。
劇中VF-1は様々な状況に対応するための装備が用意されているが、宇宙用の「スーパーパック」は別売りで同時発売される。頭部形状やカラーリングの異なるバリエーションでの展開も期待したい。