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【特別企画】思わず大人も欲しくなる魅惑の「トミカワールド」の世界!

ヒット作をリニューアル「スーパーオートトミカビル」、「トミカ シティパーキング」

スーパーオートトミカビル

2010年発売
価格:6,279円
サイズ:64.5×38×21cm(幅×高さ×奥行き)

「スーパーオートトミカビル」は過去に大ヒットした商品のリニューアル。スロープやエレベーターに未来的な雰囲気も持っている
最大の特徴は透明なエレベーターだ。ショーケースのように車が並ぶのが楽しい

 「スーパーオートトミカビル」は2010年に発売された。トミカ40周年記念の作品で、1971年トミカ誕生から1年後に発売された「トミカビル」を現在の技術で全面リニューアルしたものだ。“ビル”という名前ではあっても、立体駐車場のような構造になっており、トミカを1番上まで持ち上げ、そこから4階建てのビルをトミカがぐるぐると回って降りていくという構造になっている。

 最も目を惹くのがエレベーターだ。透明な円筒の中をらせん状のパーツが回転していて、トミカを上へと持ち上げる。この時上がっていくトミカが、まるでショーケースのように整然と並んで持ち上げられていくのが楽しい。そして最上階からビルの中を滑り降りていく。ぐるぐるとビルの外周を回るトミカは、ゲートを下ろすことで各階の駐車場に止めることも可能だ。

 このらせん状のギミックはかなり試行錯誤をしたと流石氏は語った。最初は車が縦になって垂直に上っていく方式を考えたのだが、これだと車高の高さが違うトミカが持ち上げられない。また見栄えと言うことも考え、らせん状のギミックとなったという。

 らせんのエレベーターはトミカを再びエレベーターにセットするためにも使われており、一段分だけ上に上がり、カーブを曲がって正面に回り込むようになっている。またエレベーターに連動してストッパーが上下する仕組みもあって、1台1台きちんとエレベーターにセットされるようになっている。エレベーターの上にはヘリポートがあり、こちらも回転する。トミカにはヘリコプターもあり、このヘリポートに置くことで動きを与えられる。

 また、独立したギミックだが、1番下の階には扉のある駐車場があり、扉を開けるとトミカが勢いよく飛び出してくる。これは“お気に入り”のトミカを入れておける“隠し駐車場”となっている。また1番下の階はショッピングビルをイメージしたイラストや、セルフの給油所が用意されている。給油所は初代「トミカビル」にもあったギミックで、リスペクト要素でもあるという。

 イラストで描かれるショッピングビルの中の人々は「プラキッズ」というトミカ・プラレール共通のフィギュアで、プラキッズが座れるテーブルや展望台も用意されている。「トミカワールド」はたくさんトミカを持っていればさらに楽しくなる、「もっとトミカが欲しい!」と感じさせる商品だが、「スーパーオートトミカビル」は現在展開している幅広いトミカのラインナップとのコラボレーションを積極的に行なっていると感じた。

 面白いのは、ヘリポートを手で回転させることで、手動でエレベーターが動かせるところだ。「電池を使わなくても楽しめみたい」というユーザーの要望を受けてのギミックだという。この電池を必要としないという要素は次の「トミカ シティパーキング」でも取り入れられている。

【スーパーオートトミカビル】

特徴的なスロープなどのデザインは受け継がれている。過去の作品とシルエットに共通点が多く、「見覚えがある」と感じる人も多いだろう。最新作として、さまざまなポイントがパワーアップしている

トミカ シティパーキング

2004年発売
価格:6,090円
サイズ:76×50×35cm(幅×高さ×奥行き)

「トミカ シティパーキング」は手で遊べる要素にフォーカスした作品だ
わざと渋滞を起こして一気に流す。子供に人気のギミックだ

 「トミカ シティパーキング」は大型ショッピングビルの駐車場をイメージした作品で、今回紹介した他の3つとは異なり、「自分で動かす」という点にフォーカスしている。子供は入口を操作してトミカをエレベーターに入れ、任意の階まで運び、駐車場に車を入れる。エレベーターは電動だが、駐車場に入れたり、出したりする作業は全部手でスイッチを操作して行なう。発売は2012年7月。「トミカワールド」の最も新しい作品となる。

 この「トミカ シティパーキング」も大きなヒットとなった「トミカパーキング」という作品のリニューアルとなる。「これまでは循環8割、手遊び2割というバランスで商品展開を行なっていましたが、今回は“手遊び”要素を重視した物になっています」と流石氏は語った。

 エレベーターで上っているとき、上昇に合わせてエレベーター内部がクルクルと回転し、駐車スペースで車の向きが合うようになっている。もしずれてしまった場合でも、微調整するダイヤルも用意されている。車が回転しながら上昇するのは特撮番組のメカの発進シーンのようで面白い。駐車位置で車の向きが揃うところも感心させられる。そして出口は1番上となる。1番上でエレベーターの床のスイッチを動かすと車は勢いよくスロープを降り、エレベーターの入口で停車する。

 スロープには車を止められるゲートと、エレベーターではなく建物の外に出せる仕切りがある。これはスロープの出口付近で車を止め、何台も渋滞状態にして、そこからゲートを上げることで一気に車が坂を下りていく遊びをさせるためだという。これは実際に子供達が「トミカワールド」を遊んでいるとき、手で車をせき止め、そこから一気に流すという事をやっていたのを見て取り入れたギミックだという。

 「トミカ シティパーキング」はステッカーも凝っていて、各階に何のお店があるかがわかるようになっている。実際にあるのは駐車場だけだが、「本を買いに行くから2階に止めよう」というような、より駐車遊びに説得力を持たせるようにしているという。この作品も屋上はヘリポートになっている。ステッカーに描かれている駐車場の料金表示などはリアルで、細部の書き込みは大人も感心させる要素が詰まっていると感じた。

 この「トミカ シティパーキング」も電池を使わずエレベーターを上下させることが可能だが、手動で動かすときは音がしないようになっている。これは「音をあまりさせないように遊ばせたい」という要望を取り入れたとのこと。時代の声を取り入れながら進化しているんだなと改めて感じた。

【トミカ シティパーキング】

エレベーターは回転しながら上昇する。エレベーター内のステッカーに色々なお店が描いてあるのが楽しい

【トミカワールド合体】

トミカワールドの商品は、接続用パーツも同梱されている。接続することでトミカが様々な場所で走る姿を見せてくれるのが楽しい

(勝田哲也)