「第52回全日本模型ホビーショー」ラジコンメーカーHITEC、京商の挑戦

ウェーブややまとの新作など注目ポイントをピックアップ


10月11日~14日 開催(11日、12日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ9ホール

入場料:1,000円、中学生以下無料



 「第52回全日本模型ホビーショー」のレポート2本目では、動画を中心に様々なメーカーを紹介していきたい。ホビーショーではラジコンや鉄道模型を様々なメーカーが出展しており、“動き”もまた注目点の1つだ。

 ヘリラジコンに加え、ラジコンにセンサーを加えスマートフォンで情報表示をしようというHITEC Multiplex Japanや、老舗の京商の挑戦、ウェーブやグッドスマイルカンパニー、やまとの新作など、注目ポイント目白押しである。



■ HITEC Multiplex Japan、ラジコンの情報をスマートフォンで表示するシステムを開発

本社が韓国というHITEC Multiplex Japan
非常に小さいながら、本格的な飛行が楽しめる

 会場で盛んにヘリコプターラジコンのデモンストレーションを行なっていたのが、韓国系のホビーメーカーHITEC Multiplex Japanだ。本社は韓国にあり、送信機によって作動する「サーボ」で世界でトップクラスのシェアを誇る。

 ヘリのデモで目を引いたのが、「ALIEN」という4つのローターで飛ぶラジコンヘリ2cm×12cmというCDジャケットサイズの小ささで、高さは3.2cm。11月発売予定で、13,650円。その小ささにかかわらず、安定した飛行を実現していて、室内でも手軽に飛行が楽しめそうだと感じた。

 もう1つ印象的な機体が、「SOLO Maxx revolution BL」で、スイッチ1つで機体を上にした背面飛行が可能で、そのままの姿勢を保って、自由に飛行できる。ローターの直径は21cmとこちらもかなり小さいが、きびきびとよく動き、操作しているのが楽しそうだった。こちらは年末発売予定で、38,850円。

 デモンストレーションで盛んにアナウンスしていたのが、「修理制度」だ。HITEC Multiplex Japanのヘリラジコンは主要部品の交換や、基幹部分が壊れても最大で機体価格の半額で修理を行なってくれるという。特にヘリのラジコンでネックになるのが耐久性だ。できるだけ機体は軽くしなくてはならないが、スピードが出る上にローターなどは高速で回転するため何かにぶつかればかなりの衝撃となる。“保証”も大きなセールスポイントとなると感じた。

 もう1つHITEC Multiplex Japanで面白かったのが、「テレメトリセンサー」というもの。飛行機のラジコンに、GPS連動の対地センサー、プロペラの回転、燃料計、バッテリー電圧、エンジン温度など、様々なセンサーを取り付け、情報をプロポに送信することでプロポに接続したスマートフォンでモニタできるシステムなのだ。接続コネクタが9,975円で、センサーは2,000円~6,000円程度、GPSに連動センサーは16,590円といった価格だ。

 実際の飛行機のような雰囲気が味わえるシステムだが、実際のラジコン飛行機は高速で飛び回るため目が離せない部分もある。しかし、このセンサーの情報は“ログ”をとることができ、飛行コースや、その時の飛行機の状態を後から確認できるところに楽しさがある。本格的なラジコンは資金のかかる高価な趣味だが、「テレメトリセンサー」は趣味に力を掛けるユーザーの要望を満たすデバイスと言えるだろう。

 また、「XO-1」というハイエンドRCカーは各種センサーにより、プロポにiPhone/iPod touchを取り付け、専用のアプリを起動することで出力やスピードなどをタコメーターで表示してくれる機能がある。価格は149,100円と、非常に高価だが、こちらはプロポの電池とスマートフォン以外は全てセットになっている。

 動画では、いくつかのHITEC Multiplex Japanのヘリラジコンのデモンストレーションと、隣の近藤化学が出展していたロボット「KHR-3HV」も紹介したい。前進にサーボを組み込み、プログラミングにより様々な行動が可能になるロボットで、多彩な動きが可能となる。サーボを増やしたり、センサーを追加することでどんどん機能を追加することができるという。基本のセットの価格はオープンだが、デモンストレーション用のロボットはかなりのオプションパーツを組み込んだものとのことだ。

【HITEC Multiplex Japan】


様々なヘリラジコン、ラジコンの情報を表示する装置などを展示




■ 手軽なものからハイエンドミニラジコンまでとことんこだわる京商

京商はラジコン業界の代表的な会社だ

 京商はタミヤと並ぶ日本の代用的なラジコンメーカーである。今回はデモンストレーションでの動画を中心に紹介していきたい。京商は本格的なラジコンから、トイラジコンまで幅広いラジコンを販売しており、それぞれがこだわりを持って作られている。飛行機のラジコンも最近のものはジャイロセンサーを内応し、突風などで機体の姿勢が崩れた場合は自動的に立て直す機能が組み込まれているという。

  京商で目立っていたのが“小型のラジコン”だ。主力シリーズの1つである「ミニッツシリーズ」。全長12.6cm、幅7cmという手の平サイズだが、ボディはダイキャストモデルに勝るとも劣らない精密な作りのプラスチック製(バギーシリーズはポリカーボネート)で、スピード感の溢れる走りが楽しめる。価格はプロポが別で16,275円と結構こちらも高価だが、しっかりしたシャーシ、豊富なオプションパーツによる拡張性とメンテナンス性など、スピードも高速で、低価格のトイラジコンとはひと味違う雰囲気だ。デモンストレーションでは、今後発売の「TOYOTA 86」と、「ミニッツバギー」の「インファーノMP9」の走りを見ることができた。 プロポとセットの価格を抑えたセットもあり、また「ミニッツシリーズ」のオフィシャルレース大会なども開催されている。

 この「ミニッツシリーズ」よりさらに小さい「dNANO」というシリーズはサイズがさらに1回り小さいのに、価格は16,275円~17,275円とほとんど変わらない。面白いのは、様々な「改造パーツ」も用意されており、ルーペがついた作業台や、専用の精密ドライバー、ピンセットなども販売されているところで、“趣味の世界”の奥深さに感心させられてしまう。

 京商ももちろんこういったハイエンドばかりではなく、間口の広い商品も展開している。「スペースボール」というヘリコプターラジコントイなのだが、丸い鳥かごのような形をしており、ぶつかっても落ちても衝撃は外枠が吸収してしまう。床に落ちると必ずローターが上になって止まるようになっている。また、底面にはアロマオイルを入れておくことができ、香りを振りまくこともできるという。こちらはすでに発売中で、6,279円。

【編集部】表現に一部誤りがありましたので、修正させて頂きました(2012/10/15)。

【京商】


様々なラジコンを作り続ける京商は、他のブース以上のこだわりを感じさせる




 ここからはいくつかのブースをピンポイントで紹介していきたい。まず動画で、様々なメーカーの「鉄道模型」を紹介する。ホビーショーでは鉄道模型の出展が非常に多く、様々なメーカーのレイアウト(ジオラマ)が展示されていた。風景を紹介することに注力するメーカーから、ゆっくり走らせ、車両をアピールするところまで様々だ。

【ホビーショー鉄道模型】


【トミーテック】
タカラトミーの子会社で、鉄道関連の模型が中心。「鉄道むすめ」といったフィギュアも出しており、デフォルメされた「てつむすGOKKO」というフィギュアも展開予定。その名の通り、電車ごっこ用の縄跳びパーツが付属していて、シリーズで連結できる。また、「ゾイド」をモチーフに可動に注力したプラモデルや、西部警察のトミカも発売予定。写真下段は1/1ゾイドと、パトカー。右は寝台車をモデルにしたジオラマ。車窓にはスマートフォンを取り付けて車窓からの風景を流していた

【ウェーブ】
ウェーブでの目玉は「ギャラガ」の自機となるファイターを2013年に3,780円で、「ゼビウス」のソル・バルウを3,360円で展開するところだ。アーケードゲーム筐体をプラモデル化した「ビュウリックス」もラインナップに上がっている。この他、「ガリアン」や「バイファム」といったロボットのレジンキットをweb限定販売するほか、「マクロス」、「クラッシャージョウ」といった作品のメカを立体化する

【DDF】
本格的な鉄道模型のジオラマの完成品を販売。受注製作なども行なっているという。「箱根登山レイアウト」が94,000円と、人気の場所を複数生産することで価格を抑えているとのこと。「銚子電鉄レイアウト」も近日発売予定。他にも様々な場所を切り取ったミニジオラマを発売していた

【グッドスマイルカンパニー】
香港の「threeA」のフィギュアを大きくピックアップ。ねんどろいどの「スパイダーマン」は11月発売、「アイアンマン」は2013年2月で価格はどちらも3,800円

【やまと】
やまとは「MB合金 グレンダイザー」を11月に7,140 円で、オンラインショップ限定で完全変形の「VF-4」を12月に26,985円で発売予定

(2012年 10月 12日)

[Reported by 勝田哲也]