「ハンゲームキャラバン2012 春」、「ドラゴンネスト」イベント開催
劇的だった「占領戦」トーナメント。スキル改変と新キャラ登場情報も!


3月3日~4日開催

場所:i-Cafe AKIBAPLACE



 NHN Japan株式会社は3月4日、i-Cafe AKIBAPLACE店において、前日に引き続き、「ハンゲームキャラバン2012春」として、ハンゲームで運営しているMOアクション「ドラゴンネスト(Dragon Nest)」のオフラインイベントを行なった。

 「ドラゴンネスト」のインイベントでは抽選で選ばれたユーザーによる「占領戦」のトーナメント大会。さらに、来日した開発者に直接質問をぶつける「座談会」が行なわれた。「占領戦」は来場者で即席のチームを組むというもので、「占領戦は初めて」というユーザーも参加したが、必ずしも個人のプレーヤースキルだけでは勝ち上がれないという、興味深い展開となった。また、「座談会」では、今後職業バランスが大きく変わることや、新キャラクターの登場がアナウンスされたりと、ファンにとって聞き逃せない情報も語られた。



■ 個人の強さだけでは勝てない、連携プレイが重要な「占領戦」トーナメント大会

NHN Japan「ドラゴンネスト」運営チームの山縣周一氏
オフラインイベント担当者の「ハンゲ太郎」ことNHN Japanの荒井淳氏
優勝したLチーム。メンバーの中には占領戦初挑戦の人も

 最初に行なわれた「占領戦」トーナメント大会は、「ドラゴンネスト」の対戦ルールの1つ「占領戦」を使ったオフラインのトーナメント大会である。イベントの司会と、試合の実況・解説は「ドラゴンネスト」運営チームの山縣周一氏と、オフラインイベント担当の「ハンゲ太郎」こと、荒井淳氏が担当した。

 占領戦は通常は5vs5で行なわれるが、今回は4vs4となる。ゲームの基本的なルールは、「マップのいくつかある拠点を奪いあう」というもの。拠点を占領するとポイントが加算されていく。試合時間は5分30秒で、終了時にポイントの多いチームが勝者となる。

 キャラクターは時間内は倒されても何度もリスポーン可能で、残り1分は「クライマックスモード」となり、拠点の占領時間、リスポーンの必要時間が半分になり、得点が倍になる。クライマックスモードの時に拠点を奪っていれば、大逆転も可能なのである。

 使用するキャラクターは運営側が用意したもの。レベル50で、職業も自由に選べるが装備は固定であり、スキルなども1から選ばなくてはならない。参加者は5分間の準備期間で全てを完了させなくてはならない。使用するPCも決められており、注意するのは、“前の人”の設定がそのまま残っているところ。出場者はキーコンフィグも含めて全てを準備しなくてはならないのだ。

 トーナメントは15チームで行なわれた。1回戦、2回戦は「精霊達の庭園」、3回戦、決勝戦は「雪原」というマップが使用された。来場者はその場でくじによりチーム分けされ戦いを繰り広げていった。ほとんどの人が初対面の即席のチームである。「ドラゴンネスト」はPvE中心のプレーヤーも多く、「占領戦は初体験」というプレーヤーも少なくなかった。しかし中には「PvP中心のギルドに入ってます」という人や、「いつも占領戦ばかりやってます」というような、コアプレーヤーもいた。女性プレーヤーは3割以上いたが、高レベルキャラクターを持っていたり、占領戦が好きという女性もいた。

 占領戦では様々な状況が生まれる。1人で拠点を守っているとき敵が来たらどうするか。奪いたい拠点には、何人を投入するか。「精霊達の庭園」は4つの拠点があり、戦っていると必ず手薄なところができる。この駆け引きは見所だった。面白いのは、個人戦が強いプレーヤーがいても、それがそのまま勝利に繋がらないところだ。プレーヤースキルに優れた人は的確に敵を倒し序盤のポイントを稼ぐのだが、しっかり連携が取れている側がしっかり足場を固めていき、確実に拠点を守りながらポイントを稼ぎ、ついには逆転してしまう。

 勝ち進むチームは、試合中、盛んな「声かけ」が行なわれていた。どの場所にどれだけの敵が来ているのか、自分はどこにいて、戦力はどこに集中したいのか。積極的に状況を報告し、指示を出し、連携していくチームが強かった。勝因を聞くと、「場所取りと、連携ですね」と答えるプレーヤーが多かった。短い時間で連携体制を的確に作っているのは感心させられた。連携がうまくいくことが彼らの自信に繋がっていくのがよく分かる。「勝利」をとても嬉しそうに語るのが印象的だった。

 各職業でまったく戦い方が違うのも興味深かった。攻撃力が強いウォーリアーは足の速さで戦場をかき回し、ソーサレスは強力な魔法で敵を足止めする。アカデミックは範囲の広い攻撃で支援を行ない、クレリックは援護で皆を支える。中には素早い攻撃で足止めを専門に行なうウォーリアーや、1人で複数のプレーヤーをあしらうクレリックもいたり、キャラクタービルドと戦いの幅を感じさせられた。

 決勝戦はEチームとLチームで行なわれた。どちらのチームも準決勝戦を僅差で勝ち上がったチームで、実力は拮抗しているように見えた。戦うステージは「雪原」で、ここは拠点が3つしかない。どちらが拠点をどれだけ長く守れるかが、勝利の鍵となる。試合は常にEチームがリードする展開となって進んでいった。Lチームも追いかけるものの、連携の前に阻まれ拠点が奪えずに、差を埋められず時間が過ぎていった。

 しかし、2分あたりから差が縮まり始め、残り1分「クライマックスモード」あたりで同点に。ここからはシーソーゲームが続きそして逆転、本当にわずかな差でLチームが勝利した。終盤あたり山縣氏の実況は興奮のあまり絶叫に近くなり、会場の興奮もクライマックスに達した。見ていてとても興奮させられた試合展開だった。

 どちらもとてもうまかったが、Eチームの拠点を奪ってから手放さない粘り強さが勝因に思えた。勝利者インタビューではメンバーの1人が「占領戦は初めてだった」と語り、観客を驚かせた。各プレーヤーの連携と協力で初心者がいても充分戦えるというところが、面白く感じた。

 今回のイベントのために来日していた開発元の韓国EYEDENTITYスタッフも、彼らの戦いにとても感心していた。韓国でも対戦大会は行なわれるが、チーム対戦がほとんどで、チームは日々練習して絆を強めてる。今回のように即席のチームが、ここまで連携をして戦っていることに驚いたという。開発スタッフは試合中ずっと夢中になって来場者の戦いを見つめていた。


会場で4人1組のチームとなって対決。5分でキャラクターを準備する
。1回戦、2回戦が行なわれた「精霊達の庭園」。4つの拠点を巡る攻防
「雪原」で行なわれた決勝戦。画面上のポイントの推移に注目して欲しい。まさに大接戦・大逆転の戦いだった



■ 職業バランスに意見が集中。新キャラ情報も飛び出した「座談会」

EYEDENTITYの「ドラゴンネスト」企画チーム長クォン・ドヒョン氏
EYEDENTITYの「ドラゴンネスト」スキル開発チーム長のキム・ジンソル氏
3月28日のアップデート。3月14日には2周年イベントも行なわれるという

 続いて行なわれた「座談会」では、EYEDENTITYの「ドラゴンネスト」企画チーム長クォン・ドヒョン氏と、「ドラゴンネスト」スキル開発チーム長のキム・ジンソル氏が登壇し、今後の計画を語り、ユーザーの質問に答えていった。最初のテーマは「スキルやクラスのバランスについて」。これはユーザーが最も関心のあるテーマで、様々な意見が多く出た。

 最初にクォン氏は、「私達のゲームをこんなに楽しんでいただけることについてまずお礼を言いたい」と語った後、今後各職業とスキルのバランスに大胆に手を入れるアップデートを、2012年上半期に行なっていきたいという想いを明らかにした。アカデミックやシールドの強さの調整や、かなり大規模なものになり、「皆さんの予定を越えるものになる」とのこと。使わなくなったというようなスキルなども整理されていくという。

 ユーザーからは「弱体化されているのを何とかして欲しい」、「この職業にもっと力を持たせて」といった職業に関する要望が多かった。現在の「ドラゴンネスト」では、知り合い以外のパーティープレイでは、職業の人気不人気がはっきりしていると言うことで、ユーザーの最も関心の高い問題だ。強い、弱いという意見は、様々な職業が挙げられた。また、“PvPと、PvEでのスキル構成を変えて欲しい”という要望に関しては、できるだけ早く2つのスキル構成を利用できるシステムを実装していく計画だという。

 クォン氏は「開発で学んだのは、バランスを取ることも大事ですが、最も大事なのはより的確にユーザーさんの要望に応えることが求められている、ということです。これまでのシステムでは、必ずしも早く声に応えられなかった。今回根本からシステムを見なおすことで、よりフレキシブルに対応していくシステムを作ります」と語った。職業・スキルのアップデートは、バランスという視点だけでなく、今後を見越したシステムの基本部分から変わる大きな施策のようだ。

 次の「ギルド機能について」という設問では、ギルドメンバーの上限が200名に3月中に増加されることが明らかになり、「ギルドポイント」の使い道が、現在ほとんど用意されていないことに関しては、今年中に考えていくということ。一方で、「ギルド員が少なくてギルド金庫が使えない」という意見に関しては、「ギルドを大きくする目標としてギルド金庫を用意したのだが、デメリットと感じる人がいるなら、考えていきたい」とのことだ。

 ユーザーからはさらに「位置ズレ(同期ズレ)による一発死は早く改善して欲しい」、「一時的にスキル構成を“お試し”できるアイテムが欲しい」、「4人以上で気軽に楽しめる“ネストダンジョンが欲しい”」、「髪型と、髪の色を増やして」、「耳と尻尾アイテムを増やして」、「レベル40の闇のボウマスター装備がないのを対応して欲しい」というような意見が出た。これらに関しても持ち帰り、検討していくという。

 「今後の未来は?」というテーマに対して、クォン氏は、「去年の『ドラゴンネスト』は主にPvEに対して悩んでいました。その反面、PvPはおろそかになったかもしれないと反省しています。今日の体験で、もっと占領戦を面白くしようと思いましたし、スキルの改変ももっと考えたいと思いました。完璧なバランスというのは理想ですが、それに近付きたいという姿勢を見せたいです」と語った。

 さらに今年、新キャラクターと、新マップの実装を予定していることを明らかになった。新ドラゴンも登場するという。新キャラクターは「カーリー」という女性キャラクターで、“セクシーさ”を感じさせるイメージを持つという。これに合わせレベルキャップも開放されるということで、今後の情報に期待したい。

 「現状を何とかして欲しい」という意見はユーザーの切実な願いではある。今回に関してはコアプレーヤーのゲームの楽しみ方と、彼らならではの意見を聞けるイベントだったと感じた。こういったオフラインイベントは、韓国を始めとして他国では行なわれていないということで、開発者にとっては大きな刺激になったようだ。オフラインイベントスタッフは、今後の地方でのイベントでもSkypeなどのシステムで、会場と開発者を繋げたいと考えているということで、こちらにも注目したい。


会場で挑戦できた「リアルガチャ」と、タイムアタック


(Published by NHN Japan Corp.
(C)EYEDENTITY GAMES Inc. All Rights Reserved.

(2012年 3月 5日)

[Reported by 勝田哲也]