ガンホー、2大タイトルの「ガンホースペシャルステージ」を開催
大激戦の「トイ・ウォーズ」、大激論の「ラグナロクオンライン」に会場は大盛り上がり!


5月3日開催

会場:ベルサール秋葉原



 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、現在秋葉原で開催中の「『第3回 秋葉原PCゲームフェスタ』Powered by Galleria」のB1Fホールイベントステージにて、「ガンホースペシャルステージ」を開催した。このイベントは前半ではオンラインTPS「トイ・ウォーズ」の「トイ・ウォーズ☆ふぇすてぃばる」。そして後半では、MMORPG「ラグナロクオンライン」をテーマにした「『ラグナロクオンライン』ガチンコQ&A」が行なわれた。

 「トイ・ウォーズ☆ふぇすてぃばる」では対戦大会「ぷちT-1カーニバル」の他、今後のアップデートの予定などが発表された「ラグナロクオンライン ガチンコQ&A」では、会場で質問を募り、メディアライターが質問をまとめた上で、6名のラグナロクオンライン運営チーム代表者が回答した。方向性は異なるが、どちらもファン注目のイベントだった。



■ 激しく楽しい戦いが繰り広げられた「トイ・ウォーズ」トーナメント。今後はライバルキャラクターが登場!?

イベントの司会を務めたのは「トイ・ウォーズ」のプロデューサーを務めるガンホーゲーム事業部ゲームサービス部部長の小島幸博氏
解説を担当したOpaya氏と、BRZRK氏
イベントのオープニングではゆいかおり(左から小倉唯さん、石原夏織さん)が本作のテーマソング「Shooting☆Smile」を熱唱した

 「トイ・ウォーズ☆ふぇすてぃばる」の「ぷちT-1カーニバル」では1チーム5名で4チームの参加を予定していたのだが、40人以上の希望者が集まり、抽選で20名の出場者を選び、即席でチームを組むという形になった。

 イベントの司会を務めたのは「トイ・ウォーズ」のプロデューサーを務めるガンホーゲーム事業部ゲームサービス部部長の小島幸博氏。そして解説にはニコニコ動画の実況などで本作を紹介しているOpaya氏と、FPS大会で司会などを務めるBRZRK氏が登壇した。

 試合の前にOpaya氏BRZRK氏は観戦ポイントを説明した。本作の戦いのねらい所は、バズーカで浮き上がらせてショットガンでしとめる戦いだという。BRZRK氏はコラボレーションしている「涼宮ハルヒの消失」のアバターが当たらないと愚痴をこぼすなど、軽い雰囲気で対戦はスタートした。

 しかし、一端試合が始まると対戦者達は解説の2人が圧倒されるほどの激戦が展開した。参加プレーヤーは4つのチームにわかれ、AチームとBチーム、CチームとDチームがぶつかったのだが、皆ゲームをやりこんでいて、常に動きまわり敵のいる場所を把握すると瞬時に攻撃する。空中戦で交差する瞬間の撃ち合いや、落下しているキャラクターをスナイパーライフルでしとめるなど様々なテクニックが披露された。

 決勝戦に勝ち残ったのはBチームとDチーム。Dチームには女性も参加し、注目も高かった。Dチームは戦いの前に、綿密な打ち合わせをしたりと意気込みからして異なり、Dチームが優勝した。女性プレーヤーは解説のカメラで大きく取り上げられ、プレッシャーもあったと思われるが、見事にはね除けた。全員がマップの攻撃ポイントを良く把握し、敵がいそうなところには集団でバズーカを撃ち込んだり、ポイントに見事なタイミングでグレネードを放り込んだりと、やりこみがよくわかる見所たっぷりの試合だった。

 続いて行なわれたエキシビジョンマッチでは、Opaya氏を始めとした、StanSmith氏、KusaruN氏、紙投げ氏、抹茶氏というニコニコ動画の実況を各曜日ごとに担当しているプレーヤーが集まり、ドリームチームを結成し、会場で対戦相手を募った。彼等の人気は高く、会場は盛んに声援を送っていた。

 小島氏がエキシビジョンマッチへの挑戦者を募ると、会場ではみんなが手を積極的にあげた。ハイハイと大きな声を上げ手を振る人達が多かった。女性プレーヤーも手を上げ、12歳の少年も参加した。参加者の多くは「まだ強くない」など謙遜するものの、ゲームはやり込んでいて、こだわりのコレクションを披露する人もいた。エキシビジョンの最終戦となったではランキング1位の人や、他のタイトルの有名プレーヤーも参加した。有名プレーヤーの登場に会場がざわつき、ドリームチーム側も目の色が変わった。最後はかなりの接戦となったが、ドリームチームが辛くも勝利した。

 エキシビジョンの表彰式の後、カンファレンスが行なわれた。登壇したのは、ゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部ファインディング課主任の齋藤和寛氏。齋藤氏は、「トイ・ウォーズ」の登録会員数が15万人を突破したことを語り、さらに今後のアップデート計画、イベントスケジュールを紹介した。

 今後の予定としては、本作が今後ストーリー性を強化し、「シナリオクエスト」のような話を進めていく要素を追加すること、ストーリーを進めることで報酬アイテムが得られることを語った。また、ストーリー要素としてライバルとなる“ホビークラ部”が登場、4人の新キャラクターと、彼等が操るフィギュアが紹介された。

 声優のキャストも決定しており、お嬢様の倉光レイには喜多村英梨さん、道場の師範でもある橘フウリュウには今井麻美さんが演じる。他の部員長峰リョウと海藤アカネは声優グランプリ協力による公開オーディションで募集される。オーディションでは最終的に「トイ・ウォーズ」のユーザー投票によって決定されるという。

 さらに、齋藤氏は現在も公式ページで告知している初のオンライン大会「T-1甲子園」が5月6日まで募集していることをアナウンスし、かねてより予告していたコラボレーション第2弾「ストライク・ウィッチーズ」の開発中のアバターも公開した。実装キャラクターは「宮藤」、「ルッキーニ」、「バルクホルン」、「エイラ」の4人で、原作に登場する大型火器も実装される予定だ。さらに「クラフトキングダム」、「トイボックス」というふたつの新マップを含む大型アップデートを近日予定しているという。こちらの内容、スケジュールなどは改めて告知されるという。


「ぷちT-1カーニバル」では参加者のレベルの高さに、解説者が見入ってしまうほど。素早い武器の持ち替えと、的確な攻撃に会場からも歓声が上がった
左が優勝したDチーム、中央が準優勝のBチーム。右は優勝者に送られたアバターセット
左が挑戦者を迎え撃ったドリームチーム。中央は12歳の少年を含む挑戦者第1チームだ。ドリームチームは最初はカメラに向かってポーズをするなど余裕を見せていたが、最終戦の有名プレーヤーの参加に真剣モードに
ゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部ファインディング課主任の齋藤和寛氏による今後の予定の発表。ストーリー要素としてライバルとなる“ホビークラ部”が登場するという
5月23日に実装予定となる「ストライクウィッチーズ」のアバター。4キャラクターと3つの武器が登場する



■ ユーザーの運営へ向けた真摯な想いが伝わってくる「『ラグナロクオンライン』 ガチンコQ&A」

総責任者として登壇したガンホー執行役員オンライン本部長の飯野平氏
最も多かったのは職業間のバランス。特に3次職との格差が大きく、GvGではレベルの高い3次職のプレーヤーが絶対的に有利だという
アイテムに関する質問や改善要望も多数寄せられた

 「ラグナロクオンライン ガチンコQ&A」は、16時から開催された。当日の昼に希望者を募り、メディアライターが質問をまとめたものを、運営代表者が回答を行なっていく形で進行した。会場には150名近くのユーザーが訪れた。

 回答者は6名で、総責任者としてガンホー執行役員オンライン本部長の飯野平氏、制作・バランス調整担当としてオンライン本部ゲームサービス部プロデュース課課長の廣瀬高志氏とオンライン本部パブリッシング部第1企画課の山本兼寛氏。

 プロモーション担当はオンライン本部パブリッシング部第1企画課主任の中村聡伸氏、不正対策担当はオンライン本部カスタマーサポート部ゲームサポート課課長代理の新津幹朗氏とオンライン本部カスタマーサポート部ゲームサポート課主任の太田剛氏が登壇した。

 もっとも多かった質問は「職業間のバランス」だった。3次職が強すぎ、さらにレベルでの格差が顕著で、特にGvG、攻城戦でその差が如実に出るという指摘がユーザーから多かった。この問題に対して、山本氏は、状態異常に対する判定は手を入れていく方向だと語った。レベルによる格差に関しては、狩り場の見直しによるレベル上げのしやすさは心がけていくという。

 ただし、この問題は単純な数値を変えるのではなく、レベルがあげられたことでのメリット、3次職としての楽しさなどゲームのモチベーションそのものにも関わる問題であり、すぐではなく時間をかけて調整していく予定だという。また、3次職が用意されてない拡張職に関して格差の指摘はあったものの、会場で改めて質問すると、「今のままで調整してほしい」、「拡張上位職を待ちたい」、「今のバランスでいい」と、それぞれに意見がわかれ、ユーザー間でも要求がわかれている現状が明らかになった。

 拳聖の特定の条件下で、低確率で発生する「奇跡」を使った狩りに関して、現在多くのユーザーが“手動奇跡”と呼ばれる、奇跡を高確率で起こし経験値稼ぎをするという、開発側が意図していない強力な使い方していることを問題視する意見も出された。

 この方法は、利用してる人も多い一方で「これが正しいバランスなのか」という議論があるという。この問題に関しては運営側で修正したいという意図はあるが、代替案を検討しているため時間がかかっているとのこと。意図してはいなくてもユーザーが利用している以上、使えなくなるだけではない代替案を検討している。

 ほかにもいくつもの細かいスキルの問題の指摘があり、開発側の意図が把握しきれていない問題も多いということが明らかになった。開発に問い合わせる問題に関しては、改めて公式で発表されるという。山本氏はさらに韓国では先行してバランスの調整が行なわれているが、日本ではこれがそのままくるわけではないこと、また調整は今後も続くことが語った。未実装スキルなどの進捗については、6月4日の「ガンホーフェスティバル」でも発表されるという。

 アイテムに関しての質問も多かった「収集品をもっと活用させてほしい」また「スキンオブシャドウのドロップ率」、「ラグくじの当選率」など情報の開示を求めるものがあった。確率に関しては今後も非公開の予定だという。「くじのアイテムの価値がドロップアイテムに比べ高すぎるのではないか」という指摘に関して、飯野氏は「くじは、後発ユーザーが価値の高いアイテムを手にする方法にしていきたい」と回答した。

 グラフィックスに関しては、ユーザーから「ジェネティック」などの3次職をもっとかわいくしてほしいといった要望のほか、盾を装備しているのに見えなくなってしまう問題、韓国で実装済みの肩につける装備はいつ入るか、といった質問もあった。これらは、順次対応していくと回答があった。ただし、現状ではグラフィックの改良や実装に関しては、バランスの調整やバグの対応が優先されている傾向があるとのこと。

 ワールドエクスチェンジサービスに関しては安定性も考え、現在は停止しており再開はまだ検討中だ。サーバー統合の必要に関しては、会場の多くのユーザーが必要だと手を挙げて意思表示した。しかし飯野氏は「サーバー統合を行なうキャラクター名の問題、アイテムに関しての解決策がまだ出せない」と語った。統合する場合、名前を変えなくてはいけない、アイテムの価値がなくなるかも知れないという条件の場合になると統合希望者は減ったがそれでもやってほしいというユーザーもいた。

 モンスターの配置変更によるバランス調整に関しては、迷惑行為をするプレーヤー、モンスターのため込みなどをするプレイヤーが増加したという指摘があった。新津氏は「ハラスメントを目的としているか、トレインによる狩りをするプレイスタイルなのか、その調査にも時間がかかる」という。取り締まりという点も含めて、ゲーム内で録画ができるシステムを考えており、動画で通報されたユーザーの行動を判断することも今後可能にしていく。

 BOT対策に関しては、月に一度BOTを使用したユーザーへの対応などは告知しているが、BOTをしたユーザーを公開することはできないという。BOTとの対策はいたちごっこであり、常にBOTの手口を解析しつつ、BOTを使用できない環境を目指して今後も対策を行なっていくという。

 今回出された問題に関して、いくつかは現状で回答できなかったり、開発に問い合わせが必要なものがあり、今後公式ページなどで告知していくという。今回、メディアライターを間に介し、質問を整理したことに関して、「良かったと思うか」という質問に対しては、会場の半分ほどのユーザーが手を上げた。不満を持ったユーザーもいたようだった。

 限られた時間、状況で、ユーザーの質問をどれだけくみ取れるか、また、ユーザーがどこまで自分の疑問点を正確に問いかけられるか、そして得られた回答が納得のいくものになるかは、難しい問題である。中村氏は「この方法は今回だけのものではなく、今後も様々な方法を試していきたい」と語った。今回のイベントのように、細かくユーザーの質問に回答するというオンラインゲーム自体ほとんど無い現状、運営スタッフの姿勢は評価したい。今後も注目していきたい。


左から、オンライン本部パブリッシング部第1企画課主任の中村聡伸氏、オンライン本部ゲームサービス部プロデュース課課長の廣瀬高志氏とオンライン本部パブリッシング部第1企画課の山本兼寛氏
オンライン本部カスタマーサポート部ゲームサポート課課長代理の新津幹朗氏と、オンライン本部カスタマーサポート部ゲームサポート課主任の太田剛氏。カンファレンスには150人以上のユーザーが参加した
提示された質問・要望の一部。アップデートによる変更点への質問や、現在の不具合への対策、韓国での修正は日本にどう影響するかなど、ユーザーの熱心な姿勢が見て取れる

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(2011年 5月 3日)

[Reported by 勝田哲也]