HUE、「HELLGATE」高レベルコンテンツ「Abyss」先行体験レポート
異空間に潜む魔王との対決。今までとは違う世界への扉が開く!


12月10日より正式サービス開始


 株式会社ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)は12月10日、オンラインRPG「HELLGATE」の正式サービスを開始した。「HELLGATE」の正式サービスでは、高レベル向けコンテンツ「Abyss」の実装が目玉となっている。本稿ではその「Abyss」の先行体験レポートをお届けしたい。

 今回は複数人でパーティーを組み、ゲームマスターが案内する形で「Abyss」に挑戦した。「Abyss」はレベルキャップであるレベル50、そしてさらなる育成要素「ランクシステム」へキャラクターを育てるユーザーのための高レベル向けコンテンツだ。今までの「HELLGATE」とは趣が異なる“地獄”、そして強力な“魔王”が待ち受けている。

 「Abyss」は実装直後の現在は、一部のトッププレーヤーしか到達できないハイレベルコンテンツである。オープンβテストまでに実装されていたACT1~ACT5までのシナリオ。そして「閉ざされた歴史」をクリアした人達のみが見ることができる風景だ。この風景を“実感”することを目指し、悪魔との戦いを繰り広げていっていただきたい。


■ 空の見える新たな拠点、そびえ立つ塔。これまでのイメージを一新するフィールド

これまでの地下鉄の駅とは違う、開けた場所にある拠点。人類と悪魔の戦いに大きな変化があったようだ
巨大な塔。「Abyss」へ続く道となる

 「Abyss」は以前レポートした「閉ざされた駅」から始まるコンテンツ「閉ざされた歴史」の先にある、より高レベルのコンテンツだ。フィールド、雰囲気が凝っており、「HELLGATE」がこれまで作り上げてきたイメージをベースに、より新しい地獄を創造しようというスタッフの気合いが随所に見て取れる。

 「Abyss」は「パーラメントスクウエア」という場所からスタートする。ここは今までの“駅”とは違い、地上の、かなり広い空間だ。「HELLGATE」では、この世界で悪魔と戦う人々が物々しい装備に身を固め、悪魔の侵入を防ぐ拠点となっている。ちなみに現実のパーラメントスクウエアは名高いウエストミンスター寺院の前にある広場で、イギリスの首相経験者の銅像が並んでいる場所だ。

 広場の周りには瓦礫が転がっているが、これまでの地域に比べ荒廃していない。現役の軍用車両などもあってこれまでの悪魔に占拠され、破壊しつくされたロンドンの街とは少し違う雰囲気だ。そして大きく目を引くのが高くそびえる「謎の塔」である。物々しい装備に身を固めた「黎明軍兵士」という一団が塔の前に陣取っている。実はこの塔から「Abyss」に入ることができるという。

 「Abyss」に入るためには、いくつかの条件があり、クエストを通じてそれらをクリアしていくという。その条件の1つが「悪魔の返り血を浴びること」。一定数の悪魔を撃破しなくてはならない、ということでパーラメントスクウエア周辺で狩りを行なった。パーラメントスクウエアには沢山のNPCがいて様々なクエストが受けられる。「Abyss」に挑む前にここでもたっぷりキャラクターが鍛えられそうだ。

 パーラメントスクウエアの隣にある「死者の庭」は細長い限定された空間で土が露出して不気味な黒い草が生えている。巨大な石が地面にめり込んでいたり、土が盛り上がって溶岩を吐き出していたり、奇妙な感じだ。骨の壁のようなバリケードが突然地面から出現し行方を阻み、悪魔の一団が襲いかかってくる。

 続く「プロンプトン共同墓地」は細長い木が生え、石の棺が地面にいくつも置かれている不気味なところだ。「HELLGATE」では時間による昼夜の変化という要素はないが、フィールドごとに時間の描写が異なるようで、プロンプトン共同墓地は深夜の雰囲気がある。この墓地と悪魔はとても似合う。この奥にもさらにフィールドがあるようだが、「Abyss」への入場条件が満たされたため、引き返すことになった。

 体験会ではレベル50のキャラクターを無敵モードでプレイした。こちらが無敵のため、敵の強さやフィールドの難易度という点はわからなかったが、レベル50のキャラクターの「攻撃力」は堪能できた。筆者はサモナーでプレイしたのだが、8体のエレメンタルと様々な能力を持つ悪魔を従えていると、大概の敵はあっという間に倒されてしまう。無人の地を進むようで爽快だった。これは難易度が「ノーマル」だったのもあると思うが、レベル50のキャラクターへの強さを実感できた。いつかは自分のキャラクターでこの地を踏んでみたい。


パーラメントスクウエアではいくつものクエストが用意されている。空には宇宙船のようなものが浮かび、気になるNPCもいる
空の明るさが印象的な死者の庭。多数の悪魔が待ち受けている
一転して深夜の雰囲気のプロンプトン共同墓地。ゾンビ映画の舞台のようだ

■ 異次元のような奇妙な世界「Abyss」、待ち受けるは魔王ベヒモス!

「ファイアオブエンシェントテリトリー」によって「Abyss」への入口が開かれる
緑の空の異空間「Abyss」。大量の悪魔がプレーヤー達を取り囲む

 「Abyss」へは塔の周りに4つある「ファイアオブエンシェントテリトリー」に触ることで門が開く。「Abyss」は太古の昔“魔王”と呼ばれる強力な悪魔達が作った世界だ。この世界は人類が存在するよりも遙か昔、魔王達が光の勢力に対抗するために作った世界だという。しかし光の神は、逆に魔王達をこの世界に閉じこめてしまう。プレーヤー達はその封じられた魔王と戦うため、この世界へと赴くのだ。

 入った世界は緑の空に黒い大地。全てがぼやけているように見える、これまでのフィールドとは違う異質な風景だ。はっきり見えるのは踏みしめている地面だけで、それ以外は全てぼやけて見える。そして前に進んだ瞬間、大量の悪魔がプレーヤー達に襲いかかってくる。ここは人を拒む悪魔達の次元だ。前に進むためにはこの大量の悪魔と戦い、撃退していかねばならない。

 フィールドはいくつかの階層にわかれている。地形は入り組んでおり、どこがどう繋がっているか、歩いてきちんと把握しなくてはならない。探索を進める間にも大量の強力な悪魔がプレーヤー達を取り囲む。今回は無敵モードだから平気だったが、本番ではかなりきつい戦いになりそうだ。周りがかすむ風景に加え、悪魔にも視界をふさがれるので、仲間を見つけにくく感じた。はぐれないように注意したい。

 この場所のどこかに魔王「ベヒモス」がいる。ベヒモスは木の根をつなぎ合わせたような曖昧な造形、背中に後光のような輪を背負っているが、その輪の作りもかなり荒い。一見、木のゴーレムのように見えるが、長い角を持つ頭部の口や、背中から白い光が吹き出していて、力強さと、謎めいた雰囲気を持っている。長い手を突き出し動き回る姿は踏みつぶされそうで恐ろしい。

 ベヒモスは、大きな体を持った「タンカー」、全身に結晶を生やした「クリスタルデーモン」、炎と共に現われ両腕の剣で斬りつけてくる「ダークセラフ」といった怪物も召喚し、プレーヤー達を怪物の波で飲み込ませようとする。これだけの敵の波状攻撃はガーティアンですら受けきるのはきついだろう。ザコをいくら倒し続けても突破口は見えない。鍛え上げた武器・防具、息のあった連携がなくては勝つことは難しいだろう。

 「Abyss」はベヒモスを倒しただけでは終わりではない。他にも魔王がおり、それは別のファイアオブエンシェントテリトリーの提示する条件をクリアすることで通行可能になる。これまでの「HELLGATE」は「閉ざされた記憶」も含め既存のコンテンツのイメージを広げたものが多かったが、「Abyss」は異なる次元での巨大ボスとの戦いが楽しめた。今回は体験できなかったが、パッシブスキルとステータスを強化するという、これまでのレベルアップとは違う成長システム「ランクシステム」も気になるところだ。より高みを目指すプレーヤーにとって「Abyss」は魅力的なコンテンツとなりそうだ。

 さらに、“光の神”という悪魔達の敵となる存在も気になる。悪魔の次元にすら突入し、魔王と戦うという“攻め”の姿勢も面白い。ここに至るまでどんなストーリーが展開していくのかも気になるところだ。プレーヤー達はぜひ自分のキャラクターの足で「Abyss」を踏みしめ、魔王達にその剣を叩きつけて欲しい。


多数の悪魔と入り組んだ地形がプレーヤーを苦しめる。これまでの「HELLGATE」とは違った雰囲気だ
魔王ベヒモス登場。無骨な造形が力強さを感じさせる。大量の取り巻きにも注意が必要だ

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Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

(2010年 12月 10日)

[Reported by 勝田哲也]