東京ゲームショウ2010レポート

SCEJ、「グランツーリスモ5」クローズドメディアセッションを開催
「X1プロトタイプ」プロジェクト、コース自動生成の「ラリー」、
「リモートレース」などの情報を山内氏が解説


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントが11月3日に発売を予定しているプレイステーション 3向けオンライン・カーライフ・シミュレーター「グランツーリスモ5」(GT5)。東京ゲームショウ2010の初日、SCEJブースにて「プレスブリーフィング」が行なわれ、その中で本作のプロデューサーであるポリフォニー・デジタルの山内一典氏が「GT5」に関しての新たな情報を提供した。その補足として、ブリーフィング後に「クローズドメディアセッション」が別室にて行なわれた。

 まず、「My Home」と呼ばれるコミュニティページ。ユーザーそれぞれがこのページを軸に、メッセージボード、プレイログ、メール、オンライン上での同時プレイといったものから始まり、ゲーム中に撮影した写真をフレンドに公開するフォトアルバムや、パーツやクルマをフレンドにプレゼントしたり、コースメーカーで作成したコースをシェアするコースアルバムといった機能があり、「およそ考え考え得るオンライン上のすべての機能を詰め込んでいる」という。さらに、これをPS3上と、ウェブブラウザ上で両立させる。「グランツーリスモ・ドットコム」でPlayStation Network IDを使うことで「My Home」の機能がPCでもPS3でも利用可能となる。

 さらに、「GT5」でも自分でドライブして楽しむ「A-Spec」と、チーム監督としてオーダーを出してプレイする「B-Spec」が用意されているが、「B-Spec」をベースに、PS3をリモートプレイさせつつ、さらに外部からブラウザ(Javaを実行できればいいようだ)を利用して遊べる「リモートレース」を実現した。山内氏が「ブラウザゲームとコンソールゲームのブリッジ」というこの「リモートレース」は、ゲームディスクをセットした状態のPS3をレース結果の演算に使い、ブラウザ上からは「F1の公式サイトで提供されているラップタイムだけのLive Timing(ライブタイミング)と同様な感じ」でラップタイムが更新されていく。リモートレースでは、自分とフレンドが公開しているAIドライバーとクルマを選択すると完全自動でイベントレースが開催されるが、「B-Spec」と違いオーダーを出すことはできないようだ。「この『リモートレース』で、PS3の前だけでなくどこでもレースができ、クレジットを稼ぎやすくなっている」と山内氏は解説した。

 また、「スペシャルイベント」にも言及。ドライビングスクールや、「GT5」で導入されるカートレースなど、いくつかのイベントが用意されているが、今セッションでは「グランツーリスモ ラリー」をピックアップ。実機においてこのイベントをプレイして見せた。

 今回、山内氏はターマックのSS(スペシャルステージ)でのタイムを競う「ラリー」をプレイ。実際のラリーと同様に、1台がスタートしたあとに1台が走るという手順を踏み、タイムを競う。スペシャルステージは、プレイ前に毎回自動生成するという点が特徴で、周回コースではない1本道のコースとなっている。さらに、コ・ドライバーによるペースノート(コーナーの曲がり具合を指示する)ナビゲーションは音声で行なわれ、実際のラリーで使われているものが採用されているという。自動生成されたコースを使って、蓄積型のタイムトライアルを実現しているわけだ。

「My Home」からフレンドとの交流を行なうことが可能。PS3からでもWEBブラウザからでも可能となる「スペシャルイベント」でカートレースやラリーが楽しめる

 さらに、山内氏は「ダイナミックウェザーシステム」と呼ばれる天候変化に関しても触れた。昼、夜といった時間の変化だけでなく、気温、気圧、湿度から天候の変化をシミュレート。スイスのアイガーの様子を見せ、「非常に霧が出やすいところです。雨が降れば、当然路面の摩擦係数が変わってきます。レコードラインとそれ以外でのグリップの違い、路面の乾き方の違い、そういったところもシミュレートしています」と解説した。雪なども当然再現されている。

ビジュアルの変化ぶりも驚くが、きちんと路面のμもシミュレートされ、レースに影響が出る
スイスのアイガーの様子

■ レッドブル・レーシングとのプロジェクト「Project "X1 Prototype”」

「地上最速のレーシングカー」、「X1プロトタイプ」

 レースは何らかの形のレギュレーションに縛られている。これを度外視したとき、「この地上でもっとも速いレーシングカー」の形を追求しようということで始まったのが「Project "X1 Prototype”」。

 そしてポリフォニー・デジタルのパートナーとなったのが、F1に参戦中の「レッドブル・レーシング」だ。テクニカルアドバイザーとして参加した“空力の鬼才”エイドリアン・ニューイのアイデアが詰め込まれた「X1プロトタイプ」は、全体像こそ公開されなかったものの「11月3日からこのマシンを楽しめる(山内氏)」というが、いきなり使うことはできず、ある程度のやりこみは必要なようだ。


レギュレーションに縛られないレースカーの姿とは一体……?
「レッドブル・レーシング」とのコラボレーションで生み出された地上最速のレースカー

■ 「トライアルマウンテン」、「ラグナセカ」を公開、フォルクスワーゲンから3車種、「いすゞ 4200R」、「GT by シトロエン レースカー」も公開

 「GT by シトロエン」でリアルとバーチャル両面からの発表を行なったコンセプトカーをモータースポーツ参戦マシンとして再解釈した、「GT by シトロエン レースカー」と、フェルナンド・ポルシェ博士が生み出した「フォルクスワーゲン」のなかから「サンババス」、「キューベルワーゲン」、「シュビムワーゲン」、さらにいすゞのコンセプトカー「4200R」の収録を発表した。水陸両用車である「シュビムワーゲン」だが、「水に入って走ることは残念ながらできない」そうだ。
サルト・サーキットの昼と夜

ラグナセカ・レースウェイ
トライアルマウンテン・サーキット
ル・マン24時間レースの舞台でもあるサルト・サーキット

「キューベルワーゲン」
「シュビムワーゲン」
「サンババス」
「いすゞ 4200R 」
「GT by シトロエン レースカー」

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(2010年 9月 18日)

[Reported by 佐伯憲司]