東京ゲームショウ2010レポート

SCEJ「Sony Computer Entertainment Japan Press Briefing」
プレイステーション下半期の展開を発表
~MOVE、3D対応、PS3「三国無双6」など新作情報を公開~


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


河野弘氏

 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は、日本国内に於けるプレイステーションフォーマット2010年度・下半期以降の展開について説明する「Sony Computer Entertainment Japan Press Briefing」を同社ブースにて開催した。

 ブリーフィングの冒頭、SCEJプレジデントの河野弘氏はPS3などプレイステーションフォーマットのビジネス状況について説明。2010年6月現在、PS3本体は全世界で3,800万台、ソフトは3億1,000万枚をそれぞれ突破。ソニーの業績発表によれば、ハードウェアの成長率はここ1年で約50パーセント、ソフトもここ12ヶ月の累計でいくと前年度同時期比で約31パーセントの伸びを見せているという。

 国内累計販売台数は500万台を突破(前年同時期比で107パーセントの成長)。昨年度は、新型PS3と株式会社スクウェア・エニックスのRPG「ファイナルファンタジーXIII」が成長を牽引。PS3は最初の3年間で300万台を販売したが、過去1年で200万台を販売。ソフトもヒット作が続出しているといい、前年同時期比で83パーセント増加。ハード、ソフトともに堅調さをアピールした。

 初登場から6年が経過したPSPは、全世界累計販売台数が6,200万台、ソフトウェアは2億6,000万本をそれぞれ突破。日本国内では、2010年夏に累計販売台数が1,500万台を突破。2010年7月~8月までの累計は、ハードが9パーセント、ソフトが48パーセントそれぞれ増加。「ハードが1,500万台行き渡ったところで、ソフトの成長が加速されている」と河野氏は説明する。PlayStation Networkのアカウントは、今春に500万を突破。さらに「ハードとソフトをさらに加速させるサービスの話をさせていただく」として“PlayStation MOVE(MOVE)”と“3D”について説明を行なった。





■ PlayStation MOVE ~10月21日以降、13社35タイトルを順次発売~

 河野氏は、MOVEの特徴について「お客様がゲームの空間に入り込んで、直感的に楽しめる」といい「これによって、プレイステーションの楽しみ方とか、ユーザー層を広げる。さまざまな戦略的な意味合いが込められている」と説明。フジテレビが今夏にお台場で開催したイベント「お台場合衆国2010」では、来場者のうち約2万人が「MOVE体験コーナー」に足を運んだという。

 同社は、MOVD発売を記念して、MOVE、EyeToy、専用ソフトウェア「Beat Sketch!」をセットにした「PlayStation MOVE スターターパック」を10月21日に5,980円で発売するほか、13社35タイトルを順次発売。同社ブースには21タイトルの試遊台が設置されている。マーケティングメッセージは「あそ棒。MOVE」。「年末に向けて販促施策をキッチリ行なっていきたい」といい、ハンディカムやサイバーショットなどが当たる購入差プレゼントキャンペーンを10月21日~2011年1月31日まで実施。申し込み方法は、年内発売予定の対応タイトルに封入された「申し込みコード」と必要事項をキャンペーンホームページ(http://pscom.jp/move/cp2010/)に入力する。

 また、モーションコントローラ購入者を対象に、国内のプレイステーション取り扱い店舗にてMOVE対応タイトルの体験版を収録したデモディスク「もっと あそ棒。PlayStation MOVE 体験ディスク」を配布。内容は、体験版6タイトルのほか、コントローラの使い方を詳しく説明するムービーを収録。10月21日より数量限定で配布。TGSの同社ブースでも配布が行なわれる。



■ 3D ~対応システムソフトウェアの配信を1カ月前倒し~

 ブリーフィングでは、来場者全員に3Dグラスが貸与され、3D映像の技術デモが上映された。河野氏によれば、3Dテレビの国内普及率は年内で約5パーセント、来年度は20パーセントまで伸びると予想。ソニーは全世界で250万台の3Dテレビを販売する計画を立てているという。

 会場では、スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジー XIV(PS3、2011年3月発売予定)」、コナミ「メタルギアソリッド:RISING」、アイレム「絶体絶命都市4(今冬発売予定)」、SCEJ「グランツーリスモ5」、「みんなのゴルフ5」の3D技術デモが上映された。いずれも“技術デモ”と前置きされていたものの、臨場感は強烈なものがあった。同社ブースでは3Dデモが実際に体験できるので、一般日に来場される方はぜひチェックしていただきたい。

 SCEJは、以前10月とアナウンスしていたPS3のBlue-ray 3D再生の対応を、9月21日に前倒しすると発表。対応するシステムソフトウェア バージョン3.50を9月21日より配信するといい、視聴環境があればアップデート以降は各社からリリースされる対応タイトルが3D映像で楽しめる。なお、映像以外のアップデート項目では「迷惑メッセージの通報機能」、「Facebook対応ゲームからFacebookに公開している情報にアクセス可能」などがある。



■ PS3(320GB)、ハンター特別仕様とツートンカラーのPSPを発売

辻本良三氏

 ハード関連では、320GBハードディスクを搭載したPS3(本体色:クラシックホワイト)を10月21日に発売される。本体、ワイヤレスコントローラ(DUALSHOCK 3)、電源コード、AVケーブル、USBケーブルを同根。価格は34,980円。新色「キャンディー・ピンク」のPS3専用ワイヤレスコントローラ「DUALSHOCK 3」が11月18日に発売される。価格は5,500円。

 PSPは、カプコン「モンスターハンターポータブル 3rd」制作チーム完全慣習によるハンター特別仕様「PSP『プレイステーション・ポータブル(PSP-3000)」モンスターハンターポータブル 3rd ハンターズモデル」の発売が明らかにされた。ソフトと同日の12月1日発売予定で、価格は19,800円。数量限定。

 会見には「モンスターハンターポータブル 3rd」プロデューサーの辻本良三氏が出席。「モンスターハンターポータブル 3rd」オリジナルカスタムテーマがプリインストールされており、裏側のもち手部分にはギルドマークのオリジナルプリントつき。2200mAhの大容量バッテリーパックを搭載し、大容量バッテリーパック装着時のふくらみにあわせて逆側のもち手部分も同じ形状に変更。本体のホールド感を向上させている。大容量バッテリーパック「バッテリーパック ~モンスターハンターポータブル オリジナルデザイン バッテリーカバー」は、単体でも12月1日に発売される。価格は5,800円。オリジナルプリントを施したピアノ・ブラックのバッテリーカバーが付属する。

 このほか、ツートンカラーの数量限定特別モデル「ブラック/レッド」、「ホワイト/ブルー」が11月18日に発売される。本体、メモリースティックPRO デュオ(Mark2:2GB)、ポーチ、クロス、ACアダプター、バッテリーパック1200mAhを同根。価格は17,800円。また、3月4日に数量限定で発売され好評を博したモデル「ブロッサム・ピンク」が定番ラインナップに登場。11月18日発売予定で、価格は16,800円。本体、ACアダプター、バッテリーパック1200mAhを同根。ブロッサム・ピンクの専用ポーチも11月18日に発売される。価格は1,800円。


【プレイステーション 3(CECH-2500シリーズ)クラシック・ホワイト】

【DUALSHOCK 3(キャンディー・ピンク)】【バッテリーパック ~モンスターハンターポータブル オリジナルデザイン バッテリーカバー】

【PSP『プレイステーション・ポータブル(PSP-3000)」モンスターハンターポータブル 3rd ハンターズモデル】

【PSP「プレイステーション・ポータブル(PSP-3000)」ブラック/レッド】

【PSP「プレイステーション・ポータブル(PSP-3000)」ホワイト/ブルー】

【PSP「プレイステーション・ポータブル(PSP-3000)」ブロッサム・ピンク】


■ ソフトウェア展開 ~ファースト、サードが最新作を公開~

 ブリーフィングの最後には、下半期のソフトウェアラインナップが公開された。スクリーン撮影はNGとされていたため、ここでは公開できる素材がない未発表タイトルをテキストでご紹介していく。

 ポリフォニー・デジタルの山内一典氏は、PS3「グランツーリスモ5」について「アポロ計画のように複雑なプロジェクトになっている」と表現。時間が限られているということで、コミュニティ機能に限定して説明を行なった。「グランツーリスモ5」は、“My Home”と呼ばれるページをユーザー個々が持ち、これを軸に他のユーザーとメールや画像のやりとりなど、さまざまなコミュニケートをとっていく。友人の友人をたどっていくといった“ネットサーフィン”のようなことも可能。また、ブラウザから「グランツーリスモ5」を遊ぶことも可能で、監督のような立場でプレイする。山内氏ら開発チームは「リモートレース」と呼び、ブラウザからアクセスできる環境であれば、どこでも「グランツーリスモ5」が遊べる。また、山内氏は一切のレギュレーションから開放された“地上最速の車”を模索する「Project "X1 Prototype”」をレッドブル・レーシングチームと共同で開発中という。こちらもゲーム本編以上に先行きが気になるところだ。

 スクウェア・エニックスは、PSP「ザ・サード・バースデイ」を12月22日に発売すると発表。PSP「キングダムハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス」、PSP「ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー」と連動企画が用意されており、「ザ・サード・バースデイ」と「キングダムハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス」にそれぞれ「ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー」で使えるプロダクトコードが同梱される。

 カプコンは、PS3「アスラズ ラース」、PS3「DMC Devil May Cry」を発表。昨日カプコンにて発表会が行なわれているため、詳細は弊誌記事をご参照いただきたい。SCEJは、PS3「ICO」と「ワンダと巨像」の3D対応を発表。ナムコはエースコンバットシリーズ最新作、PS3「エースコンバット アサルトホライズン」を発表。登壇したバンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤伸氏は「ナンバリングタイトルではない新シリーズ。エースコンバットを生まれ変わらせたい。映画のなかに入ったかのような臨場感が味わえる。来年中にはリリースしたい」とコメントした。

 セガは「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏が「龍が如く OF THE END」を発表。ゾンビが徘徊する荒廃した神室町で、桐生一馬らがド派手に暴れまわる。一見あまりにも破天荒に思えるが、名越によれば「『龍が如く』の最新作である以上、『龍が如く』的なものを私自身は確実に理解しているつもり。人間ドラマの範疇で、ゲームとして楽しめることに変わりはない」とコメント。フロム・ソフトウェアはPS3「PROJECT DARK」を発表。制作1部 執行役員 ディレクターの宮崎英高氏によれば「『デモンズソウル』スタッフが再結集し、1年間コツコツ作ってきた。ダークファンタジーの世界観が、より深く息づいている」とコメント。2011年発売予定。コーエーテクモゲームスの鈴木亮浩氏は、PS3「三国無双6」を発表。本作は「日本国内ではPS3のみの発売(鈴木氏)」といい、詳細については10月26日に改めて発表の機会を設けるとしている。


【キングダムハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス】
プラットフォーム:PSP。2011年1月発売予定。価格未定

【ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー】
プラットフォーム:PSP。2011年春発売予定。価格未定

【ダンボール戦機】
プラットフォーム:PSP。2010年発売予定。価格未定

【ニノ国 白き聖灰の女王】
プラットフォーム:PS3。2011年発売予定。価格未定

【キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ】
プラットフォーム:PS3。2010年12月16日発売予定。価格:7,980円

【クロヒョウ 龍が如く新章】
プラットフォーム:PSP。9月22日発売予定。価格:6,279円(UMD版)、5,600円(ダウンロード版)

【人喰いの大鷲トリコ】
プラットフォーム:PS3。発売日未定。価格未定

【ガンダム無双3】
プラットフォーム:PS3。12月発売予定。価格未定

【グランツーリスモ5】
プラットフォーム:PS3。11月3日発売予定。価格:7,980円



「キングダムハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス」:(C)Disney. Developed by SQUARE ENIX
「ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー」:(C)SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
「ダンボール戦機」:(C)LEVEL-5 Inc.
「ニノ国 白き聖灰の女王」:(C)LEVEL-5 Inc.
「キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ」:(C)2010 Konamik Digital Entertainment Developed by Mercury Steam Entertainment
「クロヒョウ 龍が如く新章」:(C)SEGA
「人喰いの大鷲トリコ」:(C)Sony Computer Entertainment
「ガンダム無双3」:(C)創通・サンライズ
創通・サンライズ・毎日放送
「グランツーリスモ5」:(C) Sony Computer Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties.
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(2010年 9月 16日)

[Reported by 豊臣和孝]