米Zynga、米Facebookとの5年間の戦略的提携を発表
ソーシャルゲームプラットフォームとしての地位を確実なものに


5月18日発表(現地時間)



 ソーシャルゲーム最大手の米Zyngaと、ソーシャルネットワークサービス最大手の米Facebookは、現地時間の5月18日、両社の間で5年間にわたる長期的な戦略的提携が交わされたことを明らかにした。

Zyngaの公式サイト。大きく紹介されている「FarmVille」は世界中に無数のコピー作品を生み出したフラッグシップタイトル。Facebook登録ユーザーだけで会員数は7,500万人を超える

 米Zyngaは、世界最大手のSNS Facebookをプラットフォームに、Flashベースのブラウザゲームを提供し、ソーシャルゲームの分野で一躍トップシェアに躍り出たソーシャルゲームメーカー。今年のGDCでは、この両社のスピーカーが相次いで登壇し、ゲーム市場の変化を大きく印象づけた。

 しかし水面下では、Facebookが貸すロイヤリティが高額に及ぶことから、ZyngaはFacebookから完全独立し、「Zynga LIVE」と呼ばれるソーシャルゲームポータルを立ち上げることが噂されていた。

 これはこれでZyngaは、高いロイヤリティの支払いから逃れられる一方で、億単位のアクティブユーザーを抱えるFacebookのユーザーコミュニティというソーシャルゲームで必要不可欠な要素を失うことになる。この両社がどのような結末を迎えるかは、ソーシャルゲームの分野でここ数カ月の大きな関心事だった。

 今回の提携発表は、そうした噂を完全に払拭し、少なくとも今後5年間は現在の関係性を維持しながら、お互いにソーシャルゲームのシェア拡大に務めつつ、Facebook独自のバーチャルマネー「Facebook Credits」を通じて、売り上げ拡大に務めていくことになる。今後、多くの日本メーカーがFacebook向けにソーシャルゲームを提供していくことが予想されるが、今回の最大手同士の提携はそうした展開に少なからず影響を及ぼしそうだ。


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(2010年 5月 19日)

[Reported by 中村聖司 ]