ゲームオン、「AVAれ祭2010~秋葉原の陣~」を開催
韓国からの刺客とのエキシビジョンマッチの行方は!?


4月29日~5月9日開催

会場:ベルサール秋葉原

入場料:無料


この日の秋葉原は快晴、ゴールデンウィークということもあり多数のユーザーが訪れた

 PCショップ「ドスパラ」を展開している株式会社サードウェーブが主催する、日本最大規模のPCゲームの祭典「秋葉原PCゲームフェスタ」が、ベルサール秋葉原にて開催中だ。

 会期3日目となる5月1日は、オンラインFPS「Alliance of Valiant Arms(以下、『A.V.A』)」をサービスする、株式会社ゲームオンによる「AVAれ祭2010~秋葉原の陣~」が開催された。

 「AVAれ祭2010~秋葉原の陣~」では、4月3日に行なわれた「AVAれ祭2010 ヒルズの陣」で爆破トーナメントを制したクランReGuLuSと、韓国最強のクランASTRICKとのエキシビジョンマッチが行なわれた。

 そのほかにもASTRICKと来場者によるチャレンジマッチや、4月21日に同作に実装された新ミッション「Prison Break2 -Rescue-」の攻略デモ、ASTRICKへのQ&Aセッションなどのイベントが行なわれた。韓国でプロゲーマーを目指すクランASTRICKの実力を目の当たりにできただけでなく、Q&Aセッションではクラン運営について語られるなど興味深い内容となった。


■ ASTRICK、「Prison Break2 -Rescue-」ノーマルモードを2人でクリア!

韓国からの刺客ASTRICK。度肝を抜く戦術展開で日本のプレーヤーを魅了した

 「Prison Break2 -Rescue-」は4人~5人のプレーヤーの協力プレイで捕虜の沸き返る病院から同僚のエヴァ中尉を救出するミッションだ。前回「AVAれ祭2010 ヒルズの陣」では「Prison Break2 -Rescue-」が先行公開され、4月21日に実装された新コンテンツだ。

 韓国では既に実装されており、ASTRICKのメンバーがたった2名での攻略デモを披露してくれるという。彼らにとってはエキシビジョンマッチ前のウォーミングアップのような企画だが、筆者も4人でプレイしてまったくクリアできていないため、トッププレーヤーがどのように攻略するのか大変楽しみだった。

 2人とも有料武器のPPSh41と呼ばれる本作最大の71発の装弾数を誇るサブマシンガンを装備。前哨戦攻略のキモは極力無駄な弾を使わず、ミッションの遂行条件を優先させること。セカンドステージまでは常に2マンセルで行動して、ゴールを狙った。特にリロードは残弾を確認しあいながら行なっているのが特徴的だった。

 エヴァ中尉を救出する第3ステージでは、エヴァ中尉が囚われていると考えられる一帯の扉をいっせいにあけて、一気に制圧をしかけていた。エヴァ中尉救出後は1名がエヴァ中尉を直衛し、ただちに片方の1名が屋上ヘリポートに向かう。

 屋上のプレーヤーは敵を一手にに引きつけながら最奥の制御盤下のフロアの高所に上る。エヴァ中尉を屋上階段付近に上らせたら、付近から囚人がポップしなくなるため、エヴァ中尉からいったん離れて制御盤の制圧を目指す。

 囚人たちは1度ターゲットしたプレーヤーを延々と追い続けるため、1人が囚人を引き付けている間、もう1人は肝心の制御版解除に集中できる。解除後はヘリコプターが来るのを待つだけだが、その間にエヴァ中尉にとって最大の敵となるRPGを持ったボスを排除。

 エヴァ中尉のところまで戻ったら、後はヘリコプターが来るのを待つだけという流れだ。来場したユーザーの大多数も2人でのノーマルモードクリアは最初半信半疑だったようで、要所要所で大きな歓声が聞かれた。


「Prison Break2 -Rescue-」低層階ではとにかくダッシュ。体力と弾薬を温存するのが攻略のカギ。装置の解除などで後方が手薄になるときは、左右にステップしながらEキーを押していた
エヴァ中尉を救出してからの左右の画面に注目。屋上の囚人をうまく引き付けておくことがポイントだ



■ プロゲーマーを目指す韓国クランASTRICKに聞く、クラン運営の秘訣とは!?

「AVAれ祭2010~ヒルズの陣~」で日本の頂点に立つReGuLuS。ASTRICKにどう立ち向かうか
イベントは大盛況だった

 続いてはASTRICKに対するQ&Aコーナー。ASTRICKは最近の韓国でのクラン戦成績では勝率10割という鉄壁の強さを見せている。韓国の「A.V.A」にはスポンサーのついたプロゲーマーは存在しないため、アマチュアのゲーマーに過ぎないが、実力はプロゲーマー並だ。彼ら自身は自分たちをもっともプロゲーマーに近い存在として捉え、デバイスメーカーなどとのタイアップを目指して活動を続けているという。そんな彼らに日本のプレーヤーからの質問がぶつけられた。

 話題は装備品や使用デバイスの他、クラン運営まで多岐にわたった。現在ASTRICKには10人~15人ほどのメンバーがおり、大会メンバーは来日した5人で固定し、うち4人は共同で生活している。彼らの鉄壁の強さの秘訣はコミュニケーションであると断言し、新規のメンバーが加入する際にも射撃のウデは2の次でコミュニケーション能力が第1といってはばからない。大会メンバーが共同生活を送るといったゲーム以外での交流で信頼感を築き上げ、ゲーム内での連携を作っているのだという。勝ち続けるにはとにかく信頼関係とのことだ。

 5人のメンバー間の役割は、リーダーが2人、C4キャリアー、遊撃、スナイパーの2オーダー制の分業がなされている。爆破ではグレネードによる空爆で5人の頭数が初動から割れるケースがあり、戦術指揮を取れる人間を2人設けているとのことだ。

 装備は、アサルトとスナイパーをこなすリーダーの選手はアサルトの武器にG36を用い、装備品は対スナイパー向けの対大口径ヘルメットと、対ポイントマン向けに防弾系の装備を選択しているとのことだ。特にG36は使用しているプレーヤーは日韓を通じて非常にマイナーで、この点について最も面白くて難しい武器だから使用しているとのことだ。また、デバイスではローセンシで幅広く机を使用しているために、キーボードはFILCOのテンキーレスキーボードを使用している。

 韓国最強とも言われるスナイパーのAstrick.vZ選手には、スナイパーの立ち回りについての質問がなされた。特にAstrick.vZ選手は正面からスナイパーライフルで突破できる力と、非常に巧妙なハンドガンを駆使する能力を持っている。スナイパーが黙って座っていられる場所は少なく、常に動きながらシューティングポイントを探し続けなければならないとのこと。逆に、スナイパーの対策には、数多くの戦略パターンを作っておいて勝負すべきとした。

 また、当日は会場からASTRICKへ即席チームによるシュートアウトイベントも行なわれた。計4チーム20人が来場者から選抜された。それぞれ5ラウンド3本先取、マップは爆破ランダムマップで行なわれている。1ラウンドでもユーザーが取ることができれば、参加しているクランに大きなボーナスが与えられる。運営チームがASTRICKの強さを目の前にかなり弱気になった末の大盤振る舞いだったようだが、最大2ラウンドまで奪うチームが現われるなど来場者の即席チームが意外な健闘を見せたのが印象的だった。


ASTRICKのアサルトの選手のデバイスASTRICK のスナイパーのAstrick.vZ選手のデバイス。キーボードは使用するキー以外ほとんどのキートップを外しているおなじみのBRZERK軍曹は宮司スタイルで登場!



■ 日本爆破トーナメント王者ReGuLuSと日韓エキシビジョン対決

解説を担当した「A.V.A」プロデューサーの井上洋一郎氏。韓国クランの強さにかなり弱気になってしまった様子
選手たちは再び戦うことを誓い合った

 この日会場の盛り上がりが最高潮に達したのが、「AVAれ祭2010 ヒルズの陣」にて爆破トーナメントを制したReGuLuSと、韓国からの刺客ASTRICKとの爆破ミッションによるエキシビジョンマッチだ。

 「A.V.A」の爆破ミッションは、マップ内2箇所のオブジェクトの爆破をめぐって争われる本作屈指の人気ミッションだ。当日は各チーム5対5に分かれ、最大13ラウンド中7ラウンド先取制で争われる。

 使用マップはDual Sightで、航空基地の地上と地下の2箇所の爆破地点とセンターの3方向が進撃ルートとなる。両チームとも相手チームを全滅させるか、攻撃側はマップ中の2箇所の爆破ポイントのうち1箇所を爆破、守備側は制限時間中を守りきるか、もしくは相手の設置した爆弾の解除することで勝利となる。

 攻守はASTRICKが先攻、ReGuLuSが後攻で試合が始まった。ASTRICKはアサルト4人、スナイパー1人を基本に、状況に応じてスナイパーを2人そろえる布陣だ。対するReGuLuSは「AVAれ祭2010 ヒルズの陣」から1名メンバーを変更。かつてクランcometのメンバーとしてASTRICKに挑んだ選手が加入した。

 1ラウンド目は、攻めるASTRICKがセンターからの空爆でまず1人を制圧。互いにセンター付近で壁越しの手榴弾とスナイパーで牽制しながら、時間をかけて互いを伺う展開になった。拮抗を破ったのはまたもやASTRICKで、手榴弾を合図に地上の爆破ポイントにラッシュ。ASTRICKのスナイパーが最後はハンドガンでトドメをさし、ReGuLuSの全滅。

 2ラウンド目は冒頭の一斉空爆でReGuLuSがリーダー選手をゲット。しかし、ASTRICKはすぐさま3名で地上爆破ポイントに速攻爆弾設置をかけにいく。あわてて飛び出したReGuLuSの選手たちをスナイパーが中央2階から狙撃し、ReGuLuSが全滅。続く3ラウンド目も互いの空爆不発も1番設置ポイントを力で押し切りASTRICKの勝利。

 4ラウンド目はASTRICKの一斉空爆。キルはなかったものの、5人がほぼ一斉にグレネードを投げてドーンという大音響が響く。ASTRICKはCATを陽動し、C4キャリアは地下の設置ポイントに進出し設置。ReGuLuSはこの動きを読んでおり、2対2の状況で設置場所付近のASTRICKの選手を十字砲火。双方アサルトとスナイパー1人ずつの状況になる。

ASTRICKのスナイパーは十字砲火から逃れた状況で、方やReGuLuSのアサルトは側面後方のスナイパーに気づかない。スナイパーは最後のマガジンの弾を撃ち損じるも、気づかない相手を倒しにかかるのではなくそのままはしごを使って地上に脱出。ReGuLuSの選手が爆弾の解除をしはじめたところで、グレネードを放り込まれ、あと1、2秒のところで解除できずに倒されてしまった。撃ち損ねても慌てない。貫禄のプレイといえるだろう。

 5ラウンド目もCAT付近でASTRICKのスナイパーが活躍し、地上の設置ポイント付近でReGuLuSを全員撃破。6ラウンド目も同様に地上の一斉空爆後に地上の設置ポイントに進出。中距離からのASTRICKのスナイパー大活躍でラウンドゲット。なんとこの時点で、ASTRICKのスナイパーは14killと勢いがとまらない。

 ラウンドで攻守交替、攻めに転じたReGuLuSが1ラウンドでも落としてしまえばASTRICKの勝利となる。ReGuLuSは地上設置ポイントにラッシュをかけ、設置成功。 大量のスモーク両方の出口にたかれ、篭城戦の様相だ。しかし、ASTRICKのスナイパーがスモーク越しにkillを加えるスーパープレイで、あえなく全滅。

 日韓対決は、ラウンドカウント0-7という一方的な展開で韓国ASTRICKの勝利で終わった。圧倒的な射撃スキルを持ちながらも、何よりも連携を重視するASTRICKはどんな状況下でも一切の隙を許さず圧勝した。日本のプレーヤーにとってはあまりの実力差に驚いたかもしれないが、Q&Aコーナーや実際のプレイを通じて常勝軍団への道標が見えたのではないだろうか。


会場の1Fの試遊台コーナーは多くの人で賑わった

(2010年 5月 2日)

[Reported by 三浦尋一]