バンダイナムコ、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」REV.2.09インプレッション
新機体と既存機体、生まれ変わった「ジャブロー地下」に迫る
株式会社バンダイナムコゲームスは、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」を10月28日にREV.2.09へバージョンアップする。
近距離戦型機体として「B.D.1号機」(地球連邦軍)、「イフリート」(ジオン公国軍)の先行支給(くじ引きによる支給)が行なわれ、各種格闘型モビルスーツの調整、また特定の格闘型機体には、Sクラスでのみ使用可能な「Sクラス専用武装」が配備される。さらに、「ジャブロー地下」がリニューアルされ、画面表示情報、マッチング方法、そしてボイスシンボルチャットの登録ワードなど、多岐にわたる変更が施されている。公式サイトのバージョンアップ情報はこちら。なお、「ジャブロー地下」は、11月5日から登場する。
■ 近距離戦型モビルスーツ2機種のインプレッション
● 移動能力が向上する「EXAM」を搭載した「B.D.1号機」
【RX-79BD-1 B.D.1号機】 |
---|
カテゴリ:近距離戦型/地上 基本スペック:HP298 コスト240 メイン「100mmマシンガンA 格闘「ビーム・サーベル」 サブ「胸部バルカン砲」 |
地球連邦軍にとって3機種目のコスト240機体「B.D.1号機」。「陸戦型ガンダム」をベースとした本機の初期武装はメイン武装は「100mmマシンガンA」、サブ武装は「胸部バルカン砲」、格闘武装は「ビーム・サーベル」となっている。「100mmマシンガンA」は威力が高めの6連射のばらけるマシンガン。「胸部バルカン砲」はよろけを誘発しやすい近距離戦型機体らしいバルカン砲となっている。連撃の威力は地球連邦軍のコスト240近距離型機体では平均的。ダッシュ、ジャンプ、それに伴う硬直などの機体運動性能は、コスト240機体らしいレベルに仕上げられていると感じられた。
本機の最大の特徴は「EXAMシステム」。「機体が危機に陥ると発動する」という機体紹介の通り、HPが一定値以下になると、効果音とともに画面周囲に薄く赤いエフェクトがつき、「EXAM発動」の文字とともに、機体運動性能が向上する。ダッシュ性能、ジャンプ性能が向上し、攻守両面でパワーアップするが、敏感すぎて困るほどのギャップは感じられなかった。また、武装関連への影響は見られなかった。「EXAM」の発動HPは、セッティングによっても異なる(機動ではなかなか発動せず、装甲ではやや高めのHPで発動する)ので、攻めを重視して使うのか、守りを重視して使うのか、それぞれ特性に合わせて使い分けていきたいところ。拠点でHPが回復すると、「EXAM」は発動を終了するが、再び被弾するとシステムが起動することから、何度でも使用できるようだ。
追加武装もマシンガン2種(3連射、1連射)、そしてサブ武装には弾数がやや少なめだが誘導性に優れた武装が用意されている。運動能力、武装ともにバランスよくまとまっており、アンチタンクも護衛もこなせる、地球連邦軍機体らしいあまり穴のない機体になっていると思われる。「EXAM」の運用いかんでは、コスト280機体にも匹敵する潜在能力を感じさせてくれる1機だ。
● ショットガン2丁持ちも可能な「イフリート」
【MS-08TX イフリート】 |
---|
カテゴリ:近距離戦型/地上 基本スペック:HP294 コスト240 メイン「ショットガンA」 格闘「ヒート・サーベル」 サブ「頭部バルカン砲」 |
「グフ」と「ドム」の中間に位置する試作機で、「グフ」や「グフ・カスタム」の「ヒート剣」よりも大きな「ヒート・サーベル」と弾種の豊富な「ショットガン」を持つジオン公国軍初のコスト240機体「イフリート」。ダッシュやジャンプのスピード、それに伴う硬直などはコスト相応といえ、HPの値もまずまず。
初期武装は「ショットガンA」、サブ武装が「頭部バルカン砲」、格闘武装が「ヒート・サーベル」で、「ショットガンA」は弾数は少なめだがよろけを誘発しやすい特性を持つ。「頭部バルカン砲」は近距離機体らしいよろけを取りやすく、フルオートでダウンも取れる武装。連撃威力はコスト200機体より高めにセッティングされている。
初期武装だけ見ると、格闘型の「ケンプファー」に似た特性が感じられるが、「イフリート」には全部で4種類のショットガンがそろっており、メイン、サブで2種類を装備できる。メインには射程の長い単発のショットガン、サブには射程が短いが効果範囲の広いショットガンなどがあり、さらにはバズーカ系武装も用意されている。ショットガンは弾速もはっきり異なるので、装備のセットによってかなりキャラクターが違ってくるだろう。
本機は武装の組み合わせによって機体特性が変化し、運用法を考えることで効果を発揮する地球連邦軍でいえば「ジム改」のようなキャラクターを持つ機体になっている。マシンガン機体であった「ジム改」とはちょっと異なるが、ツボにはまれば強力な遊撃機としての活躍が期待できる。ただし、ショットガンゆえに弾数は少なめ。トリガーハッピーでは自滅するおそれもあるので、僚機との連係で効果を発揮する機体といえるだろう。また、「ジム改」がそうであったように、武装と機体特性の理解が進むまでは、機体運用にあたって試行錯誤が必要だろう。
■ 格闘型モビルスーツ調整とSクラス専用格闘武装はどうなっているのか?
格闘型カテゴリ機体への大幅な調整が施されたREV.2.09だけに、“格闘乗り”はもちろん、対戦するプレーヤーにも気になるところが多い。実際に試乗してきたインプレッションをお届けしよう。
● 連撃ループでどうなる? Sクラス専用格闘武器
「ジム・ライトアーマー」、「ジム・ストライカー(ネメシス隊)」、「ガンダムEz-8」、「アレックス」、「グフ」、「高機動型ザク(R-1A)(3S)」、「ズゴック(S)」、「ギャン」の8機体に追加された、Sクラス専用格闘武器。「ビーム・サーベル」なら「ビーム・サーベルS」といった形で名称が与えられており、連撃リミッターが解除されるという特性を持つ。
全部の機体を試したわけではないが、「アレックス」、「ギャン」に関しては、「ビーム・サーベルS」において、連撃リミッターが解除されていること以外の違いがあまり見られなかった。連撃ループが可能ということで、ループ中に連撃がヒットするごとにダメージが低下する連撃補正が導入されているのでは、という憶測もあったが、実際にはダメージに変更はなく、HP満タンから撃破までが可能となっている。クイック・ドロー外しから最速で次の格闘攻撃をヒットさせると即ダウンするという特性にも変化はない。その他の連撃ループ可能機も、Sクラス専用武器はダメージが下げられておらず、こちらもループをきっちりこなせば、一気に大ダメージが与えられることに変わりはない。
REV.1.xxと異なり、攻撃ヒット回数によるダメージ補正がない分、対処に失敗すると、REV1.xxよりは撃破が早くなる(『アレックス』などの連撃威力の高い機体が増えたことも一因)可能性があることを鑑みると、格闘機による敵拠点攻撃機体のマークが機能すると、拠点攻撃機体をきちんとフォローしないと戦局が一気にひっくり返ることもありえる。また、Sクラス専用格闘武器による連撃を2機でかぶせるように行なうことで、瞬間ダメージを上げるだけでなく、それぞれがクイック・ドロー外しを駆使するとさらに撃破までの時間が短縮できる。護衛機体が撃破された後、拠点攻撃を邪魔されるだけでなく、拠点撃破前に拠点攻撃機が撃破される危険も増えるだろう。6VS6、8VS8時のミノフスキー粒子散布濃度が高いときは、より注意が必要だ。戦略の実行結果に、以前よりも大きな差が出てくると予想できる。格闘機2機による護衛と拠点攻撃機体をパワーで撃破する戦略が復活しそうな勢いだ。
ただ、いくら強化されたとはいえ、連撃ループからの脱出は、単機でも旋回を使って着地時を狙っての反撃が可能だ。また、障害物による連撃抜け(俗に言う“ひっかけ”)を使っても脱出ができるうえに反撃も可能と、連撃ループから抜ける方法もいくつか開発されてきている。こういった努力や読みあいはもちろん、僚機が連撃を食らっているときは、早めにダウンする武器やよろける武器を使ってカットを心がけたい。このように、連係を意識しておくことが、Sクラスではより大事になってくるだろう。
● 「ジム・ストライカー」、「ザクII(S)」のタックルからの派生攻撃
「ジム・ストライカー」、「ザクII(S)」の2機種に追加された「タックルからの格闘、および射撃への追撃」。タックルが敵に命中した場合、連撃同様に追加で射撃および格闘トリガーを入力することで、格闘(又は射撃)ができる。タックルがヒットした時点でよろけが発生、追加入力が行なわれていれば、そこに追撃できるほか、あらかじめブーストやジャンプペダルを入力することで、タックルヒット後に行動が可能になっている。追撃を入力しない、もしくは入力を失敗した場合は、時間経過でダウンする。最初は、格闘武器のような腕の振りがないので追撃入力のタイミングがつかみづらかったが、慣れればすぐに出せるようになるだろう。
タックル自体の蓄積バランサー値が高めに設定されているようで、検証した限りでは、連撃は2回までとなっていた。射撃も同様に、当たると即ダウンすることが多かった(武装による)。つまり、タックルからの追撃は、タックル→射撃追撃を外す→タックルという流れで瞬間的に大きなダメージを奪うという使い方がもっとも適していると考えられる。また、タックル後のよろけ中に格闘追撃を1発当ててから、クイック・ドローを外してさらにタックルで追撃といったバリエーションも狙えるが、こちらは相手もやられ状態からの復帰が早いため、反撃のリスクが高まる。タックルからの追撃は、連撃よりも少ない時間でより多くのダメージを奪える半面、タックルに射撃がヒットするとカウンターとなるため、カットによる最低50のダメージ受けてしまうリスクも考えていきたい。
「ザクII(S)」の場合、移動距離などは向上しているものの、ザク・バズーカ装備時はコストが+20されるようになり、HPが下がったうえ各種硬直に神経を使わざるを得ないチューニングが施されたため(特性的に『ジム・ライトアーマー』に近くなったといえる)、よりリスキーではあるが、敵1機と対峙した場合、タックル、格闘、射撃の3択から、格闘攻撃可能範囲であれば、格闘、タックルの2つの選択肢から派生してワンチャンスに通常の射撃兵器では考えられない大ダメージを与えられるという利点は見逃せない。
「ジム・ストライカー」も「ジム・ストライカー(ネメシス隊)」や「ピクシー」、「ガンダムEz-8」に負けない、敵に選択肢を読まれないようダメージを与える手段を手に入れたことになる。コスト差をひっくり返すような戦いができるかどうかは、パイロットの腕にかかっている。
● チャージ格闘武器も使い勝手、威力ともに強化!
「ジム・ストライカー」の「ツイン・ビーム・スピア」、「ジム・ストライカー(ネメシス隊)」の「ツイン・ビーム・スピアA」、「プロトタイプガンダム」の「ビーム・ジャベリン」、「ギャン」の「ビーム・サーベルB」の4つのチャージ格闘武器。登場以来、初めて大きなテコ入れを受けたといえる今回のバージョンアップでは、「ダウンからの起き上がり時に発生する無敵時間中にチャージを行なっても、無敵時間が継続される」、「チャージ中に射撃トリガおよび、タックル入力を行なうことにより、チャージをキャンセルできる(射撃攻撃やタックルは発生しない)」という調整が入っている。これにより、使い勝手が向上した。チャージのキャンセルは、狙撃機体のスコープモード中にタックルを入力するとスコープモードが解除される感覚に近かったが、移動中にキャンセルしても行動が途切れることはなかったので、安心だ。
また、機体ごとに異なるが、チャージ武器のチャージレスポンスや威力も向上しており、早く溜められるようになったり威力が増している。「プロトタイプガンダム」や「ギャン」の場合、蓄積バランサーダメージが減っているので、僚機の攻撃でよろけているところに叩き込んでもなかなかダウンせず、きっちりダメージを与えられる。今までのイメージを覆すほどの効果があるかどうか、実際に試してもらいたい強化ポイントといえるだろう。
● そのほか機体別調整ポイントに注目
・「ガンダムEz-8」
・「ギャン」
前回の記事でも触れているが、乱戦に向いた機動性能の向上が見られる。「ガンダムEz-8」は同コスト帯の「ジム・ストライカー」との運動性に差別化がされており、「ギャン」は「ケンプファー」や「ゲルググ(S)」とまた違った機動性能をウリにできるだろう。Sクラスでの「ビーム・サーベルS」もストロングポイントになりえる。
・「ジム(指揮官機)」
新たに追加された「ビーム・サーベルC」は、1,500バトルポイントで支給される。メイントリガーにアサインすることで、「ビーム・サーベルA」と2刀流で格闘メインという運用が可能となった。格闘可能範囲は「ピクシー」とは異なり「ビーム・サーベルA」と変わりなく、ダメージもやや控えめだが、変わりに蓄積バランサーダメージが減少しているようだ。本機は宇宙でも活躍できるところも魅力だろう。
・「ズゴック(S)」
・「ズゴック(E)」
「ズゴック(S)」の「6連装ミサイル砲」、「ズゴック(E)」の「魚雷A」がクイック・ドロー可能な直線軌道を描く単発系武装に変更されているため、「ズゴック(S)」は連撃を外しての大ダメージを狙う運用も可能。「メガ粒子砲A」が弾数で勝負しよろけを誘って連撃やタックルでダメージを与える武装なら、新たにバトルポイント1,500で支給される「メガ粒子砲B」は弾速が早めで硬直をきっちり取ってダウンを狙う武装になっている。また、水中機動力がマイルドに調整されたかわりに、地上での移動性能は向上している。Sクラスでも格闘機体として十分活躍できるはずだ。
「ズゴック(E)」は、「ビーム・カノンC」の追加コストが20から下がって威力が増しているほか、機動性能も変化。ダッシュ距離は短くなっているようだが、ダッシュ速度は向上している。こちらが間合いの主導権をとりやすいし、HPも増えたので、チャンスには一気に攻め、引くときは引く、メリハリのある立ち回りが要求されそうだ。
・「ゴッグ」
「メガ粒子砲B」の追加コストが減らされ、機動低下がなくなった。試乗した限りでは「メガ粒子砲A」と変わらぬ運動性になったことにより、弾数は相変わらずだが、よろけの取りやすい「メガ粒子砲A」とまとめて敵にダメージを与える「メガ粒子砲B」と、武装でキャラクターを活かしやすくなっている。
全体的な傾向としては、あまり使われていなかった武装や機体へのテコ入れが行なわれ、それぞれの差別化が一層進んだといえる調整になっている。機体ごとの強みを検討し、どのステージのどのあたりで活躍できそうか、そしてチーム内での役割をどう担っていくのかを考え直してみるいいチャンスになっている。近距離型機体を主軸に、格闘型モビルスーツをどう活かしてチーム編成を練っていくのかも楽しみな調整になっているといえるだろう。■ 左右の拠点攻略ポイントが拡張された「ジャブロー地下 ver.2」
前回の記事どおり、バージョンアップされた「ジャブロー地下」(便宜上 ver.2と呼称する)のポイントは、主に両軍の左右のルートから進行した場合の拠点攻略ポイントの拡張といえるだろう。今回の拡張により、左右それぞれのルートからも拠点攻撃がしやすくなっている。ただし、リスタートポイントもそれぞれのルートに配され、最大4つ(もう1つは拠点裏)になっている。
地球連邦軍側から「アッザム」を攻めるにあたっては、「整備ドッグ」側には障害物も設けられており、拠点攻撃しながら自衛しやすい印象だ。裏の選択肢となる「潜水艦ドッグ前」は、開けているため拠点をロックオンしやすい。
かたやジオン公国軍側は、水中からの進行が可能な「地底湖」ルート、そして旧来からブラインドショットが可能だった「裏洞窟」があるため、編成に水陸両用機体を護衛に入れるなどの工夫が活かせそうだ。
中央部はほとんど違いが見られないため、ルートを横断する必要がある遊撃機体には機動力が問われそうだが、天井に攻撃がぶつかりやすいということも踏まえ、機体選択する必要があるというセオリーは変わりない。
【ジャブロー地下 ver.2】 | |
---|---|
左右の拠点攻略ポイントが拡張された「ジャブロー地下 Ver.2」。戦略マップはこちら |
■ ボイスシンボルチャットワードに「トリントン」用など多数の追加
REV.2の大きな特徴でもある「ボイスシンボルチャット」。登録されている用語に今回、待望ともいえる「トリントン」で使用可能な階数指定が追加された。視覚情報の追加とともに、他店舗プレーヤー同士のチームの意思疎通が今までよりやりやすくなったといえるだろう。登録ワード一覧は下の通りで、追加されたワードは赤く表示している。
【戦闘中】
|
【リザルトチャット表示中】
|
(C)創通・サンライズ
□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/am/
□「機動戦士ガンダム 戦場の絆」のページ
http://www.gundam-kizuna.jp/
(2009年 10月 28日)