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「スマブラSP」世界王者MkLeo選手VS国内最強ザクレイ選手のマッチアップに会場が燃えた! Nintendo Live「スマブラSP ワールドチャレンジカップ」レポート

桜井政博氏「新ファイターはもうちょいお待ちください」

10月14日 開催

会場:国立京都国際会館

 Nintendo Live 2019の会場で、世界の強豪「スマブラ」プレーヤーが対戦する団体戦「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL ワールドチャレンジカップ」が10月14日に開催された。

 「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL ワールドチャレンジカップ」は、Nintendo Switch「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」を使用したエキシビションマッチ。ではあるのだが、世界のトップ「スマブラSP」プレーヤーのプレイが間近に見られるということで、会場はこの日最大の盛り上がりを見せた。

 中でも来場者から反応があったのが、「世界選抜」チームのMkLeo選手と「日本選抜」チームのザクレイ選手のマッチアップ。MkLeo選手はEVO 2019「スマブラSP」部門で優勝し、現在の世界最強プレーヤーと言われている。一方のザクレイ選手はEVO 2019で7位、さらにはNintendo Live 2019初日に行なわれた「スマッシュボール杯 スマブラSP 日本選手権」で優勝し、日本リーグ最強の称号を得たばかり。

MkLeo選手
ザクレイ選手

 MkLeo選手はジョーカーを一貫して使う一方、ザクレイ選手はジョーカー、ロボット、ウルフなど様々なファイターを扱う。特にMkLeoのジョーカーは絶品で、攻撃は避けるわコンボは繋がるわで通常状態から火力抜群。アルセーヌが登場すればプレッシャーはさらに増すという、世界トップに君臨するジョーカーの立ち回りは本当に素晴らしかった。

 この2人が対戦したのは予選最終戦。アイテムありやなしが織り混ざる特殊ルールの中で、2人はEVO 2019など世界的に採用されているアイテムなしルールでの対戦となった。

全観客が楽しみにしていたマッチアップ

 この対戦でザクレイ選手はロボット、そしてMkLeo選手はジョーカーを選択。ステージはジャングルガーデンとなった。立ち回りで先手を取ったのは、MkLeo選手。ジョーカーの機動力を活かし、ロボットの体の大きさに合わせる形で攻撃をどんどん叩き込んでいく。そのままアルセーヌも召喚して一気に攻め切ると思いきや、ここでジョーカーが川に落ちてまさかの川撃墜。

 この思わぬ好機にザクレイ選手から笑みが溢れると、このまま反撃に転じる。ザクレイ選手のロボットはジャイロの使い方がとても巧みで、中距離の牽制として置きつつ、敵が離れればそれを拾って追い打ちを仕掛けていく。ジャイロを避けて近づけばコンボ攻撃が待っている。戦場には常にジャイロが置かれているか、ジャイロを絡めた攻撃が飛んでくるような状況になるため、対戦相手としては対応が難しい。

 ジャイロの牽制から攻撃につないでしっかりダメージを稼ぐザクレイ選手に対し、やはり立ち回りでどんどん追いついてくるMkLeo選手。ジョーカーがふっとばされた崖際の攻防では、復帰阻止を狙って崖下に飛び出したロボットに向かってあえてワイヤーを放ち、当たった隙を見てさらにワイヤーで崖に掴まるという紙一重の駆け引きも見られた。しかし、最後はやはりジャイロからのコンボでザクレイ選手がMkLeo選手を制した。

 日本選抜と世界選抜の2チームが進んだ決勝戦では、この2人の対戦がもう一度見られた。この決勝戦で2人が対戦したルールは、アイテムなし、3ストック制。ただしファイターを倒すと別のファイターが出てくる「おかわり」ルールが採用された。

 この対戦で面白かったのは、2人の選択した3人のファイターの中でウルフとジョーカーが共通していたこと。残り1人はルキナ(MkLeo選手)とロボット(ザクレイ選手)と変わっていたが、試合はウルフ同士の対決で開幕するなど見どころたっぷりだった。

 その前の試合で負けているMkLeo選手はこの対戦で雪辱を果たしたかったが、制したのは再びザクレイ選手。この最初のウルフ対決で1本をもぎ取り、そこから粘ってダメージ数を稼げたことで有利なまま対戦を進めていた。展開としては3人目のジョーカーまで引きずり出されたが、MkLeo選手のルキナをしっかりと咎めてふっとばし、ダメ押しの復帰阻止も決めて見事勝利。王者対決はザクレイ選手に軍配が上がった。

最初のウルフ対決でついた差が、そのまま最後まで残った対戦だった

 団体戦としては、普段はアイテムなしでプレイしているはずの世界選抜チームのNairo選手がアイテムありルールで大活躍を見せて勝利数を稼ぎ、世界選抜が優勝となった。「アイテムあり大好き」と語るNairo選手はアイテムの特性を利用する対応力が素晴らしく、運要素が絡むルールの中を自在に泳ぎきった。

 団体戦やアイテムありという普段プロたちが対戦している環境とは少し変化が付けられているからこそ、そこからは見えてこない選手たちの新たな一面にスポットが当てられる興味深い大会だった。MkLeo選手を上回ったザクレイ選手の今後の活躍も楽しみだし、伸び伸びとプレイしていたNairo選手のファンになったという視聴者、来場者もいるだろう。これからの「スマブラSP」シーンがますます楽しみになる世界最高峰の大会を見られて本当によかったと思う。

アイテムありルールでの試合はNairo選手がじつに活き活きとしていた
優勝した世界選抜チーム。左からNairo選手、Mr.R選手、MkLeo選手
準優勝の日本選抜チーム。左からこんぶ選手、HIKARU選手、あばだんご選手、ザクレイ選手
決勝戦前には、「スマブラSP」のテーマ曲「命の灯火」を歌う古賀英里奈さんが登場。同曲を熱唱するライブパフォーマンスを行なった
ファンにはすっかりおなじみ「スマブラSP」ディレクターの桜井政博氏も登場。試合を開発者ならではの視点で解説していった。ちなみに新ファイターの発表は「もうちょいお待ちください」とのこと
「スマブラSP」が2020年1月24日から26日まで開催されるEVO Japan 2020のメイントーナメントタイトルとして採用されることが発表された