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原作表現てんこもり! PS4「Predator: Hunting Grounds(仮)」プレイレポート

木登り、サーモグラフィー、光学迷彩。自爆だってあるプレデターアクションが夢のような仕上がり

2020年発売予定

価格:未定

 2020年に日本での発売がアナウンスされたプレイステーション 4用非対称型対戦シューティング「Predator: Hunting Grounds(仮)」(Predator)。TGS会場で本作の試遊ができたのだが、プレデター好きがプレデター要素を活かしたらプレデターアクション満載のプレデターゲームになった、みたいな仕上がりになっていた。

プレデター!

 順を追って説明する。そもそも本作は、1987年に第1作が公開された映画「プレデター」シリーズをベースとする非対称型対戦シューティングである。

 プレーヤーは4人の精鋭部隊「ファイアチーム」(人間)と1人のプレデター(宇宙生物)に分かれ、ファイアチームはミッションの遂行と脱出を、プレデターはファイアチームの殲滅を目的に戦う。

 今や非対称型対戦ゲームもタイトル数がだいぶ増えてきた印象だが、「Predator」についてはプレデターが登場、あるいは操作できるという点で、同じ非対称型でも差別化ポイントはリミットを振り切っていると言っていい。

ゲームのイメージはシリーズ第1作目がベースとなっていた

 何しろプレデターのできることがもうそのままプレデターだからだ。まず、プレデターはサーモグラフィーカメラ「ビジョン」と「光学迷彩」を備えている。これは片方だけでも、両方同時でも使うことができる。

 また木に登れる。ファイアチームにはそんな能力はないので、木の上からビジョンで見渡せば人間がどこにいるかは一目瞭然だ。さらに武器は、かぎ爪の「リスト・ブレイド」と光線を放つ「プラズマ・キャノン」がある。

 もしプレデターになったなら、まず木に登り、光学迷彩で身を隠しつつビジョンで索敵。木の上を移動しつつ、人間を見つけたら、「プラズマ・キャノン」を撃って攻撃。あるいは、こっそり木から降りて「リスト・ブレイド」でズタズタに切り裂いてもいいだろう。……“木の上から「プラズマ・キャノン」を放つ”って、これ、もう、すっごく「プレデター」じゃありません?

いろいろなことが「プレデター」そのまま過ぎて、「そのままだな!」と言いたくなるが、それでいてしっかりとゲームが成立している

 ビジョンと光学迷彩は使用していると、エネルギーゲージを消費する。ずっと使うことはできないが、オフにするとゲージが自動回復する。

 さらに、倒れた人間にはプレデターならではのフィニッシュムーブがある。つまりトドメを刺すのだが、胸にグサッと手を突き刺し、そのまま背骨を掴んで頭蓋骨ごとズシャッ! と抜き取るのだ。

 敬虔な「プレデター」ファンならすでにおわかりと思うが、これはプレデター用語で言うところの「トロフィー」。つまり、宇宙生物ならではの狩りの記念品である。

「トロフィー」引き抜きシーンは描写的にかなりショッキング(画像は無関係)。CERO Z想定とのことだが、日本向けにどう対応するかは未定とのこと

 ではファイアチーム側の抵抗手段はないのか。ある。しっかりと4人で固まりながら移動し、姿を現わしたプレデターを集中射撃すれば、絶対に倒せない相手というわけではない。「血が出るなら倒せるはずだ」という原作の名ゼリフ通り、プレデターはダメージを受けると血が出て、移動していても血の跡が残るようになる。

 恐怖のビジョン索敵への対策もある。地面の泥を体に塗るというアクションだ。これも原作にあるのだが、泥を塗ることでビジョンの視界から一時的に消えることができる。プレイ中はこうした様々な駆け引きが行なわれる中で、狩るか狩られるかのプレデター鬼ごっこを楽しむこととなる。

 ちなみに、戦場には各チーム以外にも人間の敵(NPC)がおり、双方に向かって銃撃してくるため、彼らも倒しながらそれぞれの目的達成を狙っていく。油断すると相当なダメージを食らうし、応戦すると場所がバレやすくなるしでかなりやっかいだが、このNPCがいることで試合が膠着しづらくなっている。

ファイアチームの場合は一人称視点、プレデターは三人称視点で展開する
状況的にはPvPvE。この敵たちがファイアチームにとってもプレデターにとっても嫌な存在

 今回の試遊では対戦を2回ほど繰り返したのみだったが、実際のプレイではゲーム終了後にキル数などの成績に応じてポイントを獲得できるようになる。ゲームを繰り返してポイントを集めることで、新たな武器やスキン、アイテムが使えるようになる、といったゲームデザインを想定しているそうだ。

 試遊に伴ったプレゼンテーションでは、本作を開発しているIllFonic CEOのチャールズ・ブランガート氏と、CCOのジャレッド・ゲリッツェン氏が「社内でプレイしていても、毎回違った展開になるのが楽しい」と語ってくれた。

左から、IllFonic CEOのチャールズ・ブランガート氏と、CCOのジャレッド・ゲリッツェン氏

 試合はプレイ内容に応じたポイント獲得制にすることで、勝ち負けをはっきりさせることに重きを置いていないという。完全に勝負がついた場合はその分ポイントを多く獲得できるというだけで、時間切れになっても相応のポイントが入る。また、追い詰められたプレデターが自爆をして、全員死亡という終わりもある。

 IllFonicは「フライデー・ザ・13th:ザ・ゲーム」の開発に携わっており、次のプロジェクトで何をやりたいかという時に「プレデター」というアイデアが出たという。非対称型対戦ではすでに実績があり、しかもプレイした限りではプレデターへの愛がビシビシ伝わってくる内容だった。

 今後の予定としては、数ある「プレデター」シリーズから武器などを登場させることも考えているという。まだゲームとしての全体像は未知数だが、2020年に期待したいタイトルの1つだ。

恥ずかしがりつつプレデターポーズをする2人