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「Minecraft」の世界観で「Diablo」風ハクスラが楽しめる「Minecraft Dungeon」
Mojang自身がUnreal Engineを使って少数精鋭で開発した異色作
2019年6月15日 06:33

- 2020年春発売予定
- 価格:19.99ドルより
「Minecraft」ほど、多くのゲームプラットフォームで展開されているゲームもないだろう。「Minecraft」の元祖であるJava版、現行の「Minecraft」であるBedrock版、そしてクロスプラットフォームプレイを拒否した、あるいはスペックが満たなかったレガシー版を含めると展開プラットフォームは20(Windows、Mac OS X、Linux、Android、iOS、Windows 10 PC、Gear VR、Oculus Rift、Fire TV、Kindle Fire、Windows 10 Mobile、Xbox One、Windows MR、Nintendo Switch、Xbox 360、PlayStation 3、PlayStation 4、PS Vita、Wii U)にも及び、総ダウンロード数は1億7,600万以上、アクティブユーザー数は9,100万を誇る。
オーナーのMicrosoftと開発元のMojangが今重視しているのは、この広大で遠大な「Minecraft」ユニバースの横展開だ。言い換えると「Minecraft」というプラットフォームをいかに広げて行くか。その大きな一歩となるのが先月発表された「Minecraft Earth」であり、もうひとつの隠し球が、今回紹介する「Minecraft Dungeons」だ。
「Minecraft Dungeons」がおもしろいのは、もはや全然「Minecraft」ではないところだ。「Minecraft Earth」が現実世界の上にサンドボックスゲームとしての「Minecraft」を構築する試みであるのに対し、「Minecraft Dungeons」はビジュアルこそ「Minecraft」だが、ゲーム性は、「Diablo」シリーズに代表されるハック&スラッシュ系のアクションRPGだ。さらにいえば、ゲームエンジンは「Minecraft」伝統のJavaでも、現行のBedrockでもなく、Epic GamesのUnreal Engineをわざわざライセンスして使用している。しかも、これをMojang自身が開発しているというからおもしろい。「Minecraft」で独立したゲームをリリースするのはこれが初めて(「Minecraft Earth」のリリース時期によっては2つ目になる可能性があるが)ということで、Mojangの新展開という意味でも要注目のタイトルだ。
「Minecraft Dungeons」は、「Diablo」に代表されるダンジョンに潜り、数々のモンスターやトラップを突破し、迷宮の奥に潜むボスを撃破して、お宝を獲得するという、いわゆるハック&スラッシュ系のアクションRPGだ。「Minecraft Dungeons」は、ビジュアルが全面的に「Minecraft」になっており、敵も味方もダンジョンも、武器やアイテムもひっくるめてすべてがドット絵とブロックで構成された「Minecraft」スタイルになっている。
ゲームは9つのダンジョンで構成され、ストーリーは最小限。まさにお宝を目指してダンジョンにアタックし続けるゲームだ。この“9つのダンジョン”というのは、1回ずつ計9回踏破すればクリア、ということを意味しない。1つ1つのダンジョンは、「Diablo」をはじめとした多くのハクスラ系RPGがそうであるように、すべて自動生成となっており、入る度にダンジョンのデザインが変わる。言い換えると9種類のタイルセットをベースに、無限のダンジョンが構築されているゲームだ。
これらのダンジョンに、1人から最大4人で潜ることができる。ローカル環境で4人で遊ぶこともできるし、オンラインマルチプレイにも対応する。このプレイ人数によっても難易度が動的に変化する。さらに、ゲームをクリアすると、いわゆる2周目がスタートする。ダンジョン自体の難易度が上がり、それに合わせて出現するお宝もクオリティアップする。このあたりの仕様は良くも悪くも「Diablo」そのままであり、「『Minecraft』のビジュアルで『Diablo』が遊べるゲーム」と言い切って良いように思う。
ゲームのコアとなるお宝については、武器とアーマーが中心だ。お宝のレアリティには、コモン、レア、ユニークなどのいくつかの段階があり、レアリティが高いほど基本性能が高いだけでなく、毒を付与したり、連続攻撃ができたり、雷属性を宿していたりなど、追加プロパティが多くなる。「Minecraft Dungeons」ではこれをエンチャントと呼んでおり、これをゲーム内のポイントと引き換えに強化することができる。
武器には剣やハンマーを基本に、鉤爪のようなものや、ムチのようなものなど様々で、敵の種類や、どのロールを担うかによって変えていく。謎解きはシンプルでわかりやすく、トラップも難しくない。パーティープレイの場合、1人が戦闘不能になってもその場で蘇らせることも可能で、ゲームの難易度はそこまで高くない印象。派手で過剰気味の演出もユーモラスで、装備を変えることで見た目をカスタマイズできる。大人でも楽しめるが、“子供向けのハクスラ”という表現がピッタリなゲームだと感じた。
価格もダウンロード版が19.99ドルとリーズナブルで、2つのDLCをセットにしたパッケージ版も29.99ドルで、最初からバリュープライスなのも嬉しいところ。発売プラットフォームはWindows PC、Xbox One、PS4、Nintendo Switchで、Windows PC、Xbox OneについてはクロスプラットフォームプレイおよびサブスクリプションサービスXbox Game Passに対応する。残りのプラットフォームとのクロスプレイは現在検討中というところで、「Minecraft」と同様に、プラットフォームの垣根を越えたマルチプレイを実現できるかどうかに注目したい。





























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