ニュース

「鉄拳7」から「ストリートファイターV」まで! 今熱い対戦アーケードゲームの祭典、「闘神祭2019」レポート

最新ゲームの出展、一流プレーヤーによる全国大会など、アーケードゲームファンなら見逃せない!!

3月23日~24日 開催

会場:東京ビッグサイト TFTホール

 タイトーは3月23日~24日の2日に渡り、アーケードゲームの大会「闘神祭2019」を開催した。本大会の競技種目は格闘ゲームはもちろん、アクションゲームやレースゲームなどもあり、ジャンルは多岐にわたる。

 最終日となる2日目は計7タイトルの大会が行なわれ、会場は早くから大会の参加者や観戦者、最新ゲームを試遊しに来たゲームファンなどで大いに賑わっていた。そんな会場の様子と、白熱の大会の模様をお伝えしていこう。

最新ゲームの試遊や対戦イベント、そして最強を決める大会と、見所がいっぱい!

 お目当ての大会まで空き時間があったので、メーカーが出展しているブースを見て回った。アークシステムワークスのブースでは今後発売されるコンシューマー最新タイトルの「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」と、「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」の試遊台が用意されていた。試遊台は埋まっている状態が続き、注目の高さが伺えた。

 4月にアーケードで稼働予定の「ブレイブルー クロスタッグバトル」の試遊もあり、アーケード版から追加された新キャラクターを試しているプレーヤーが多く見られた。

【アークシステムワークスのブース】
未発売のタイトルを一足早くプレイしようと、多くのファンが集まっていた

 個人的に面白かったのがハムスターのブースだ。「アーケードアーカイブス」と「アケアカNEOGEO」の懐かしのタイトルの試遊と、ゲーマー芸人・フジタさんと来場者が「アーケードアーカイブス」で対戦する、「100人対戦イベント」が行なわれていた。

 レトロゲームのイベントではあるが、大人から子供まで幅広い参加者が集まり、盛り上がりを見せていた。参加者には賞品としてアケアカタイトルがプリントされたマグネットを1つ、対戦に勝てば3つもらえるという、ゲーマー心をくすぐるルールと賞品に釣られ、筆者もイベントに参加させていただいた。

 挑戦タイトルは参加者側が選択できるということで、筆者がもっとも好きな格闘ゲーム、「幕末浪漫第二幕 月華の剣士 ~月に咲く華、散りゆく花~」で勝負を挑み、勝利することができた。賞品のマグネットも沢山もらえて大満足である。

 最新タイトルの格闘ゲームが面白いのはもちろんだが、何十年経っても色あせない名作「アーケードアーカイブス」の面白さを改めて再確認した。「忍者龍剣伝」を筆頭に今後の配信予定タイトルにも期待が高まるところだ。

【ハムスターのブース】
朝から夜まで、参加者が途切れることなく賑わっていた対戦イベント

 目玉である大会の様子は、グランドファイナル進出をかけた激しい戦いが繰り広げられていた。2on2で戦う「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」は、強豪の64チームがぶつかり合い、その中でわずか4チームのみが準決勝へと駒を進めることができる過酷な戦い。「ストリートファイターV タイプアーケード」も同じく、64人のプレーヤーから4人まで絞られるという、選ばれた者しか突破できない狭き門だ。

 名の知れた有名プレーヤーも数多くエントリーしていたが、当然ながらその大半は脱落していった。グランドファイナルに進んだのは、まさに闘神の名にふさわしい実力の持ち主ばかり。

 2日目の大会で特に熱かったのは「鉄拳7」と「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」、そして「ストリートファイターV タイプアーケード」。この3タイトルのグランドファイナルの熱気をお届けしよう。

【グランドファイナル進出をかけた戦い】

一瞬たりとも目が離せない、最強の座をかけた決勝戦!!

 1つ目の注目タイトル「鉄拳7」は、3on3による勝ち抜きチーム戦。3ラウンド先取制の1本勝負となっている。準決勝に進出したチームは、「イケイケるんるんクラス」、「Team YAMASA」、「キムチカステラ」、「あのチーム」の4組。

 勝てば決勝進出。最初の対戦はイケイケるんるんクラス対Team YAMASA。先鋒戦は、イケイケるんるんクラスのラース使い・ロキ選手にTeam YAMASAのスティーブ使い・ノビ選手が惜しくも敗れてしまうが、中堅のフェン使い・ユウ選手が怒涛の3人抜きを見せ、圧倒的な強さで決勝に進出した。

【イケイケるんるんクラス対Team YAMASA】

 準決勝2戦目はキムチカステラVSあのチーム。先鋒戦はキムチカステラのジン使い・チクリン選手が、ドラグノフ使いの$選手を辛くも撃破。続く中堅はニーナ使いのチョレギ選手。ニーナの高火力な空中コンボを決めて、チクリン選手を止める。

 キムチカステラの中堅は若手最高峰の実力派プレーヤーのノロマ選手。使用キャラクターはジャック。強烈な壁コンボを武器に、相手の中堅、大将をまさかのストレート勝利。ここで決勝戦に進む2チームが決定した。

【キムチカステラ対あのチーム】

 決勝戦でぶつかるのは、日本最強との呼び声も高いTeam YAMASAと、日韓の強豪チーム・キムチカステラ。先鋒戦、Team YAMASAからは一美使いのタケ。選手。対するはキムチカステラのRangchu選手。使用するキャラクターはカタリーナ。

 日本一固い守りを持つタケ。選手と、鋭い隙を突いてダメージを奪っていくRangchu選手。実力は拮抗し、両者共に2ラウンドを取っていく。最終戦は牽制の撃ち合いでじりじりとした展開が続く。細かく当てていくダメージレースに勝利したのはRangchu選手。

 Rangchu選手を迎え撃つのはフェン使い・ユウ選手。ここも小技を着実に当ててのダメージの奪い合いが続き、両者2ラウンド勝ち取る。派手な展開はないものの、静かながらに熱い高度な読み合いが会場を沸かせている。最終ラウンドも試合中盤までは互角の体力であったが、一瞬の隙をついてフェンにコンボ始動技がヒット。そこからは畳みかけるようなコンボで一気にKOまで持っていきRangchu選手が2連勝。1回のミスで試合が決まってしまう恐ろしい戦いだった。

 後がないTeam YAMASA、大将はスティーブ使い・ノビ選手。勢いに乗っているRangchu選手を相手にする厳しい戦い。しかし、始まってみると、開幕からわずか3秒で怒涛の空中コンボを叩き込むノビ選手。ここから流れを掴んだか、メンバー2人を苦しめたRangchu選手を、快調な勢いで3ラウンドストレート勝利を決める。最初の壁を破壊して、Team YAMASAの快進撃なるか?

 キムチカステラの中堅は、準決勝で圧倒的な強さを見せたジャック使いのノロマ選手。この戦いも開幕からスティーブのコンボが炸裂し、ジャックの体力を4割奪う、良い流れの走り出し。ノロマ選手にプレッシャーをかけ、じわじわと追い込んでいくノビ選手。1ラウンド目の流れを掌握したように思えたが、後半はジャックに攻撃のターンを奪われ一気に畳みかけられてしまい、チャンスの1ラウンド目を落としてしまったノビ選手。

 2ラウンド目以降も一進一退の攻防が続き、最終ラウンドに突入する。負けられない状況のTeam YAMASAだったが、開幕からジャックの空中コンボがヒット、そこから壁コンボまでセットでもらい、一気に勝負を決められてしまった。中堅でTeam YAMASAを抑え込み、優勝に輝いたのはキムチカステラ。

 試合後、グランドファイナルでもっとも活躍を見せたノロマ選手は「仲の良いチームで優勝できて嬉しいです。4月からはTEKKEN World Tour2019もあるので、この勢いのままみんなで頑張れたらと思います」と優勝コメントを残した。

【キムチカステラ対Team YAMASA】

 「鉄拳7」に続き、白熱していた「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」の決勝戦。その舞台に勝ち進んだのは「ちゃんジム」と「適当メインバズーカ」。2セット制のルールでこの2チームがぶつかり合う。使用する機体はちゃんジムのちゃんるい選手はレジェンドガンダム。ぱん選手はトールギスIII。対する適当メインバズーカのラジカル選手はシナンジュ。あじま選手はケルディムガンダム。

 開幕からビームが飛び交うも、全員が流れるように回避する目まぐるしい展開。仲間との連携を上手く駆使し、ケルディムガンダムがトールギスIIIを撃破。戦力ゲージの総コスト6,000。トールギスIIIのコストは3,000なので、早くも半分が削られてしまうちゃんジム。

 すぐさま、ちゃんジムもレジェンドガンダムがシナンジュを落とし、戦力ゲージをイーブンに持っていく。その後はちゃんるい選手のレジェンドガンダムを落とし、コストオーバーにより、レジェンドガンダムは体力僅かで復活。あじま選手がうまく分断に成功し、トールギスIIIを引き付けている間に、ラジカル選手がレジェンドガンダムを再度撃墜し決着。1セット目を取ったのは適当メインバズーカ。

 優勝にリーチがかかる適当メインバズーカだが、ちゃんジムも底力を見せて1セットを取り返す。そして最終戦に突入。この試合も牽制のビームライフルを撃ち合い、互いの出方を伺っていく。僅かなミスを重ねてしまい、最初に撃破されるのはシナンジュ。適当メインバズーカの残り戦力3,000。

 復活したシナンジュがトールギスIIIを落として、戦力を互角に持ち込む。ここからは先は、次に落ちたチームが敗北、または苦しい戦いを強いられる。試合の大詰めでトールギスIIIが覚醒。残り体力の少ないシナンジュを狙い、一気に撃墜。3,000コストのシナンジュが2回落とされて決着。決勝の激闘を制したチームはちゃんジム。

 最後に勝負を決めたちゃんジムのぱん選手は「優勝できて嬉しいです。僕1人でやる気があっても、ガンダムって複数人いないとできないゲームなので、ちゃんるい君が一緒に練習に付き合って頑張ってくれたことに感謝したいです」とチームメイトを称えた。

【ちゃんジムVS適当メインバズーカ】

 この日のファイナルを飾るタイトルは「ストリートファイターV タイプアーケード」。数々の有名選手たちを破り、決勝へと進んだのは、いぶき使いのナリ君選手、ブランカ使いのNISHIKIN選手。どちらも名の知れた強豪プレーヤーだ。

 「ストリートファイターV」の大会では珍しい2ラウンド先取制1セット勝負。油断のできない緊張感のある戦いが予想される。ナリ君選手は自前の使い慣れたアーケードスティックを持参して参戦。

 緊張の1ラウンド目、飛びのアプローチを仕掛けるNISHIKIN選手だが、ナリ君はしっかり上を見て、立ち強キックでクラッシュカウンターを取り、そのままコンボを繋いでいく。体力優勢はナリ君だったが、壁に追い込まれると一気に形勢が逆転。怒涛の攻めで先に1ラウンドを取ったのはNISHIKIN選手。

 早くも後がないナリ君選手。開幕から表裏が読めないめくり攻撃から強力なコンボをブランカに叩き込む。切り返しに投げを狙うNISHIKIN選手だが、ナリ君が鋭い読みで回避し、その隙を突いてスタン状態まで持っていき勝負を決めた。ナリ君選手も負けじと1ラウンドを取り返す。

 そして最終ラウンド。EXゲージの有利はNISHIKIN選手。互いに冷静な立ち回りで、慎重に動いていく。EXの苦無を投げて勝負をしかけたのはナリ君選手。苦無でガードを固め、高速移動の霞駆けで裏回りして強力なコンボをヒットさせる。スタン値も上がりガードをしっかり固めるブランカに、鋭い投げを差し込む。またもスタン状態まで運ばれ、勝負を制したのはナリ君選手。

 優勝したナリ君選手は清々しい笑顔を見せ、「予選から決勝まで運が良くて勝った試合も多かったんですけど、最後はうまく締めれたと思うので、優勝できてよかったです」とコメント。惜しくも優勝を逃したNISHIKIN選手は悔しい様子を見せていた。

【ナリ君選手対NISHIKIN選手】

 すべての大会が終わり表彰式が行なわれた。各タイトルの優勝者、準優勝者には賞状と記念品が贈られた。表彰式の最後に「ストリートファイターV タイプアーケード」で優勝を飾ったナリ君は、「ストリートファイターIVから格闘ゲームを始めたので、Vのアーケードでもこうやって活躍できて嬉しいです。またアーケードの大会などあれば是非参加させてください」と、今の気持ちを語り、半日以上に渡る長い戦いに幕が下りた。

 数々の熱い戦いを魅せてくれた闘神祭は、来年の開催も予定していると告知された。来年の激闘も今から楽しみである。

【表彰式】