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「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」初の日本一の座は埼玉西武ライオンズに!

日本野球機構・斉藤コミッショナー「2019年もやります!」

1月12日 開催

会場:東京・TFT HALL 1000

 一般社団法人日本野球機構(以下、NPB)とKONAMIが共同で開催する「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」の日本一を決定する「e日本シリーズ」が、1月12日に東京・TFT HALL 1000にて開催された。

 「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」は、プレイステーション 4用「実況パワフルプロ野球2018」を使用し、実際のプロ野球チーム12球団がそれぞれeスポーツチームを結成し、それぞれペナントレースを戦い、リーグ代表を決定し日本一の座を賭して戦う、もう1つのプロ野球とも言えるeスポーツのリーグ戦。

このトロフィーを巡って熱い戦いが繰り広げられた
「e日本シリーズ」でのルール
【SMBC e日本シリーズ2018-19 直前スペシャル~プロ野球とeスポーツ36人の挑戦~】

 ペナントレースとリーグ代表決定戦では、セ・リーグが混戦模様となった中から横浜DeNAベイスターズが一歩抜け出し勝ち抜けたのに対して、パ・リーグはリーグ戦で11連勝を含む13勝2敗という圧倒的な強さをみせた埼玉西武ライオンズが日本シリーズに駒を進めていた。

 横浜DeNAベイスターズは、じゃむ~選手、ヒデナガトモ選手、AO選手。埼玉西武ライオンズは、BOW川選手、ミリオン選手、なたでここ選手が出場。日本シリーズでは各選手がそれぞれ3回プレイし、計9回で争われる。延長はあり。

 出場選手で注目は、セ・リーグでは最多打点/最優秀防御率の2冠に輝くAO選手、パ・リーグでは首位打者/最多本塁打/最多打点/最優秀防御率の4冠に輝くなたでここ選手。日本シリーズではこの2人の直接対決が、まさにクライマックスとなる7回から9回にかけて組まれており、いやが上にも盛り上がる構成となっていた。

埼玉西武ライオンズの、なたでここ選手、BOW川選手、ミリオン選手
横浜DeNAベイスターズの、ヒデナガトモ選手、じゃむ~選手、AO選手
なんと、ライオンズの辻 発彦監督と、ベイスターズのアレックス・ラミレス監督がビデオレターを寄せた

 まずは試合直前の選手の調子が確定される段階で、ベイスターズの主砲ソト選手が不調となってしまい、若干ライオンズに分のある展開に。とはいえ、そこは混戦のセ・リーグを勝ち抜いてきたベイスターズ。試合は、まずは両チームともに手堅く押さえる展開で進行。さすがにリーグを勝ち抜いてきた強豪同士ということで、ヒデナガトモ選手もミリオン選手もそつが無い。

 試合が動いたのは3回ウラのライオンズの攻撃。まずは先頭バッターの金子選手が左中間のツーベースで出塁すると、続く炭谷選手のピッチャーゴロの間に3塁に進塁。お膳立てが揃った中で、源田選手の打席の間に、ピッチャー東選手の投球をキャッチャーの伊藤選手が後逸! この時は点が入らなかったのだが、これに動揺したのか、直後に源田選手にスクイズを決められてしまい、ライオンズに先制点を許してしまう。さらに源田選手がセーフとなり塁に残ってしまう……。

 試合前に解説を担当したプレイヤーズゲストのぶんたさんは「ライオンズはミスにつけ込んでくるから、ベイスターズはミスが許されない」と語っていたが、まさにその忠告が的中する形とになった。

 この後も西武の切れ目のない攻撃が続き、源田選手が2塁に盗塁し、浅村選手のショートゴロをエラーする間に1塁3塁とまたスコアリングポジションにランナーを進めてしまう。ここでセカンドゴロの間に2点目が入り、続く山川選手の左中間ツーベースの間に3点目と、ライオンズは容赦なくたたみかけてくる。さらには森選手のフォアボール、最後はだめ押しとばかりに、中村選手がセンターの頭上を越える2点ツーベースを放ち、気付けば5点と大量得点を記録した。

点には結びつかなかったが、ベイスターズ側の伊藤選手の後逸が動揺に繋がったようだ
山川選手の左中間ツーベースで3点目の追加点が入る
だめ押しとも言える中村選手がセンターの頭上を越える2点ツーベース

 ここで選手が替わりベイスターズのじゃむ~選手とBOW川選手がコントローラーを握った。ベイスターズは4回オモテにすかさず1点を返したが、ライオンズも5回ウラに1点返してベイスターズに勢いを与えない。

 6回オモテにベイスターズがさらに1点返し、そのウラのライオンズの攻撃。ライオンズはヒットで出塁した金子侑選手が盗塁で2塁に進塁。もう追加点を1点も与えられないベイスターズにとってはイヤな展開の中、炭谷選手の痛烈なあたりがセンター方面に飛んだ。万事休すか! といった瞬間、石川選手が横っ飛びのファインプレー。この時、金子選手が2塁を飛び出しており、なんとベイスターズはダブルプレーを決め、イヤな流れを断ち切った。石川選手のファインプレーも凄いのだが、やはりその前段階としてじゃむ~選手が選手のフォーメーションを細かく配置していたことが大きかったのだろう。

センターに抜けていると確実に加点されていた場面で、ファインプレーが飛び出しダブルプレーに繋がっていく

 6対2とライオンズの優勝に王手が掛かった段階で、エース対決とも言えるAO選手となたでここ選手にバトンタッチ。2人の対決は、静かながらも一進一退の攻防となったが、両者とも隙が無いため、大量得点に結びつきにくい。ベイスターズは8回に1点を返したが、結果、6対3で初代王者は埼玉西武ライオンズに決定した。

 勝負が決まった瞬間、ライオンズのBOW川選手とミリオン選手、なたでここ選手は抱き合って優勝の喜びを分かち合った。一方、ベイスターズのじゃむ~選手、ヒデナガトモ選手、AO選手は残念そうだったが、とくに3回に大量得点を許してしまったヒデナガトモ選手は泣き崩れていた。

点が入ると喜び合う選手達
優勝の瞬間喜びを爆発させたライオンズの選手達
一方、中央の泣き崩れたヒデナガトモ選手を慰めるベイスターズ選手達
試合終了後はお互いの検討を称え合った

 試合を終えたライオンズのBOW川選手は「ベイスターズは強いので厳しい戦いとなると感じていたが、この3人で乗り切れると思った。調子が出ないときも2人が『僕たちがいるから』と言ってもらって感謝しています」と感極まり涙を流しながら仲間への感謝を口にした。ミリオン選手も「キャプテンが引っ張ってくれた」と語り、なたでここ選手も「BOW川キャプテンは精神的支柱であり大黒柱。試合の前日に部屋を貸してくれて、全員でみっちり練習したり、これがキャプテン!」と称えた。

 一方のベイスターズのじゃむ~選手も試合中独自のスコアブックを手に、選手達と作戦を話し合う姿が見られ、野球ゲームと言えば1人で戦うイメージがあるが、3人のチームで戦う今回のチーム戦ではチームワークが何よりも重要であると感じられた。解説を担当した元プロ野球選手の谷繁元信氏も「野球はやはりチームプレイ」と語り、ぶんたさんも「チームメイトに恵まれてうらやましい」とコメントしていたのが印象的だった。

仲間のために祈るAO選手
タイムをかけて、作戦会議を行なう選手達

 試合終了後の表彰式で、日本野球機構の斉藤 惇コミッショナーは「今回初めて行なった『eBASEBALL パワプロ・プロリーグ』だが、大変盛況で関係各位に心から厚く御礼を申し上げたい」と挨拶。さらには「eスポーツを通して新しい野球の楽しみ方を伝えたい」とし、「より発展させて2019年の開催をさせていただきたいと宣言する」と語り、2019年も開催すると発表した。

 「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」は、野球の戦略はもちろんのこと、「パワプロ」としての選手の動きのクセ、選手の知識など、多方面での知識とテクニック、素早い判断と操作が必要となる。そのどれもが必要であり、そういった意味でも“eスポーツ”を冠するにふさわしいと言える。2019年のシーズンで選手達がどういった戦いを見せてくれるか、いまから楽しみだ。

埼玉西武ライオンズ、優勝おめでとう!
最優秀選手はやはりこの人、優勝の原動力とも言えるなたでここ選手